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2011年11月14日 (月)

落語につぶやき 137~芝浜異聞

昨日の柳家小満んの会で聞いてきた「芝浜異聞」。
芝の浜で財布を拾うところは「芝浜」と共通だが、
魚屋の熊さんが全く違う人柄で、噺も別の展開に。
師匠はこの噺で「江戸の遺失物の扱いについての再考を」と
述べているが、勉強になることが多かったので、
思い出しつつ、ここに記録しておきたいと思う。

現在では拾った財布は交番に届ければ済むけれど
江戸の頃には、もっと複雑な手続きがあり、
たいへんだったそうである。番所に届けることは同じだが、
町役が願書をしたため、拾った財布を届け出ると…
後日、奉行所から呼び出しがあり、町役、五人組を伴って、
一日がかりの取り調べが行われた。
自分は商売を休まないといけないし、
付き添ってくれた方々にもお礼をして、
時間と労力とお金も大そうかかったそうである。
財布を拾うことは、何の得にもならないし、大きな負担。
この辺は「芝浜」を聞くと…熊さんが酔っ払って寝ている間に
おかみさんは長屋の大家さん(町役)のところへ相談に行って、
万事、私に任せておけと…というのは、願書を書き、
番所に届け出てやるから…ということなのであろう。
拾った金を無断で使った場合には、大罪に処せられる。

このように手続きが非常に厄介でもあるので、
拾った者は落とした者へ直接に届けてやり、
当人同士で解決する…ということは、
一般に大目に見られていたそうである。
そのために財布の持ち主が誰であるのか
その辺がわかる名前と住所を記した書付を
財布の中に入れておくのが、通例だったそうな。
この辺は「三方一両損」を聞くと、そのやり取りがよくわかる。
財布の中身を検め、住所・氏名のある書付を確認し、
落とし主のところへ拾った財布を届けてやるのだ。
昨日の「芝浜異聞」でも熊さんは財布の落とし主を探して回り、
最後には持ち主を見つけ、たいへんに感謝されている。

江戸の頃の庶民の生活ぶりであり、社会のシステムでもあるけれど
またひとつその様子を窺い知れる貴重な噺であった。

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