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2011年9月 5日 (月)

落語につぶやき 125~へっつい幽霊

昨日の黒門亭で聞いてきた今松師匠の「へっつい幽霊」。
たいへん珍しい…これが本来のオチというのを聞けて、
貴重な機会であったので、記録を残しておく。
今日、一般的なのは、幽霊は「足は出さない」である。
この型は、三代目三木助や六代目圓生の録音を聞いても
このオチになっているので、我々も…きっと落語家にとっても
現在の標準形であり、基本となっていると思う。
上方噺の「へっつい幽霊」が東京に移されたのは、
明治末期だそうで、本当は別のオチがあったそうな。
熊さんは若旦那の店にいって、幽霊の金を使いこんだ事情を説明し、
三百両という金を融通してもらってくる。その金を幽霊に叩き返そうと
夕方から待っていたのだが、威勢のいい熊さんに幽霊は恐る恐る…
うまく言いくるめて、その三百両も山分けということに
熊さんは幽霊から百五十両を巻き上げた。
半端になったからと…博打で賭けようと幽霊がいいだして、
その百五十両も結局は熊さんのものになる。
ここからが少し違っており、幽霊が残した三百両、
こういうわけで自由に使えると仲間を集めて大騒ぎ。
夜になると案の定、博打がはじまったが、
八つの鐘が鳴って、草木も眠る丑三つ時…
外から戸を叩く音がして、今日も幽霊が訪ねてきた。
サイコロの音に誘われて、博打好きな幽霊なのであり、
「取られたら、思いきるといっただろ。まだ金に未練があるのか。」
すると幽霊…「せめてテラをこしらえてください」という
博打の寺銭とお寺を掛けた…これが本当のオチだそうだ。
ほぼ失われてしまった古い型なのかもしれないが、
このようにたまに発掘されると…かえって新鮮に感じられて
元の姿に戻すという試みは大歓迎なのである。

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