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2011年1月 8日 (土)

エレーヌ・グリモー

グリモーの最新盤で2010年9月にベルリンで収録された
モーツァルトのピアノ・ソナタ イ短調 K.310、ベルクのピアノ・ソナタ、
リストのピアノ・ソナタ ロ短調、そしてバルトークのルーマニア民俗舞曲。
モーツァルトはちょっと違うな…という。私の好みからすると。
古典的な様式観には背を向けて、自由にロマン派傾向による解釈。
こういう大胆な飛躍は、モーツァルト自身は大いに喜ぶのかもしれないけれど
私にはちょっと付いていけない領域にまで踏み込んでいるグリモーを見た。
とは思ったものの…二度目に聞くとすっかり慣れているので
音楽には慣れが必要…そしてこれが、グリモーの表現しているところの
モーツァルトのベルク、リスト、バルトークとの「共鳴」なのかもしれない。
ベルクもまた、世紀末ウィーンの無調の一歩手前にある乾いた響きを
ぐっとグリモー側に引き寄せて、ロマンティックな歌はずっと聞きやすいのだが、
こちらは聞き進むにつれ、音が美しくて、引き込まれていった。
リストのソナタはさすがに素晴らしい。細かいところがよく描きこまれていて、
しかしそれがわざとらしい作り込みにはならずに…表情豊かに歌い、
ここはこういう感じに聞かせるといいのだという新鮮な発想に満ちている。
30分に及ぶ大曲において、気の緩む時間は全く存在しないし、
音楽を構成する集中力は見事な…グリモーはやはりただ者ではない。
後半の迫力に満ちた…音楽が立体的に立ち上がって聞こえてくる…
これはいい演奏を聞けたな…という満足感に包まれた。
バルトークのルーマニア民俗舞曲は、最近はよく聞けるけれど
私も大好きな作品で、グリモーも響きの創り方が魅力的だ。

DG 00289 477 8766

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