古今亭志ん生「怪談阿三の森」
8月最後の日に…夏の終わりに圓朝作の怪談噺を。
五代目古今亭志ん生で「怪談阿三の森」を聞いている。
深川阿三稲荷の由来であり、実話であるとのことだが、
志ん生師匠の語りなので、それほど恐くもないのだけど
なかなか複雑な人物関係もあり、そこには因縁もあり、
聞いていると…夢中になってしまう物語である。
志ん生師匠の録音では、(上)(下)にわけて、
(上)では噺の発端、(下)が怪談噺となっている。
何となく「牡丹灯籠」に似ていて、新十郎の元へ
お三の幽霊が毎夜訪ねてくるが、名僧の御祓いによって
新十郎の宅には近づけられないようにし、
蛇に姿を変えたお三を雀の森に葬むり、祠を建てる。
その森がいつしか「阿三の森」と呼ばれるようになり、
祠が深川阿三稲荷という…御産の神といわれるようになった。
噺を聞き終えて、あまり後味のよくない印象ではあるけれど
その辺が怪談噺ということでもあるのだろうし、夏の夜である。
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