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2009年8月 6日 (木)

チューリヒ歌劇場2007/2008

20090806a_2

チューリヒ歌劇場のホームページより
歌劇「カルメン」第3幕の舞台写真である。
カルメンのヴェッセリーナ・カサロヴァ
http://www.opernhaus.ch

BShiで放送されたチューリヒ歌劇場の歌劇「カルメン」。
フランツ・ウェルザー・メストの指揮で
ヴェッセリーナ・カサロヴァがカルメン、
ヨナス・カウフマンがドン・ホセを演じるという注目の公演。
演出はマティアス・ハルトマン。
2008年6月26日、28日、7月1日に収録。
シンプルで抽象的な舞台。色使いがきれいである。
円形の舞台ですべてが表現されている。
デザイン的にもそこでの人の動きも素晴らしい。
兵隊ならぬ警察官の集団にミカエラが取り囲まれて
ちょっかいを出されるところからはじまって
警察の堕落ぶりについては挑戦的な演出である。
衛兵の交代でヨナス・カウフマンのドン・ホセが登場。
いかにも真面目そうで、堅そうで、ダサくって、マザコン。
ちょっとオタクっぽい容姿は笑える。
ミカエラがいるのでまわりの女に一切興味のないドン・ホセに
カルメンは興味をもち、つまりカルメンの出現が
オタク系のドン・ホセを目覚めさせる。
最初っからカサロヴァのカルメンは堂々と振る舞い、カッコいい。
それに対してミカエラは外見よりは少女のようで
その対比が極端に強調されている。
純真なミカエラと母の存在(手紙)が、第1幕では
ドン・ホセにカルメンを憎ませるのだが、
しだいにはまっていく過程が鮮やかに描かれる。
メストの指揮も明瞭で素晴らしいのだが、
とにかく舞台の方に夢中になってしまって、
演出の点でも配役の点でもやはり魅力的だ。

20090806b_2

前半はドン・ホセが情けなくって、お笑いである。
カルメンに利用されているだけというのが明確で
ここまで無様にヨナス・カウフマンに演じさせるのは
ちょっと抵抗が…嫌だなという…しかしそれだけの
頼りなくって、哀れな、絶妙なドン・ホセが演じられている。
第3幕以降は、見た目はカッコよくなるのだが、
というのはヨナス・カウフマンだからなのであり、
しかし相変わらずの空回り、みっともなさ、
本質は変わらず、さらにはストーカーっぽくなってくる。
ついに第4幕では、ドン・ホセの純粋さゆえに
必死にカルメンに愛を訴えるのだが、
カルメンのふてくされた態度、とにかく態度がデカイのだが、
カサロヴァの存在感がすごい!感動的である。
この「カルメン」は音楽も舞台も超一級品だ。

DVDR120/121

「フランツ・ウェルザー・メスト」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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