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2010年8月20日 (金)

クリーブランド管弦楽団2009/2010

フランツ・ウェルザー・メスト指揮クリーブランド管弦楽団による
ワーグナーの管弦楽作品集(2010年2月20日のライブ録音)。
想像はしていたけれど…軽い。透明な仕上がりは魅力ではあるが…
冒頭の「リエンツィ」序曲は、明るい音色でいきいきと素晴らしい。
続く「トリスタンとイゾルデ~前奏曲と愛の死」では、ちょっと繊細すぎか。
細やかな表情と滑らかな流動性は、メストの主張に満ちている。
「ローエングリン」も同じ方向性で見通しのよいスッキリとした印象。
ドイツのオーケストラで聞けるずしりと重い響きはどこにも見当たらず…
その点ではウィーン的なワーグナーをここで再現しているのかも。
ヴェーゼンドンクの5つの詩は、美しい演奏で感動的だ。
ミーシャ・ブルガーゴーズマンが歌っている。
こちらも細やかな表情作りが絶品でその精妙さといったら圧倒的。
そして「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲。
爽やかに淡々と進行するところは、少々拍子抜けする部分ではあるけれど
木管楽器を中心に各パートの鳴らし方、これぞまさにメスト流の音楽づくりで
最高に面白いと思う。8分42秒での演奏(ノリントンは8分17秒)。
アンコールか?最後は「ワルキューレの騎行」でこちらも極めて個性的。
メストはこの解釈で…ウィーン国立歌劇場で指揮しているのだろうか?
だとしたら…かなり刺激的に斬新な発想が示されているけれど
保守的なワグネリアンには嫌われるのでは?と思ってしまう。
私もまたティーレマンの演奏が基準になってしまっているので
正直なところ、この正反対に位置する仕上がりにはまだ戸惑いが…
クリーブランド管弦楽団というオーケストラは、抑制の中に美しさがやどり、
押しは弱いのだけど、明瞭な音楽は発見に満ちている。
しかしワグネリアンたちは、それほどに新発見は求めていないような。

DG 477 8773

「フランツ・ウェルザー・メスト」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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