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2011年4月30日 (土)

黒門亭で〆治・小勝・白酒・今松

3月末から一ヶ月ぶりの黒門亭。
本当は先週行こうと予定していたのだけど、
嵐で大荒れだったので、断念したのだった。
今日のお目当ては小勝師匠と今松師匠だけど
白酒さんも出るので…もっと早く出なくてはいけなかった。
第1部の朝早くから通し券狙いの列ができて、
結果的には「7番」で大丈夫だったのだけど…
第2部はもちろん札止めで…混んでたいへんだ。

第1部
三遊亭ございます:転失気
三遊亭歌扇:竹の水仙
柳家〆治:お菊の皿
神田茜:赤穂義士伝~好き好き金右衛門様
三升家小勝:鼠穴


今日の前座さんは歌之介一門の「ございます」さん。
兄弟子が「ありがとう」で弟弟子が「しあわせ」。
噺の方は…お馴染みの「転失気」と「子ほめ」だが、
前に聞いたときよりもさらにパワーアップしていたような。
大型連休で和尚さまとご隠居はちょっと調子が狂ったらしい。
その辺も笑いに取り込んでしまうところは大物か!
歌扇さんが甚五郎ネタで「竹の水仙」が来た。
宿屋の親父とか…勢いがあって、迫力のあるメリハリで
今日はすごくよかった。人物描写が豊かになってきている。
〆治師匠が怪談噺のマクラから「お菊の皿」。そういう季節か!
4月も終わりで花見の噺が消えると…寄席では夏の噺がスタート。
今日の「お菊の皿」がすごくよかったのだ。
〆治師匠の渋い印象が魅力で素敵!この噺は…バカバカしい…
ちょっとおふざけにするのが面白さのような気がするのだけれど
〆治師匠の仕上がりは、きれいできちんとしていて…
その整理整頓されている情景が心地よかった。
私の方でもずいぶん聞き方が変わってきていて、
好みもどんどん動いているなというのをここでも感じる。
仲入り後に講談の神田茜さん。節電に関する楽しいマクラから
「赤穂義士伝」の「岡野金右衛門」で…吉良邸絵図面を手に入れる場面。
ここは茜さんの改作で…講談に出てくる人物は美男美女ばかりだけど
そんなことがあるはずない…という設定でおてかちゃんがブスだったら…
という「好き好き金右衛門様」。面白かった。会場は爆笑!
討ち入り後のおてかちゃんの人生もハッピーエンドで素晴らしい!
第1部のトリは小勝師匠の「鼠穴」。この噺も兄弟での助け合い…
人が支え合うという内容が含まれているけれど
明日から小勝師匠や吉原朝馬師匠、ひびきわたるさん、
松旭斉美智さん、お弟子さんのう勝さんで
福島にチャリティー寄席に出掛けるそうである。
そういう話も感動的だし、「鼠穴」もよかった。
小勝師匠は明るいネタをよく聞いているので、
「鼠穴」のような…火事の場面など、迫力ある劇的な展開で…
絶望の淵で松の木に首をくくるところなども…追いつめられる…
こうした人情噺ももっともっと聞きたいなという一席であった。

20110430a

第1部と第2部の間にちょっと散歩に出て、
黒門町のイモリの黒焼屋の写真を撮ってきた。

20110430b

小満ん師匠の「薬違い」を聞いていると
噺の中にこの店が登場して…詳しくはまた改めて。

第2部
三遊亭ございます:子ほめ
桃月庵白酒:松曳き
むかし家今松:おかめ団子
柳家小きん:阿武松

白酒さんは「松曳き」だった。大好きな噺である。
面白い。白酒さんの「松曳き」は爆笑に次ぐ爆笑。
言葉の巧みさとそのスピード感が快感である。
でも以前に最初に聞いたときの方がもっと面白かった。
今日はもう知っているので…安心して聞ける感じ。
続いて、待ってました!の今松師匠。ネタは「おかめ団子」。
白酒さんの爆笑の一席が、記憶から消去されてしまうほどの
この一席で白酒さんが遠く以前のことのようになってしまう…
それぐらいの圧倒的な力…実に渋いが、そんな印象なのである。
落語の本当の姿って、こうあるべきじゃないか…って、
何か考えさせられてしまう…恐ろしいほどの存在感。
私は白酒さんも大好きなのだけど、いま流行の爆笑落語って、
何か違うんじゃない?ズレてしまっているんじゃない?って
そこまで感じさせられてしまう今松師匠の一席というのは、
何なのだろう。淡々と落語を語って、特別な演出などないし、
ひたすら本質のみで…噺の本来の姿に忠実に寄り添うのみの…
しかし聞いている人を夢中に引き付ける…
噺の世界に引き込んでしまう…不思議な力をもっている。
恐ろしい。何かこの危険な香りの漂う…媚薬のような…
人は危険なものほど惹かれるということである。
今日のトリは小きんさんの「阿武松」。相撲ネタであった。
「花筏」や「佐野山」そしてこの「阿武松」といろいろあるけれど
「阿武松」がやっぱり一番いいかなという。人情があって、
その恩に応えるという…美しい相撲道の噺であり、
現在の大相撲もこれから再スタートするようだけど…
この噺のように清く、礼儀正しくあってほしいという。

20110430c

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