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2009年10月14日 (水)

ミケランジェリのシューマン 1984

ミケランジェリのシューマンのピアノ協奏曲がついに登場。
ダニエル・バレンボイム指揮パリ管弦楽団による
1984年10月のサル・プレイエルにおけるライブ録音である。
この録音の存在は以前から知っていた。
長くミケランジェリのプロデューサーを務めていた
コード・ガーベンの著書の中に記述があったからである。
当初はグリーグのピアノ協奏曲とのカップリングで企画が進んでいたが
先に行われたシューマンの演奏にミケランジェリが満足せず、
グリーグに関しては、録音すら実現しなかったそうだ。
DGは、シューマンのこの録音だけでも発売できるよう交渉を進めたようだが、
結局ミケランジェリは許可をせずに長年お蔵入りしていたのである。
このままでは本当に永遠に日の目を見ることはないと…
今度はミケランジェリ夫人と辛抱強く交渉したようで
25年の月日を経て、ついにここに実現したわけだ。
私のようなマニアには興奮を抑えられない無上の喜びなのだが、
しかし正直なところ、聞いてみるとちょっと残念な仕上がり。
1984年という録音年代を考えるとあまりにも音が悪すぎる。
客席にマイクを立てているような印象で全くクリアでないし…
ミケランジェリのピアノも遠く、オーケストラとのバランスも悪い。
残響が長いし、ピアノのソロが埋もれてしまう。
この録音の仕上がりでだと…どうも集中力散漫に聞こえるところも多くて
一方でハッとするような魅力的な瞬間もあることは事実であり、
より鮮明な優秀な録音で聞けたなら、どんなに素晴らしかっただろう…
と思うと残念でならない。何でこんなに音がこもっているのか?
ライブとはいえ、DGはレコード収録の配置でマイクを立てていたはずで
でもこの品質というのでは、ちょっとDGとも思えない…

後半は1982年3月収録のドビュッシーの「映像」からの4曲である。
「水に映る影」「ラモーを讃えて」「葉ずえを渡る風の音」「金色の魚」
全曲でないことが残念だが、こちらは録音状態もいいし、安心して聞ける。
ミケランジェリの細部へのこだわりとその効果による圧倒的な輝き、
「映像」に関しては1971年の不滅の名演があるので
あまり比較はしたくないとは思うのだけど…
繊細さではやはり1971年の演奏は完璧な仕上がりで
今回の録音では、その後の巨匠的な余裕と深まりが感じられるのである。

DG 00289 477 8569

「アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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