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2010年12月20日 (月)

アルフレッド・ブレンデル

ブレンデルの80歳の誕生日を記念する企画で
ミュンヘン、バーデン・バーデン、ザルツブルクでのライブ録音集。
2枚組の1枚目は、ブラームスのピアノ協奏曲第1番
コリン・デイヴィス指揮バイエルン放送交響楽団と共演。
1985年2月28日と3月1日にミュンヘンのヘルクレスザールで収録。
続いて2枚目は、モーツァルトのピアノ協奏曲第25番ハ長調K.503
こちらはハンス・ツェンダー指揮南西ドイツ放送交響楽団と共演。
2002年2月15日にバーデン・バーデンのフェストシュピールハウス。
そしてザルツブルク音楽祭2007から祝祭大劇場でのリサイタルで
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番作品110
シューベルトの即興曲D.935-1を2007年8月7日の演奏。
とにかく素晴らしい。圧倒的な感動だ。今年最高の喜びである。
ブラームスはアバド指揮ベルリンフィルとの名盤(1986年9月)よりも
1年以上前の録音で、コリン・デイヴィスが指揮していると
ずいぶん印象が変わって聞こえてくるが、
スタイリッシュな仕上がりのアバドに比べると
こちらの演奏は表情も大きく、ロマンティックなブラームスである。
ブレンデルの音も美しくて、強弱、剛柔を自在に操って、さすがの名演。
そして17年がたち、2002年のモーツァルトだが、
こちらはもう…何ともいえなく至福の演奏、極上の音楽である。
ハンス・ツェンダーの指揮が、さっぱりと爽やかに新鮮な音作りで
ブレンデルの肩の力が抜けた優しい表情、実に自然体であり、
あらゆる邪念を取り除いて、最後に到達するまさに極みの境地である。
こちらもチャールズ・マッケラス指揮スコットランド室内管弦楽団との演奏があり、
2001年7月のレコーディングの後、半年後ということになるが、
この時期のブレンデルのモーツァルトは本当に素晴らしい。
そして最も近い演奏で2007年のザルツブルク音楽祭でのリサイタル。
すべての音が語りかけてくる…激しさや緊張感よりも
音楽が自然に鳴り響き、ブレンデルは自身の存在をも消し去るような
こうして過去のライブ演奏を振り返ってみると
ブレンデルという人は、やはり私にとっては大きな存在だ。
これは多くの人に聞いてほしい名演である。

DECCA 478 2604

「アルフレッド・ブレンデル」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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