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2008年10月15日 (水)

エクサン・プロバンス音楽祭2004

エクサン・プロバンス音楽祭2004で上演された
プロコフィエフの歌劇「3つのオレンジへの恋」
トゥガン・ソヒエフ指揮マーラー室内管弦楽団
(2004年7月 エクサン・プロバンス 大司教館劇場)

まずトゥガン・ソヒエフの指揮が圧倒的に素晴らしい。
いきいきと音楽が躍動して、響きはしなやか。
フィリップ・カルヴァリオの演出は派手に色彩的で
「3つのオレンジへの恋」って何て楽しいのだろう。
すごく親しみを感じた。なぜ?って考えてみたのだけど、
憂鬱の王子はオレンジに恋をして、というところ
落語の「千両みかん」ではないか。
若旦那が恋煩いで寝込んでしまい、
なんと相手は紀州の甘いみかんだったのだ。 
こちらでは、憂鬱の王子が魔女ファタ・モルガーナを笑ったために
3つのオレンジに恋をする魔法をかけられてしまう。
それで王子は、王である父を捨て、国を捨て、
オレンジを探す旅に出てしまうのだ。
そこで王子のお供をして旅をする
道化師のトゥルファルディーノがまるで幇間。
幇間とは太鼓持ちのことで男芸者である。
軽々しく、先のことを考えないお調子者。
何かこの滑稽さは落語に通ずる。

またここで面白いのが、幼く憂鬱だった王子が、
オレンジを探す旅に出ると急成長して、立派に振舞い、
こういうところ、まるでジークフリートである。
冒険に出て、大活躍するというところ、
そしてその結果として愛する妻を得るという展開、
楽劇「ジークフリート」と重なってしまう。
こういう発想をする人は、あまりいないか…
でもイメージしやすく、話が入ってきやすいのである。
魔術師チェリーはオレンジを持っている女料理人の恐ろしさを
いろいろと教えるが、恋している王子は恐れを知らない。
恐れを知らない愚かな英雄といえば、ジークフリートである。
オレンジの皮を剥くと王女(ニネッタ)が登場して、
水を飲ましてやると元気を取り戻し、王子と結ばれるという。
様々な形で魔法が絡んでくるというのが面白さだが、
これはたいへん魅力的なオペラである。
観れば観るほど引き込まれていく。
原作はイタリアのカルロ・ゴッツィの作品で
プロコフィエフはそのロシア語翻訳を元に台本を作成して、
アメリカで作曲、シカゴで初演されたそうだ。

DVDR030

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