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2009年4月 5日 (日)

オトマール・スウィトナー 11

先月BS2で放送されたドキュメンタリーで
「父の音楽~指揮者スウィトナーの人生」(2007)
オトマール・スウィトナーの現在を伝える貴重な映像である。
スウィトナーというとドレスデン、東ベルリンと
長く東ドイツで活躍してきたわけだが、
西ベルリンには愛人と息子が生活していて、
東西を行き来して、二重の生活をしていたそうなのである。
このドキュメンタリーはその息子である
イーゴル・ハイツマンが制作したもの。
そういうふうに書くと何だか複雑な人間模様のようだが、
決してそうではなくて、スウィトナーという人は、
我々がもっているイメージどおりに非常に誠実な人で
公私ともに音楽家を支えてきた妻の存在と
自由に会えなくとも深い愛情でつながっていた愛人と息子
この両者を実に大切にして、東西ドイツの統一後には
彼らの生活にも新しい時代を迎え、現在では家族として
幸福な時間を共有しているというそうした内容なのである。
当時のスウィトナーは知らぬ間に引退生活に入ってしまったのだが、
パーキンソン病による手の震えが原因で、それは現在ではよく知られ、
1990年にはベルリン国立歌劇場の音楽監督を辞任。
このドキュメンタリーでも自ら語っているように
指揮棒が持てなくなったら、オペラは振れないと
指揮台を下りてしまったのである。
その決意は固かったようで、今回17年ぶりになるのか
息子のためにということでベルリン国立歌劇場管弦楽団を久々に指揮した。
モーツァルトの交響曲第39番やシュトラウスのポルカ・マズルカ「とんぼ」、
そしてシューベルトの「ロザムンデ」間奏曲。とにかく感動した。
オーケストラを指揮しはじめると昔と少しも変わらない独特の姿がよみがえり、
音楽への理解、解釈も健在にブランクを感じさせないのである。
驚いたのが、当時主席ホルン奏者を務めていたセバスティアン・ヴァイグレが
スウィトナーとの共演のために演奏に参加していたのだ。
1960年代にバイロイト音楽祭で名声を築いたオトマール・スウィトナーと
現在バイロイトで活躍中のセバスティアン・ヴァイグレが
同じ音楽の舞台を共有しているという不思議なつながりである。
素晴らしいドキュメンタリーだった。懐かしい想いがあふれ出るように。
今年で87歳になると思われるが、いつまでも長生きしていただきたい。

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