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2008年7月23日 (水)

アンドラーシュ・シフ

アンドラーシュ・シフの今年春の来日公演から
3月10日に東京オペラシティ・コンサートホールで行われた
ピアノ・リサイタルを BS hi で放送された映像で。
シューマンの蝶々、ベートーヴェンのソナタ「テンペスト」、
そしてシューマンの幻想曲、ここまでが前半らしい。
驚くべき長大なコンサートである。
後半がベートーヴェンのソナタ「ワルトシュタイン」。
発表されていたプログラムはここまでだが、
アンコールにバッハのフランス組曲第5番BWV816、
シューベルトのハンガリーのメロディ D.817、
バッハのイタリア協奏曲BWV971
そしてシューマンのアラベスクハ長調。
バッハはどちらも全曲が演奏されて、びっくりだ!
シフの自在に表情豊かな表現は本当に魅力的で
夢中になって、引き込まれてしまう。
シューマンでは繊細な歌が軽やかに躍動して、
ベートーヴェンでは大胆な振幅が劇的な世界を創りだす。
基本は細やかな表現にこそ、シフの持ち味があり、
でもここでの演奏を聞いているとスケール雄大だし、
音に奥行き、深まり、貫録すら感じられて、
現在のシフは本当にすごい音楽を聞かせてくれると
今さらいうまでもないけれど、改めて偉大なピアニストである。
シューマンの幻想曲は私の大好きな作品なので、
シフの演奏で聞くと喜びはさらにふくらんで、
面白かったのが、シフは第3楽章の最後のところで
第1楽章の終わりをもう一度演奏し、でも響きは少し変えて、
こうした演奏形態ははじめて聞いたのだが、美しいフィナーレである。
シューマンが最初に書いた版に基づくということでたいへんに珍しく、
でもこれが魅力的に響いたのは、やはりシフが弾いているからこそ。
とにかく長い演奏会で、聞きに行った人はたいへんだっただろう。
でもきっと最後まで、あまりの感動で緊張がゆるむことはないし、
どの瞬間にもシフの心のこもった音を感じては、
極上の幸福感だったに違いない。

DVDR010/011

「アンドラーシュ・シフ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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