« スティーヴン・ハフ 1 | トップページ | 柳家小満ん 「ろくろっ首」 »

2010年9月19日 (日)

第100回 柳家小満んの会

横浜の「柳家小満んの会」が今日で100回を迎えた。
それを記念して、今回は日曜日に昼席である。
開場前に入口で待っていたら…師匠とありがとうさんが来て、
「おまんま食べに行ってたの…」って、お茶目な師匠は素敵!

三遊亭ありがとう:転失気
柳家小満ん:指仙人
柳家小満ん:三人無筆
柳家小満ん:お直し

開口一番はありがとうさん。小満んの会には何度か出ていて、
師匠も高座でありがとうさんのことを紹介していたけど
お気に入りの前座さんなのかも。ありがとうさんは上手い!
「転失気は盃…ウソ」にちなんで、「三人無筆」の中では
「転失気で酒飲んで…」という場面も登場。面白い!
小満ん師匠の一席目は「指仙人」という噺で
もちろんはじめて聞いたけど、師匠も最初に
「100回も数えると珍しい噺が出ます」って、やはり珍しいようだ。
中国の小噺を元に明治期に創られたらしい。
勘当の若旦那が芸人(幇間)のところに居候して、
この辺は落語ではお馴染みの情景だが、
年が明けて姿を消した羽衣花魁に会いたいと
ふたりで木曾の山中に出掛けていくというストーリー。
駕籠ではなく、汽車で塩尻まで行くというところが明治ならでは。
仕上がりの印象は古典落語だが、「電話の遊び」や「電報違い」とか
江戸落語とはちょっと違った、明治の頃には新作だったのだろう。
仙人になった羽衣花魁が指を天に向け、呪文を唱えると…
何でも天から降ってくるという…若旦那は「その指が欲しい」って
そこで…吉原の遊女が馴染み客と結婚の約束をするのに
起請文を送ったり(何枚も存在して信用なし)…というのが有名だが
中には、指を綿に包んで送ったりする者までいた(しん粉細工の偽物)…
というところにつながってくるのである。なかなか今では理解しがたい内容。
続いて「三人無筆」。こちらもはじめて聞いた。すごく面白かった。
「無筆」とは、字が書けない…読めないということだが、
無筆の人が集まるとひと騒動起きるという…お弔いの受付にて。
今では存在しなくなってしまったものが、江戸や明治の…
少し前の時代には当たり前だったという、そんな情景…
そういうものを落語の中から感じとりたい…
今日の噺からは、そうしたテーマが見えてきた。何となく…
というので、後半は「お直し」である。師匠も最初に
「お直し」という噺は、吉原についての研究発表だと。
小満ん師匠で「中村仲蔵」を聞くと芝居の歴史を知ることができるし、
「お直し」を聞くと吉原の風景や仕組みやその表も裏も…
いろんな知識・情報がヴィジュアルに頭に入ってくるのである。
「お直し」は吉原でも…華やかな大見世とは対称的な…
蹴転宿、羅生門河岸と呼ばれる最低の女郎屋を舞台に
落ちるところまで落ちていった夫婦の辛く悲しい情景が描かれて…
芝居っぽく演じるとすごく重い内容に仕上がるのだが、
でもここで小満ん師匠の芸風の素晴らしさだと思うのだけど
さらっとした肌ざわりに日曜日の昼間で深刻にならない。
面白おかしい内容ではないのだが、「直してもらいな…」のところなど
嫉妬している牛太郎の旦那はかわいくて…つい笑ってしまう。
そして酔っ払いの客の相手をしている女房だけど
これが予想以上の!小満ん師匠が色っぽくて、驚いた。名人!
今日も三席、本当に素晴らしかった。落語は深い!
次回は11月17日(水)第101回 横浜 柳家小満んの会
演目は「山岡角兵衛」「大神宮」「睨み返し」です。
「睨み返し」だ!今年もそういう時期(大晦日の掛取り)になるんだな…

|

« スティーヴン・ハフ 1 | トップページ | 柳家小満ん 「ろくろっ首」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121598/49499910

この記事へのトラックバック一覧です: 第100回 柳家小満んの会:

« スティーヴン・ハフ 1 | トップページ | 柳家小満ん 「ろくろっ首」 »