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2010年5月18日 (火)

第98回 柳家小満んの会

毎度の「横浜 柳家小満んの会」で関内ホールへ出掛けた。
今回の三題も何かつながりがありそうで…キーワードは「坊主」?
「蛸坊主」ではまさに坊さんが登場。四人の悪僧を老僧が懲らしめる。
「田能久」では、うわばみが白髪の老人に姿を変えて現れ…
「強飯の遊び」は前半が弔いの場面である。寺ではお経があがる。
ご隠居が96歳の大往生で…「老人が活躍」というのもいえるのか?

柳亭市也:道具屋
柳家小満ん:蛸坊主
柳家小満ん:田能久
柳家小満ん:強飯の遊び


開口一番は市也さん。上手くなったな!噺はお馴染み「道具屋」。
与太郎とおじさんの演じ分けも喋りでしっかりできていたし、
それ以上に目に力があって、絵としても引き込まれた。
今日の小満ん師匠の三席は、噺のセレクトが何とも魅力的で
「蛸坊主」という噺は今回が完全にはじめてだが、
「田能久」も「強飯の遊び」もそれほど頻繁にかかる噺でもないし、
でもそうした地味な噺をこんなにも楽しく仕上げてしまうのは
師匠の話芸で、夢中になってしまうのだから…私も好きである。
すごく面白かった。面白いといっても笑い転げるのではない…
じんわりとくる面白さで、これぞ通好み!たまらないものがある。
「蛸坊主」では、不忍池の料亭で…坊さんは生臭ものは食べないと
高野山の修行僧であると語る四人の悪僧が鰹だしの椀物にケチを付け、
それに対して、偶然居合わせた老僧が高野山の由来を語り聞かせ、
見事に懲らしめるという…ここが鳴り物入りで芝居仕立てに
いきなりのすごい迫力…最初からなかなかの重厚な噺にびっくりだった!
続いて「田能久」だが、こちらは四国阿波の徳島という…
落語には珍しい場所が舞台だが、うわばみ登場の民話のような噺で
「親孝行は徳の本」という教えも入っているが、
一晩の情景が絵画的に鮮やかな噺である。面白い!こういう噺もいい。
「強飯の遊び」は「子別れ(上)」としても知られており、
今日は単独の噺で…後の展開についてはなしだけど…
でも主人公はやはり大工の棟梁で熊さんだった。
江戸時代に「遊び」といえば…「女郎買い」のことであり、
師匠もサゲでは「強飯の女郎買い」といっておられた。
弔いの席でご隠居の思い出を語る人情噺的な場面もあるけれど
酒癖の悪い熊さんは、周囲に絡んでどうしようもなく…
最後には吉原に繰りこんでしまうのである。
ひとつ今日学んだことは、当時は弔いの参列者には
帰りに菓子折りを持たせたそうだが、仏が高齢で大往生の場合には、
お煮しめの入った強飯の弁当をみやげに出したそうである。
強飯といっても…お赤飯ではなく、つまり小豆ではなく黒豆を入れて炊く。
弔いはめでたいわけではないので赤飯は振舞えないが、
黒豆入りの強飯はそれほど縁起の悪いものということでもないようで…
熊さんは余った強飯の弁当をみんな持ってきてしまって
吉原の若い衆に自慢げに配る。がんもどきの汁が少ないようですが…
次回は7月20日(火)第99回 横浜 柳家小満んの会
演目は「茗荷宿」「ちりとてちん」「種の起源」です。

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コメント

いつも中々聞けない根多をかけて下さる小満んの会ってファンにはたまりませんよね~!
次回もまた楽しみな根多出しでワクワクしますね!

投稿: れもん | 2010年5月19日 (水) 22:25

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