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2010年6月13日 (日)

黒門亭で小袁治・小ゑん・はん治

今日は朝から黒門亭へ。先月はじめ以来。
小袁治師匠が好きで…勢朝師匠ははじめて…
亜郎さんがネタ出しで「文七元結」はどんな感じ?
小ゑん師匠が「牡丹灯籠42.195km」で…
はん治師匠も聞きたいし!何となくいい顔付けである。

第1部 芸歴逆順序
柳家緑君:狸札
柳家小袁治:長短
林家錦平:不動坊
春風亭勢朝:ぼやき酒屋
三遊亭亜郎:文七元結


今日の前座さんは緑君さんで第1部は「狸札」。
もうすぐ二ツ目だよね!という詳しくは第2部で。
第1部は「芸歴逆順序」という企画なので
トップに小袁治師匠が登場で軽くというところで「長短」。
でも結果的に今日一番よかったのって、この「長短」だった。
前座・二ツ目時代のアルバイト生活のマクラから
結婚式の司会のネタになって、夫婦の性格の不一致、夫婦喧嘩…
すると「堪忍袋」かな…と思っていたら、性格の違いで「長短」だった。
お馴染みのネタだし、いつもの流れで時間も短いのだけど、
一気に落語の世界に引き込まれていくという…すごい。
お菓子を時間かけてくちゃくちゃ食べたり…
何度やっても煙草に火のつかない長さんの見せる芸。
いらいらしてたまらない短七さんとの対比がくっきり!
一般的なこういうネタで「すごい!」と思わせるのはさすが。
錦平師匠も続いて、6月は結婚式シーズンという
結婚式の司会のマクラから「吉つぁん身を固めないか…」と「不動坊」へ。
仲入り後に…なぜか今まで生で聞くチャンスがなかった勢朝師匠。
毒舌楽屋噺は知っていたけれど、入門に関するマクラから前座修業の話。
ニコニコ笑顔で内容は強烈!という、噺に入って「ぼやき酒屋」だが、
これは「勢朝バージョン」といってもいいのではという…
それは「ぼやき」の内容が…引き続き、楽屋噺が盛りだくさんなのである。
とても書けない内容だけど…これは面白すぎ。今回も彦六師匠が登場!
第1部のトリは「文七元結」。亜郎さんの新作風古典って、大好きなのだが、
でも今日の「文七元結」はちょっと私には合わなかった。
左官の長兵衛さんが、42歳B型…今年厄年で大殺界の真っ只中という
博打におぼれ、人生真っ暗という設定。やはり新作的なスタート。
亜郎さんの等身大に長兵衛さんを重ね合わせて、よりリアリティを追求か。
芝居出身の亜郎さんなので…豊かな描写で人物描きわけも見事に
ひとり芝居のような世界が広がるのだが、ここがちょっと違う…
語り聞かせる話芸としての落語を超越しているような印象があり、
そこが魅力でもあり、でも「文七元結」に限っては、なんか違う…
江戸の情景であり、江戸の人々が描かれているのだけど
私には目の前にいる全員が現代人のように感じられて…
現代人の会話であり、間とか空気とか、呼吸が今の我々のそれ。
すると…それで江戸を描こうとするとわざとらしくなってしまう。
会場は爆笑の連続で…ということは、ウケ狙いの小ネタが多く、
「文七元結」って、人情噺ながら…たしかに笑いの場面もあるのだが、
それは真剣で必死な人のやり取りって、素の状態の我々には、
ついおかしく…目に映るものなのであり、ウケ狙いで演じるのとは違う。
笑いあり…涙あり…の喜劇的「文七元結」もありと思うし、
そうした世界を描き出せるのは、亜郎さんのような噺家だと思うので
もっともっと研きをかけて、演じ続けていってほしいなとは思った。
また時間が経って、もう少し上の年齢設定による亜郎版長兵衛も見てみたい。

20100613

第2部 新作落語特集
柳家緑君:金明竹
柳家小ゑん:牡丹灯籠42.195km
柳家はん治:君よモーツァルトを聴け
林家正蔵:ハンカチ

第2部は「新作落語特集」だが、早々札止めで正蔵効果恐るべし!
私は小ゑん師匠がお目当てだが、でもなぜか…黒門亭で
正蔵さんは過去に何度か聞いている。縁があるのかな?
第1部が何となく物足りない…というのは期待が大きすぎたのだが
そういう中で第2部も前座さんは緑君さんだけど「金明竹」。
これがお見事!「金明竹」の言立てを4回繰り返したけれど
鮮やかに決まって、爽やかな風が吹いた…稽古してるね!
もうすぐ二ツ目昇進だけど、しっかり準備してるな!という好印象。
私のテンションもすっかり上昇で続く小ゑん師匠へ。
去年の「無限落語」で圓丈師匠の「カランコロン」を聞いたのだが、
それは小ゑん師匠の作による「牡丹灯籠42.195km」で
今日はその本家本元を聞けるという…楽しみだ。
怪談噺なので寄席の前座幽霊のマクラから。面白すぎ。
噺に入って「牡丹灯籠42.195km」もよかった。さすが!
小ゑん師匠の新作はその緻密さに興奮を抑えきれず。
内容を振り返って、書いていきたいところだけど
それでは新作を聞く楽しみがなくなってしまうので書かない。
大満足でご機嫌だ。今日は黒門亭に来てよかった。
続いてはん治師匠。新作は桂三枝作を専門に演じているそうで
今日は「君よモーツァルトを聞け」という…もちろんはじめて聞く。
はん治師匠でモーツァルト?って思ったら…
北島三郎好きの魚屋さんがクラシック好きの医者の先生から
モーツァルトを聞かせてもらうという内容。
その魚屋さんが、まさにはん治師匠だった。なるほど!
鳴り物入りではない…「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」入り。
「天才モーツァルトを育てたのは父が偉大だった」というのを
家に帰って、おかみさんに聞かせる…オウム返しは落語の定番だが、
クラシック・ネタ…西洋的なものと落語を融合させるという点では、
すごく新鮮な感覚…はじめてのものに出会うという印象もあり、
しかしその仕上がりは自然に落語であるというのが完成度の高さか!
トリは正蔵さんで「ハンカチ」という夫婦の噺。正蔵作なのか?
いい噺ではあるけれど、こういういい噺というのは逆によくありそうで
似ている噺も探せそうな…違うストーリーでも同じ方向性は出せそうな…
小ゑん師匠とか喬太郎師匠…の新作と比べると単純で日常的だし、
でも一方で落語を知らない一般ファンには、最高のきっかけともなりそうで
正蔵さんは広い視野で演じていく独特な役割があるのかなとは思った。
この噺ももっと研かれていけば…いずれテレビとかでも見られるかも?

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コメント

突然のコメント掲載ですみません・・
私もその日の黒門亭に行きました。私の場合は亜郎さん目当てにですが・・
日記を読ませていただいて、二部も見れば良かったぁ・・っと、ちょっと後悔してしまいました。
詳しく、そして、わかりやすく書いていらっしゃるので、とても楽しく拝読させていただきました。
またお邪魔したいと思います。
ちなみに、26日の無限落語、行きますか?

投稿: おみつ | 2010年6月20日 (日) 12:23

はじめまして。コメントありがとうございます。
「無限落語(6/26)」…今回は予定していないのですが、
またテーマや出演者でぜひ行きたいと思ってます。
今後ともよろしくお願いいたします。
黒門亭にはよく行かれるのですか?

投稿: たけお | 2010年6月21日 (月) 10:37

コメントに返信ありがとうございます。
嬉しかったです。
小ゑん師匠お目当てと書いてあったもので、無限落語もいらっしゃるのかな?っと思ったのです。
今回は亜郎さんが出演するので、26日の無限落語は予約いれました。小ゑん師匠、白鳥師匠、彦いち師匠とメンバーは良いなと思いました。
黒門亭も出演者によりますが、結構行きますね。壁に寄りかかって、くつろいで見るのが定番かな。
ではまたお邪魔させてください。

投稿: おみつ | 2010年6月22日 (火) 19:44

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