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2011年7月10日 (日)

小噺「与太郎草履」

若旦那:おや、与太さん、こんつわぁ~。
与太郎:あ~伊勢屋の若旦那だ。いつ見ても変ですね。
若旦那:そうはっきりもの申されますと拙などは困ってしまいやすが…
与太郎:若旦那の着物はピカピカしてますね。
若旦那:拙などはそのような目立つところに御足を使うのではないのでやして、
この履物など、大そう贅沢なものでありやすな。履物道楽というのでありやす。
与太郎:御足だから履物なのかい?
若旦那:またご冗談を。与太さんの履いてなさる草履なども
鼻緒の色が抜けているところなど風流でげすな。
その脇なぞがきれていなさるところなど粋でげす。
そのボロボロで後は捨てるだけなところなど乙でげすな。
ではご婦人などが拙のことを待ちわびていやすので
この辺で失礼いたしやす。ごきげんよう~
与太郎:はい。さいなら。履物なぞに御足を使うと道楽でげすな。
履物が新しいと若旦那になれるのか~そうか。

荒物屋:へい、いらっしゃい。お~与太さん。お使いか?
与太郎:おじさん、こんつわぁ。
荒物屋:ああ、こんつわぁ。変わった挨拶だね。
与太郎:そうはっきりもの申されますと拙などは困ってしまいやす。
荒物屋:ははぁ…まだ挨拶しただけなんだけどね。今日は何買いにきた?
与太郎:おじさんは履物なぞ、売ってなさりやすか?
荒物屋:ああ…草履でも下駄でも。置いてるよ。
与太郎:色が抜けているのが風流で、脇が切れているのが粋。
ボロボロで後は捨てるだけが乙でげす。

荒物屋:それはお前さんの履いている草履だろ。
与太郎:ご婦人などが拙のことを待ちわびていやす。
荒物屋:おっかさん、待ってるのかい?
ちょっとその履いてる草履、見せてごらん。
ああ…与太さん、底が抜けているよ。
それでおっかさんに草履買って来いっていわれたんだな。

与太郎:粋で乙でげすか?
荒物屋:そんなの履いてたら、足の裏が傷だらけになっちまうよ。
与太郎:ああ、道理で(草履で)足が擦り減った。御足がないはずだ。


ありがとうございました。

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