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2011年11月13日 (日)

第252回 柳家小満んの会

上野広小路から銀座線で三越前へ。
夜はお江戸日本橋亭で「柳家小満んの会」である。
今回の噺は、中国を舞台にした「野ざらし」。
中国の小噺を元に創られた岡鬼太郎作「意地比べ」。
芝の浜が舞台というところは共通ながら
熊さんの人柄が違って、別の展開を見せる「芝浜異聞」。
三題が少しずつ関連しあっている印象で興味深い。
そして毎回ながら珍しい噺が聞けるのは喜びである。

三遊亭ありがとう:寿限無
柳家小満ん:樊噲(支那の野ざらし)
柳家小満ん:意地比べ
柳家小満ん:芝浜異聞

まずは「樊噲(はんかい)」…別名「支那の野ざらし」だが、
長屋の隣合わせで、聘珍樓という老人。
そしてちょっと荒っぽいのは、崎陽軒という若者。
その辺で会場からは、思わず笑いがもれるが、
老人が回向を手向ける人骨野ざらし…
夜になって長屋を訪ねてくるのは、かの楊貴妃であった。
馬嵬が原で殺され、それから誰一人供養してくれる者はなかった…
その様子を隣から覗いていた崎陽軒、早速に馬嵬が原に出掛け、
大きな骸骨を見つけて、酒と肴(豚の耳)でもてなす。
すると夜になって訪ねてきたのは、劉邦に仕えた樊噲だった。
それで今度は、崎陽軒に仕えると言い出して…
というような、中国版「野ざらし」の一席。
そして二席目は「意地比べ」である。こちらは以前に
五代目柳家小さんの録音を聞いて予習してあったので、
安心して、じっくり楽しめた。強情で譲らない江戸っ子の噺である。
最初にも書いたが、中国の笑い話「笑府」による明治の新作。
後半、仲直りをして、すき焼きを食べようということになるのだけど、
噺の中で「いい匂いがする」とこちらまでお腹がすいてしまった。
仲入り後は「芝浜異聞」で…この噺は聞けてよかった。
小満ん師匠も「江戸の遺失物の扱いについての再考を」って
噺の紹介をしていたが、いろいろと勉強になることは多く…
早朝、時を間違えて、芝の浜で煙草を吸っていると
火の明かりで皮の財布を見つける…というところは、
通常の「芝浜」と同じだが、ここで登場の棒手振りの魚屋で熊さん、
こちらはまじめに一所懸命に働き、商売熱心、お客にも誠実対応、
拾った財布も落とし主のところに届けようと奮闘する。
途中、もう少し丸い性格になって、この財布だってもらっちまえば、
もっと楽な暮らしができるんだろうにな…とつぶやくのだけど、
そこで清廉潔白な熊さん、決して気持ちが揺らぐことはない。
ついには財布を持主に届け、たいへんに感謝されて、
お礼にこの財布は受け取ってくれとまでいわれるのだけど、
ここでまた、金が欲しいから届けにきたのではないと
威勢のいい啖呵を切って、これこそが江戸っ子!
美しい、実に気持ちのいい噺である。
「芝浜」といえば、年の暮で一年を締めくくる噺だが、
今年度の「柳家小満んの会」もこれでおひらきであり、
本当に清々しい…感謝の気持ちでいっぱいになるという
素晴らしい一席であった。しかし私にとっては、
まだお終いではなく、横浜の「小満んの会」がある!
11月21日(月)第107回 横浜 柳家小満んの会
演目は「稽古屋」「心中時雨傘」「鈴振り」の三席。
来週である。期待して、今から楽しみだ。

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