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2008年11月29日 (土)

ベルナルト・ハイティンク 4

ベルナルト・ハイティンク指揮バイエルン放送交響楽団による
ワーグナーの「ニーベルングの指環」より楽劇「神々の黄昏」
1991年11月 ミュンヘンのヘルクレスザールで収録

「指環」の全体を通してそうだったのだが、
やはり非常に引き締まった演奏で、シンフォニック!
舞台があって、歌手たちが演じて、そこから生まれる奥行き、
そうした臨場感、演劇性とは違う次元で
この完成度、密度の高さというのは、独特であると思う。
響きのバランスが徹底的にコントロールされており、
見事な調和、一貫性が創造されている。
細部へのこだわりや細かい表情付けにまで
「神々の黄昏」はこれまででも特に充実している。
序幕から第1幕へと長大な空間が展開されるが、やっぱり精妙だ。
もう何というか、完璧だと思う。思えばちょっと忘れていた感覚。
というのは、ずっとバイロイトのライブ音源ばかり聞いているので、
動きのある物語性、劇場の迫力にすっかり慣れてしまい、
こうした完成度による緻密で透明な「指環」は久しぶりだ。
でもレヴァインは根っからの劇場型だし、バレンボイムはバイロイト録音だし、
ドホナーニ盤が出ていればこだわりに満ちていたかもしれないが、
ハイティンクの演奏はある意味、非常に貴重な存在といえるのかもしれない。

第2幕第1場のアルベリヒ(テオ・アダム)が
ハーゲン(ジョン・トムリンソン)に夢の中で語りかける場面、
私はここが大好きなのだが、やっぱり今回も素晴らしい。
そしてその後の合唱団が登場して盛り上がるところ、圧巻である!
面白いのが、グンターをトマス・ハンプソンが歌っていて、
これもイメージ的にどうなのかな?とは思うのだが、
もちろん歌としては聞き応えあって、注目である。
でも今ならば、悪に徹して、ハーゲンを聞いてみたいような。
序幕に戻るのだが、3人のノルンの配役について
第1のノルンがヤルト・ファン・ネス、
第2のノルンがアンネ・ゾフィー・フォン・オッター
第3のノルンがジェーン・イーグレンでなんと豪華な顔ぶれ。
当時はまだ新鋭の扱いだったのかもしれないけれど、
その後のスターぶりは周知の通りでこれもまた話題性。

第3幕ももはやこの感動には言葉は用をなさない。
ハイティンクの「指環」はその魅力はなんとなく想像はしていたので、
これまで大切にとってあったのだが、しかしここまでの名演だとは。
年末にバイロイトの放送で「指環」をもう一度聞くとは思うのだが、
その前に充実の演奏で楽しませてもらった。感謝である。

EMI 5 19479 2

「ベルナルト・ハイティンク」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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