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2010年11月 6日 (土)

黒門亭で小袁治・正雀

今日のお目当ては小袁治師匠と正雀師匠で黒門亭へ。
噺も魅力的。小袁治師匠は「柳田格之進」。
正雀師匠は第2部で独演ということで
三遊亭圓朝作の長編もの「名人長二」から第一回。
「名人長二」は志ん生さんの録音をちょっと聞いたぐらいで
あらすじは知っているけれど、実演で聞けるのは貴重なこと。

第1部
三遊亭歌る美:堀の内
入船亭遊一:真田小僧
三遊亭小歌:狂歌家主
橘家仲蔵:短命
柳家小袁治:柳田格之進


前座さんは歌る美さん。うれしい!
お気に入りの前座さんで…でも聞けるのは久しぶり。
今日は「堀の内」「子ほめ」でバッチリ!
明るいし、華やかで…表情も豊かに、大いに期待である。
来年には二ツ目に昇進だろう。もう実力は十分!
遊一さんは「真田小僧」を「薩摩に落ちた」のオチまで。
「真田小僧」は大好きな噺だけど、後半が聞けるとうれしい。
ホントにこの金ちゃんは賢いよね!という楽しいお噺。
小歌師匠が「狂歌家主」。師走ネタだ。そういう季節。
「掛取り」や「睨み返し」「言訳座頭」…
大晦日の掛取り風景って、なぜかすごく興味ある。
現代ではなくなってしまった落語ならではの情景。
仲入り後に仲蔵師匠が「短命」だけど…
マクラでの「師匠圓蔵ネタ」が面白かった。
人間ドックで「MRI」が「イモ洗い」になってしまうという。
いよいよトリは小袁治師匠の「柳田格之進」。
この噺も現代人の感覚では信じられないようなことが多くて、
感動的な人情噺だが、聞けば聞くほど考え込んでしまう要素があり…
私も「志ん朝・志ん五・志ん橋」の古今亭の型に親しんでいるのだけど
小袁治師匠も指摘の「落語とはいえ偽善的な…こんな人いるわけない…」
というのは同感で…先代馬生師匠の型(解釈)で演じてくださるそうである。
細かいところもいろいろ違っていたのだが、大きなところでは、
年末の大掃除で額の裏から50両が出てきて、それから…
番頭の徳兵衛と柳田が再会する湯島の切通しの場面までに
二年の月日が流れているという。その間に柳田は帰参が叶い、
すぐに50両を借り受けて、おきぬさんはすでに身請けされている。
今日の小袁治師匠の説明では、おきぬさんは吉原に売られたが、
操を立てて、客の相手をすることを拒んだために
暗い牢のようなところに押し込められて、痩せこけ
老婆のような姿になっていたと…そしてサゲだが、
柳田が碁盤を真っ二つに斬り、「このふたりを斬れぬ…許せ…」で
その後の展開(徳兵衛とおきぬさんが夫婦に…等)にはふれず。
憎むべき存在の徳兵衛とおきぬさんが仲睦まじく…というのは考えにくい。
もう一度聞き直さないといけないが、さん喬師匠もこちらの型だったかも。
「柳田格之進」は独特な重苦しい空気が感じられる噺だけど
小袁治師匠は穏やかな語りで…自然体な言葉に優しさが伝わってくる…
これは先入観ではあるけれど…馬生師匠の語りが受け継がれていて…
素晴らしい「柳田格之進」だった。聞けてよかった。
47分ほどの長講で…第1部は14時35分終演。


20101106

第2部 「正雀独演」
三遊亭歌る美:子ほめ
名人長二(一)
林家正雀:仏壇こわし
林家正雀:湯河原

第2部は正雀師匠の「名人長二」。その第一回。
三遊亭圓朝作の長編だが、新聞に連載された作品で
圓朝師匠は高座では演じていないということは知られている。
その点では、圓朝ものの中でも特異な噺といえるのだろう。
弟子の名人初代圓右師匠が熱心に高座にかけ、
正雀師匠の師匠である彦六の正蔵師匠は
その圓右師匠の「名人長二」に実際にふれていたと。
正蔵師匠も「名人長二」を演じ、それが正雀師匠に伝わっている。
指物師長二の名人伝は「仏壇こわし」の場面に描かれて、
絶対に壊れない仏壇の手間賃100両で湯河原に湯治に出掛ける。
長二の背中の傷によって、出生の秘密が明らかになっていくのだが、
どんどん面白くなって、夢中になって引き込まれてきたところで
「続きは次回申し上げます」とのこと。聞きたくなってしまう。
圓朝もので人物関係とか複雑で…難しくなりそうだが、
「名人長二」もはまりだすとこれはすごいかも!期待。

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