« 2008年8月 | トップページ | 2008年10月 »

2008年9月30日 (火)

柳家権太楼 「御神酒徳利」

大人気の柳家権太楼を「落語の蔵」で配信されている音源で
江戸東京博物館ホールで収録された二席。

火焔太鼓(2007年12月21日)
御神酒徳利(2008年7月5日)


とにかく爆笑のすごい盛り上がり。
「火焔太鼓」は志ん生さんが有名だし、
「御神酒徳利」も三木助さんや小さん師匠と
名人による録音も残される大ネタだが、
権太楼ワールド全開で絶好調!
「御神酒徳利」は「八百屋の占い」とも呼ばれる
お店に出入りしている八百屋さんが占いをするという
三木助さんや圓生さんの番頭さんが活躍するのとは違って、
思いっきり笑い飛ばす親しみやすい展開が魅力。
それにしてもこのテンションの高さ、本当に独特の存在。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月29日 (月)

五街道雲助 「幾代餅」

この夏、録りためていた落語をDVDに保存。
NHK「日本の話芸」で放送された四席。

柳家小三治:お化け長屋
春風亭小柳枝:酢豆腐
林家木久扇:湯屋番
五街道雲助:幾代餅

さすがNHKということで「日本の話芸」に登場する師匠方は、
大物ばかりですごい顔ぶれである。でもその中でも
私が大好きで今回も夢中に釘づけになってしまったのが、
五街道雲助さん。「幾代餅」が素晴らしい!何ともいいなあ!
「お化け長屋」と「酢豆腐」も季節のお噺で楽しいし、
木久扇さんの枕で戦中、戦後の体験談も
いつもながらじっくり聞いてしまった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月28日 (日)

喬太郎・市馬・歌武蔵

この夏、録りためていた落語をDVDに保存。
TBS「落語研究会」で放送された三席。

柳家喬太郎:お菊の皿
柳亭市馬:猫の災難
三遊亭歌武蔵:たばこの火

いま最も勢いがある噺家三人をセレクトして、
私は大好きで仕方ないのだけど、もうとにかく最高!
今年はやたらと「お菊の皿」を聞いて、ちょっと飽き気味だけど、
でも喬太郎さんで聞くと面白くって面白くって、やめられない…
そして市馬さんの酒飲み噺。描写が上手い!
声のよさは改めていうまでもなく、芸の格調高さ!
そして歌武蔵さん。「たばこの火」というはじめて聞く噺を
今回のトリにもってきたのは、すごく感動的だったので。
枕でご贔屓さんとご祝儀について、相撲と落語で比較。
噺に進んで、紀州で材木の切り出しをしているという旦那、
本当の大金持ちはどのように金を使って、どう遊ぶのか、
何とも気持ちのいい、粋で洒落た噺である。
TBS「落語研究会」は噺家の人選も魅力的だし、
たっぷり充実の高座で素晴らしい番組である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月27日 (土)

バイロイト音楽祭2007

20080927a

バイロイト音楽祭のホームページより
「神々の黄昏」第3幕第1場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「神々の黄昏」。
いよいよ第3幕である。「指環」もこれで完成。
第1場でジークフリートがラインの乙女たちと戯れているシーン。
楽劇「ラインの黄金」の冒頭でラインの乙女たちが
アルベリヒをからかったことにすべてがはじまっているが、
ここでもジークフリートへの不用意な言葉で
指環を取り戻すことはできず、すべての原因は
黄金を守っているラインの乙女たちの愚かさにあるのではないかと
ジークフリートを軽く笑い飛ばす声を聞いて、そう思ってしまうのである。
あと去年も同じことを書いたのだが、ジークフリートのボロボロの衣装、
ここでの登場人物でひとりだけ継ぎ接ぎだらけの服であり、
他の人はみなきちっとした服装で、ジークフリートのこれは
どうしても気になってしまう。それにすごく顔色悪いし。

20080927b_2

こちらは第2場の写真でハーゲンがジークフリートの背を
槍で突き刺すシーン。先日は練習風景の画像を見たが、
今回は本番である。ハーゲンはごつい!迫力。

20080927c

第3場より「ブリュンヒルデの自己犠牲」の場面だが、
上に仏像のようなものが4体見えるが、これは何だろう?
物語的には、ワルハラ城のようにも思うのだが、
多神教世界なので、仏教に飛躍してしまったのか?
この点については、2006年公開の写真では気付かなかった。

20080927d

最後のシーンで仏像が焼けている。
薪の炎がワルハラ城に燃え移るのだが、
まさに多神教の神々の没落を示しているような?
ふたりの子供を連れた夫婦が逃げようとしており、
これも今回はじめて気付いた点で、何なのだろう?
特に意味がないということは考えられないので。
ハーゲンがその様子を覗きこんでいるのも謎…

疑問が残って終わるが、2008年以降の課題ということで
10月は最後の演目となる「パルジファル」を聞こうと思う。

CDR498/499/500/501

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月26日 (金)

バイロイト音楽祭2007

20080926a

バイロイト音楽祭のホームページより
「神々の黄昏」第2幕第4場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「神々の黄昏」。
昨日に続いて第2幕を聞いている。素晴らしい。
合唱団が加わり、最も盛り上がるのが第2幕。
ブリュンヒルデを伴って、グンターが登場してくる第4場。
群衆はそろって祝福するが、ひとり逆らって
ジークフリートは自分の夫であると主張するブリュンヒルデ。
記憶を失っているジークフリートはブリュンヒルデには反応せず、
グンターに改めて潔白の誓いを立てる。

20080926b

こちらは続いて、第5場の舞台写真である。
失意のブリュンヒルデに復讐に力を貸そうと申し出るハーゲン。
すべてはハーゲンの策略であり、謀は順調である。
第2幕の後半、ジークフリートの裏切りに怒り込み上げ、
復讐を決意するブリュンヒルデの毅然とした態度、
リンダ・ワトソンの決して負けない筋の通った歌唱は感動的である。
同時にハンス・ペーター・ケーニヒのハーゲンが迫力で盛り上げ、
緊迫した展開、張りつめた音楽、何て充実しているのだろう!

CDR498/499/500/501

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月25日 (木)

バイロイト音楽祭2007

20080925

バイロイト音楽祭のホームページより
「神々の黄昏」第2幕第2場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「神々の黄昏」。
第2幕を聞きはじめた。第3幕の最初の部分も一緒に準備中。
バイロイトでは「指環」は5年間同じ指揮者が担当するのが基本で
毎年指揮していれば、無駄な表現がなくなってくるし、
特に初年度、新演出では慎重に取り組んでいたのが、
しだいに舞台もスムーズに流れ、要領もよく、少しずつ速くなって、
演奏時間の点では短くなっていくように思うのだが、
ティーレマンの場合にはちょっと違うのか?
2006年は第3幕が79分でCD1枚にギリギリ納まっていたのが、
2007年は80分を超えてしまい、仕方なく今回は、
第3幕の冒頭部分を第2幕の後ろに収録する。
ブーレーズの「パルジファル」のように
30年以上が経過しても全く演奏時間が変わらないような例もあるし、
最後の2005年は多少速めのテンポになって、
その流麗さは極めて印象的であったが、それに対して、
ティーレマンはやはり表現したいことがたくさんあるのだろうと
より多くの想いが込められて、熱っぽい、確実に深みは増している。
2006年は最初の年であったから、もっと淡々と進められていた気がする。
2年目にして、こちらの方が本来のティーレマンの解釈が全開に
そして2008年以降、どう展開されていくのか、それが注目だ。

CDR498/499/500/501

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月24日 (水)

バイロイト音楽祭2007

20080924a

バイロイト音楽祭のホームページより
「神々の黄昏」第1幕第3場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「神々の黄昏」。
今日は第1幕の後半で第2場と第3場を聞いている。
序幕と第1幕は続けて演奏され、2時間弱に及ぶが、
管弦楽による間奏で有名な「ジークフリートのラインへの旅」の後、
第1幕が正直長い。そして今ひとつ劇的な展開に乏しいような。
舞台もギービヒ家となり、新しい登場人物となる
グンター、グートルーネ、ハーゲンと
それまでとは少し雰囲気が変わってしまう。
不思議なぐらいにすぐに打ち解けてしまうジークフリートも変だし、
楽劇「ジークフリート」第3幕でブリュンヒルデと出会ったとき、
ならばなぜ?あんなに激しいショックを受けて
初めてとなる恐怖というものを感じていたのか?
ジークフリートはここで一気に成長しているとはいえ、
人懐っこすぎるし、警戒心もなく、甘すぎる。
ハーゲンの復讐に気付くこともなく、策略にはまり、記憶を失い…
でも今回聞いていて、第2場にすごく充実したものを感じた。
グンターとハーゲンの低声の魅力、その迫力であり、
特にハーゲンのハンス・ペーター・ケーニヒに聞きほれる。

第3場の後半で壮大な音楽(ジークフリートの角笛)とともに
ジークフリートが登場してくるが、その姿はグンターであり、
それに落胆するブリュンヒルデ、その悲劇的な展開、
ここは第1幕でも最大の見せ場である。
画像を見てもジークフリートは隠れ頭巾をかぶり、
グンターの白いスーツを着て、
その情景を岩陰から見守るグンターの姿もある。

20080924b

楽劇「ジークフリート」のエルダのときにも書いたが、
2008年から「パルジファル」のクンドリ役に出演で
藤村実穂子によるワルトラウテも2007年が最後となった。
2004年、2006年、2007年の3年間、この役を歌っていた。

CDR498/499/500/501

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月23日 (火)

バイロイト音楽祭2007

20080923

バイロイト音楽祭のホームページより
「神々の黄昏」第1幕第2場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「神々の黄昏」。
序幕と第1幕の前半は繰り返し聞いてしまった。
第1幕の第2場と第3場をただ今準備中。
画像はギービヒ家にジークフリートが登場する第2場であり、
左からジークフリートのスティーヴン・グールド、
ハーゲンのハンス・ペーター・ケーニヒ、
そしてグンターのラルフ・ルーカスである。

CDR498/499/500/501

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月22日 (月)

バイロイト音楽祭2007

20080922

バイロイト音楽祭のホームページより
「神々の黄昏」序幕の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「神々の黄昏」。
今日は序幕と第1幕の前半で第1場。
クリスティアン・ティーレマンの指揮で
タンクレッド・ドルストの演出による8月1日の上演。

序幕の前半では3人のノルンが神々の運命を予言し、
不吉な展開が待ち受けているその音楽は、
やはり決して晴れることのないモノトーンな色調だが、
それが夜明け(間奏)とともに一気に勢いづいて、
ジークフリートとブリュンヒルデの登場で
力強い推進力により音楽が前面に押し出されてくるところ、
この辺はティーレマンの指揮が圧倒的で感動。
もしかしたら2006年も同じようなことを書いているかもしれない。
ティーレマン独特の聞かせ方なのだと思う。
画像はそのジークフリートとブリュンヒルデの二重唱の場面。

CDR498/499/500/501

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月21日 (日)

バイロイト音楽祭2007

20080921

バイロイト音楽祭のホームページより
「神々の黄昏」第3幕のリハーサル風景
http://www.bayreuther-festspiele.de/

2007年のバイロイト音楽祭から楽劇「神々の黄昏」。
まずは一回通して聞いてみている。
クリスティアン・ティーレマンの指揮で
タンクレッド・ドルストの演出による8月1日の上演。
詳しくはこれからじっくり聞いて、感想など述べていきたい。

画像は第3幕第2場でハーゲンがジークフリートの背に
槍を突き刺す場面での練習風景である。
ジークフリートはスティーヴン・グールド
ハーゲンはハンス・ペーター・ケーニヒ

「バイロイト音楽祭」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年9月20日 (土)

三遊亭兼好 「明烏」

今月、真打に昇進する三遊亭好二郎。
名前も「三遊亭兼好」に変わった。
笑点でおなじみ好楽さんのお弟子さん。
ニフティ寄席で配信されている録音で
「明烏」と「お化け長屋」の二席。
すごくいい。上手い!面白い。
人気若手落語家だが、さすがだ!
テンポもいいし、声もよく通るし、最高!
特に「明烏」の若旦那は大好き。
「お化け長屋」の乱暴者と木兵衛さんのやり取りも絶好調!

三遊亭兼好さんの経歴
1970年生まれ、福島県会津若松市出身
二松学舎大学文学部卒業後、タウン誌記者などを経て
1998年 三遊亭好楽に入門。前座名は好作。
2002年 二ツ目に昇進し、好二郎と改名。
2006年 「にっかん飛切落語会」若手落語家表彰努力賞受賞。
2007年 「にっかん飛切落語会」で奨励賞を受賞。
2008年秋に真打昇進。兼好に改名。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月19日 (金)

ホルスト・シュタイン 2

7月27日に80歳で亡くなったホルスト・シュタイン。
追悼番組からN響を指揮した1990年代の演奏。
第1302回N響定期公演から
ベートーヴェンの交響曲第7番
(1996年10月17日 NHKホール)
そして第1344回N響定期公演から
シベリウスの交響曲第7番
(1998年2月12日 NHKホール)
1996年のベートーヴェンは全体に穏やかに進んで
まさに巨匠風といった雄大な演奏である。
終楽章などもゆったりとしたテンポで
しかしそれゆえに細部まできれいに聞こえて
当時が懐かしく思い出される映像だ。
そして1998年のシベリウスがとにかく感動的で
この年の来日が最後の共演となったそうだが、
N響での最後の指揮はこの後、第1345回定期公演
「パルジファル」第3幕(演奏会形式)だそうである。
シベリウスはやはり丁寧にその歩みは職人芸の域であり、
隅々にまで強い想いが込められて、
何というか、その力に圧倒されるという
魂を揺さぶられずにはいられない、これは名演だと思う。
N響を指揮した音源は数多く残されていると思うので
機会があったら、ぜひ聞かせてもらえないだろうか。

DVDR023

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月18日 (木)

ルツェルン音楽祭2007

つい先日BS2で放送されたルツェルン音楽祭2007からの
クラウディオ・アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団のコンサート。
マーラーの交響曲第3番(2007年8月18,19日収録)。
この演奏ははじめてでなく、再放送となるのだが、
もちろん今回はデジタル放送からの録画で品質は向上!
アバドのマーラー第3番は改めていうまでもなく最高の名演だが、
1990年代後半のベルリンフィルとの録音や他の作品においても
一時期の非常に引き締まって、淡白なまでに透明で純粋な響きをさせていた
ベルリンフィルとの活動後期の演奏と比べ、早くも十年が経過しようとして、
現在のアバドは少しゆったり構え、音楽をますます豊かにのびやかに響かせ、
歌わせ方においてもさらに自由度が増しているように感じられる。
コーリャ・ブラッハーのソロが絶品で全体に究極の名人芸の集合体。
この第3番の交響曲は本当に何て素晴らしい作品なのだろう。
何度聞いても感動的だし、この美しい情景、他に代わる音楽は見つからない。
改めて1980年のウィーンフィルとの録音が聞いてみたくなった。何となく。
今度出してみよう。久しぶりに聞くと発見がありそうだ。

DVDR022

「クラウディオ・アバド」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月17日 (水)

管理建築士講習会

今日は管理建築士講習会に出席。
今年の建築士法改正により建築士事務所を管理する
「管理建築士」が資格化、登録制となった。
管理建築士として登録されるには、
指定の講習を受講し、修了考査に合格しなければならない。
朝から、午前中90分、午後210分の講義、
そして最後に60分の試験があって、疲れた…
神奈川県では今日が第1回の講習会で
他県でもまだ終わっていないところがたくさんあると思うので
内容については、ここで報告することはできないのだが、
午前は法律、午後は建築の品質管理について。
これから受験される方で情報収集しようと思っている人も
中にはいるかもしれないけれど、試験問題は
何パターンも用意されているみたいで
問題の内容については、あまり詮索されないように!
むしろまじめに真剣に講習を受けられることをお勧めします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月16日 (火)

ベルリンフィル2006/2007

先日BS2で放送されたベルリンフィルの
昨年のヨーロッパ・コンサート。指揮はサイモン・ラトル。
いろいろな都市を巡ってきたが、2007年はベルリンに戻ってきて、
オーバーシュプレー・ケーブル工場という特設の会場である。
ワーグナーの「パルジファル」前奏曲にはじまり、
ブラームスの二重協奏曲と交響曲第4番。
二重協奏曲ではリサ・バティアシヴィリとトルルス・モルクが出演。
音響的には厳しそうな会場だが、しかし印象は非常に素晴らしく、
プログラムも本格的で渋いし、ラトルを聞ける貴重な音源だ。
「パルジファル」は明るい響きで、柔らかさと繊細さを丁寧に表現し、
ラトルの「パルジファル」はこういう仕上がりなのだろう。
ブラームスもすごくいい。心のこもったラトルの想いが伝わる演奏で
やはり細やかな表現にまで、じっくり描き込まれているし、
これは感動的である。濃厚な表情付けがなされているのだが、
ラトルは響きのバランスに極めて慎重な姿勢をとり
音楽としては豊かなのだが、スッキリ見通しよく聞こえてくるという
これはラトル独特のスタイルで、私は好きである。
近くブラームスの交響曲全集が完成すると思うので、
楽しみに待っているのだが、引き続き、このスタイルでいくのか?
ラトルはさらに新しい結論を導き出すのか?
でも何となく、ラトルは少し落ち着いてきているような印象もあり、
最近はますます広がりと深まりが表れてきているのではないだろうか。
バーミンガムの終わりの頃やベルリンとの最初の時期には、
明らかに面白い表面的効果をアイデア満載で形にしていたが、
今ではそういう段階は通りこして、より成熟の時代に入っているようである。

DVDR021

「サイモン・ラトル」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月15日 (月)

ホルスト・シュタイン

7月27日に80歳で亡くなったホルスト・シュタイン。
追悼番組からN響を指揮した1980年代の演奏。
ワーグナーの歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
そして第3幕から水夫の合唱「見張りをやめろ、かじ取りよ」
歌劇「タンホイザー」から序曲とバッカナール
(1983年3月9日 NHKホール)
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
(1980年2月20日 NHKホール)
ドヴォルザークの交響曲第8番ト長調作品88
(1987年11月18日 NHKホール)
角がとれて、穏やかな響きが心地よいのだけど、
改めて聞くとホルスト・シュタインの音って、すごくきれいである。
特に感動的なのが「マイスタージンガー」前奏曲。
コンサートで管弦楽作品として仕上がっていることも多いのだが、
シュタインの指揮で聞くとこの後に来る楽劇の情景が浮かぶようで
それは前奏曲の中に集約されているあらゆる主導動機が
いきいきと物語を語っているのであり、さすがとしかいいようがない。
「マイスタージンガー」の舞台を知って指揮しているのと
コンサートの序曲として指揮しているのでは、こうまで違うものかと。
「タンホイザー」序曲も細部を入念に描き出しているところ
ワーグナーを知り尽くしているホルスト・シュタインならではの充実感。
ドヴォルザークも最高だ。シュタインは職人派といわれるけれど、
暖かみのある音色で美しい音楽を丁寧に創り上げていき、
魅力いっぱいに歌い込まれて、これは名演である。

DVD020

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月14日 (日)

クリーブランド管弦楽団2006/2007

先日BShiで放送されたクリーブランド管弦楽団の演奏会。
フランツ・ウェルザー・メストの指揮によるブルックナーの交響曲第5番。
リンツの聖フローリアン修道院で収録された2006年9月12-13日の演奏。
これが素晴らしい。圧倒的輝きと透明感に引き込まれる。
私はこのブルックナーは好きだ。さすがにメスト!
何よりも録音が優秀。会場の空気を実に豊かにとらえている。
メストの指揮だし、クリーブランドなので、非常にスッキリと
しかし有名な聖フローリアン修道院でその空間における残響の広がり、
これはメストの見通しのよい明瞭な解釈ゆえに実に効果的なのである。
ブルックナーの交響曲第5番は、もっと渋い音色の演奏が多くて、
このメストのは、これまで聞いてきた中でも最も明るい色合いで
でもそれがいいと思うので、こういうブルックナーもぜひ聞きたい!

DVD018

「フランツ・ウェルザー・メスト」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月13日 (土)

カラヤンの1960年代 10

カラヤン指揮ベルリンフィルによる
ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」。
先日BShiで放送された1968年1,2月の映像である。
1962年10月のレコード録音は非常に感動的なのだが、
それから数年後に映像収録されたこちらの演奏はというと
やはり映像が中心なのか、音にあまり深みが感じられず、
ある意味、関心が映像に行けばますますそうなるのだけど
表面的に要所のみ決めているような
何となく残念な印象である。
かなり気合の入っている演奏なのになぜだろう…
カラヤンにとってもここでは何といっても映像がすべてであり、
集中力は充実していても音に対する思い入れはあまり感じられない。
録音状態に関してはかなり良好で満足の仕上がりだが、
音楽的な意味での音に関しては、制作者の配慮が足りないような。
それか基本的に私と好みが合わないということだろう。

DVD017

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月12日 (金)

白樺湖・車山・霧ヶ峰

両親が行こう!行こう!って、
ずっと楽しみにしていたのだが、
8月の下旬から天候が不順で
予定もなかなかあわず、
天気がいいのは今日しかない、
そして来週は予定が忙しいということで、
夏の終わりの信州に行ってきた。

20080912a

上諏訪から上って行って、最初に白樺湖。
太陽は熱く照りつけているのだが、
空気は冷たく、乾燥して爽やか。21℃。

20080912b

霧ヶ峰方面に向かって、車山へ。
車山の登山道から霧ヶ峰を一望できる。
自動車道が見えるが、これがビーナスライン。

20080912c

車山の山頂にある気象観測所。
1999年に完成したそうで、
私が前にここに来たのは大学生の頃だから、
以前はなかった。考えてみると15年ぶり?

20080912d

観測所の横にある山頂の神社。
何となく、こちらの方が本当の山頂のような気がするのだけど、
こういうのは日本人的発想か?

20080912e

今日はいい天気で絶好の青空。
乾燥しているからか、空気が澄み切っている。
でも雲が流れて、もう秋の空なのか?

20080912f

その後、岡谷に下りて、
母が昔、子供頃に半年ぐらい岡谷にいたことがあったということで
記憶に残っているという日蓮宗身延別院の立正閣というお寺。
今回は地図できちんと調べて行ったので、見つけることができた。
山の上にあって、諏訪湖を見下ろせたそうだが、
もちろん今も何も視界を妨げるものはなく健在である。
その山の裏手には、現在では長野自動車が通っている。

20080912g

諏訪湖の湖畔に下りて、下諏訪にある
伊東豊雄の設計による諏訪湖博物館・赤彦記念館。
何となくこの辺に来るといつも通ってしまう。
もう何度も来ているのだけど、変わっていなかった。

20080912h

最初に来たのは、大学生のときで
当時はまだ伊東豊雄の最新作という印象だったが、
そのときから私の大好きな作品になり、
やっぱり今見てもすごくいい。
舟をイメージしているのだが、この自由な曲線、
風景に溶け込んで、後ろの山並みとの関係が何ともいいのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月11日 (木)

カラヤンの1960年代 9

カラヤン指揮ベルリンフィルによるシューベルトの交響曲。
交響曲第8番「未完成」(1964年10月27日)
交響曲第9番「グレイト」(1968年9月24,26,30日)
カラヤンは1978年に交響曲全集を完成させているが、
こちらは1960年代の録音であり、
この時期に取り上げたシューベルトの交響曲は
これですべてであろうと思われる。
カラヤンの「未完成」は非常に素晴らしい。
引き締まった響きが格調高く、緊張感ある音楽が美しい。
「グレイト」では、カラヤン・スタイルの流麗な表現が
しだいに姿を現しはじめているが、
まだたっぷりと重厚な音色を聞かせて
その点では少し中途半端に終わっている印象もあるか。
シューベルト独特の旋律を感情込めて歌うわけでもないし、
勢いがあって、駆け足で通り過ぎていくようなところは、
今日の感覚からするとちょっと粗雑で乱暴な気もする。
カラヤンはあまりシューベルトには思い入れないのか?
なんて思ってしまうのだが、活気あふれる発散傾向のシューベルト。
「グレイト」は演奏によっては、とにかく長大になることもあるのだが、
カラヤンは凡庸な仕上がりにならないよう(繰り返しは省略)
ひたすらコンパクトにまとめ上げているので
これも一つの方向性であり、結論は示されているとは思う。
でもベルリンフィルの音色はすごく魅力的でやっぱりいいかも。

DG WEB SHOP CDR497

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月10日 (水)

ウォルフの歌曲 6

ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウのバリトン
ダニエル・バレンボイムのピアノでウォルフの歌曲を聞いている。
今日はゲーテ歌曲集からその後半の21曲。
さらにハイネ、シェイクスピア、バイロンの4つの詩による歌曲集
ミケランジェロの3つの詩による歌曲集

ゲーテ歌曲集から
羊飼い (1888.11.4)
新しいアマディス (1889.2.5)
花の挨拶 (1888.12.31)
似たもの同士 (1888.11.6)
めぐり来る春 (1888.12.21)
アナクレオンの墓 (1888.11.4)
パリアへの感謝 (1888.11.9)
王の祈り (1889.1.7)
現象 (1889.1.19)
創造と生命を与えること (1889.1.21)
コーランが永遠のものならば (1889.1.17)
酒を飲んで酔うことが肝心 (1889.1.18)
しらふでいる限り (1889.1.16)
夜明けの酒場は (1889.1.16)
盗みは出来心にあらず (1889.1.21)
その夢の意味はこうなのです (1889.1.24)
ためらうことなどありましょうか (1889.1.26)
恋人よ、おいで (1889.1.25)
どうしてぼくは明るい気持ちでいられよう (1889.1.23)
私があなたのことを思っていると (1889.1.25)
あなたの巻き髪で私を豊かに包んで欲しい (1889.1.29)

ハイネ、シェイクスピア、バイロンの4つの詩による歌曲集
旅に疲れ果てたものがたどり着く (1888.1.24) Heine
ロバになったポトムの歌 (1889.5.11) Shakespeare
眠られぬものの太陽 (1896.12.29-31) Byron
すべての美しいものにまさって (1896.12.18-25) Byron

ミケランジェロの3つの詩による歌曲集
しばしば私は考える (1897.3.18)
この世に生を享けたものはすべて滅びる (1897.3.20)
私の魂は、私を創った神の憧れの光を感じる (1897.3.22-28)

絶妙に渋い作品であり、何ともいえなく興味ひかれる。
一般に有名な曲って、もう見つからないけれど、
でも聞けば聞くほど感動的で何て素晴らしい!
繰り返し書いているが、バレンボイムのピアノが絶品。
フィッシャー・ディースカウも全盛期の圧倒的説得力で
今さらいうまでもなく、しかし膨大な作品を歌っている。
どうやってこれだけ幅広く吸収するのだろう?

iTunes CDR495/496

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 9日 (火)

ウォルフの歌曲 5

ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウのバリトン
ダニエル・バレンボイムのピアノでウォルフの歌曲を聞いている。
今日はゲーテ歌曲集からその前半で19曲。

竪琴弾きの歌Ⅰ「孤独にふける者は」 (1888.10.27)
竪琴弾きの歌Ⅱ「家々の門辺に歩み寄って」 (1888.10.29)
竪琴弾きの歌Ⅲ「涙を流しながらパンを食べたことのない者」 (1888.10.30)
諷刺の歌 (1888.11.2)
歌びと (1888.12.14)
ねずみ取りの男 (1888.11.6)
騎士クルトの嫁探しの旅 (1888.12.9)
善人夫婦 (1888.11.28)
コフタの歌Ⅰ「学者に論じさせよ」 (1888.12.28)
コフタの歌Ⅱ「さあ、私の忠告を聞き給え」 (1888.12.28)
ぶしつけで愉快Ⅰ「おなごと仲良く」 (1888.11.14)
ぶしつけで愉快Ⅱ「愛の苦しみは私の心を寄せ付けない」 (1889.2.2)
反省 (1888.12.30)
プロメテウス (1889.1.2)
ガニュメート (1888.1.11)
人間性の限界 (1889.1.9)
エピファニアス 主顕祭 (1888.12.27)
聖ネポムク祭前夜 (1888.11.15)
天才的な行い (1889.2.10)

ウォルフのゲーテ歌曲集は結構聞いているはずなのだが、
こうしてまとめてきちんと聞くとそれほど馴染みはなく、
でもその音楽はというと聞けば聞くほど味わい深い。
メーリケ歌曲集も偉大な作品だが、ゲーテ歌曲集はさらに好きである。
バレンボイムのピアノが本当に素晴らしくて、
こんなにたくさん聞いていられるなんて、なんて幸せなことだろう。

iTunes CDR495/496

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 8日 (月)

カラヤンの1980年代 29

カラヤン指揮ベルリンフィルによるブラームスで
交響曲第3番と第4番。全集はこれで完成。
1988年10月の演奏でカラヤン最晩年の録音である。
交響曲第3番が特に素晴らしい。
カラヤン独特の流麗な表現が冴えわたり、
大袈裟にならない引き締まった部分がこの作品にふさわしい。
隅々にまで細やかな配慮が行き届き、
集中力の充実でもカラヤン全盛期の名演を思わせる。
一方で交響曲第4番は、感情のこもった表現が美しく、
そうした部分には非常に大きな感動をおぼえ、
しかし同時にカラヤンは雄大にたっぷり音楽を聞かせて、
どこを目指したのだろう?という、少しまとまらない印象も。
交響曲第4番における複雑な書法を鮮やかに聞くのであれば、
やはり1970年代の圧倒的完成度は究極の存在である。
ここではカラヤンの指示もあったのだろうが、
ベルリンフィルはより濃密な想いを演奏にぶつけているのであり、
巨匠が最後に到達した境地がうかがい知れる。

DG WEB SHOP CDR494

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 7日 (日)

カラヤンの1980年代 28

カラヤン指揮ベルリンフィルによるブラームスで
ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲(1983年2月)
そして交響曲第2番(1986年6月)
二重協奏曲ではムターとアントニオ・メネゼスという
カラヤンお気に入りの若手が登場しているが、
巨匠風な響きを聞かせるオーケストラで
全体に落ち着きと貫録で満たされている。
ゆったりと聞かせるところなど、少し年寄りくさい印象か…
交響曲第2番も第1番の名演に比べると
緊張感はそれほどでもなく、1970年代の集中力を思っても
ここでは明らかに穏やかでリラックスした空気に満たされている。
カラヤンも歳にはかなわなかったのかって…
しかし悠然とした広がりがひたすら感動を呼ぶのは間違いなく、
演奏としてはもちろん名演であることは疑いないし、
晩年のカラヤンだからこその豊かな表現も魅力的なのである。
でもブラームスも最近では、ずいぶんしなやかな音色で聞けることが多く、
やはりカラヤンの演奏は、基本は重厚な音作りであり、
特に晩年の演奏では、流麗さが後退している部分で腰が低く、
より低音が強調されて聞こえてくる傾向もあるといえるか。

DG WEB SHOP CDR493

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 6日 (土)

カラヤンの1980年代 27

昨日のドイツ・レクイエムに続いて
カラヤンのブラームスを聞いていく。
交響曲や協奏曲はベルリンフィルの演奏である。
最初に悲劇的序曲(1983年2月)
そして交響曲第1番(1987年1月)
悲劇的序曲から圧倒的に素晴らしいのだが、
中間部でゆったりと歌うところなど
いかにも巨匠風な雄大さであり、
どうもそういうのは、カラヤンには似合わないって
私などは思うのだが、1980年代で晩年のスタイルである。
しかし交響曲第1番は、さすがにカラヤンのは名盤として有名だけど、
気迫、迫力、緊張感も充実し、重厚な響き、濃密な音楽、
何から何までもが理想で、とにかく感動的だ。
やはりカラヤンのこの演奏は、究極なのかもしれない。
フィナーレは恐るべき壮大な広がりを築くのだけど、
最後まで決して集中力が途切れることはなく、
最晩年のカラヤンが時折見せた奇跡のひとつがこれである。

DG WEB SHOP CDR492

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 5日 (金)

カラヤンの1980年代 26

先日の歌劇「トゥーランドット」に続いて、
カラヤンがウィーンフィルを指揮した演奏。
ブラームスのドイツ・レクイエム(1983年5月4-8日録音)
1976年の演奏(ベルリンフィル)でも同様のことを感じるのだが、
カラヤンのドイツ・レクイエムは非常に明るい響きで
あまり深刻になりすぎず、ほどよく軽やかに流れる印象。
穏やかな響きが聞き取れると、集中力に関しては、
もう少し強い緊張感、求心力ある厳粛な音色がほしいところだけど
しかし後半に行くにつれ盛り上がっていき、
壮大な感動へと導かれていく点では
やはりさすがにカラヤンであるとしかいいようがない。

DG WEB SHOP CDR491

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 4日 (木)

第1408回N響定期公演

朝比奈隆の指揮による2000年5月のN響定期公演から
5月25日NHKホールにおける演奏会。
ブルックナーの交響曲第9番(ハース版)である。
今日聞いているのは、FM生中継を録音したもの。
この演奏も朝比奈隆の晩年のものだが、
その後さらに本当に最晩年の演奏では、
もう少しシンプルになって、より無駄を排除して
テンポも速かったという印象が私の中ではあるのだが、
この2000年5月の演奏では、かなりゆったりとした歩みで
指揮者の解釈はもちろんのこと、演奏者のひとりひとりにまで
とにかく音楽を丁寧に大切に扱っているということを強く感じさせられる。
チェリビダッケのような幽玄の世界ではないが、
細部をじっくりと豊かに歌い上げていくところでは、
ジュリーニの演奏を思い浮かべてしまう。
朝比奈隆の解釈はいつも厳格な姿勢を守っているので
ジュリーニのブルックナーとは方向性が違っていると思うのだが、
でもこの頃の演奏では、暖かみのある歌心にあふれて、
各奏者もたっぷり表情付けをほどこし、独特の印象である。
この後11月には、朝比奈隆は第4番の交響曲を指揮しているので
近くそちらも聞いてみたいと思っている。

CDR490

「朝比奈隆」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 3日 (水)

第1408回N響定期公演

カラヤンと同じ今年生誕100年を迎えた朝比奈隆。
それを記念して、7月にBS2で特集番組が放送されたのだが、
そこで第1408回N響定期公演を録画したのだけど、
確認してみたところ、これが不調で、音飛びが多数発生!
デジタル放送はこういうことはないのかと思っていたのだが、
前にも一回だけ、そういうことがあって、なかなか完璧とはいかない。
まずNHKに確認したところ、放送側では問題は報告されておらず、
あくまでも受信状況に問題があるらしい。
我が家はスカパー!光なので、衛星からの受信信号を
光回線を通して配信されてくるのだが、
それで今度はスカパー!光に確認してみた。
大型の機器で集中して受信しているので
各家庭で個別に受信するよりははるかに高性能らしい。
でもやはり天候や様々な条件で完璧とはいかないとのこと。
ひとつ今日は、より高精度の信号を受信するための配線方法を教えてもらった。
今まではスカパーのガイドに載っているイラストの通りに配線していたのだが、
説明を聞くともっとよい配線の順番があり、早速その方法に変えてみた。
どうなるか?結果が出るのはこれからだけど。

第1408回N響定期公演はFM生中継を録音してあり、
比較的よい状態で聞けるので、改めてCD化することにした。
この朝比奈隆指揮によるブルックナーの交響曲第9番は、
CDやDVDも販売されており、お聞きになっている方も多いだろう。

DVDR016

「朝比奈隆」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 2日 (火)

カラヤンの1980年代 25

カラヤンがウィーンフィルを指揮した録音で
プッチーニの歌劇「トゥーランドット」(1981年5月録音)
まず「トゥーランドット」はとにかく素晴らしい音楽で
プッチーニのかなり斬新な音色に陶酔せずにはいられないのだけど
特に弱音を中心とする場面でカラヤンは恐るべき精妙な響きをさせて、
さすがにこだわりの偉大な芸術の完成がここにはあり、感動的である。
でもこのときから早いものですでに30年近くが経過しようとしているわけであり、
現在の感覚からするとカラヤンはやはり重厚な音を引き出していたのだと
全体に壮大な広がりを感じるし、ゆったりとした流れは巨匠の芸といったところか。
プッチーニの作品は、普段そんなには聞かないので
正直あまり詳しくないのだけど、アントニオ・パッパーノとかは
もっと切れのよい響きを聞かせるし、「トゥーランドット」はぜひ聞いてみたく、
バイエルンでドイツの歌劇場になってしまうけれど
例えばケント・ナガノだったなら、どんな響きを聞かせるのか?
なんて考えてみたら、興味は尽きない。
ファビオ・ルイージは以前からプッチーニを指揮しているが、
ドレスデンではR.シュトラウスやワーグナーなどドイツ物が多くて、
プッチーニは取り上げていないのか?どうなのだろう。

カラフをドミンゴが歌って、もちろん最高のキャストということだけど
すごく有名になってしまった「誰も寝てはならぬ」などは
パヴァロッティの方が甘い歌声で何となくいいか?
ドミンゴの方が全体とのバランスはよくって、突出しすぎない点で
その辺はカラヤンの意図が反映されているのか?
やはりカラヤンの影響力は絶大で、すべてはカラヤンを中心に
指揮者の存在を強く感じさせる演奏である。

DG 423 855-2

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 1日 (月)

ヒトラー 最期の12日間

1_2  3

金曜日にBShiの衛星名画劇場で放送された
「ヒトラー 最期の12日間 DER UNTERGANG」
2時間半に及ぶ長い映画なので、録画して
土曜日の朝と今晩とでわけて観たのだが、
すごくいい映画だった。いいといっても…
感動作なんてものではなく、とにかく重い。
戦争の悲惨さ、ベルリン陥落で追い詰められた人間の悲劇。
戦争に負けるとは、どういうことを意味するのか。
もちろん演出はあると思うが、ドキュメントを見ているようなリアルな感覚、
歴史を知る上では重要な作品。受け止めなくてはならない人類の負の遺産。
1945年という同じとき、日本もまたドイツと同じ状況下にあったわけで、
この悲惨な情景が日本であったなら、とても見ていられない。
あまりにも残酷で壮絶な戦場のシーンにショックである。
他の国の歴史ということでまだ客観的に受け止めることができる。
ドイツ人の手によって、この作品がつくられたということに
我々が考える以上に特別な意味が込められているのだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年8月 | トップページ | 2008年10月 »