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2009年9月13日 (日)

黒門亭で八朝・志ん橋・金時

今日は志ん橋師匠が出られるので黒門亭へ。
考えてみるとお盆の「怪談噺特集」以来で
もう一ヶ月だ…時がたつのが早い。
ひとり気合い入って、早く行ってしまった。
でも…八朝師匠がこんな早い時間に!
今日の前座さんは多ぼうさんだ!って、
そのお二人が会場の準備をされているのを
外から何となくうかがっているのは楽しくて、
ちよりんさんも来られて、挨拶したり、
二ツ目さんが何人か出たり入ったり、
待ち時間もあっという間に過ぎていく。

第1部
三遊亭多ぼう:道灌
桂笑生:写真の仇討ち
古今亭八朝:幇間腹
丸山おさむ:声帯模写
古今亭志ん橋:突落し


多ぼうさんは4月にはじめて聞いて、今日で二度目。
不思議ちゃんな芸風は健在で独特な感じは強く印象に残る!
棒読み調であり、でも一言一言を大切に喋っているのはよく伝わってくるし、
ハラハラさせながら、しかし例の「七重八重 花は咲けども 山吹の…」が
「ななへやへはなはさけともやまふきの…」になって
「七重八重 花は咲けども 山伏の 味噌一樽と 鍋と釜敷き」になってしまう
言葉はしっかり入っているみたいで…実は覚えるのは得意?
というのが感想。本当のところはわからない…謎が多いので今後も注目!
続く笑生さんも八朝師匠もまずは多ぼうさんのマクラから入っていくので
そのネタになっちゃうところもひとつの才能なのではないか!という。
笑生さんは、この噺、どこかで聞いたことあるんだけど…何だっけ?
後でわかったのだが、「写真の仇討ち」という噺だった。
来年春に真打昇進だけど、さすがにじっくり聞けた。
八朝師匠は幇間の一八であまりにもはまりすぎて、面白かった。
でも「幇間腹」は結構聞いているけれど、他と比べて、
八朝師匠ならではの印象がすごく感じられて、その辺が師匠の芸なのかなと。
一八のわざとらしくて、くどいところ、本物の一八が目の前の高座に現れた。
黒門亭では珍しい声帯模写の丸山おさむさん。私には新鮮な感じ。
昔の話題が多いので、直接は知らなくて、何となくわかる程度だけど、
そんなのは関係ない…想像は自在に広がる…面白かった。
第1部のトリは志ん橋師匠の「突落し」。はじめて聞く噺。
ネタ出しだったが、中身を知らない方がより楽しめるのではないかと
あえて真っ白な状態で聞いたのだが、女郎買いの噺だったのだ。
でも長屋の若い衆が揃って出掛ける…明るく騒々しい噺で
前半は「錦の袈裟」みたいなはじまり、与太郎も登場するという
後半は逃げちゃうという点では「付き馬」の「長屋の若い衆編」で
やってることは騙して、相当な悪の筋書きなんだけど
志ん橋師匠はお祭りの賑わいみたいな、嫌みのない仕上りがよかった。
こういう噺が合うという印象もあるけれど、じっくり楽しい40分。

20090913a

第2部
三遊亭多ぼう:牛ほめ
三遊亭金也:寝床
林家錦平:ねずみ
三遊亭金時:紺屋高尾


第2部も開口一番は多ぼうさんで「牛ほめ」。
与太郎さんがすごくよかった。上手い!
さすがに与太郎が似合うといわれたら嫌かもしれないけれど
この「牛ほめ」はいいなあ…とワクワクして聞けた。
後半の牛を褒めるところ、時間が押してきたみたいで
テンポが上がって、滑舌もよくって、実は喋れるのではないか!
本当のところはわからないけれど…謎が多いので今後も注目!
第2部はネタもよかった。「寝床」「ねずみ」「紺屋高尾」
「寝床」はお馴染みの面白くって、大いに盛り上がり、
金也さんのは、先の番頭さんが旦那とさしで義太夫語りで
耐えられずに蔵に逃げ込んだのだけど、旦那は梯子に上って、
蔵の中を義太夫がグルグル渦巻くというネタがついて、
私はこれが聞けると得した気分になってうれしい。
そして錦平師匠の「ねずみ」はしんみりと…じっくりと味わって。
自然な語り口なんだけど、それゆえに噺が伝わってくる。
甚五郎ものでいい噺なので、特別な演出はいらなくて、
しっかりと丁寧に語り聞かせてくれる師匠の自然体がいいのだなと。
でも思い出してみると宇兵衛さんが甚五郎にこれまでの経緯を聞かせるところ、
その辺は言葉にすごく力がこもって、迫力もあって、感動的な場面だった。
今日のトリは金時さんの「紺屋高尾」。第1部に続き、こちらも女郎買い。
すごくよかったのだ!感動的だった。今日はこの一席が聞けてよかった。
実は「幾代餅」は何度も聞いているのだけど、「紺屋高尾」ははじめて。
「紺屋高尾」の方が合理的な部分もあるし、しかし年に三両の稼ぎで
三年の間、高尾大夫のことを想い続けて、必死に働くというところ、
憧れだけで三年も待てるのか…というのが、現代人には理解に苦しむ…
「幾代餅」の一年ならば、がんばれるのか…?
この辺が江戸のころとは、恋愛の方法も価値観も何もかもが違っていて…
今と比較するのは野暮であり…一方でそこが落語のよさでもあり…
清蔵さんにしても今日の久蔵さんにしても心の清らかさに感動。
金時さんの久蔵は、真面目に一途で、真剣ゆえに正直なところが
演じる金時さんのすべてから伝わってくるようで
よく理由はわからないけど、私のイメージにはぴったりと合って、
とにかく素晴らしい「紺屋高尾」だったのである。
最後に非常にいい気持ちにしてもらって、黒門亭は終了!

20090913b

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