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2009年9月30日 (水)

私が聞いた今年の名盤2009

先月からあまり変化はないのだけど、今年の名盤の途中経過。

《交響曲》
◎マーラー 交響曲第7番~ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
◎マーラー 大地の歌 ケント・ナガノ指揮モントリオール交響楽団


《管弦楽》
◎ニューイヤーコンサート2009~バレンボイム指揮ウィーンフィル

《協奏曲》
◎ブラームス ヴァイオリン協奏曲、二重協奏曲
 ~ヴァディム・レーピン シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団


《室内楽》
今のところなし

《器楽曲》
今のところなし

《歌劇》
○プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」~パッパーノ指揮ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団

《声楽曲》
◎シューベルト 歌曲集「美しい水車小屋の娘」
 ~マティアス・ゲルネ、クリストフ・エッシェンバッハ

○シューベルト 歌曲集「白鳥の歌」~イアン・ボストリッジ、アントニオ・パッパーノ

《ライブ盤》
◎ブルックナー 交響曲第4番(第1稿)~ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団
○ラヴェル 「ダフニスとクロエ」(全曲)~ハイティンク指揮シカゴ交響楽団
○マーラー 交響曲第1番「巨人」~ハイティンク指揮シカゴ交響楽団

は特に大切に感じられる名盤です)

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クリストフ・フォン・ドホナーニ 12

今日はドホナーニ指揮クリーブランド管弦楽団の演奏で
R.シュトラウスの「英雄の生涯」(1992年1月27日)と
「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」(1991年8月18日)
私は「英雄の生涯」が大好きで、結構聞いている方だと思っているのだが、
その中でもこのドホナーニ盤は昔から特にお気に入りで
久しぶりに聞いてみて、やはりこれぞベスト盤だ!という完璧さ。
ドホナーニとしては、オーケストラがたっぷりとよく鳴っているし、
雄大な広がり、この頃になると表現に丸みも出てきているが、
相変わらずそのバランス感覚はあまりにも見事だし、
細部まで鮮やかに聞かせる耳のよさ、スコアの深い理解は圧倒的。
各楽器の音色の絡み合い、空間における位置関係から遠近感にまで
ここまで明瞭に確固たる説得力をもって聞かせられることって、
本当にないと思う。ドホナーニという人は特殊なセンスを備えた人だ。
「ティル」も「英雄の生涯」の延長線上で素晴らしい演奏である。
ただただ感動するばかりのひとつの極致にふれる喜びがここにある。

DECCA 436 444-2

「クリストフ・フォン・ドホナーニ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年9月29日 (火)

モーツァルトの歌劇 6

今日もモーツァルトで歌劇「魔笛」K.620を聞いている。
カール・ベーム指揮ベルリンフィルによる
1964年6月18-25日のベーム69歳のときの録音。
ベームならではの隙のない充実の極みという印象。
何もかもが順調にいく安心感というか…すごい!
親しみあって、楽しくて仕方ない「魔笛」とはちょっと違って
ここでも気品にあふれる偉大な芸術にまで高められている。
ベームにとっては、モーツァルトの音楽は
いかなるときにも荘厳に気高い存在であったのだろう。
パパゲーノがフィッシャー・ディースカウである。
喜劇役者というイメージではなく、タキシードで決めていそうだが、
優しさと暖かさに満ちた仕上がりで、思わず引き込まれる。
タミーノはフリッツ・ヴンダーリッヒ、弁者がハンス・ホッター。
1960年代のことはあまりわからないので、知っているのはその辺だが、
他の主な配役はザラストロがフランツ・クラス、
夜の女王がロバータ・ピータース、パミーナがイヴリン・リアー、
パパゲーナがリザ・オットー、モノスタトスがフリードリヒ・レンツ。
コロラトゥーラの夜の女王のアリア「復讐の炎は…」は圧巻!
やはり「魔笛」は傑作の中でも特に夢中になってしまう逸品である。

DG 449 749-2

「カール・ベーム」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年9月28日 (月)

モーツァルトの歌劇 5

今日は歌劇「後宮からの逃走」K.384を聞いている。
カール・ベーム指揮シュターツカペレ・ドレスデン
1973年9月、ベームが79歳のときの録音だが、
驚くほどに若々しく、音楽が引き締まっている。
格調高い響きは感動的であり、端正な造形だが、
あまりにも律儀に遊びのない展開でもあるので
人によっては堅苦しかったり、真面目すぎるのかもしれない。
しかしこれこそがカール・ベームの芸術なのであり、
心から尊敬の想いに包まれる偉大な巨匠の業績である。
歌手はコンスタンツェがアーリン・オージェ、
ベルモンテがペーター・シュライアー、オスミンがクルト・モル、
私が知っているのはその辺で…セリムはオットー・メリエス。
ベームのモーツァルトでは、シュライアーはお馴染みの存在。
歌劇「後宮からの逃走」は序曲が有名だが、
当時の流行だったトルコ風の曲が何曲か含まれており、
全体に様々なスタイルの音楽が並んでいることで
一貫性がないというような批評もあるようだが、
それはオペラを分析する音楽学上の問題であり、
鑑賞していてはモーツァルトの中期の作品では
圧倒的に充実している素晴らしい作品。楽しい!
その…ここで感じられる完成度の高さというのも
ベーム指揮の演奏の見事さゆえのことか。

DG 429 868-2

「カール・ベーム」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年9月27日 (日)

カラヤンの1960年代 12

カラヤン指揮ベルリンフィルによる1960年代の録音で
シベリウスの交響曲第6番と第7番そして交響詩「タピオラ」。
交響曲 第6番(1967年4月18日)
交響曲 第7番(1967年9月20,21日)
交響詩「タピオラ」(1964年10月30日)
シベリウスの交響曲は素晴らしい!大好きだ。
まずは交響曲第6番だが、田園的な光に満ちた作品。
極めて繊細な音色が追求されていて、カラヤンのこだわりである。
美しい仕上がりにうっとりと聞き進んでいくが、
終楽章も後半に行くと一気に盛り上がって、
ここもちょっと北欧的なイメージからは外れるが、
カラヤン独特のシンフォニックな展開は聞きもの。
第7番もいかにも徹底したコントロールが強烈な個性であり、
これは重厚な交響詩の世界な気もするけれど、やはり名演!
カラヤンだと壮大に鳴り響くので…その辺が違う気もするけれど
雄大な広がりを思わせるフィナーレは感動的だ。
「タピオラ」も最高!まさに物語的な起伏に富んで驚異の集中力。

DG 457 748-2

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年9月26日 (土)

カラヤンの1960年代 11

1960年代のカラヤンとベルリンフィルはDGに
シベリウスの第4番から第7番の4曲の交響曲を録音している。
現在では「トゥオネラの白鳥」と交響詩「タピオラ」を加えて、
2枚組CDとなっているが、今日と明日で聞きたいと思う。
交響曲 第4番(1965年2月26,27日、5月12日)
「トゥオネラの白鳥」(1965年9月18-21日)
交響曲 第5番(1965年2月22-24日)
まずは交響曲第4番だが、シベリウスの交響曲の中でも
難解というか…とにかく姿を捉えにくい作品だと思うのだけど、
それは最初の印象でこれが好きになったらたまらない。
実は私はこの第4番が圧倒的に好きである。
カラヤンの演奏は1976年の再録音(EMI)の方を先に聞いたのだが、
交響曲第4番はカラヤンに向くのか?非常に名演である。
とても北欧的とは思えない重厚な響きを追求して、
しかしその何かとてつもない深刻さや重圧感はすさまじく、
とにかく感動的なのである。カラヤンの厳しい姿勢が作品に合う。
1965年のこの演奏の方が、素直にエネルギーは発散傾向にあるような…
しかしベルリンフィルの緻密な演奏はさすがとしかいいようがなく、
この時点でカラヤンは作品もオーケストラも完璧に掌握できているのだと。
交響曲第5番は明るく牧歌的な作品でここでの演奏も楽しめる。
でもちょっとカラヤンは大袈裟な感じか?もう少し引き締まっている方が…
ベルリンフィルの輝きに満ちたサウンドはすごいのだけど!

DG 457 748-2

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2009年9月25日 (金)

ニコラウス・アルノンクール 15

アルノンクールの指揮によるブラームスの続きで
今日はヴァイオリン協奏曲と二重協奏曲。
ヴァイオリンの独奏はギドン・クレーメルで
二重協奏曲ではチェロのクレメンス・ハーゲンが加わっている。
こちらはロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。
どちらもライブ録音でヴァイオリン協奏曲が1996年3月、
二重協奏曲が1997年4月にアムステルダムで収録された。
ずいぶんとさっぱりとしたブラームスでかなり淡白な味わい。
というのもクレーメルのシャープな演奏に合わせてのことだろう。
ドライな音で色彩も抑えられた…でもそれに不満があるのではなく、
その辺はさすがにクレーメルの天才的な感性に圧倒されるばかり。
あまりの素晴らしさに…どうしてもクレーメルを聞いてしまって、
交響曲のときよりもさらに…アルノンクールは特別な印象はなく…
独奏とオーケストラの一体感が深まる二重協奏曲がまた聞きもので
ここでもアルノンクールは、ピリオド解釈をもち込んでいる感じではなくて
手堅くしっかりと協奏曲を聞かせているという仕上がりである。

TELDEC 0630-13137-2

「ニコラウス・アルノンクール」に関する記述はホームページにもございます
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2009年9月24日 (木)

ニコラウス・アルノンクール 14

アルノンクール指揮ベルリンフィルによる
ブラームスの交響曲全集から交響曲第3番と第4番
1997年4月にベルリンでのライブ録音である。
私の印象では普通のブラームスだなと…名演だけど!
ところどころアルノンクールによるピリオド解釈はみられるが、
ベルリンフィルが本来の演奏をしているということなのだろう。
モダン・オーケストラがピリオド奏法を取り入れるという点で
90年代の後半には、まだそれほど普及はしていなかったのか…
現在のベルリンフィルならば、もっと思い切ったこともやるのかも?
それともアルノンクールは、音色にまでは要求しないのか?
第3番ももちろん魅力的だけど、第4番は特に感動的な演奏。

TELDEC 0630-13136-2

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2009年9月23日 (水)

ニコラウス・アルノンクール 13

アルノンクール指揮ベルリンフィルによる
ブラームスの交響曲全集から交響曲第2番
そして悲劇的序曲と大学祝典序曲。
1996年3月と12月のライブ録音だが、
悲劇的序曲はスタジオ収録である。
こちらもゆったりとした巨匠的穏やかさが感じられて、
それほどには特別なことはないのだが、
木管楽器の音色にところどころ特長があったり、
金管楽器が突如叫びをあげるところなど、刺激的な場面もある。
第1楽章の展開部なども独特なバランス・コントロールで
すごく面白いし、歌わせ方に古楽的な傾向がみられて、
交響曲第2番はアルノンクール向きの作品かな…とも。
本当はかなり個性的で発見も多いのだが…
いま聞くとそれほどには思わないところに
その後の10年でピリオド解釈が広く浸透したのだなって…
かえってそういうことに関心が向いたりもする。
悲劇的序曲も感動的で、しかし解釈の点ではより普遍的だ。

TELDEC 0630-13136-2

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2009年9月22日 (火)

ニコラウス・アルノンクール 12

先週はパーヴォ・ベルグルンドの指揮で
ブラームスの交響曲全集を聞いたのだが、
久々にアルノンクールの指揮で聞いてみたくなり、
今日はハイドンの主題による変奏曲と交響曲第1番
1996年12月のベルリンでのライブ録音である。
アルノンクール独特の息づかいが感じられて
その源は古楽的アプローチにあることはよくわかっているのだけど
基本的には、ここでのベルリンフィルの演奏には、
ピリオド奏法で新しいブラームス像だとはそれほど思わない。
というのは、アルノンクールのゆったりとした巨匠的な方向性と
ベルリンフィルの重厚な響きが結びついて、
思った以上にスタンダードな仕上がりなのである。
スッキリとして、音楽の構造が極めて明解に
そして低音の伴奏音型が目立って聞こえてくるところなどは、
古楽における通奏低音の扱いのようだが、
現在の感覚からするとそれほど特別でもなく…驚かない。
フィナーレで一気に加速していくところが、
当時は新解釈で話題になっていたと思うのだが、
これも今では当たり前になっていて、よく聞けるし、
21世紀のブラームス解釈のひとつの規範になっていることはあるのかも。
アルノンクールという人はそういう存在だ。

TELDEC 0630-13136-2

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2009年9月21日 (月)

クリストフ・フォン・ドホナーニ 11

今日はドホナーニ指揮クリーブランド管弦楽団の演奏で
ブルックナーの交響曲第7番(1990年8月の収録)
正直お恥ずかしいが、発売当時に買ってきて、
最初に聞いたときとずいぶん感想が変わってしまっている。
昔はブルックナーというと先ず重厚でゆったりとしたイメージで
そういうのと比べていたから、ドホナーニはシャープで
引き締まって、温度の低い…ドライな印象があったのだが、
いま聞くと響きは明るいし、輝きに満ちた音色で私は好きである。
でもやはりシャープな音作りというのは相変わらずで
緩急自在にメリハリの効果はかなりきいていると思う。
そこに間というものが創造されてくるが、
ある程度の深まりも感じさせるし、繊細な弱音には神秘性も。
クリーブランド管弦楽団のブルックナーという点では、
現在のメストの演奏にも受け継がれているものはあるなと…
ドホナーニとメストを簡単にひとくくりに考えてもいけないとは思うのだが。

DECCA 430 841-2

「クリストフ・フォン・ドホナーニ」に関する記述はホームページにもございます
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2009年9月20日 (日)

九識の会で雲助・喜多八・志ん橋

今日は待ちに待った「第26回 九識の会」。
お昼前に慌てて出発。三越前の日本橋亭へ。
私としては、志ん橋師匠がお目当てなのだけど、
雲助・喜多八という師匠方との「くしきトリオ」は究極だ!

古今亭志ん坊:不精床
五街道雲助:千早ふる
柳家喜多八:千両みかん
鶴澤津賀寿・柳家小菊:美の競演 太vs細
古今亭志ん橋:井戸の茶碗


ここでの師匠方は文句なしに素晴らしいので
もうああだこうだと書く必要もないのだけど
記録のためにも今日の発見を書き記しておく。
お馴染みの「千早ふる」だが、雲助師匠だと独特の空気が感じられて
噺は変わらぬけれど、しかしやっぱり師匠ならではの魅力は随所に!
「千早ふる…」の五・七・五・七・七で目の動きが絶妙に…
とてつもないストーリーが生まれてくるのだが、その発想の源がここに凝縮。
「千早ふる…」の訳を聞きに行くのは、ご隠居のところへ…が多いような?
今日は兄貴分のところに行って、つまりはテンポもよく軽妙なやり取り。
兄貴のところに行くのは、文左衛門さんもそうだったのだけど、
雲助師匠もその型でやっているとなると…そうなんだ。
殿下が「千両みかん」で夏の終わりに暑さの余韻をもう一度!
番頭さんが追いつめられて…追いつめられて…逆さ磔(はりつけ)に!
殿下の場合には、その辺が面白さ、笑いなのだけど、
たったひとつのみかんが千両の値に、若旦那の残した三房が300両と…
考え込んでしまって、自分の30年間の奉公を振り返り、
来年の暖簾わけの際にもらえる30両のことを考えて…という場面、
殿下の哀愁の漂う芝居!これは人情噺だよ…って、
笑うよりもちょっと考えさせられる素敵な「千両みかん」だった。
普通は番頭さん、三房のみかんとそのままいなくなっちゃった…で
軽く笑って、楽しいのだけど、それ以上の深まりが感じられて。
仲入り後に小菊さんの俗曲。今日は女流義太夫の鶴澤津賀寿さんも共演。
「太vs細」というのは、三味線の太棹と細棹という意味。
普段ほとんど定席に行かなくなってしまったので
小菊さんの唄が聞けたのは、私にはちょっと貴重だったかも。
そして太棹と細棹の共演が聞けるのは極めて稀とのことです。
トリは志ん橋師匠で「井戸の茶碗」。何度聞いてもいい噺だ!
とはいっても正直者が堅物ふたりに翻弄されて…というこの噺、
あまりにも融通のきかない侍というのは、目の前のお宝にも欲がない…
現代では考えられないようなバカ真面目に清らかな噺なのだけど、
でもそういう現代の価値観で理解不能のような昔話を
今の人に聞かせて、説得してしまう…そういうのでは
志ん橋師匠は天下一品だと思う。師匠のお人柄とも重なるのかも。
噺家の内面が、自然と噺の中ににじみ出てくるのか…
特に頑固な千代田卜斎を以前はもっと堅苦しく演じたこともあるそうだけど、
今日は軽く楽しい要素も盛り込んでみたそうで…それが
ここに登場する「みんないい人たち」に…さらに人間味を加えることになったのか。
「井戸の茶碗」の潔癖的な清らかさに暖かい…血が通ったというか。
会場からはかなり笑いも起こっていた気がするけれど、私は夢中になって…
笑っているよりも一言一言に集中して、入り込んでしまった。

20090920

写真は志ん橋師匠と打ち上げで。
修業時代の話や「志ん生最後の二日間」を聞かせてくださった。
もちろんそこには志ん朝師匠も登場するし、深い!感動のひととき。
9月21日は志ん生さんの命日でちょうど36年前の今日のこと。

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2009年9月19日 (土)

柳家小満ん 「奴勝山」

昨日の「柳家小満んの会」で買ってきたCDを聞いている。
前回の7月21日の関内ホールでの録音で
「縁切寺」「松曳き」「奴勝山」の三席。
すごくよかったので、また聞けるなんて、うれしい~
私は結構よく覚えている方なんだけど、鮮やかによみがえる。
今回は音のみで聞いているので、またいろいろな発見があるのだが、
人物の描きわけについて、すごく変化があって、いきいきと進み…
「縁切寺」では江戸っ子の夫婦が勢いよく、テンポ感も絶好調で
場面が次々に変わるのだが、慌しい噺なんだけど、そこが面白さ。
「松曳き」では、植木職人の八五郎が強烈な個性を発揮して、
その対比としてお殿様と三太夫さんの存在がまた引き立つという。
職人と武士の言葉の違いは相当なものだが、
その行き違いや理解不能に陥る滑稽さ、笑って笑って…
「奴勝山」でも引き続き…殿様と武士が登場するが、
今度は勝山太夫がそこに加わり、廓噺ゆえにまた違った色合い。
「松曳き」もそんなには聞けないし、三席とも珍しい噺なのだが、
そこに光を当てて、魅力的な世界を描き出してしまう師匠はすごいなと。
実際に会場で聞いた録音を後でゆっくり振り返るのって、素晴らしい!

CDは下記のサイトからも購入できます。
みなさんもぜひお聞きになってください。
http://www.comann.info/

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2009年9月18日 (金)

第94回 柳家小満んの会

今日は関内ホールで「横浜 柳家小満んの会」である。
日曜日の日本橋亭に続いて、今日も師匠の三席が聞ける!
入口でいつものように小満ん師匠にご挨拶して
すると…前回の7月の会がCD化されていて、
日本橋亭も関内ホールも両方ともあったのだけど、
とりあえず実際に聞いた関内ホールの方を買ってきてみた。
後ほどゆっくり聞くことにして、また楽しみが増えてうれしい。

入船亭辰じん:狸札
柳家小満ん:辰巳の辻占
柳家小満ん:藁人形
柳家小満ん:竹の水仙


日本橋亭に続いて、前座さんは辰じんさんだった。
辰じんさんの「狸札」は何回か聞いているけれど、バッチリ!
狸のかわいらしい声に会場の空気も和らいだ。
小満ん師匠は今日もよかった~すごくよかった。
絶妙な味わいがもうたまらない。聞き惚れちゃう。
今日の三席は有名な噺ばかりなので
小満ん師匠だとどう演じるのか、どこでどう解説を加えるのか?
すごくよくわかって、深く聞きこめて、勉強になった。
「辰巳の辻占」は二ツ目さんでも何度か聞いているが、
若々しい仕上がりに慣れていて、テンポのいい楽しいお噺だけど
しかし小満ん師匠の落ち着いた語りがまたいいのである。
こういう感じもいいなあ…って、最初の一席目から堪能!
お茶屋さんから辰巳の海辺へ移動するところで
師匠は当時の周辺地域の説明を丁寧にして下さって、
そうした知識が、頭の中の情景に色をつけてくれるような。
続いて、廓つながりで「藁人形」。場所は千住に移動して。
「藁人形」は恐ろしい噺である。というのは人間ほど恐いものはなく…
小満ん師匠は前半のお熊さんが西念さんに優しい言葉をかけるところなど
しっとりとまるで人情噺のようで、噺を知っている人には、
前半と後半でくっきりと描きわけをするんだな!なるほど!って、
親切だったお熊さんがまるで人が変わってしまうのであり、
噺の筋を知らなかった人には、びっくりの展開だったのではないだろうか。
後半で西念さんの甥が登場するが、その甚吉も威勢がよくて、
噺にも変化と勢いがあって、夢中に引き込まれて聞いてしまった。
「藁人形」って、決していい噺ではないのだけど、
こういう「藁人形」こそ聞きたい!という素晴らしい一席。
仲入り後は、甚五郎もので「竹の水仙」だった。
今日は五代目小さん師匠を思いだす柳家の「竹の水仙」。
江戸の三井に大黒様の彫り物を頼まれる場面で
甚五郎の生活ぶりと気が向いたときにしか仕事をしない…
金にも無頓着というような…甚五郎の人柄を丁寧に描き出し、
江戸入りを目前に藤沢の宿が場面となるという
柳家の完全版の「竹の水仙」。やっぱり素晴らしい!
面白いところも多いし、他ではくすぐりもたくさん入れられるが、
小満ん師匠はおふざけ一切なしの渋い芸にしびれる。
抑制された中に深い味わいを見つけた「竹の水仙」だった。
これを聞いてしまったら、「三井の大黒」を聞きたくなってしまう。

お見送りの小満ん師匠にお礼をいったところ、さっと早業で
「辰巳の辻占」にちなんで、辻占付き爪楊枝をくださった。
これにはきちんと訳があって、今回の会の案内ハガキに
銀座の「鳥膳」さんに置いてある都々逸付き爪楊枝のエピソードが。
熱々のカップルが楊枝の都々逸に頬を寄せ合っていたけれど
そのうちにふたりの仲に波風が立ちはじめ、ついには…
都々逸の辻占や如何に!という。今日の辻占は
「智恵もうれしい お前に借りて 苦労忘れた 四畳半」でした。
次回は11月18日(水) 第95回 横浜 柳家小満んの会
演目は「権兵衛狸」「ご同伴」「文七元結」です。

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2009年9月17日 (木)

パーヴォ・ベルグルンド 3

パーヴォ・ベルグルンドの指揮によるブラームスの交響曲全集。
ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏で今日は交響曲第3番と第4番。
2000年5月11-14日バーデン・バーデンにおけるライブ録音である。
第3番は元々からコンパクトな印象もある作品なので
この全集では最もコンセプトに合っているのではないかと聞きはじめるけれど
それが意外と重い響きに仕上がっていて、予想通りにならないところが面白い。
もちろんきびきびとした動きで解釈の鋭さはベルグルンドならではの感性である。
ブラームスは第1番も第2番もいいのだけど、名演だと第3番が光り出す。
そして第4番に進んで、むしろこちらの方が…個性が出やすいというか、
集中力と緊張感、独特の厳しさが音楽に浸透して、感動的なのである。
透明感ある響きで…演奏は室内楽的な緻密さだが、
ブラームスの複雑な書法がひとつずつ明瞭に解き明かされていく。
そういえば…ピリオド解釈については、あまり気にならず、
ここまで来るとブラームスの音楽の成熟、深まりが圧倒的であり、
表面的効果のような奏法の問題はもはや関係ないということか。

ONDINE ODE 990-2T

「パーヴォ・ベルグルンド」に関する記述はホームページにもございます
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2009年9月16日 (水)

パーヴォ・ベルグルンド 2

パーヴォ・ベルグルンドの指揮によるブラームスの交響曲全集。
ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏で今日は交響曲第2番。
2000年5月11-14日バーデン・バーデンにおけるライブ録音である。
第1番に比べると第2番はずっと普通の感覚で楽しめると思う。
流麗ではあるが、穏やかでゆったりとした曲調はいかされており、
ここでの最大の魅力は、小編成ゆえに音楽がスッキリと聞こえて
かつて聞いたことのないレベルにまで、音楽の構造も
細かい表情づくりも明瞭に鳴り響いたことであろう。
ピリオド奏法によると弦の音色の透明感もあって、
管楽器がより表情豊かに前に目立って聞こえてくるが、
ここでもそれが非常に効果的であり、この交響曲にはふさわしい。
ベルグルンドは新鮮な感覚で新しい音楽を創りあげているが、
一方の巨匠的ともいえる解釈の深まり、大きさもあるのではないか。
この第2番は私の好きな演奏である。

ONDINE ODE 990-2T

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2009年9月15日 (火)

パーヴォ・ベルグルンド 1

パーヴォ・ベルグルンドの指揮によるブラームスの交響曲全集。
ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏で今日は交響曲第1番。
2000年5月11-14日バーデン・バーデンにおけるライブ録音である。
小編成の室内管弦楽団によるブラームスの交響曲というと
チャールズ・マッケラス指揮の方が先なのではないかと思うのだが、
ベルグルンド盤を聞くとモダン・オーケストラでありながら
仕上がりは古楽的な印象であり、ピリオド奏法も取り入れているけれど
その点では、ノリントンとシュトゥットガルト放送交響楽団の先を行く。
ノリントンも古楽演奏によるロマン派音楽としては、
ロンドン・クラシカル・プレイヤーズとブラームスに取り組んでいたので
1990年代後半には、こういった解釈がすでに多く聞けたということかもしれない。
そういえば…アルノンクール指揮のベルリンフィルの全集は、
このベルグルンド盤よりもたしか先だったように記憶している。
思い出すと久しぶりにアルノンクールの方も聞きたくなるが、
ベルグルンドは小編成オーケストラという点でより古楽的だ。
残響を抑え、音が消えては、音楽は前に進むという手法、
ティンパニの扱い、リズム感も完全にピリオド奏法である。
こういうコンパクトなブラームスもありかな…とは思うが、
やっぱり私は…重厚な演奏の方がしっくりくるかも。
ベーム、カラヤン、バーンスタイン、アバド、ハイティンク、…

ONDINE ODE 990-2T

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http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年9月14日 (月)

クリストフ・フォン・ドホナーニ 10

今日はドホナーニ指揮クリーブランド管弦楽団の演奏で
ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」(ハース版)
1989年10月8,10日の収録で第9番の翌年の録音である。
とにかく透明な響きで全体像がきちっと造形されているという
鳴りすぎて、うるさい…汚い…ということはまずないし、
完璧に輪郭が美しい線でコントロールされている印象。
逆に弱音を追求しすぎて、聞こえないということもなく、
どんなに細かい表情も逃さずに…きれいに聞こえてくるのである。
あまりにも整然と美しく、音楽の整理が行き届いているので
聞き手によっては、表面的で深みがないという人もいるかもしれない。
でもドホナーニはやはりすごい。徹底したこだわりであり、個性である。
実はかなり久しぶりに聞いているのだが、当時より感動しているかも?
最初に聞いたときは引き締まりすぎて、筋肉質な音楽には
もうちょっと味がある方がいい…なんて思っていたのだが、
今聞くとこの明るい音色が心地よくて、音の鳴り方も自然だし、
そして何よりもこの輝きが素晴らしく感じられるのである。

DECCA 430 099-2

「クリストフ・フォン・ドホナーニ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年9月13日 (日)

第239回 柳家小満んの会

黒門町を後にして、三越前のお江戸日本橋亭へ。
夜は「第239回 柳家小満んの会」である。
私はいつも関内ホールの横浜の会に出掛けているのだが、
今月は日本橋亭での本家本元が日曜日の開催で聞ける!
早めに到着したが、いつものように小満ん師匠にご挨拶。
にっこりと出迎えてくださった。

入船亭辰じん:手紙無筆
柳家小満ん:ぞろぞろ
柳家小満ん:名月若松城
柳家小満ん:文違い

今日の前座さんは辰じんさんだった。
さすが!上手い!文左衛門さんから習ったのかな?
勝手な想像だけど…何となくそんなイメージが。
小満ん師匠の一席目は「ぞろぞろ」
はじめて聞く噺。でも一応筋は少し知っていた。
前半が太郎稲荷のお茶屋でわらじがぞろぞろ。
大繁盛の噂で暇な床屋が熱心にお参りしたら
お客が押し寄せて、髭を当たったら…という
ビックリするオチでこれは面白い噺である。
師匠の軽やかな語りで奇想天外なストーリーが
さらっとウィットに富んだ物語に仕上がっていく。
続いて二席目が「名月若松城」。感動的だった!
戦国武将の蒲生氏郷にまつわる主従の噺。
人情噺とも違うが、笑いは抜きのじっくり聞かせる歴史噺で
素晴らしかったのだ。なかなか聞けない。貴重な機会。
私は歌道に暗く…俳句や狂歌、川柳、都々逸、
歌を自在に語る小満ん師匠の何を聞いているの?
って、いわれてしまいそうだが、今日はそれに加えて、
私は歴史にも暗く…しかし師匠は豊富な知識でわかりやすく
前半に物語を丁寧に解説してくださって、そこから入っていったので
後半の殿と家臣のやり取り、武士の忠義、その潔癖さには驚きだが、
私などは理解も浅いのだけど、しかし感動的だったのだ。
本当に素晴らしい。この噺はもうなかなか聞けないだろうな…
仲入り後はお馴染みの「文違い」。廓噺である。
今日、三回目の吉原だが、「文違い」はひょうきんな噺で。
しかしこれがまた…小満ん師匠が語ると渋くって、
噺はいつもの「文違い」なんだけど、芝居みたい。
これぞ上質の味わい。お互いに騙し合って、滑稽でもあり、
しかしそこに人間の奥深いものが見えてくるような。
後半にお杉と半七が大喧嘩をはじめるが、
その辺は小満ん師匠も激しい過熱ぶりで
大いに盛り上がって、楽しく会はお開き。
金曜日は関内ホールの「小満んの会」。
今から待ち遠しいのである。

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黒門亭で八朝・志ん橋・金時

今日は志ん橋師匠が出られるので黒門亭へ。
考えてみるとお盆の「怪談噺特集」以来で
もう一ヶ月だ…時がたつのが早い。
ひとり気合い入って、早く行ってしまった。
でも…八朝師匠がこんな早い時間に!
今日の前座さんは多ぼうさんだ!って、
そのお二人が会場の準備をされているのを
外から何となくうかがっているのは楽しくて、
ちよりんさんも来られて、挨拶したり、
二ツ目さんが何人か出たり入ったり、
待ち時間もあっという間に過ぎていく。

第1部
三遊亭多ぼう:道灌
桂笑生:写真の仇討ち
古今亭八朝:幇間腹
丸山おさむ:声帯模写
古今亭志ん橋:突落し


多ぼうさんは4月にはじめて聞いて、今日で二度目。
不思議ちゃんな芸風は健在で独特な感じは強く印象に残る!
棒読み調であり、でも一言一言を大切に喋っているのはよく伝わってくるし、
ハラハラさせながら、しかし例の「七重八重 花は咲けども 山吹の…」が
「ななへやへはなはさけともやまふきの…」になって
「七重八重 花は咲けども 山伏の 味噌一樽と 鍋と釜敷き」になってしまう
言葉はしっかり入っているみたいで…実は覚えるのは得意?
というのが感想。本当のところはわからない…謎が多いので今後も注目!
続く笑生さんも八朝師匠もまずは多ぼうさんのマクラから入っていくので
そのネタになっちゃうところもひとつの才能なのではないか!という。
笑生さんは、この噺、どこかで聞いたことあるんだけど…何だっけ?
後でわかったのだが、「写真の仇討ち」という噺だった。
来年春に真打昇進だけど、さすがにじっくり聞けた。
八朝師匠は幇間の一八であまりにもはまりすぎて、面白かった。
でも「幇間腹」は結構聞いているけれど、他と比べて、
八朝師匠ならではの印象がすごく感じられて、その辺が師匠の芸なのかなと。
一八のわざとらしくて、くどいところ、本物の一八が目の前の高座に現れた。
黒門亭では珍しい声帯模写の丸山おさむさん。私には新鮮な感じ。
昔の話題が多いので、直接は知らなくて、何となくわかる程度だけど、
そんなのは関係ない…想像は自在に広がる…面白かった。
第1部のトリは志ん橋師匠の「突落し」。はじめて聞く噺。
ネタ出しだったが、中身を知らない方がより楽しめるのではないかと
あえて真っ白な状態で聞いたのだが、女郎買いの噺だったのだ。
でも長屋の若い衆が揃って出掛ける…明るく騒々しい噺で
前半は「錦の袈裟」みたいなはじまり、与太郎も登場するという
後半は逃げちゃうという点では「付き馬」の「長屋の若い衆編」で
やってることは騙して、相当な悪の筋書きなんだけど
志ん橋師匠はお祭りの賑わいみたいな、嫌みのない仕上りがよかった。
こういう噺が合うという印象もあるけれど、じっくり楽しい40分。

20090913a

第2部
三遊亭多ぼう:牛ほめ
三遊亭金也:寝床
林家錦平:ねずみ
三遊亭金時:紺屋高尾


第2部も開口一番は多ぼうさんで「牛ほめ」。
与太郎さんがすごくよかった。上手い!
さすがに与太郎が似合うといわれたら嫌かもしれないけれど
この「牛ほめ」はいいなあ…とワクワクして聞けた。
後半の牛を褒めるところ、時間が押してきたみたいで
テンポが上がって、滑舌もよくって、実は喋れるのではないか!
本当のところはわからないけれど…謎が多いので今後も注目!
第2部はネタもよかった。「寝床」「ねずみ」「紺屋高尾」
「寝床」はお馴染みの面白くって、大いに盛り上がり、
金也さんのは、先の番頭さんが旦那とさしで義太夫語りで
耐えられずに蔵に逃げ込んだのだけど、旦那は梯子に上って、
蔵の中を義太夫がグルグル渦巻くというネタがついて、
私はこれが聞けると得した気分になってうれしい。
そして錦平師匠の「ねずみ」はしんみりと…じっくりと味わって。
自然な語り口なんだけど、それゆえに噺が伝わってくる。
甚五郎ものでいい噺なので、特別な演出はいらなくて、
しっかりと丁寧に語り聞かせてくれる師匠の自然体がいいのだなと。
でも思い出してみると宇兵衛さんが甚五郎にこれまでの経緯を聞かせるところ、
その辺は言葉にすごく力がこもって、迫力もあって、感動的な場面だった。
今日のトリは金時さんの「紺屋高尾」。第1部に続き、こちらも女郎買い。
すごくよかったのだ!感動的だった。今日はこの一席が聞けてよかった。
実は「幾代餅」は何度も聞いているのだけど、「紺屋高尾」ははじめて。
「紺屋高尾」の方が合理的な部分もあるし、しかし年に三両の稼ぎで
三年の間、高尾大夫のことを想い続けて、必死に働くというところ、
憧れだけで三年も待てるのか…というのが、現代人には理解に苦しむ…
「幾代餅」の一年ならば、がんばれるのか…?
この辺が江戸のころとは、恋愛の方法も価値観も何もかもが違っていて…
今と比較するのは野暮であり…一方でそこが落語のよさでもあり…
清蔵さんにしても今日の久蔵さんにしても心の清らかさに感動。
金時さんの久蔵は、真面目に一途で、真剣ゆえに正直なところが
演じる金時さんのすべてから伝わってくるようで
よく理由はわからないけど、私のイメージにはぴったりと合って、
とにかく素晴らしい「紺屋高尾」だったのである。
最後に非常にいい気持ちにしてもらって、黒門亭は終了!

20090913b

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2009年9月12日 (土)

小遊三・米丸・圓歌・馬風

NHK「日本の話芸」で録りためた四席をDVD-Rに保存。
順番は私なりに下記のような内容にしてみたが、
東京落語会600回記念の特別興行より。

三遊亭小遊三:浮世床
東京落語会600回記念口上
桂米丸:旅行鞄(大野桂作)
三遊亭圓歌:中沢家の人々
鈴々舎馬風:猫の災難


落語協会と落語芸術協会の幹部が勢揃い。
何てすごい会が実現するのでしょう…
小遊三さんが「浮世床」を軽めに
その後に記念口上が放送されて、小遊三さんが司会、
米丸、圓歌、歌丸、馬風、小三治という大御所たちが口上。
圓歌師匠のいつもながらの「中沢家の人々」。
毎回同じなのに何度聞いても面白くって、笑える。
馬風会長がマクラで酒にまつわる志ん生の昔話。
すごくいい~そこから自然に「猫の災難」へ。
マクラから噺への流れが絶妙だなあ。
馬風会長の「猫の災難」は本当によかった。
師匠の先代小さんは、東京落語会で記念の会というと
「猫の災難」をやっていたそうで…それで600回の記念に。

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2009年9月11日 (金)

第1617回N響定期公演

準・メルクルの指揮によるN響定期公演で
昨年4月11日のNHKホールでの演奏会。
メシアンのトゥランガリラ交響曲である。
ピアノはピエール・ローラン・エマール
オンド・マルトノが原田節という理想の顔ぶれ。
BS2で昨年秋に放送されたのだが、
これまで聞かずに取ってあった。
エマールが来日して弾いてくれているので
現在の最高の演奏が期待できる。
トゥランガリラ交響曲は有名でさすがに知っているけれど
私は正直なところ、メシアンはそれほど詳しくない…
演奏がいいのか…NHKの収録が上手いのか?
大音響に潰されないでクリアに聞こえるので
エマールのピアノがここまで隅々まで聞けるなら
会場で聞くよりもいいかも…なんて思ってしまう。
準・メルクルとメシアンというのは意外なような気もするが、
かなり深くスコアを読みこめているのかも?
私の記憶に残っているN響のトゥランガリラ交響曲は
サロネンとデュトワのふたりが取り上げていて、
調べてみたら、面白いのだけど、サロネンは1988年、
デュトワは1998年、そして準・メルクルのこの公演が2008年と
10年ごとに演奏しているみたい。デュトワのときも
ピアノはエマール、オンド・マルトノは原田節であった。
それにしてもエマールの音がきれいでさすがだ!

DVDR126

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2009年9月10日 (木)

第1651回N響定期公演

6月のN響定期公演から準・メルクルの指揮による演奏会。
華やかな色彩による楽しいスペイン・プログラム。
ファリャのバレエ組曲「三角帽子」から第2部
ラロのスペイン交響曲(独奏はヴァディム・レーピン)
ドビュッシーの映像第3集から「イベリア」
最後にラヴェルの「ボレロ」という選曲。
2009年6月17日にサントリーホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
ファリャの「三角帽子」第2部というと
ムーティがよく取り上げているので聞いているが、
最初から大いに盛り上がって、濃厚だ!
レーピンは以前にもN響でスペイン交響曲を弾いていて、
前回はシャルル・デュトワの指揮だった。
スペイン交響曲は、昔は基本的に聞かなかったのだが、
レーピンなどが素晴らしい演奏を聞かせてくれて、
今では普通に楽しんで親しめるようになった。
とにかく濃い曲で私には重いのだけど…
レーピンならば!なんて素敵な音楽だろうって。
それくらい聞き手を夢中にさせるものがある。
レーピンは一番好きなヴァイオリニストといってもいい存在。
準・メルクルの指揮も引き締まってセンスいいのだと思う。
後半は「イベリア」と「ボレロ」なので、私の好みの作品。
「イベリア」の情景は本当に素晴らしい…夏の夜。
風景が広がって、色と香りとその地の大気が感じられる。
準・メルクルはN響の最も重要な指揮者の一人だが、
毎年のように来日しているけれど、以前に比べて、
格段によくなっている気がして、何か変わったのか?
私が慣れただけなのか?今年は選曲がいい?
2008/2009シーズンは「ボレロ」で終了。

DVDR125

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2009年9月 9日 (水)

第1650回N響定期公演

6月のN響定期公演から準・メルクルの指揮による演奏会。
前半はベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番ハ長調
独奏はジャン・フレデリック・ヌーブルジェ。
そして後半はメンデルスゾーンの「夏の夜の夢」の音楽
2009年6月12日にNHKホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
ジャン・フレデリック・ヌーブルジェを聞くのははじめて。
何となくイメージ的に繊細な響きを聞かせるのかと思ったら
重い音でしっかり弾くタイプ。今日的なシャープな印象ではなく、
少し前の時代を思わせるような味わいのある演奏だった。
意外な感じがするけど、それはこちらの勝手な思い込みなわけで。
メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」がすごくいい。
準・メルクルが表情づくりも細やかに魅力的な指揮だ。
物語の朗読が長くて、ちょっと音楽が分断されているのは残念。
振り返ると準・メルクルはN響でよくメンデルスゾーンを取り上げている。
少し前になるが、交響曲で「スコットランド」も「イタリア」も。
しかし今日の方が断然よくなっている気がする。
響きの冴えは圧倒的で準・メルクルはずいぶん変わったような…

DVDR124

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2009年9月 8日 (火)

第1649回N響定期公演

6月のN響定期公演からジョナサン・ノットの指揮による演奏会。
今回のジョナサン・ノットは「ミュージック・トゥモロー2009」と
この第1649回の定期公演に出演した。
ストラヴィンスキーの管楽器のための交響曲
庄司紗矢香の独奏でプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番
ラヴェルの優雅で感傷的なワルツとドビュッシーの交響詩「海」
2009年6月6日にNHKホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
20世紀プログラムでこの選曲もうれしいし、
ジョナサン・ノットの指揮だとN響の響きが
隅々まで精妙にコントロールされている印象で素晴らしい。
そうした方向性によるプロコフィエフなんだろうけど
庄司紗矢香の独奏もさすがに鮮やかで鋭く、
でもそうなるとちょっと線が細いような…贅沢なこといっているが。
後半のラヴェル、ドビュッシーの方が色彩を開放しているようで
私的にはさらによかったような気もして、実に丁寧な仕上がり。
「海」もジョナサン・ノットはとにかく明るい響きが好みのようだ。
巨大編成のオーケストラではあるけれど、一瞬の濁りもなく…

DVDR123

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2009年9月 7日 (月)

ロイヤル・オペラハウス 2008/2009

ロンドンのコヴェントガーデン王立歌劇場で上演された
フンパーディンクの歌劇「ヘンゼルとグレーテル」
コリン・デイヴィスの指揮で2008年12月12,16日の収録。
演出はモーシュ・レゼールとパトリス・コーリエによる。
BShiで放送されたものを録画して聞いている。
ワーグナー好きの私には「ヘンゼルとグレーテル」はたまらなく…
楽しくって楽しくって、とにかく大好きな作品である。
子供も喜んで、そして大人が観ても夢の世界に。
コリン・デイヴィスの指揮はゆったりと穏やかな演奏で
もうちょっときびきびした方が、わかりやすい気もするのだけど
美しく歌って、表情づくりは洗練された細やかさもあり、
さすがに巨匠の芸風で角が取れている。
しかし幕が開くとアンゲリカ・キルヒシュラーガーのヘンゼル、
ディアナ・ダムラウのグレーテルとこのふたりが最高!
続いて登場が母親(ゲルトルート)のエリザベス・コネルで
さらに父親(ペーター)がトマス・アレン、何と豪華な配役!
そして第3幕ではアニヤ・シリヤの魔女が激しい!
第2幕、ヘンゼルとグレーテルは森の中で深い眠りに落ちる。
夢の中で天使たちはふたりの元に父と母を連れてきてくれて
きれいに包まれた豪勢なプレゼントをくれる。
リボンをほどいて、梱包用の紙を一枚一枚出していくと
中からサンドイッチが出てくるという…
ふたりにとっては食べ物が何よりもの贈り物。
飢えに苦しむ子供たちというテーマがあるのだが、
毎回ちょっと考えさせられてしまう。
苦しい中にも元気に振舞うふたり。
第3幕では魔女をオーブンに叩き込んで
ヘンゼルとグレーテルのそのはじけっぷりも笑える。
最後に子供たちは勝利し、自由を獲得するという
「ヘンゼルとグレーテル」は実に感動的な作品だ。

DVDR122

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横浜の風景から 36

20090907

旭区柏町と泉区緑園6丁目の境界で
その反対側は池の谷の神明台最終処分地という
ここは昔、相模の国と武蔵の国の境界だった場所。
「相武国境之道」の記念碑がある。
私はずっと神奈川県に住んでいるので、
自分のところは相模の国だと思ってしまうのだけど
実はちょうどこの辺までは武蔵の国だったのだ。
わが家の住所は、今は神奈川県。昔は武蔵の国。

ここへの行き方はこちらにお問い合わせください
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年9月 6日 (日)

馬風・小三治・圓蔵・権太楼

NHK「日本の話芸」で録りためた四席をDVD-Rに保存。
順番は私なりに下記のような内容にしてみたが、
相変わらず「日本の話芸」は豪華な顔ぶれ。

鈴々舎馬風:粗忽長屋
柳家小三治:馬の田楽
橘家圓蔵:品川心中
柳家権太楼:子別れ~浮名のお勝

馬風会長は「粗忽長屋」で前半はマクラ長めに
落語界の懐かしい話に修業時代のこと、
自分の言葉で自然に聞かせて、お客もゆっくり引き込まれて、
そのまま「粗忽長屋」に入っちゃう、この辺はさすがだな。
小三治師匠の「馬の田楽」も同じくマクラでは
馬に関する昔の思い出話からのんびりはじまって
この噺ものどかな風景が広がるのだけど
リラックスして聞いて、こちらもゆっくりしちゃって。
続いて圓蔵師匠が「品川心中」で
男女の噺は柄じゃないけど…と自ら指摘で
まあ独特で…でも芸風にうまく取り込んだ一席。
やっぱり私が大好きなのは権太楼師匠だ。
珍しい「子別れ(中)」で前半は弔いの場面を軽く、
そして吉原から戻ってきた熊さんがお勝との惚気話を語り、
最後におかみさんと亀ちゃんを追い出しちゃうという…
地味であまり演じられないけれど…私はこの場面がすごく好き。
というのは、おかみさんが本当によくできた人で
夫婦喧嘩の間に入る亀ちゃんがかわいそうで…実は人情噺。
権太楼師匠の語りがものすごく感動的!夢中になってしまう。
真剣にこんなに素晴らしいのは、そうは聞けない…
基本的に熊さんが酔っ払いで呂律が回ってなくて、
会場からは大いに笑いが起こっているんだけど、
おかみさんが亀ちゃんに育ててもらったお礼をいうんだよって、
亀ちゃんは駄目親父を責めて、泣けちゃうシーンで心にしみる。
権太楼師匠がものすごいカッコいいのだ!しびれる。

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2009年9月 5日 (土)

柳家小満ん「あちたりこちたり」

「落語の蔵」からダウンロードした小満ん師匠の二席。
「第4回 浜松町かもめ亭」から「あちたりこちたり」(2007.4.19)
「第13回 浜松町かもめ亭」から「明烏」(2008.1.23)
私は小満ん師匠が大好きでよく聞きに行くのだけど
渋くって、じわっと来て、珍しい噺を聞かせてくれる。
でも師匠の一番の惹かれるところは、
ニコッと優しい笑顔で迎えてくれて、
噺を聞き終えて、またニコッと優しく送ってくれる。
それで「また来ます!」って…通いはじめて。
「あちたりこちたり」は小満ん師匠自身の作で
以前に黒門亭で一度、実際に聞いたことがある。
酔っ払いがあっちに行ったりこっちに行ったりという。
上野の周辺を師匠が案内してくれて、何とも心地よくって。
もう一席はお馴染みの「明烏」。私の大好きな噺。
吉原の風景、お茶屋、女郎屋の様子、花魁の部屋、
こんなに細やかに描写されるのは聞いたことがなく、
華やかな色彩が目の前に広がって、
吉原のことを知っても仕方ないんだけど…
昔の情景の中に日向屋の時次郎さんと一緒に旅しちゃうのが
何とも粋な遊びで…小満ん師匠の話芸のなせる技。
若手の落語家が無垢な若旦那をいきいきと演じるのも
それもすごく魅力的なんだけど、ここでは渋い中にも
ちょっとまた違った世界が広がって、気持ちいい~

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たまには仕事の話を…

たまには仕事の話を…といっても愚痴です。
ブログにはあまり書かないようにしているのだけど、
さらけ出すのはみっともないし、差し障りもあるし…
でも書きたいことを書かないのはストレスになるので、
過去にもまれに切れて、発散したこともあった…
6月、7月、8月…と三か月ほどかかわっていた仕事。
最初に提案書を出して、それはあくまでも「案」。
契約しているわけではないので、あまり詳しい図面は出したくない。
ということはよく説明したのだけど、結局さらに煮詰めて修正案を出して、
なるべく手際よく作業するようにはしていたのだが…
当然のことながら、それなりに手間はかかります。
お盆の前に概ねはまとまっていたのだが、
敷地に関して問題があって、「本来はこうするべき」という方法を用いたときに
建築主の利益に影響が及ぶとして…そこで正しくないことにも手を出すべきか…
多少は融通きかせろよというのもあるのだろうけど、私には抵抗あったので、
これに関しては「拒否」。今後も清く正しく、その点は道を誤らぬように。
さらには設計報酬の問題。こちらの条件は毎回共通に決まっているのだが、
はっきりいって、値切られて、仕事を合理化することで妥協案を提示したのだが、
それでもあちらの価値観には合わなかったようで…開きがあったみたいで。
要するに金を出す気がない…それに現実、余裕もないのだろうけど、
ある意味、交渉決裂なので、もうダメだなとは思っていたのだが…
結局、いいように利用されて、使い捨てにされた感がある。
もちろん当然のこと、取れる仕事と取れない仕事があって、
全部がうまくいくはずもないのだが、ちょっと今回は腹が立つ。
会社に勤めて、設計の仕事をしている建築士の人は、
その仕事が取れようが取れまいが、月末になれば
給料が振り込まれるのだからいい。
こちらは取れるか取れないかもわからない大きなリスクを背負って、
非常に不安な複雑な心理の中で…それでも少しでも可能性があれば、
やることはやらなくてはならず…作業はすべて自分の負担になってくるが、
どれだけ誠意を尽くしても…終わったらそれですべては無駄に。
1円にもならず、経費も取れず、時間ばかりが過ぎている。
もちろんずっとそれだけをやっていたわけではないけれど、
でももう季節は秋だよ…今年も先が見えて、どうする…
過去にもこういうことはあったのだが、最近はなかったので、
一言いわずには気がすまない。聞き流してください。

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2009年9月 4日 (金)

ホルシュタイン音楽祭2003

シュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭2003の開幕公演から
クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮ハンブルクNDR交響楽団の演奏会。
前半のモーツァルトのピアノ協奏曲(エマニュエル・アックス)はとってあって
今日は後半のベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」を聞いている。
(2003年7月13日 リューベクの音楽会議場で収録)
ハンブルクNDR交響楽団の響きが渋い!さすが。
機能性は高いし、音色も明るめの柔らかい表情も聞けるのだが、
しかしそれでも渋い。これぞドイツの放送オーケストラの真髄。
いや、やはりかなりの辛口か…素朴なところもある。
ドホナーニの解釈もスタンダードの極みだが、そこに感動があり、
現在ではある程度の重量感に安定した音楽を進行させ、
巨匠の芸風としては、きっちりとした造形が今も健在だけど、
何とも玄人好みのいぶし銀の存在なのである。
残念なのは、あまり最新録音を聞く機会がなく…

CDR557

「クリストフ・フォン・ドホナーニ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年9月 3日 (木)

驚愕!深夜タクシーの恐怖

寝る前の音楽鑑賞の楽しい時間。
ブルックナーの交響曲第9番を聞いて、
まだ第1楽章の途中で何か聞こえてくる。
外から大きな声が!何事?
2階の廊下の窓は網戸にしてあって、
私がいつも窓を閉めてから寝る。
深夜に外で人の声がするのって、
どこかの家で救急車を呼んだとか…
あまりいいことはないのだが、ちょっと違うみたい…
大人の男が大きな声で言い争い?喧嘩?
窓から見るとわが家の真下にタクシーが止まって、
ドアが開いて、道路で客と運転手が争っている。
誰?近所の人?どうも知らない人のような…
最初を聞かなかったのでどういう経緯なのか分からない。

何だかお互いに罵り合っている。
殴り合いになるのではないかと最初は怖かったが…
どうも聞いているとそのやり取りはちょっと滑稽。
しかし大人の喧嘩はどう展開するかわからない。
刃物沙汰になったら警察やら救急に連絡しないといけないし。
ご近所も静かに様子をうかがっているみたい。

「それが客に対する態度か!」
「あんたなんか、客じゃないだろ!」

客がナンバーを見て「通報するぞ!」
「ああいいとも。何とでも言ってくれ!」

「○×(タクシー会社)も落ちたもんだね…」
「あんたみたいな酔っ払いにいわれたくないよ」

酔っ払いの客なんだ…

「もう乗らねえぞ!」
「ああ、乗るな!」

「俺は客だぞ!」
「だから、あんたなんか客じゃねえって!」

このようなやり取りが長々と繰り返し続いて…

「もう帰れよ!」
「あんたこそ家に帰れよ!」

帰れ!帰れ!と言い合っているわりには
お互いにそこを離れようとしない。
背を向けた方が負けになるというのは動物的な本能?
ちょうど出会いがしらの猫の喧嘩にそっくり。
当人同士はいいけれど、近所はいい迷惑。

そのうちさすがに運転手はタクシーに乗り込んで
行ってしまった。たぶん料金は取れなかったんじゃないかな…
ひとりとり残された客は、とぼとぼ歩きだして、暗闇に消えていく。
やっぱり近所の人ではなかった。

少ししたらタクシーがどこかでUターンして戻ってきた。
えっ!引き殺すつもりじゃないよね!
一瞬の緊張!まあ、そこまでのことはなく、
最後にもう一度、罵り合って、タクシーは行ってしまった。

無愛想な運転手に酔っ払いは腹を立てたのかもしれないけれど、
客の態度が悪くて、運転手も機嫌が悪かったんだろうし…
マナー違反はきっと酔っ払いの方でしょう。
誰が好き好んで酔っ払いの世話をするものか!

深夜のタクシーは乗る方も乗られる方も怖い…

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クリストフ・フォン・ドホナーニ 9

今日はドホナーニ指揮クリーブランド管弦楽団の演奏で
ブルックナーの交響曲第9番(1988年10月収録)
ドホナーニのブルックナーの交響曲シリーズでは
この第9番が最初の録音となったのである。
当時のドホナーニは極めて挑戦的な姿勢が魅力であり、
鋭く切り込んでいく鮮やかな解釈に私は夢中になった。
ブルックナーの豊かな音響を精妙にコントロールして、
引き締まった表現で音楽の構造を明瞭に描き出していく。
一時代を築いたドホナーニ・スタイルによる
クリーブランド管弦楽団の響きがこれなのであり、
全体のバランスは徹底して吟味されて、
どこまでもどこまでもクリアにそのすべてが聞こえてくる。
精神論のブルックナー解釈ではないが…
独特の美観と透明性の獲得、こだわりの極致は
一方でひとつの頂点に達しているのである。
1980年代後半のドホナーニって、強烈な個性が際立って、
かなり刺激的な演奏に私は興奮して、はまっていたのだ。
もちろん今聞いても実に新鮮な感覚だし、
ここでのドホナーニは、私にとってはかなりのお気に入り。

DECCA 425 405-2

「クリストフ・フォン・ドホナーニ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年9月 2日 (水)

シューベルトの歌曲 36

昨日に続いて歌曲集「白鳥の歌」を聞いている。
こちらは新しいCDだが、イアン・ボストリッジのテノール、
アントニオ・パッパーノのピアノによる演奏である。
2008年8月15-17日にロンドンで収録。
秘密、フランツ・シューベルトに D.491、
馭者クロノスに D.369、水鏡 D.639(D.949)、
歌曲集「白鳥の歌」 D.957、別れ D.475
イアン・ボストリッジもパッパーノのピアノも
非常に繊細な表情で透明感と静寂の美しさは圧倒的。
でもやはり昨日のクヴァストホフのバス・バリトンと比べると
ずいぶん印象は違っていて…ガラッと変わる感じ。
歌がテノールになるのだから当たり前なのだけど
アントニオ・パッパーノのピアノがそれにしても軽い。
「白鳥の歌」前半のレルシュタープの詩による歌曲など
驚くほど軽快でこんなに速く弾くの!という…
「セレナード」などは、すごく魅力的に仕上がっているが。
でも後半のハイネの詩による歌曲に進むと素晴らしい。
絶望感は薄まっているが、弱音が冴えわたって、
イアン・ボストリッジも聞かせる。感動的である。

EMI 2 42639 2

「イアン・ボストリッジ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年9月 1日 (火)

シューベルトの歌曲 35

今日は歌曲集「白鳥の歌」を聞いている。
昨日に続いてトーマス・クヴァストホフのバス・バリトン、
ユストゥス・ツァイエンのピアノによるCDを出してみた。
こちらは2000年12月にミュンヘンで収録。
やはりクヴァストホフは「白鳥の歌」の方がいいと思う。
このCDは本当に名盤だと私のお気に入りである。
全14曲における集中力が驚異的だし、
深い底から湧きおこってくるような緊迫感、
動きは抑えつつも力強い迫力に追いつめられる感覚。
ユストゥス・ツァイエンのピアノに聞き惚れる。
「美しい水車小屋の娘」と続けて聞くと
やはり右手は柔らかい自在な動きが心地よく、
低音部がしっかりと鳴って、音楽に活力を生み出し、
同時に非常に豊かな表情を創りだしている。
後半はブラームスの4つの厳粛な歌。

DG 471 030-2

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