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2011年4月27日 (水)

ピエール・ブーレーズ

ピエール・ブーレーズの新譜といいたいところだが…
去年の年末に買ってきて、今頃になって聞いているという
マーラーの歌曲集「子供の不思議な角笛」と交響曲第10番。
歌っているのは、マグダレナ・コジェナーのメゾ・ソプラノ、
クリスティアン・ゲルハーヘルのバリトンで何とも旬な感じであり、
クリーブランド管弦楽団の演奏で2010年2月に収録。
これがライブ録音なのか!驚きだ。さすがにブーレーズ。
クリーブランドのセヴェランス・ホールで優秀な録音にまずは拍手!
新聞の批評か何かで…このCDだが、ブーレーズが歳をとって
すっかり丸くなっているとそういう記事を読んだのだが、
一体何を聞いているのか?どこをどう聞いたら
そういう感想が出てくるのか?評論家なんて、全く当てにならない…
たしかにテンポ設定はゆったりとしたものに感じられ、
歌うところなどは表情豊かに心のこもった表現だが、
響きはスッキリと隅々にまで徹底したコントロールが行き届いている。
もしかしたら…共演しているのがクリーブランド管弦楽団でもあるし、
ブーレーズがいちいち細かい指示を出さなくても
オケのメンバーは、ひとりひとりにまでブーレーズの音楽を深く理解して、
こうした方向性の仕上がりになるのは、自然な成り行きなのかも。
細やかなところまで…あらゆるすべての要素がクリアに響きだすように
入念に作り込まれているけれど、音楽を創るその作業において、
指揮者とオーケストラの間に共通のルールが確立されているのであり、
ブーレーズという存在が、こういう音楽を生み出すのであって、
本当に毎回…納得させられてしまうのである。驚きの完成度だ。
交響曲第10番も後期ロマン派的な濃厚で豊潤な響きと
もうこれは現代音楽ともいえる不安定で迷走する半音階の旋律、
それらが共存して…まとまっては壊れる…を繰り返す、
この作品の特徴を明解にクローズアップさせて聞かせる…
さすがにブーレーズはわかっている人で説得力がある。
この交響曲第10番からの「アダージョ」というのは、
正直あまり好きな作品ではなくて…第9番までで十分というのが
私の素直な気持ちなのだけど、このブーレーズの演奏は
今まで聞いてきた中で最も素晴らしいことははっきりといえて、
目からウロコ的な部分には、これまで何を聞いてきたのかと
今回もまた…ブーレーズのマーラーは決定的といえる名盤であった。

DG 00289 477 9060

「ピエール・ブーレーズ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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