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2008年8月14日 (木)

ザルツブルク音楽祭2006

20080813

ザルツブルク音楽祭2006で上演された
モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」
ダニエル・ハーディング指揮ウィーンフィルによる演奏で
演出はマルティン・クシェイである。
すべてを真剣に観ていたわけではないのだが、
いくつかの気付いた特長を書き残しておく。
モダンな印象の舞台で演技も都会的に洗練されている。
ドンナ・アンナはドン・ジョヴァンニに抵抗しつつも
抱きつかれると一瞬、恍惚の表情をする。
ドン・ジョヴァンニを探し追ってきたドンナ・エルヴィーラだが、
さんざんドン・ジョヴァンニの悪口を言い、憎しみながら、
会うためにひたすら化粧をして、美しく装っている。
ツェルリーナもこれから結婚しようというのに
ドン・ジョヴァンニを見た途端、花婿のマゼットに
あっちに行けと追いはらうようなふりをして、
トマス・ハンプソンのドン・ジョヴァンニはカッコよすぎて、
この上ない悪党ぶりである。悪魔的な笑みを浮かべて!

でもそれ以上に好きになってしまうのが、
イルデブランド・ダルカンジェロのレポレルロ。
ドン・ジョヴァンニにとことん愛想が尽きて、
悪口も言うし、暇乞いをして、離れたいのだけど、
結局はいつもいうことを聞いてしまって、
最後の瞬間まで、騎士長に地獄に落とされるところまで
ドン・ジョヴァンニのことを気遣っているのはレポレルロ。
ダルカンジェロの軽やかにユーモアにあふれて、
とき力強く、主人であるドン・ジョヴァンニの命令があれば
まるでコピーにでもなったような振る舞いまで…
もちろんハンプソンのドン・ジョヴァンニは圧倒的だが、
ついレポレルロの演技に目が行ってしまう大活躍。

ツェルリーナがドン・ジョヴァンニと浮気しそうになったことを
マゼットに許しを請うて「ぶって、ぶって」と歌う場面で
ツェルリーナはかわいらしいキャラだとよくいわれるけれど、
ここでは「気がすむまで殴りなさいよ!」と逆にマゼットに迫るような
この辺の人物描写も現代的で印象に残る。
ドンナ・エルヴィーラも力強い存在で勇ましく、
メラニー・ディーナーの演技に私はすごく惹かれた。
そしてやはり最後の騎士長の石像の場面が圧倒的迫力。
ドン・ジョヴァンニが少しの恐れもなく立ち向かっていって、
神をも愚弄して、自ら望んで地獄に落ちていくような、
ロバート・ロイドとのやり取りでハンプソンの存在感はさすがだ。

DVDR012/013

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