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2011年9月30日 (金)

ラザール・ベルマン 3

さらに今日もラザール・ベルマンの演奏を聞いている。
1980年2月にミュンヘンで録音されたラフマニノフの作品集で
コレルリの主題による変奏曲と6曲の前奏曲が収録されている。
ここでも雄大な表現だが、一方で響きを緻密にコントロールして
暗めの音色で孤独感の漂う…いかにもロシア風という
そういうのはこちらの勝手なイメージなのだろうけれど
モノトーンでいぶし銀の仕上がりは感動的だ。
DGには1970年代後半のベルマンの録音がいろいろあって、
ラフマニノフの楽興の時やプロコフィエフのソナタなど
まだCD化されていないものもあるのではないかと思うのだが、
この時期のベルマンはとにかく素晴らしいので
ぜひ聞いてみたい。ソ連時代の名ピアニストである。

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2011年9月29日 (木)

ラザール・ベルマン 2

昨日に続いてラザール・ベルマンの演奏。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を聞いている。
クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団と共演。
1976年11月26,28日と12月3日にロンドンで収録。
カラヤンとのチャイコフスキーに比べると
ずっと柔らかい響きを引き出しており、
ますます弱音に美しい音色を聞かせているが、
それがしだいに盛り上がってくるとどんどん豪快になって
恐るべき重厚な音楽となって、何という幅広い表現であろう。
アバドのラフマニノフのピアノ協奏曲は、録音も多いと思うのだが、
このベルマンとの共演は中でも古い方で…それが実に素晴らしい。
表情豊かにロマンティックな音楽をいきいきと歌わせて
ベルマンのピアノも絶好調だし、とにかく感動的な演奏だ。

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2011年9月28日 (水)

ラザール・ベルマン 1

ラザール・ベルマンがカラヤン指揮ベルリンフィルと共演した
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を聞いている。
1975年11月17,18日にベルリンのフィルハーモニーで収録。
そしてその前にカラヤン指揮ベルリンフィルのひと月前の録音で
リストのハンガリー狂詩曲第4番と第5番も一緒に。
こちらは1975年10月20,21日と11月13日の収録。
カラヤンもベルマンも恐ろしく雄大で独特な仕上がり。
ベルマンの硬質な響きにまずは圧倒されるが、
力強い表現だけでなく、静寂の弱音にも引き込まれ、
今日的なしなやかさとは全く違う硬派の演奏に
東西冷戦の1970年代という時代を感じるのである。
濃厚なカラヤン・スタイルのハンガリー狂詩曲も名演で
「悲愴的な叙事詩」という副題をもつ第5番は特に感動的だ。

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2011年9月27日 (火)

9月27日の感想

このところ、パソコンの調子が悪くて…
ハードの点でも、今日はソフトの点でも様子がおかしいので
エラーチェックを実施したのだが、改善したのかどうか?
よくわからず、夜は何も手についていない。
ひとつ仕事が終わったところで、よかったと思う。
時間に余裕ができて、するといろいろなことに
気になりだすのである。このパソコン…まだ三年目。

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2011年9月26日 (月)

圓生百席 「真景累ヶ淵(四)」

今年も三遊亭圓朝作「真景累ヶ淵」を聞いているが、
その(四)で「お久殺し」。いよいよ下総の羽生村へ。
もう夏も終わってしまい、怪談噺の季節でもないのだが、
恐いのは前作の「豊志賀の死」で…あとは幽霊よりも
話の複雑な展開に夢中になってしまうのである。
この「お久殺し」の場面は、新吉とお久が江戸を離れ、
豊志賀の墓から駆け落ち、いよいよ累ヶ淵が舞台となるのだが、
最初に聞くときは…これからどうなるのだろうと
場所の移動と物語も後半へ…話に引き込まれるが、
聞き慣れてくると…ここはつなぎだなとそんな印象である。
豊志賀の呪いにより、お久は早速に殺されるし、
ここで土手の甚蔵が登場し、新吉につきまとうようになる。
でもこの土手の甚蔵の悪党キャラはまさにアクセントだし、
お久殺害の累ヶ淵の雷雨の場面も実に迫力である。

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2011年9月25日 (日)

9月25日の感想

NHKラジオのインターネット放送が今月からはじまり、
特に聞きたいのはNHK-FMだが、いろいろ試してみた。
オーディオでの受信状況がこのところあまりよくなくて、
確実で安定した音質の受信手段を探していたのだが、
これもひとつの方法である。デジタル的な印象で
ノイズの全く存在しないクリアな音色だが、
でも残響や空間の広がりについては音が硬い。
ノイズに苦しまされるよりはましかと思うけど。
どうもうまくない。ラジオの時代ではないということか?

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2011年9月24日 (土)

9月24日の感想

火曜日に出した確認申請が今日の午前で下りた。
早い。これまででも最速である。三営業日で完了。
というと審査がいい加減なのではないかと思われるけど
決してそんなことはなく、かなり細かく見られている気がする。
表記すべきことをすべて正確に記述していないと
すぐに指摘が来る。各図面間での整合性は不可欠。
火曜日に出して、水曜日は確認機関が定休日で
木曜日には早速、最初の返事がきた。
その日の夕方、訂正を済ませて、無事に本受付。
早速に決済が完了して、金曜日は秋分の日で祝日だが、
土曜日の今日、午前中で確認済証が出た。
確認機関もすぐに対応してくれることがありがたいのだが、
審査結果が来たら、こちらも即座に対応することで
スムーズに進めることができたと思う。
でも確認申請というのは、気を使う。なかなか難しい。
ホッとして、この週末はゆっくりしよう。そしてしばらく休暇。

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2011年9月23日 (金)

落語につぶやき 129~後家安

昨日の「柳家小満んの会」で聞いてきた「後家安」。
忘れないうちに少し復習をしておく。
三遊亭圓朝全集にある「鶴殺疾刃庖刀」であり、
「つるころしねたばのほうちょう」と読むのだが、
圓朝の名で新聞に連載されたのだけど、
実際のところ、條野採菊の作という記述もある。
五代目古今亭志ん生は「後家安とその妹」で演じて、
その録音も残されているという。しかしまだ聞いたことはない。
東城左近大夫氏勝とお藤が道頓堀で出会う場面を発端にして
お藤には兄があり、後家安こと小笠原安次郎が登場して、
その後、大名の側女となるお藤と一方の後家安の物語が
どうやら同時進行で語られるようなのである。
氏勝の参勤交代によって、お藤は江戸へ戻り、
後家安もまた大阪から江戸へ、舞台は江戸に移るのである。
殿の寵愛を受けるお藤はわがままな振る舞いが目立つようになり、
後家安も元からの極悪人で、金に物をいわせてやりたい放題。
昨日の小満ん師匠によって語られた場面では、
神奈川宿で売っている亀の甲煎餅を欲しがるお藤が無理難題のところ、
そして福蔵宅に居候の後家安が、福蔵の妻でお亀を寝取り、
その後、後家安とお亀のふたりが出奔するというところまでであった。
この続きの物語を調べてみると…亀の甲煎餅の一件で
謹慎をしていた由良民弥(ゆらたみや)であるが、屋敷を抜けだし、
氏勝の悪政を直訴しようと謀るのであり、それが露見して、
後家安に民弥の殺害を依頼。失敗に終わり、後家安は逃げ、
民弥の直訴は叶うが、留守を咎められ、再び謹慎処罰を言い渡される。
そして最後の場面だが、氏勝は御禁制の鶴を射殺し、そのことから改心し、
民弥らに銘じて、後家安と福蔵を鈴ヶ森で不意打ちにするが、
御広義からの詰問書に氏勝もまた切腹をして果てる。
お藤は屋敷から追放されて…という何とも悲劇な展開。
あまりにも簡単にしてしまったけれど、詳しい話はぜひ知りたく…
これは興味あるところ。いずれまた…聞けるチャンスがあるといいのだが。

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2011年9月22日 (木)

第106回 柳家小満んの会

台風も去ってくれて、今日は夕方から関内ホールへ
横浜の「柳家小満んの会」である。
昨日だったら、たいへんなことになっていた。
少し早く着きすぎて、関内ホールの一階入口で
のんびりしていたのだが、小満ん師匠がいらして、
続いて、おかみさんにもご挨拶。
受付で師匠と少しだけお話ししたのだけど
今日の「後家安」について、やはり小満ん師匠も
「圓朝全集に載っているけど、作者は違うみたいね」って
どうもそういうことのようである。珍しい噺で楽しみだ。

柳亭市也:のめる
柳家小満ん:あちたりこちたり
柳家小満ん:後家安
柳家小満ん:品川心中

一席目は小満ん師匠の作による「あちたりこちたり」。
私はこの噺が大好きで、酔っ払いが梯子酒で
あっちに行ったり、こっちに行ったりという…記憶をたどっていく。
上野の周辺が舞台なのだけど、その土地勘は小満ん師匠ならでは。
ダジャレ満載の軽やかな展開だが、実に洒落た仕上がりで
聞けば聞くほど師匠に憧れを感じてしまう味わいの一席である。
今日は上野広小路のクラブ「スペード」で
土産の寿司が食べられてしまったことを思い出してお終い。
続いて「後家安」である。47分ぐらいで…長講一席!すごかった。
東城左近大夫氏勝が道頓堀で父から譲り受けた陣笠を飛ばし、
それを舟からお藤が拾い上げるが、その様子に殿は一目惚れ。
お藤を側女にしようと三百両の支度金を用意する。
そこでお藤の兄である後家安こと小笠原安次郎が登場するのだが、
お藤は兄に二百両を渡し、兄妹の縁を切ることを望む。
その後、江戸でお藤は殿の寵愛を一身に受けるが、
わがままな振る舞いが目立つようになり、
神奈川の宿で売っている亀の甲煎餅を欲しがるという一件。
一方の後家安も二百両を元に上方で贅沢三昧の日々を送っていたが、
金があるうちにと江戸へ舞い戻る。そこで小揚げの福蔵と再会し、
福蔵宅に居候することになるが、そこでも勝手な振る舞いで
ある日、福蔵の妻でお亀を寝取り、後家安に敵わぬ福蔵に
お亀もまた愛想を尽かし、後家安とふたりで姿を消す…という
三遊亭圓朝全集「鶴殺疾刃庖刀」の前半の場面であった。
小満ん師匠も「後家安とその妹」の序といっておられたが、
氏勝が御禁制の鶴を射てしまう最後まで話は長く続くらしい。
そして仲入り後、三席目はお馴染みの「品川心中」である。
「品川心中」はこのところ、あまり聞いていなかったのだが、
しかし小満ん師匠独特な仕上がりですごくよかった。
品川の女郎でお染だが、師匠の演じるこの手の女性って、
なんとも色っぽい感じがして、それと対称的な貸本屋の金蔵、
実に抜けている男で…このふたりのやりとりは絶品だった。
遠浅な海に突き落とされて、ずぶ濡れで親分のところに戻ってくる金蔵、
博打に役人の手が入ったと早合点して大騒ぎになる有名な場面だが、
この後、仕返しに行きます「品川心中」の序…というサゲで
なんと今日二度目の「序」で、長い物語の名場面を二席楽しんだのである。
終演は20時45分で今日はたっぷり。この充実感は最高!堪能した。
特に「後家安」は聞けてよかった。こういう噺は大好きである。
ということで…次回は11月21日(月)第107回 横浜 柳家小満んの会
演目は「稽古屋」「心中時雨傘」「鈴振り」の三席。「心中」ものが続く。
「心中時雨傘」も圓朝作品だが、実は圓朝の作ではない…という記述も。
今回の「後家安」と同様…珍しい噺であり、大いに期待している。

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2011年9月21日 (水)

9月21日の感想

久々に台風の直撃である。それも日中のことで。
今日はひとつ予定があったのだが、
台風接近で早々と中止になってしまった。
それで何となく手つかずのダラダラの一日を過ごしてしまい…
世の中、再びの都市機能停止で…こういうこともあるか。
午前中は静かだったのだけど、11時半頃に急に荒れてきて
夕方までは雨に風に…すごかった。凄まじい風だった。

16時30分頃…停電に。台風による停電は何年ぶりだろう。
子供の頃、一度あったことを記憶している。
もちろんテレビは映らないし…ネットに関しても
電話関連の装置がコンセントにつながっているので
通信手段が断たれて、情報が入ってこないという恐ろしさ。
停電は少しの間であったが、いかに情報に依存した生活を送って
このような自然災害と背中合わせの状態で…なんと不安なことか。

今日はプロ野球も京セラドーム(大阪)以外すべての試合が中止。
しかしN響の定期公演はサントリーホールからFM生中継。
台風でも中止にはならないのか…
チケット完売ながら…交通手段の麻痺で空席も目立ったそうだ。
ブロムシュテットの指揮でブルックナー。素晴らしい。
チケットを持っていながら…会場に着けなかった人は悔しかっただろう。
こんなこともあるのだ…自然の脅威にはかなわない。

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2011年9月20日 (火)

9月20日の感想

今日は確認申請を出してきた。
この仕事、本当は9月の頭に提出の予定だったのだが、
最後になって、いくつか変更も出たりして、調整をして、
やっと今週…二週遅れとなってしまったが、前進したと思う。
工事も含めて、今後のスケジュールが気になるところだけど
9月のこの週って、昨日は敬老の日、金曜日は秋分の日で
普段はうれしい連休も…急ぐときには打撃なのである。
確認が下りるまでは、いろいろと神経を使って、休めないけれど
図面が手元を離れて、動き出したことは喜ばしい。

大和から空の下をのんびり歩いて帰って来たかったのだけど
今日は生憎の天気で…傘を広げることはなかったが、
急に寒いし、台風のこれからの動きも気になる。
今週は不安定な天気が続くのか?このまま秋になるのか?

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2011年9月19日 (月)

落語につぶやき 128~後家安

木曜日の柳家小満んの会で「後家安」という噺が出ているが、
全く知らない噺で…そろそろ予習をしておこうかなと
しかし落語事典にも載っていないようで…
「後家」というと有名なのに「猿後家」という噺があり、
圓生の録音が残されている「後家殺し」という噺もある。
しかし「後家安」はどうもそれらとも別の噺のようで
するとネットで情報を集めるしかないのだが、
志ん生の録音で「後家安とその妹」という演目があるらしい。
だとしたら…この噺は、どうやら圓朝作品だそうである。
「鶴殺疾刃庖刀(つるころしねたばのほうちょう)」から
後家安こと小笠原安次郎の登場する場面かと。
この後家安とは極悪人キャラだそうで
圓朝ならではの痛快ストーリーが期待できるかも。
「鶴殺疾刃庖刀」は圓朝の名で新聞に連載されたが、
実際のところは條野採菊の作という記述もある。
噺の中身は当日のお楽しみで…今から待ち遠しい!

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2011年9月18日 (日)

横浜の風景から 192

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泉区和泉町の環状4号線を車で通っていて、
庚申塔があることは以前から気付いていたのだが、
今日は歩いてきたのでゆっくり写真に収めている。
無添くら寿司横浜泉店の近くにある交番の反対側だ。

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風雨に晒されてか…道路沿いにあって痛んだのか…
だいぶ風化してしまっているようだけど、
現在はきちんとお堂の中に祀られている。
環状4号線の整備の際にここに移転してきたのか?

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横浜の風景から 191

今日は秋空…というより夏に舞い戻ったようで
天気のいい日曜日で出掛けてみた。

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お馴染みの瀬谷区阿久和南にあるお墓山の横を通って、
相模鉄道の弥生台駅まで45分の散歩。
ゆめが丘まで相鉄いずみ野線に乗る。

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ゆめが丘の駅周辺である。ここは泉区下飯田町。
駅があるのに…何でこんなに何もないのか?
市街化調整区域だと思うけど、なぜここに駅を作ったのか?
日曜日の昼間は駅の利用者も少なく、この静けさは落ち着く。

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ゆめが丘の駅から近い泉区下飯田町の左馬神社。
ここはどうも好きな場所のようで…何度も来てしまう。

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境川の方へ下りて行ったのだが、水田が広がっていて、
稲穂がたくさん実っており、重そうに頭をたれていた。

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美濃口家というお屋敷でこれは立派な長屋門。

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ご先祖は代々、下飯田村の名主や村長を務めたそうである。

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ご先祖で美濃口春鴻という俳人がいたそうで
横浜市の地域有形文化財にも指定されている
「芭蕉翁百年忌追悼の巻」(写)や俳句に関する貴重な資料が
23件も保管されているとのことである。

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美濃口家の少し先には日枝神社があり、
入口には庚申塔が二基祀られていた。左にある文字塔。

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日枝神社入口の右側にある庚申塔。

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泉区下飯田町の日枝神社である。
横にはお稲荷さんもあった。

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2011年9月17日 (土)

ロリン・マゼール 5

昨日に続いてのロリン・マゼール指揮クリーブランド管弦楽団で
リムスキー・コルサコフの組曲「金鶏」(4つの音楽的絵画)
そしてストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」を聞いている。
組曲「金鶏」は1979年10月にマソニック・オーディトリウムで
そして「春の祭典」は1980年5月14日にセヴァランスホールで収録。
派手に盛り上がったレスピーギと比べるとこちらは実に繊細で
組曲「金鶏」は精妙な表現が魅力的な…微妙な色合いが絶品である。
ロシアの作曲家による東洋趣味という点では、春の祭典も共通だが、
マゼールの緻密さはますます透明度を増していくようで
迫力で押しまくる演奏とは対極の鋭さと切れ味で聞かせるのである。
重量感のある場面でも…あくまでも見通しのよいスッキリした響きであり、
とことんシャープな感覚を追求して…ひとつの極致を示していると思う。
いろいろ個性的な表現もあるので、当時はきっと話題になったであろう。

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2011年9月16日 (金)

ロリン・マゼール 4

ロリン・マゼール指揮クリーブランド管弦楽団で
レスピーギのローマの祭りとローマの松を聞いている。
1976年5月にクリーブランドのマソニック・オーディトリウムで収録。
1990年代にピッツバーグ交響楽団とローマの三部作を再録音しているが、
この1976年の録音では、ローマの祭りとローマの松の2曲のみである。
素晴らしい快演だ。その迫力と大胆な色彩に興奮してしまう。
この時期のマゼールならではの…あらゆる要素をひたすら克明に
あまりにも露骨に細部を際立たせるので…なかなか凄まじいのだが、
これが面白くてたまらないという…しかしこれは超名演だと思う。
ローマの三部作で有名なデュトワのスタイリッシュな演奏とは対極にあって、
ムーティの色彩ともちょっと違った…マゼール流の極彩色で彩られている。
オーケストラの機能性を可能な限りに引き出して、まさにこれは極致の響き。
レスピーギの音楽から聞いたこともないような豊かな創造性を生み出して…
マゼールの天才ぶりがあらゆるすべてに発揮されている…感動的だ。

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2011年9月15日 (木)

落語につぶやき 127~真打昇進

来年(2012)春に一之輔さんが、
そして秋には朝太さんと菊六さんが
真打昇進すると落語協会より発表された。
私は朝太さんが大好きで応援しているので
これはうれしいニュース!
おめでとうございます。

しかしここで…すでに落語ファンの間で
いろいろな意見が飛び交っているのは、
香盤表の順番で行くと…上位の朝太さんで8人抜き、
一之輔さんが21人抜き、菊六さんは28人抜きである。
抜かれる側の気持ちをつい考えてしまう。
厳しいことをするな…というのをまず思う。
何をそんなに急いでいるのだろう。
誰もが実力を認める人気の二ツ目でいいではないか…
真打になって、寄席定席の出演は増えるかもしれないけれど
自分の会との両立が難しくなって、落語会が減ったりしたら、
かえってファンが離れたりすることもあるのでは…
何か…祝福よりもショックが大きい今回のニュースである。

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2011年9月14日 (水)

アンドレ・プレヴィン 5

アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団による
ホルストの組曲「惑星」(1973.9.28,29)
プレヴィンはロイヤルフィルとも「惑星」を録音しているが、
今日は旧録音で1973年の演奏を聞いている。
プレヴィンは作品の性格を引き出すのが上手な人だが、
絵画的な方向へと向かいがちなこの「惑星」という作品で
むしろ非常に音楽的な表現であり、実に丁寧である。
音楽が聞き手に与えるイメージや心の中での情景だけど
何か具体的な創造物を生み出そうというのではない…
もっと純粋に音楽が自然な形で響いており、
この音色はまさにイギリス音楽という…私の好みである。
エルガー、ウォルトン、ヴォーン・ウィリアムズ、…
そしてホルストという…英国の作曲家は素晴らしい。
ホルストの神秘的なものへの憧れといってもいいのか…
その独特な思想をプレヴィンは深く理解して、
清らかで透明なこの響きは感動的である。

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「アンドレ・プレヴィン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2011年9月13日 (火)

落語につぶやき 126~佃島

「佃祭」ではなく、「佃島」という…珍しい噺である。
以前に黒門亭で…蔵之助師匠で聞いたことがあって、
少し前にNHKのラジオ深夜便「落語100選」でも放送された。
もちろん蔵之助師匠で…というのは、他に演じ手がいないそうな。
でもすごく面白いので…これから他の噺家にも伝わっていくはず。
ある晴れた日に江戸っ子がお台場の先に舟で海釣りに出たが、
魚は大漁で…しかし急に嵐となり、漂流してしまう。
運よく島に流れ着いたが、そこには赤黒い肌をした男がいて、
きっとここは南米に違いないと…恐る恐る近寄って
「我々は日本人ですが、ここはどこですか?」と聞いてみると
「うん?べらぼうめえ。ここは佃島だ。」という目と鼻の先!
この噺はもちろん落語事典にも掲載されていて、
原話は安永四年板「聞童子」所載の「難風」だそうである。
ただしそちらは流れ着いたのが大森になっているそうで
落語では島ということで「佃島」に直したらしい。
「佃祭」を聞いてもわかるけど、佃島へは…江戸の頃には
船で海を渡ったのであり、近くて遠い場所であったのだろう。

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2011年9月12日 (月)

シュトゥットガルト放送交響楽団

ロジャー・ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団で
ブラームスの交響曲全集を聞いている。
2005年7月4-6日にシュトゥットガルトのリーダーハレ、
ベートーヴェン・ザールで収録されたもの。
ライブとの表記があるが、それは誤りだそうで
2004/2005シーズンの終わりに映像収録されたもの…
つまりスタジオ収録の映像ソフトから
音のみでSACDに再発売されたものである。
定期演奏会のライブ録音の方は、FMで放送されて
そちらも大切に音源を保管してあるので
いずれじっくり聞いてみたいと思っている。
ピリオド奏法によるノリントンのピュア・トーンであるが、
音楽が軽やかに運び、動きにも敏感に反応するので
ウィーンフィルのブラームスに近いような印象である。
どうしても響きが薄いので深みに欠けるところはあるが、
透明な音色で細部までスッキリと聞こえてくるので
丁寧にひとつずつ細やかな表情付けを行っているのであり、
ブラームスのスコアに存在する音を再考するという点では
新しい発見に満ちて、極めて新鮮な気持ちにしてくれる。
かなり作り込まれた仕上がりなのだけど、しかしそこで
実に自然体に穏やかな音楽が響いてくるところに
ノリントンの長年の成果が表れているのであり、
さすがに説得力を感じて、これは素晴らしい記録だ。
全体の統一感よりも4つの交響曲に4つの方向性があって、
作品の個性に応じて、ノリントンの解釈は自在に対応するのであり、
音楽そのものが主張する…様々なことを語りかけてくるのである。

Hanssler SACD 93.267

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2011年9月11日 (日)

ネルソン・フレイレ

ネルソン・フレイレの新しい録音でリストの作品を聞いている。
2つの演奏会用練習曲より第1番「森のささやき」、
ペトラルカのソネット第104番(巡礼の年第2年「イタリア」より)、
忘れられたワルツ第1番、バラード第2番、
ワレンシュタット湖畔で(巡礼の年第1年「スイス」より)、
ハンガリー狂詩曲第3番、6つのコンソレーション、
超絶技巧練習曲「夕べの調べ」という選曲である。
2011年1月26-31日にハンブルクのフリードリヒ・エーベルト・ハレで収録。
ネルソン・フレイレのリストのピアノ協奏曲のCDは持っていたのだが、
DECCAに移籍して、最初の頃にショパン、シューマンと来たので
その演奏を聞いて、ぜひリストを録音してほしいと願っていたのだけど
今年がリスト生誕200年ということもあって、ついに実現したのである。
リストならではの超絶技巧による華麗な作品が並んでおり、
高度なテクニックを駆使して、正確な音を響かせる演奏も多々あるが、
ネルソン・フレイレはそういったメカニックな部分はとっくに超越しているのであり、
もっと動きがあって、変化に富み、絶妙な揺らぎが光の陰影を生み出すという…
何とも味わいのある…魅力たっぷりの演奏である。今回も感動的だ。
こんなにもたくさんの色を使い分けて…本当に独特な仕上がりであり、
ネルソン・フレイレという人は、決して代わりのいない大切な存在である。

DECCA 478 2728

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2011年9月10日 (土)

今日の月は…月齢12.0

20110910a

今日もたいへんに暑く…しかし青空が広がって、
これならばきれいな月が見えると期待できるのだが、
月の出が遅くなってきているので、
写真は17時59分に東の空の低い位置で
やっと上ってきた月である。月齢12.0。

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せっかくなので写真を拡大してみると
まもなく満月なのであり、明後日が中秋の名月だ。

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2011年9月 9日 (金)

今日の月は…月齢11.0

20110909

暑いけど…風が爽やかで…夕方になると涼しい…
少しずつ秋らしくなってきているとは思うのだが、
夕方17時55分に東の空に見えた月である。
月齢11.0でかなり低い位置になってしまった。
明日はもう写真に撮るのは厳しいか?
中秋の名月(9月12日)まであと三日である。

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2011年9月 8日 (木)

深夜便 落語100選から

「ラジオ深夜便 落語100選」
毎月最終週の火曜、水曜の深夜に放送されているが、
録りためた四席をCD化して聞いている。

桃月庵白酒:万病円
橘家蔵之助:佃島
春風亭正朝:浮世床
三遊亭歌司:出世豆腐

この番組の高座の持ち時間って、13分から15分程度で
最初の頃はとにかく短いなって、物足りなくも感じたが、
今回も素晴らしい演者で…実に面白く充実した録音であり…
コンパクトにまとめられた時間の中で…重要なのはその密度かと。
本当に楽しくて、何とも心地のよい…いいなあ…という。
トリの歌司師匠は長講企画で30分の「出世豆腐」という一席。
「徂徠豆腐」とも呼ばれる噺だと思うのだけど、
豆腐屋さんが無一文の学者に毎日御殻を届け、
出世した荻生徂徠が恩返しをするという…感動的な噺。
歌司師匠の語りは明るく…軽やかで…本当に素晴らしい。
この噺、元は講談のネタだが、歌司師匠が習って、
オチをつけて、落語に移したそうである。
蔵之助師匠の「佃島」も…これは珍しい噺だが、
地噺の展開は最高に面白い。実は一度だけ
実演で聞いたことがあって、思い出しながら聞いた。

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2011年9月 7日 (水)

今日の月は…月齢9.0

20110907

先週からずっと台風の影響で曇り空が続いていたのだが、
昨日から空は晴れて、夕方の南の空にも月が戻ってきた。
今日は夏空が広がって、空もすっきりと晴れ渡り、
夕方18時04分に東南の空高く、月齢9.0の月である。
9月12日が満月(月齢14.0)で中秋の名月だ。

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横浜の風景から 190

瀬谷区宮沢から泉区和泉町へ和泉川沿いに歩く。
夏の終わりに和泉川の風景である。

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瀬谷区宮沢3丁目の中橋付近。

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こちらは宮沢2丁目だが、
中橋のすぐ近くにある庚申塔。

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川沿いに下流に向かって歩いて、
宮沢3丁目にある火の見櫓である。
以前に冬の写真を出していると思う。

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瀬谷区宮沢4丁目の山王橋にて。
南に向かって、和泉川の下流方向を見ている。

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瀬谷区宮沢4丁目の宮沢橋にて。
北向きに和泉川の上流方向を見ている。
ここが区界で橋の南側は泉区に入る。

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泉区和泉町の北の境橋にて。
北向きに和泉川の上流方向を見ている。
ここより左手は日向山団地の住宅地。
北の境橋で川に沿っている道は途絶えてしまって、
しばらく和泉川は山の中を流れている。

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泉区和泉町の三家地区でお馴染みの日枝神社。
和泉川の風景は、今回はここまでということで。

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2011年9月 6日 (火)

ネルソン・フレイレ

今日はネルソン・フレイレのドビュッシーを聞いている。
前奏曲集第1巻、スケッチ帳より、子供の領分、月の光という選曲で
2008年6月11-15日にハンブルクのフリードリヒ・エーベルト・ハレで収録。
前奏曲集第1巻は大好きなのだけど、ミケランジェリとポリーニという
究極の演奏がすでに揃っていて、それ以上はありえないという
私の中でそうした認識が出来上ってしまっているのだが、
このネルソン・フレイレの演奏がまた何とも魅力的ですっかり虜である。
ネルソン・フレイレはどういうわけだかわからないけれど、とにかく好きだ。
ミケランジェリとポリーニがかなりデジタル的な方向性を示しているのに対して
フレイレは実に柔らかい音色を引き出して、ほどよい色彩感も素晴らしいし、
音楽の輪郭をあえて際立たせない…そこがまたこれぞ印象派の表現なのである。
表題のイメージをどう扱うか…というのがあるが、絵画的に偏りすぎることもなく
しかしそれぞれの曲の個性を表情豊かに描き出して、もう楽しくて仕方がない。
子供の領分もいきいきと運動性に富む…かわいらしい仕上がりだし、
アンコールともいうべきか…「月の光」の美しさに引き込まれた。

DECCA 478 1111

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2011年9月 5日 (月)

落語につぶやき 125~へっつい幽霊

昨日の黒門亭で聞いてきた今松師匠の「へっつい幽霊」。
たいへん珍しい…これが本来のオチというのを聞けて、
貴重な機会であったので、記録を残しておく。
今日、一般的なのは、幽霊は「足は出さない」である。
この型は、三代目三木助や六代目圓生の録音を聞いても
このオチになっているので、我々も…きっと落語家にとっても
現在の標準形であり、基本となっていると思う。
上方噺の「へっつい幽霊」が東京に移されたのは、
明治末期だそうで、本当は別のオチがあったそうな。
熊さんは若旦那の店にいって、幽霊の金を使いこんだ事情を説明し、
三百両という金を融通してもらってくる。その金を幽霊に叩き返そうと
夕方から待っていたのだが、威勢のいい熊さんに幽霊は恐る恐る…
うまく言いくるめて、その三百両も山分けということに
熊さんは幽霊から百五十両を巻き上げた。
半端になったからと…博打で賭けようと幽霊がいいだして、
その百五十両も結局は熊さんのものになる。
ここからが少し違っており、幽霊が残した三百両、
こういうわけで自由に使えると仲間を集めて大騒ぎ。
夜になると案の定、博打がはじまったが、
八つの鐘が鳴って、草木も眠る丑三つ時…
外から戸を叩く音がして、今日も幽霊が訪ねてきた。
サイコロの音に誘われて、博打好きな幽霊なのであり、
「取られたら、思いきるといっただろ。まだ金に未練があるのか。」
すると幽霊…「せめてテラをこしらえてください」という
博打の寺銭とお寺を掛けた…これが本当のオチだそうだ。
ほぼ失われてしまった古い型なのかもしれないが、
このようにたまに発掘されると…かえって新鮮に感じられて
元の姿に戻すという試みは大歓迎なのである。

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2011年9月 4日 (日)

黒門亭で菊丸・今松・一九

今日は私的にはすごく魅力的な顔付けで黒門亭へ。
お目当ては菊丸師匠と今松師匠そして一九師匠である。
第1部のトリが歌奴さんでネタも「御神酒徳利」だし、
落語協会の秘密兵器といわれる小三太さんに初遭遇。
いろいろ楽しみな要素は多くて、今日ばかりは外せない。

第1部
鈴々舎やえ馬:時うどん
三遊亭たん丈:新寿限無
柳家小三太:万病円
古今亭菊丸:野晒し
三遊亭歌奴:御神酒徳利


前座さんはやえ馬さんとゆう京さんのふたりで
第1部はやえ馬さんから。11月に二ツ目昇進!
ということで…新しい自分の出囃子で登場!
昇進披露に備えてか?冬の噺をさせてくださいって、
お馴染みの「時うどん」。「そば」ではなく「うどん」である。
関西出身のやえ馬さんならではの完全なる上方落語だ。
面白かった。さすがにこの時期、実力は二ツ目級!
実は私…上方の「時うどん」で「時そば」を演じるのって、
ものすごく抵抗があり、東京は江戸の「時そば」に限る!って、
そういう意識をもっているのだが、純粋に上方落語で
「時うどん」を聞いてみると…やはりこれがすごくいい。
やえ馬さんの「時うどん」はよかった。たくさん笑った。
江戸は「時そば」、上方は「時うどん」。
これをごっちゃにしないでほしい。改めてそう思う。
続いてたん丈さんが「新寿限無」である。
これは圓丈師匠の改作版「寿限無」で
言立ての部分がさらに複雑になっている気がするのだけど
こちらも楽しかった。今日は前半から盛り上がってしまう。
秘密兵器こと小三太さん。噂には聞いていたのだが、
はじめて聞けた。ついに!である。でもちょっと違ったな…
私の好みではないと思う。「万病円」を聞かせてくれて、
この噺が大好きで…白酒さんとか志ん公さんとか
古今亭の噺なのかな…と思っていたので
柳家で聞けたというのは、今日は発見!
でもこの噺って、言葉遊びを巧みに聞かせる噺なので
小三太さんのスタイルだと…わかりにくいのでは。
仲入り後は菊丸師匠である。ネタは「野晒し」。
幇間の登場するサゲまできっちり!これはうれしい。
実にいい。本当にいい。何とも心地のよい空気。
菊丸師匠は大好きだ。向島で釣りをする賑やかな場面、
そして幇間が調子よく振舞う後半の明るさ、絶品である。
「野晒し」でオチまで行くときは、太鼓が馬の革でできている話を
マクラで振っておく必要があるのだけど、
今日は都内各寄席にある太鼓の音色の話題から。
第1部のトリは歌奴さんの「御神酒徳利」。
三遊亭の噺家さんなので期待はしていたのだが、
鴻池の御支配に連れられて、大阪まで行く型である。
私的には、柳家の「八百屋の占い」の方が多く聞いていて、
江戸・神奈川・大阪の三幕仕立てによる
三遊亭のこちらの型で聞けるのは得した気分。
歌奴さんの語りはスケール大きくて、長講は聞かせるな!という。

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第2部
入船亭ゆう京:寿限無
春風亭勢朝:竹の水仙
むかし家今松:へっつい幽霊
柳家一九:寝床

第2部の開口一番はゆう京さん!前回は6月に聞いたみたいで
そのときも「寿限無」だった。この噺は何といっても言立てだけど
前もバッチリだったと記憶しているが、やはり今回の方が
上手くなっている気がして、滑舌よく、きれいに聞こえてくるところがいい。
続いて勢朝さんがお馴染みの楽屋噺漫談で…何度聞いても爆笑!
そうしたら今日は、なんと古典で「竹の水仙」も。
宿屋の主がドジョウのような目で「のだめ(野田目)」だったり、
一期一会の仕掛けがふんだんで…やっぱり面白すぎる。
オチは竹の節目にちなんで、はじめて聞く型だったので
勢朝さんのオリジナルか…そういう型があるのか…
すごく新鮮な感覚になれたのは素晴らしい!
今松師匠は賭けごとのマクラから…博打で「へっつい幽霊」かな?
とは思っていたのだけど、噺に入る瞬間!「文七元結」かも!なんて
一瞬よぎったのだが、「道具屋」ときて、やはり「へっつい幽霊」だった。
でも夏の名残りに…好きな噺でもあるし、いいネタである。
それが…今松師匠は金額が少し違っていて、つまりは設定が古いのだが、
熊さんの相棒で道楽の若旦那…銀ちゃんも今日は徳さん。
金額のことをいうと…今日一般によく聞けるのでは…
3円のへっついに1円を足して熊さんにもっていってもらう。
中から出てくるお金は300円。それを山分けにすると思うのだが、
今松師匠のでは、一分二朱のへっついに三両のお金をつけて、
中から出てくるのは、二分金ばかりで三百両という金であった。
つまり百五十両ずつに山分けをして、徳さんに催促をされて
それに一両二分をつける。設定が江戸ということだろう。
あとオチも違っていて、通常は…幽霊は「足は出さない」だと思うのだけど
今松師匠は…幽霊が残してくれた三百両…博打で取り上げたのだが、
翌日みんなに振る舞って、大騒ぎ。夜になると…また博打をはじめるが、
サイコロの音にひかれて、幽霊が再び長屋を訪ねてくる。
そこでひと言…「テラこしらえてください」というオチ。
博打の寺銭と寺(供養)を掛けているのか?
戻って、落語事典で調べてみた。すると金額はむしろ三百両の方である。
どうやら昭和になって、貨幣感覚を改めるのに円に直したようである。
さらに!オチに関しても解説があった。これはうれしい。
上方噺の「へっつい幽霊」が東京に移されたのは、明治末期である。
やはり「足は出さない」が一般的なようだが、本来のオチは違っていたそうで
翌日、熊さんが仲間と博打を打っているところへ幽霊が現れ、
「まだ金に未練があるのか」に「せめてテラ(寺)がほしい」という
寺銭と寺を掛けた…これが本当のオチだそうだ。
さすがに今松師匠は一捻り…というよりも本物を聞かせてくださるのであり、
素晴らしい「へっつい幽霊」に出会えたという…またも宝物のような一席。
今日のトリは一九師匠。ネタは「寝床」である。
小満ん師匠から黒門町桂文楽の「寝床」が
一九師匠に伝わっていると思うのでこれは注目!
でも一九師匠は大らかな印象とじっくりの語りが気持ちいい。
大好きである。今日の「寝床」も素晴らしかった。
細かいことをいうと…意地悪い気もするのだが
旦那の不思議な声で義太夫がはじまり、
これだけご馳走になっているのだから褒めないといけない…
そこで「うまいぞ、うまいぞ。玉子焼き」ではなく…
一九師匠は「うまいぞ、うまいぞ。羊羹」だったので
小満ん師匠と同じだ!という。何だかうれしくなってしまう。
「寝床」はわりとよく掛かるネタだと思うし、お馴染みの噺だが、
仕上がりがいいとすごく大きい噺のように感じられて、
実力のある噺家が演じると大ネタになるという…大満足であった。

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第2部番頭の朝太さんがお見送り。
ありがとうございました。

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2011年9月 3日 (土)

9月3日の感想

計画中の住宅物件だが、今週いっぱいで
木造軸組図がプレカット会社から上がってくると
今日の午後、それが工務店から届いたのだが、
設計上、意図したものと全然違っていて、
これではダメだ…進められない…ということになり、
月曜日に修正を手配してくれることになったのだけど
この仕事…また止まってしまった感がある。
これで構造に関する部分が固まったら、図面の仕上げをして、
来週中に確認申請を出そうと気を引き締めていた。
しかしその予定では無理だろうと…すると後がきつくなる。
とはいえ…ここで曖昧な部分を残したままスタートしたら
工事の途中でストップしてしまうこともあろうし、
確認申請の手続きにおいて、変更が困難な現在には
それが致命的な打撃となることも大いに考えられるのである。
ここは慎重に運ぶことが重要だと思い通りには進まない。

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2011年9月 2日 (金)

マリス・ヤンソンス 3

マリス・ヤンソンス指揮オスロフィルによる
チャイコフスキーの交響曲全集より
先日の第5番に続いて、今日は第4番を聞いている。
こちらは1984年11月2,3日に収録されたもの。
第5番が非常に感動的な演奏だったのだが、
第4番はそれほどでもないか…というのが正直なところ。
それは録音による部分も大きく、少々平面的な仕上がりで
北欧オーケストラの方向性はわかっていたとしても
この乾いた印象、表面的な響きにはちょっと残念。
ヤンソンスの指揮もまだ深みに欠けるのであろうし、
しかしその一方で、ディテールの精密な処理による
演奏効果は見事な成果を上げているのであり、
要するにこの演奏の魅力はCDに納まらなかったので
このときに実演にふれたとか…違う手段であったなら
きっとずいぶん印象は違っていたのであろう。
ヤンソンスはチャイコフスキーのスコアを実に丁寧に音にして、
こういうところが何ともいいのであり、今回もフォルムの美しさ、
全体像を極めて見通しよく…その辺は評価せずにはいられない。
最初のうち、感動が薄かったのだが、でも繰り返し聞くにつれて
ヤンソンスの緻密なこだわりがこちらにも浸透してくるというか…
端正な音楽なのであり、若き日のヤンソンスも素晴らしいのである。

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2011年9月 1日 (木)

落語につぶやき 124~割下水

落語に出てくる地名で「割下水」というのがあるが、
昨日も聞いた圓朝作の「怪談阿三の森」でも
「本所の割下水の阿部様」…ということで
新十郎の阿部家が割下水にあったのだ。
「割下水」とは何?で…「落語地誌」で調べてみると
万治二年(1659)に低湿地の本所にて開削された
排水路のことだそうである。道路の真ん中を
掘り割って作られた下水路のことであり、
本所御蔵の端から東へ横川までを「南割下水」、
源光寺の南から東へ横川までが「北割下水」である。
現在の地名で考えると「本所御蔵」とは、
国技館、江戸東京博物館の周辺らしく、
そこから東へ延びていたのが「南割下水」。
そして源光寺は墨田区本所二丁目にあり、
その周辺から東に横川までが「北割下水」。
一般に「割下水」というと「南割下水」近辺の俗称だそうで
昭和の初期まで通用していたとのこと。
いまの北斎通りで南割下水と春日通りの北割下水だが、
大正12年(1933)に埋め立てられ、下水道になったそうである。

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