« 2011年10月 | トップページ | 2011年12月 »

2011年11月30日 (水)

相棒ten 7

20111130

水曜日の夜は「相棒ten」である。
今日は第7話「すみれ色の研究」で…
今回のシリーズの中でも特に面白かったかも。
柴俊夫の演じる杉下さんの友人で研究者の…
少しとぼけていて…その振る舞いが何とも味わい。
この人は犯人ではないな…とは思っていたが、
ならばなぜ杉下さんを呼び出したのか?
そこが重要なところで、結末ですべてがつながるという
ただ「すみれ色の研究」を守りたかっただけなのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月29日 (火)

柳家小満ん 「うどんや」

2011年3月の柳家小満んの会の録音で
今日は3月17日の関内ホールでの三席。
演目は「狸さい」「鴻池の犬」「うどんや」である。
この日も行く予定でいたのだが、震災の翌週で
ちょうど計画停電がはじまったばかり…
なんと相鉄線が夕方から運休というので、
行けなかったのである。一時はたいへんだった。
こうして録音で聞けて、幸せなことである。
噺の方は、今回は知られているものばかり。
「狸さい」だが、よくあるオチは五の目で天神様…
といって狸が冠をかぶって、笏を持って立っている…
というのが多い気がするけれど、ここでは、
もう一方の梅鉢で、壺皿をあげると鶯が「ホーホケキョ」。
季節をとりいれて…春だなという。桜の前の梅である。
「鴻池の犬」は犬を擬人化で異色な噺だなって思うのだが、
かわいらしい噺で…軽い噺だし、なかなか味わいもある。
昔は子供におしっこをさせるのに…縁側で
シー、コイコイコイといったそうな…オチに関連して。
仲入り後は「うどんや」で大好きな噺である。
冬の噺という気がするが、婚礼の場面もあるし、
暖かくなってきた春の先取りというのがいいような。
小満ん師匠の酔っ払いはいつもながら絶品で
うどん屋とのやり取りは、その情景に引き込まれる。
そして音だけなんだけど、熱々のうどんのおいしそうなこと!

CDは下記のサイトから購入できます。
みなさんもぜひお聞きになってください。
http://www.comann.info/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月28日 (月)

柳家小満ん 「妾馬」

2011年3月の柳家小満んの会の録音で
今日は3月13日のお江戸日本橋亭での三席。
演目は「雁風呂」「忍三重」「妾馬」である。
この日は日曜日で行こうと思っていたのだが、
3月11日の震災の直後で…東京へは行けなかった。
当時のたいへんな状況を思い出しつつ…
格別な想いで、いま録音を聞いている。
まずは「雁風呂」で…演目は知っていたのだが、
聞くのははじめてである。なかなか渋い。
水戸黄門が登場というのも落語では珍しい。
大阪弁での函館「雁風呂」の絵解きは素晴らしい。
そして「忍三重(しのびさんじゅう)」だが、こちらも珍しく、
旅芸人夫婦の芝居一幕という…ますます渋いネタだが、
こういう噺ほど、小満ん師匠は味わい深くて、
聞けば聞くほど、感動が増していくという。
仲入り後は「妾馬」だ。これはもう圧倒的素晴らしさ。
殿様が町中でお駕籠の中からお鶴を見初め、
御家来が長屋の大家さんのところに
お鶴を奉公に上げる相談に来る場面、
そしてそのまま大家はお鶴の母親のところへ…
さらには後半になるが、八五郎が侍に取り立てられ、
使者として馬で出掛けようとすると…ひと騒ぎ起こる…
という「妾馬」の題名の理由でもあるオチの場面、
きちんと通しで演じられており、貴重な録音だ。
それにしても「妾馬」は面白い。賑やかで明るい。
余震の続く緊迫した空気の中にあって、少しの間、
すべてのことを忘れ、噺の中に逃げ込むことのできる…
落語の力というのは本当に偉大であると…
改めて考えさせられたのであった。それにしてもいい。

CDは下記のサイトから購入できます。
みなさんもぜひお聞きになってください。
http://www.comann.info/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月27日 (日)

マウリツィオ・ポリーニ

ポリーニの最新盤でブラームスのピアノ協奏曲第1番。
クリスティアン・ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデン。
2011年6月にドレスデンのゼンパーオーパーでライブ収録。
私は昔からポリーニの熱烈ファンで…ではあるのだが、
今回ばかりは、ティーレマンがどんなブラームスを聞かせるのか
そちらが楽しみであり、今年一番の注目の演奏といえるだろう。
冒頭からオーケストラが荒々しい質感のモノトーンな響きを聞かせ、
いかにもティーレマンらしい…そして大胆な強弱をつけ、
静寂の音色では、透明で美しい輝きを引き出す…
まさに近年のティーレマンの特長が出たブラームスである。
シュターツカペレ・ドレスデンは、何とも深みのあるいい響きだ。
しかしテンポ設定が速くて…無理してそうしているようなところもあり、
その辺はポリーニの要求に応えての部分でもあるのだろうけれど、
ティーレマンにはもっと巨大で深い輪郭を求めたいところ。
そしてポリーニであるが、これが通常のライブ録音として
放送か何かで聞いたのならば、非常に満足で喜んでいるのだけど、
DGが正規盤として発売しているのだから…するとこちらも…
ちょっと曖昧なところもあり、ライブだから…というのはわかるけれど
最初のうちはその危うい仕上がりに気持ちが悪い。
しかし音に慣れるというのは重要で、繰り返し聞いていると
ポリーニの魅力は様々に浮かび上がってきて、しだいに惹かれてくる。
近年のポリーニらしい…肩の力の抜けた自然体な演奏でもあって
そうした部分は、私にとっては非常に感動的なところでもある。
かつての明瞭さは聞かれず、造形の立体感も失われているが、
その分に豊かな情感をたたえているのは明らかで、
こちらも聞き方を変えていかないといけないのだろう。
ピアノの音色に関しては、たいへんに美しく、素晴らしいのだが、
しかし何より…ポリーニは相変わらず45分台の快速な演奏で、
もっとゆったりとした感じに楽に弾いてもいいのではと思うのだけど…
というのも、かつてのベーム盤(1979)より速く、
アバド盤(1997)とも時間でほとんど変わらないのである。

DG 00289 477 9882

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2011年11月26日 (土)

横浜の風景から 205~戸塚宿

20111126l

保土ヶ谷宿から権太坂、境木、品濃、不動坂を経て、
江戸方見附を越えて、ようやく戸塚宿へと入った。
浮世絵でも有名な吉田大橋である。

20111126m

戸塚宿の現在の様子。
何度も来ているので、今回は簡単に見てまわり…

20111126n

澤邊本陣跡で今日の東海道の旅の終点とした。
戸塚駅の中にある浜風でラーメンを食べ、
大船軒の鯵の押し寿司を土産に買って、
三ツ境行きのバスに乗って、帰宅。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

横浜の風景から 204~境木

20111126i

権太坂を上りきると境木延命地蔵尊がある。
東海道の難所で権太坂を経て、高台で見晴らしもよく、
境木は旅人の休憩場所として賑わったらしい。
名産の牡丹餅があったそうだけど、今もあるのか?

20111126j

境木は武蔵・相模の国境で…それで「境」であるらしい。
「武相国境之木」がある。これより武蔵国保土ヶ谷宿へ一里。
相模国戸塚宿へは一里九丁。

20111126k

境木から焼餅坂を下ると品濃一里塚がある。
日本橋から九番目の一里塚でつまり36kmということだ。
道の両側にほぼそのままの形で塚が残されており、
神奈川県内ではここだけだそうだ。
さらに品濃坂を下り、品濃口を目指す。
その先は柏尾川沿いに平らな道が続く。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

横浜の風景から 203~権太坂

20111126g1

保土ヶ谷宿を離れ、権太坂へと向かうが、
その手前に庚申塚があった。

20111126g2

庚申塔と堅牢地神塔。

20111126h1

権太坂の現在の様子。なだらかな坂が長く続く。
昔の権太坂は今よりも急勾配であったらしい。

20111126h2

江戸から海に沿って、ずっと平らな道であった東海道だが、
保土ヶ谷から戸塚へ向かうこの権太坂が最初の難所であった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

横浜の風景から 202~保土ヶ谷宿

江戸時代の旅人は、一日に男で十里、女で九里、
つまり40kmとか女の人の足でも36kmも歩いたという…
日本橋を出発して、最初の晩は戸塚宿に泊るのである。
品川、川崎、神奈川、保土ヶ谷、戸塚という順番。
現代人にはとても真似のできない距離だが、
自分の足で歩いてみて、少しでも感覚がつかめたら…と
今日は保土ヶ谷宿から戸塚宿への東海道の旅に出てみた。

20111126a

相鉄線の天王町で下りて、まずは保土ヶ谷宿の江戸方見附。
ここを今日のスタート地点とする。この辺は何度も来ているので
お馴染みの場所だが、橘樹神社は毎月の商店街のお祭りで
今日は外から少し覗いただけ。すごい人出だった。

20111126b1

帷子川に架かる帷子橋だが、現在の様子。
以前は洪水も多かった川であり、川の流れが時代によって
変化しているようで、江戸時代の帷子橋はもう少し南にあった。

20111126b2

天王町の駅前広場にある旧帷子橋跡。

20111126c1

保土ヶ谷宿の現在の様子。
保土ヶ谷税務署のある通りで、南を見ている。
助郷会所跡、問屋場跡、高札場跡の碑がある。

20111126c2

金沢横町の道標四基。金沢方面への分岐点で
「圓海山之道」「かなさわ・かまくらみち」「杉田道」
「富岡山芋大明神社の道」の道標がある。

20111126c3

保土ヶ谷宿の現在の様子。
JR東海道線の踏切手前から北を見ている。

20111126d1

本陣跡で軽部家である。工事中であった。
昔の面影を残す蔵が残されている。

20111126d2

旅籠本金子屋跡。
他にも脇本陣跡の碑もある。

20111126e

東海道から少し寄り道をして、八幡橋で今井川を渡り、
山の方へと上っていく八幡神社。

20111126f1

東海道の一里塚と松並木。国道1号線に復元されたもの。

20111126f2

松並木から今井川の対岸にある外川神社。
旅の安全を祈願して…

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月25日 (金)

柳家小満ん 「羽団扇」

続いて今年1月の柳家小満んの会の録音から
今日は1月17日の関内ホールでの三席。
演目は「羽団扇」「喜撰小僧」「明烏」である。
この日は当日まで行く予定にしていたのだが、
午後になって、急に都合が悪くなってしまい、
こうして録音だけでも聞けたので、機嫌はすっかり直り…
こちらも正月らしい演目が並んで、何とも明るい気分。
「羽団扇」は「天狗裁き」の正月版で…七福神も出てくるし、
とにかく縁起のいい…これぞ新年の噺の決定版だ。
「天狗裁き」の「夢」が「初夢」となって、おめでたい。
そして「喜撰小僧」だが、この噺は「悋気の独楽」にそっくりで
ここでも大活躍の定吉だが、ちょっとませているようで
お妾さん宅で…饅頭でなく、酒を飲みだすという…14歳。
仲入り後は「明烏」である。文楽師匠の初席の定番で…
もちろんそれにちなんで、お正月の最初の会には「明烏」だ。
小満ん師匠の「明烏」は、「落語の蔵」にも録音があって、
これまでも繰り返し聞いてきたが、今回もまた…何とも素晴らしい。
文楽師匠の十八番であるから、小満ん師匠にとっても
格別な噺というのがあると思うのだけど、完璧な仕上がりだ。

CDは下記のサイトから購入できます。
みなさんもぜひお聞きになってください。
http://www.comann.info/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月24日 (木)

柳家小満ん 「ざこ八」

いよいよ2011年の柳家小満んの会の録音を聞きはじめた。
今日は1月13日のお江戸日本橋亭での三席。
演目は「千早ふる」「探偵うどん」「ざこ八」である。
正月の会でまずはお馴染みの「千早ふる」。
こうしたよく知られる噺を小満ん師匠で聞くというのが味わい。
そして明治の新作で「探偵うどん」だが、珍しい噺だけど、
こちらは志ん生師匠の録音を聞いたことがあって、
「探偵」とは…つまり刑事さんのことで…うどん屋に扮して、
300円入りの財布を掏った泥棒の捕物の噺である。
短いし、大した内容でもないのだけれど…時代背景や
電信も登場する文明開化の明治の情景を想像すると
これがやはり…非常に面白くて、深みのある噺である。
そして仲入り後は「ざこ八」だ。この噺はうれしい。
別名で「二度のごちそう」というのもあるそうで、
ここでの小満ん師匠はそちらの気分で語ると述べている。
雑穀商「ざこ八」の再興が叶って、店はたいへんに繁盛して、
魚屋が活きのいい鯛を売りに来るのだけれど、
おかみさんは先の旦那の仏の日(祥月命日)だから食べられない…
旦那の方は、自分は関係ないから食べる…と夫婦喧嘩になって、
ここまでを「先の仏」というそうである。その後の部分…
旦那は鯛で出入りの者に御祝いだと大盤振る舞い…
おかみさんも精進ものでご馳走だと…こちらが「二度のごちそう」。
私が前に聞いて、イメージしていた「ざこ八」というのは、
「先の仏」だったようだ。「二度のごちそう」ははじめての気がする。
「二度のごちそう」でサゲまでいくと「ざこ八」の通しって、
それは大袈裟か…でも「ざこ八」を聞けるというのも貴重なことで
小満ん師匠のこの録音の存在は、実にうれしいことである。

CDは下記のサイトから購入できます。
みなさんもぜひお聞きになってください。
http://www.comann.info/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

横浜の風景から 201

20111124b

日没の少し後で…今日の富士山。
ここは瀬谷区阿久和南1丁目で
ちょうど旭区善部町との境界にある橋だが
西の方角を見て…きれいな夕闇。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

横浜の風景から 200

20111124a

夕焼けの泉区新橋町にて、二本の高圧線鉄塔。
以前にもここの写真を出していると思うのだけど、
高い低いで兄弟のような鉄塔が並んでいるのが面白い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月23日 (水)

相棒ten 6

20111123

水曜日の夜は「相棒ten」である。
今日は第6話「ラスト・ソング」で…
伝説のジャズ・シンガーという役柄ながら
ゲストの研ナオコが強烈な存在感で
さすがの杉下さんも手を焼いている印象は愉快だった。
でもなぜそこまで悠然としていられるのか?の訳が、
捜査対象でもあり、犯人に違いないと思わせる展開ながら
最後の最後で…犯人ではない…犯人をかばっていた…
というところが今回の面白さであり、ドラマである。
動機が見えてこない…というのもポイントだけど、
ただ歌いたかった…ステージの上にいたかった…という
ジャズの世界を舞台にしたことでの独特の仕上がりである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月22日 (火)

落語につぶやき 138~心中時雨傘

昨日の柳家小満んの会で聞いてきた「心中時雨傘」、
忘れないうちに噺の大筋を記録しておく。
江戸も末期の慶応元年(1865)11月21日に
日暮里の諏訪神社で実際に起きた心中事件に基づくそうである。
お初と金三郎の夫婦がそこに至るまでの一部始終が語られる。
どっこい屋のお初は、夜店の商売を終えて、遅く帰路につくが、
途中の穴の稲荷で悪い三人組に襲われそうになる。
それを助けたのが、隣町に住む形付職人の金三郎で
しかし打ち所が悪かったのか…ひとりを殺してしまった。
お初は金三郎を家に案内し、母に事の次第を話して、
一生、金三郎に仕えたいと夫婦になる約束をする。
しかし翌日、人殺しの疑いでお初は召し捕られ、
金三郎もすぐに…殺したのは自分であると名乗り出る。
詮議の結果、真相が明らかになり、ふたりは無罪放免となる。
それにより…お初と金三郎は晴れて祝言を上げた。
ふたりの世話をした家主の頼みで酉の市の熊手売りに出掛け、
しかしその留守中に長屋が火事になり、ふたりは急ぎ戻るが、
火の中に取り残された母を助けようとして金三郎が怪我を負う。
右肩を骨折して、仕事もできなくなり、寝たきりになってしまう。
その後、母は亡くなり、日暮里の花見寺に埋葬。
お初が商売に出て、かろうじて生活をつないでいたが、
金三郎は腕の痛みとこれ以上の迷惑をかけたくないと
石見銀山鼠取り売りから鼠を殺す薬を買い、死ぬ決意を固める。
しかしそれをお初に見られ、死ぬのなら、自分も供に死ぬと
心中を決める。翌日、近所の親しい者、恩のある大家に
故郷に戻ると挨拶をしてまわり、天ぷら屋で食事を済ませ、
時雨に一本の傘を買い、母の墓前で手を合わせて、
たまたま矢立を拾ったことから…傘の内側に
私どもは夫婦者でございます。どうぞ一緒に埋めてください…と記し、
死に場所と決めていた日暮里の諏訪神社境内で命を絶った。
「心中時雨傘」という題名は最後の場面から来ているわけだが、
何とも透明感あふれる美しい情景描写に感動的であった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月21日 (月)

第107回 柳家小満んの会

年内はこれで最後となる「小満んの会」で夕方から関内ホールへ。
今日の三題…テーマは「男と女」といったところだろうか。
女にもてたくて稽古屋に歌を習いに行く「稽古屋」。
深く愛し合っている夫婦がそれゆえに心中をする「心中時雨傘」。
修業を積んだ立派な僧侶も女の魔力に落ちる「鈴振り」。

三遊亭ありがとう:牛ほめ
柳家小満ん:稽古屋
柳家小満ん:心中時雨傘
柳家小満ん:鈴振り

今日はよかった。素晴らしい会だった。今年一番といってもいい。
大好きな前座さんでありがとうさんだが、「牛ほめ」は絶品。
なかなかかわいいところのある与太郎で親しみを感じてしまう。
ありがとうさんはもうすぐ二ツ目の位置にまで来ているけれど、
もう実力的には十分といえる…表現力は豊かで魅力的な存在だ。
小満ん師匠の一席目でまずは「稽古屋」。音曲噺である。
でもその稽古屋にたどり着く前に…ご隠居さんとのやり取り…
「俺だけ女がいない。女にもてたい」と相談に行くところ、
前半から面白く、噺にすっかり引き込まれて、
ご隠居からいろいろと教わっていくのだが、
稽古屋で師匠の前で大失敗というのは、落語によくある展開である。
後半、屋根の上で、北風に向かって、稽古していると
歌の文句で長屋の連中は火事と勘違い…この辺は冬の情景であり、
「稽古屋」って、今の季節にぴったりだと改めて気付いたのであった。
二席目は「心中時雨傘」で、なんと55分ぐらいという長講であった。
「心中」ではあるけれど、夫婦の美しい心を扱った噺で感動。
実話に基づくそうである。慶応元年(1865)11月21日、
まもなく明治になろうとしている江戸の終わりの頃に
11月21日というから…146年前の今日、日暮里の諏訪神社にて
心中事件があった。その真相が語られる。お初と金三郎の出会いから
苦難を乗り越え夫婦となり、しかし災難は続いて、火事そして母の死、
火事の際に負った怪我(骨折)が元で金三郎は寝たきりになり、
それを苦にして、妻のお初に迷惑をかけたくないと死を選ぶが、
お初もまた、ならば供にと…心中を企てるのである。
途中、酉の市の情景で賑やかな場面もあるが、
やはりその後半の心中に至る透明で美しい描写が感動的だ。
そう簡単に書いてしまっては、たいへんに申し訳ないのだけど、
本当にいい噺を聞けて、これまたこれからずっと宝となるような
貴重な噺に出会えて、まずは「心中時雨傘」が今日の大収穫である。
いい噺を聞けた後で…仲入り後は「鈴振り」。ズバリ艶笑噺で…
この噺は、そういった噺の中では非常に有名だと思うのだけど、
小満ん師匠の艶笑小噺三昧で…珍しいし…これは貴重なこと。
知っているのでは左甚五郎がオチの「四つ目屋」も登場したが、
落語の艶笑噺というのは、かなり猥褻な表現で笑わせるという…
師匠も「恥ずかしくて、とてもお客席のみなさんの顔は見られませんよ」って
茶目っ気たっぷりの…こういう師匠が見られるというのも大いに喜び。
噺に入って、一件まじめな古典の世界に引き込まれるのだが、
オチが露骨に猥褻。「こういうオチだと思わないでしょ」って
戦時中なら上演禁止で、今でもテレビやラジオでは放送できない。
しかし江戸の頃からこういった噺が現在に伝わっているのであり、
その歴史を否定するのも…かえって不粋。
そして実際のところ、こういう噺って、会場は大いに盛り上がって、
老若男女、人間生きていれば、そうした話題が好きでない人はいない。
変なところで真面目に堅物ぶっても逆にみっともないし、
師匠も「カラッと笑ってくださいね」と明るく楽しく…それが粋な姿!
「心中時雨傘」の感動を「鈴振り」がすべてさらって行ったのかなと
平成23年の「柳家小満んの会」も会場全体が
明るい笑顔に包まれたところで…これにておひらき。
お見送りの師匠に「今年一番でした」と迷わずいってしまった。
すると師匠も「そう!」って、一年をやり遂げた満足感なのか…
いつも以上に輝いた笑顔を振りまいていた。
今年もありがとうございました。
ということで…次回は1月18日(水)第108回 横浜 柳家小満んの会
演目は「六尺棒」「位牌屋」「夢金」の三席です。
「夢金」が大好きな噺なのだけど、「位牌屋」は楽しみだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月20日 (日)

マリス・ヤンソンス 4

マリス・ヤンソンス指揮オスロフィルによる
チャイコフスキーの交響曲全集より
今日は第1番「冬の日の幻想」と第2番「小ロシア」。
第1番は1985年4月25-30日、第2番は1985年4,9月に収録。
たいへんに美しい響きで…これは素晴らしい演奏だ。
細やかな表情にまで、歌心あふれるチャイコフスキーで
ヤンソンスの作品への想いが伝わってくる。
オスロフィルを褒めなくてはいけないのだろうけど、
ヤンソンスの引き出す音は本当にきれいで魅力的。
交響曲とはいっても…チャイコフスキーの初期の作品は、
露骨に民謡を用いた作風で…堅苦しい部分はまるでなく、
そのすべてが楽しくて、実にいい気持ちなのである。
ヤンソンスならではのスッキリとした透明な音作りだが、
もっと濃厚な演奏が好きな人もいるだろうけれど、
私はこの演奏が気に入って、名盤であると思う。

CDR714

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月19日 (土)

ネーメ・ヤルヴィ 9

ネーメ・ヤルヴィ指揮スコティッシュ・ナショナル管弦楽団で
昨日に続いて、リムスキー・コルサコフの作品を聞いている。
歌劇「サルタン皇帝の物語」組曲、第3幕前奏曲「熊蜂の飛行」、
歌劇「見えざる都市キテジと乙女フェヴローニャの物語」組曲、
歌劇「金鶏」組曲で1984年4月2日と5月24日にグラスゴウで収録。
作曲順にリムスキー・コルサコフの後年の作品ばかりだが、
とにかく素晴らしくって、色彩的に華やか…明るく楽しい…
さすがはオーケストレーションの名人である。
ネーメ・ヤルヴィの解釈は、何か特別に主張する演奏ではないが、
本質をきっちりと伝え、的確に仕事をこなす…まさに職人である。
比較的珍しい作品ばかりといっていいと思うが、貴重な録音だ。

CDR712/713

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月18日 (金)

ネーメ・ヤルヴィ 8

ネーメ・ヤルヴィ指揮スコティッシュ・ナショナル管弦楽団で
リムスキー・コルサコフの管弦楽作品を聞いている。
歌劇「5月の夜」序曲、歌劇「雪娘」組曲、
歌劇「ムラダ」組曲、歌劇「クリスマス・イヴ」組曲
1984年4月2日と5月24日にグラスゴウのシティホールで収録。
正直なところ、昔はリムスキー・コルサコフの作品を
あまり聞かなかったのだけど、このところは
ものすごく関心のある作曲家で、これらは歌劇からの組曲…
本当は歌劇の全曲盤を聞いてみたいところだが、
なかなかチャンスもなく、管弦楽版の組曲で楽しんでいる。
このようにネーメ・ヤルヴィが録音していてくれて、実にありがたい。
作曲された順に並んでいるが、明日は後半を聞きたいと思う。

CDR712/713

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月17日 (木)

ベルナルト・ハイティンク 8

ベルナルト・ハイティンク指揮ロンドンフィルによる
ショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」。
1979年11月にロンドンのキングズウェイ・ホールで収録。
ハイティンクのショスタコーヴィチは非常に厳格で
音楽に対する姿勢も厳しく、響きの構築は精妙を極め、
全く隙のない明確な音作りが独特であると感じられるが、
ここでの「レニングラード」は、ときに明るく清々しい透明感、
穏やかな印象も加わって、その辺りが魅力であると感動的だ。
それにしても巨大な作品で…この演奏も79分という長丁場だが、
ハイティンクは慎重な足取りで丁寧に聞かせる部分と
力強い動きでエネルギーを発散させる部分と…
そのコントラストが実に見事で、引き締まった仕上がりである。

CDR711

「ベルナルト・ハイティンク」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

横浜の風景から 199

20111117b

泉区新橋町からの夕方の富士山。
16時07分でまもなく日没という時間である。
富士山の左の方(南側)に太陽がいる。
日中は快晴で真っ青な空だったが、
夕方は雲が出て、少し霞んでいる感じで
富士山が雲の上に浮かんでいる。
肉眼ではもっとはっきり見えている気がしたのだけど
写真では、このような淡い色合いに仕上がった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

今日の月は…月齢20.3

20111117

朝から快晴で、真っ青な空が気持ちいいが、
まもなく沈もうとしている月である。
9時32分に西の空、月齢20.3の月。
これからの暦を調べてみると
11月19日(土)が下限の月(月齢23.3)、
そして25日(金)が新月(月齢29.3)だそうだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月16日 (水)

相棒ten 5

20111116b

水曜日の夜は「相棒ten」である。
今日は第5話「消えた女」で…
不思議な出来事に遭遇…という些細な相談事から
それが殺人事件に結びつき、さらには
本来ならば暴かれるはずもなかった犯罪にまで
杉下さんの捜査は及ぶという…いつもながら面白い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「東海道 保土ヶ谷宿」展

20111116_2

都筑区にある横浜市歴史博物館に行ってきた。
企画展「東海道 保土ヶ谷宿」
私はこのテーマにズバリ興味があって、
非常に面白かった。とにかくひとつひとつに釘付け。
江戸時代に保土ヶ谷宿の本陣を代々務めた苅部家の
現在の軽部家が所蔵する古地図や古文書等を展示。
歴史的な資料がどのような意味をもつのか…というのは、
ちょっと出掛けて、見てきた程度ではとても理解できないけれど、
しかし解説を読んでいると…江戸の宿場の様子が想像できて
実に有意義であった。この展示は11月23日(水)まで。
江戸時代の街道や宿場に興味のある方はぜひ行ってください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月15日 (火)

小澤征爾 3~ベルリオーズ

小澤征爾指揮ボストン交響楽団による
ベルリオーズの幻想交響曲(1973.2)
劇的交響曲「ロメオとジュリエット」~愛の情景(1975.10)
もう20年近くも昔に買ったCDなのだが、
当時もすごく気に入って、私は名演だと思っているのだけど
久しぶりに出してみて、いま聞いてもやはり素晴らしい。
滑らかに…快適に音楽が進んでいくが、
細部はというと…独特に創り込まれた解釈も鮮やかで、
1970年代の小澤征爾が圧倒的な個性を発揮している。
第4楽章と第5楽章で後半に行くにつれて、
快速なテンポで勢いも凄まじく、刺激的な音作りに興奮。

DG 431 169-2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月14日 (月)

落語につぶやき 137~芝浜異聞

昨日の柳家小満んの会で聞いてきた「芝浜異聞」。
芝の浜で財布を拾うところは「芝浜」と共通だが、
魚屋の熊さんが全く違う人柄で、噺も別の展開に。
師匠はこの噺で「江戸の遺失物の扱いについての再考を」と
述べているが、勉強になることが多かったので、
思い出しつつ、ここに記録しておきたいと思う。

現在では拾った財布は交番に届ければ済むけれど
江戸の頃には、もっと複雑な手続きがあり、
たいへんだったそうである。番所に届けることは同じだが、
町役が願書をしたため、拾った財布を届け出ると…
後日、奉行所から呼び出しがあり、町役、五人組を伴って、
一日がかりの取り調べが行われた。
自分は商売を休まないといけないし、
付き添ってくれた方々にもお礼をして、
時間と労力とお金も大そうかかったそうである。
財布を拾うことは、何の得にもならないし、大きな負担。
この辺は「芝浜」を聞くと…熊さんが酔っ払って寝ている間に
おかみさんは長屋の大家さん(町役)のところへ相談に行って、
万事、私に任せておけと…というのは、願書を書き、
番所に届け出てやるから…ということなのであろう。
拾った金を無断で使った場合には、大罪に処せられる。

このように手続きが非常に厄介でもあるので、
拾った者は落とした者へ直接に届けてやり、
当人同士で解決する…ということは、
一般に大目に見られていたそうである。
そのために財布の持ち主が誰であるのか
その辺がわかる名前と住所を記した書付を
財布の中に入れておくのが、通例だったそうな。
この辺は「三方一両損」を聞くと、そのやり取りがよくわかる。
財布の中身を検め、住所・氏名のある書付を確認し、
落とし主のところへ拾った財布を届けてやるのだ。
昨日の「芝浜異聞」でも熊さんは財布の落とし主を探して回り、
最後には持ち主を見つけ、たいへんに感謝されている。

江戸の頃の庶民の生活ぶりであり、社会のシステムでもあるけれど
またひとつその様子を窺い知れる貴重な噺であった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月13日 (日)

第252回 柳家小満んの会

上野広小路から銀座線で三越前へ。
夜はお江戸日本橋亭で「柳家小満んの会」である。
今回の噺は、中国を舞台にした「野ざらし」。
中国の小噺を元に創られた岡鬼太郎作「意地比べ」。
芝の浜が舞台というところは共通ながら
熊さんの人柄が違って、別の展開を見せる「芝浜異聞」。
三題が少しずつ関連しあっている印象で興味深い。
そして毎回ながら珍しい噺が聞けるのは喜びである。

三遊亭ありがとう:寿限無
柳家小満ん:樊噲(支那の野ざらし)
柳家小満ん:意地比べ
柳家小満ん:芝浜異聞

まずは「樊噲(はんかい)」…別名「支那の野ざらし」だが、
長屋の隣合わせで、聘珍樓という老人。
そしてちょっと荒っぽいのは、崎陽軒という若者。
その辺で会場からは、思わず笑いがもれるが、
老人が回向を手向ける人骨野ざらし…
夜になって長屋を訪ねてくるのは、かの楊貴妃であった。
馬嵬が原で殺され、それから誰一人供養してくれる者はなかった…
その様子を隣から覗いていた崎陽軒、早速に馬嵬が原に出掛け、
大きな骸骨を見つけて、酒と肴(豚の耳)でもてなす。
すると夜になって訪ねてきたのは、劉邦に仕えた樊噲だった。
それで今度は、崎陽軒に仕えると言い出して…
というような、中国版「野ざらし」の一席。
そして二席目は「意地比べ」である。こちらは以前に
五代目柳家小さんの録音を聞いて予習してあったので、
安心して、じっくり楽しめた。強情で譲らない江戸っ子の噺である。
最初にも書いたが、中国の笑い話「笑府」による明治の新作。
後半、仲直りをして、すき焼きを食べようということになるのだけど、
噺の中で「いい匂いがする」とこちらまでお腹がすいてしまった。
仲入り後は「芝浜異聞」で…この噺は聞けてよかった。
小満ん師匠も「江戸の遺失物の扱いについての再考を」って
噺の紹介をしていたが、いろいろと勉強になることは多く…
早朝、時を間違えて、芝の浜で煙草を吸っていると
火の明かりで皮の財布を見つける…というところは、
通常の「芝浜」と同じだが、ここで登場の棒手振りの魚屋で熊さん、
こちらはまじめに一所懸命に働き、商売熱心、お客にも誠実対応、
拾った財布も落とし主のところに届けようと奮闘する。
途中、もう少し丸い性格になって、この財布だってもらっちまえば、
もっと楽な暮らしができるんだろうにな…とつぶやくのだけど、
そこで清廉潔白な熊さん、決して気持ちが揺らぐことはない。
ついには財布を持主に届け、たいへんに感謝されて、
お礼にこの財布は受け取ってくれとまでいわれるのだけど、
ここでまた、金が欲しいから届けにきたのではないと
威勢のいい啖呵を切って、これこそが江戸っ子!
美しい、実に気持ちのいい噺である。
「芝浜」といえば、年の暮で一年を締めくくる噺だが、
今年度の「柳家小満んの会」もこれでおひらきであり、
本当に清々しい…感謝の気持ちでいっぱいになるという
素晴らしい一席であった。しかし私にとっては、
まだお終いではなく、横浜の「小満んの会」がある!
11月21日(月)第107回 横浜 柳家小満んの会
演目は「稽古屋」「心中時雨傘」「鈴振り」の三席。
来週である。期待して、今から楽しみだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

黒門亭で彦丸・しん平・さん吉

今日は夕方から日本橋で「柳家小満んの会」なので
お昼から出掛けることにして、その前に黒門亭の第二部だけ。
いつもながらの御徒町まで行き、まずは上野黒門町へ。
しん平師匠も楽しみだけど、さん吉師匠の「千早振る」!
どうなるのだろう…って、ぜひ聞いてみたくて、
マニアックな関心は膨らむばかりで私的にはツボだった。

第2部
柳家いっぽん:道灌
林家彦丸:田能久
林家しん平:笑い茸
柳家さん吉:千早振る

客は少なくて、ゆったりだったのだけど、
これが楽しかった。やはり聞きに行ってよかった。大正解!
前座さんはいっぽんさん。今回がはじめてだ。噺は「道灌」。
もうすごく慣れている感じで余裕もあり、声量もたっぷりで
でもひとつ…語尾が聞き取りにくいところがあって、
その辺、これから少しずつクリアになっていくのかな…という。
それと同時に噺の内容もより明解に伝わるようになると思う。
続いて彦丸さんは期待の二ツ目さんだけど、芝居のマクラから
阿波徳島ときたから「田能久」である。大好きな噺だ。
ここで「田能久」が聞けるとは思わなかった。得した気分。
若い噺家だと、この噺のテーマで「親孝行の徳」というのは、
それほど伝わってこないけれど、でも鳥坂峠の山小屋での
一晩の恐ろしい体験が、情景豊かに描き出されて、楽しめた。
そしてしん平師匠。面白かった。「落語物語」の話題も満載。
はじめて聞く噺だったのだけど、「笑い茸」という。
戻って調べたところ「落語事典」にも載っていて、
なんと圓朝作とある。こんな噺があるんだ。いい噺を聞けた。
とにかく面白かったのだけど、それはしん平師匠だからだと思う。
笑ったことのないいつも恐い顔をした男が、漢方の笑い茸で
しだいに笑いだし、笑う門には福来たるで、金持ちになるという。
笑ったことがないので、顔の筋肉が笑うという動作を知らず、
最初のうちは顔が強張っているだけなのだけど…
それがしだいに解れてきて、鬼の形相が福顔に変化していくあたり、
実にいいなあ…聞いているだけで福が舞い降りてくるような…
しん平師匠のこういう噺は最高だ。こちらも聞けて得した気分。
今日のトリはさん吉師匠の「千早振る」。前半は楽屋噺の漫談で、
「千早振る」にちなんで「知ったかぶる」というテーマなので面白すぎ。
噺に入ってもところどころで脱線して、その話題が楽しくて、よかった。
「とは」は千早の本名だ…というお馴染みのオチがつくのだけど、
吉原での源氏名が「千早」なのであり、それに対する本名が「とは」。
いまでは「とは」なんて名前の人はいないので、噺が古くなっているけれど、
かつては「とは」で「おとはさん」などと呼ばれている人はいたであろうと…
その辺をわかりやすく…先代小さん師匠のおかみさんの名前を例に解説。
恥ずかしながら「千早振る」を聞いて、そういうことを考えたことって
一度もなかった。オチで笑わせるという噺ではないけれど、
軽く聞き流しているところにいろいろな意味があるのだなと
お馴染みの「千早振る」で目からウロコだったのである。
古典落語における常識が、現代人には通じないということが実に多く、
その辺を諦めずに…江戸や明治の時代を思い浮かべて、
ひとつずつ突き詰めていくと、新たな魅力に突如出くわすこともあり、
また落語の奥深さを知った「千早振る」であった。

20111113

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月12日 (土)

キリル・コンドラシン 2

キリル・コンドラシン指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団で
リムスキー・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」
1979年6月27,28日にアムステルダム・コンセルトヘボウで収録。
細かいことをいうと…この録音の当時の名称は、
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団だが、
コンドラシンが1978年12月に西側に亡命して
このディスクがPHILIPSへのデビュー盤となったそうである。
正直なところ、コンドラシンの演奏はそれほど聞いていないので、
あまりよくわかっていないのだが、ここでの「シェエラザード」は
非常に繊細な表情を引き出しており、淡白な印象すらある。
コンセルトヘボウ管弦楽団は元々色彩豊かな音色を聞かせるが、
ここではむしろ抑制をきかせることで、引き締まった音楽であり、
濃厚な仕上がりとなることを避けているような…
絵画的に様々な要素が外に発散する演奏が多い中で、
内向的とも思えるこの方向性は意外な感じもあり、興味深い。
しかしこれが、聞けば聞くほどに素晴らしく、引き付けるものがあり、
キリル・コンドラシンという人の凄みなのか…実に深い。

CDR710

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月11日 (金)

ロリン・マゼール 7

ロリン・マゼール指揮ミラノ・スカラ座による
ヴェルディの歌劇「オテロ」から第3幕と第4幕。
1985年6月29日から7月2日にミラノ音楽院で収録。
昨日に続いて、後半の第3幕と第4幕を聞いているが、
迫力の前半(第1幕と第2幕)に比べ、室内楽的な響きの中に
緊張度はさらに増し、精妙な音作りが実に素晴らしい。
マゼールの鋭い感覚は、この作品の悲劇性を際立たせ、
厳格にコントロールされた音色は、透明で濁りのない…
もちろん色彩感や輝きに満ちているが、
とにかくこの絶妙な仕上がりに感動するのである。
有名な第4幕は繰り返し聞かずにはいられない。

CDR708/709

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2011年11月10日 (木)

ロリン・マゼール 6

今日はロリン・マゼール指揮ミラノ・スカラ座による
ヴェルディの歌劇「オテロ」から第1幕と第2幕。
1985年6月29日から7月2日にミラノ音楽院で収録。
ドミンゴのオテロ、リッチャレッリのデズデモナである。
ゼッフィレッリ監督による映画「オテロ」の音源としても知られる。
オテロといえばドミンゴが有名だが、1980年代の名盤。
なぜか最近、急にヴェルディが聞きたくなっている私だが、
「オテロ」はかなり久しぶりで10年ぐらい聞いていなかったかも。
マゼールの音作りが明解で…メリハリをきかせて、
何という刺激的な響きを聞かせていることか!
これは素晴らしい。力強い緊張感のある音楽に興奮。
明日は後半の第3幕と第4幕を聞きたいと思う。

CDR708/709

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月 9日 (水)

相棒ten 4

20111109

水曜日の夜は「相棒ten」である。
今日は第4話「ライフライン」で…
見ていて何とも辛い…苦しくなるストーリー。
どこの業界だって、いまは苦しいと思うのだけど、
運送会社の資金調達をめぐって、
背後に浮かび上がるヤミ金の存在。
取り立てられる側が生き抜くためには、
取り立てる側に回るしかないという。
追いつめられ、ついには殺されることを望むようになり、
その姿に自分と同じ境遇を見た者はとっさに殺してしまう…
殺された者は救いを感じ、殺した者も逮捕されることで
その苦しみから解放されるという重いテーマだ。
「相棒」では、以前にもこうしたストーリーはあったが、
ますます複雑になって、そのリアリティは凄まじい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月 8日 (火)

柳家小満ん 「今戸の狐」

2009年の柳家小満んの会の録音で
今日は11月13日のお江戸日本橋亭での三席。
演目は「市助酒」「成田の間男」「今戸の狐」である。
2009年の録音もこれで最後となった。
それが素晴らしい三席なのである。
噺は知っているのだけど、普段あまり聞いていないので、
新鮮な印象も魅力だし、少々マニアックなところがたまらない。
「市助酒」は何年か前に実演でも聞いたことあるのだけど、
すっかり忘れてしまっていたので、こんなに面白かったのだ。
町内の番太郎で市助が酔っ払って、酒の情景が見物だけど、
もうひとつ…江戸のお店の様子、主人と番頭のやり取りが味わいだ。
続いて「成田の間男」で…この噺は「つづらの間男」とも呼ばれるが、
「間男」とはつまり浮気のこと、何とおかみさんが浮気しているという…
しかしそこには深い事情があって…というところに引き込まれる。
芝居の一幕のような…緊迫感ある展開に感動する。
そして仲入り後は「今戸の狐」。この噺もよく知っているのだけど、
こんなに夢中になってしまうとは…面白い。実にいい。
江戸の頃、一時期たいへん流行ったという「狐ちょぼ」という博打、
前座さんが寄席で稼いだ小遣い銭を夜中に数えている…
良助の住まいのお向かいでおかみさんがコツの妻(サイ)だという…
その辺が丁寧に語られているので、理解が深いと
噺の中で…誤解が誤解を呼んでいく展開が生きてくるという。

CDは下記のサイトから購入できます。
みなさんもぜひお聞きになってください。
http://www.comann.info/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月 7日 (月)

柳家小満ん 「木乃伊取り」

2009年の柳家小満んの会の録音で
今日は7月13日のお江戸日本橋亭での三席。
演目は「酢豆腐」「木乃伊取り」「千両みかん」である。
私の大好きな噺ばかりで、何とも魅力的だ。
「酢豆腐」のキザな若旦那…これが最高。
横浜でも「ご同伴」つまり「羽織の遊び」が演じられたけれど
この困った若旦那が、小満ん師匠は実に見事で…強烈!
そして「木乃伊取り」…こちらは飯炊きの清蔵さんだ。
田舎者の同じく強烈キャラで…すごい。実にいい。
ミイラ取りがミイラになる情景がいきいきと目の前に広がる。
仲入り後は「千両みかん」。夏の会で季節の噺だが、いい噺。
落語としていいのであって、決していい噺でもないけれど、
土用の最中の熱風が漂うこの暑さ、その陽気の中で
みかんを求めて江戸の街を彷徨い歩く番頭さん…
その追いつめられての様子、絵になる噺である。
三席でちょうど80分だが、聞きはじめたら夢中に。

CDは下記のサイトから購入できます。
みなさんもぜひお聞きになってください。
http://www.comann.info/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月 6日 (日)

ジュゼッペ・シノーポリ 2

今日はシノーポリ指揮ウィーンフィルによる
ヴェルディの序曲・間奏曲集。
イタリア・オペラはあまり聞かない私だけど…
何となくヴェルディが聞きたくなっているのであり、
本当は全曲盤に行きたいところだが、軽く序曲を楽しんで…
「運命の力」序曲、「アイーダ」前奏曲、「アッティラ」前奏曲、
「ルイザ・ミラー」序曲、「椿姫」第1幕前奏曲・第3幕前奏曲、
「仮面舞踏会」前奏曲、「ナブッコ」序曲、
「シチリア島の夕べの祈り」序曲
1983年12月19-22日 ウィーン楽友協会大ホールで収録。
シノーポリの精妙な音作りに感動。これは素晴らしい。
ただ…いまの私の好みからするとちょっと響きが軽い。
ウィーンフィルが繊細な音色を聞かせ、極上の美しさ。
それが魅力なのだけど、もう少し渋い響きで聞きたいのは
あくまでも私の好みなのであり、しかしこれは名演だ。
シノーポリのこだわりに満ちて、あらゆる要素が
徹底してクリアに…説得力のある演奏である。

CDR707

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月 5日 (土)

柳家小満ん 「茶碗割」

続いて2009年5月の柳家小満んの会の録音で
今日は5月18日の関内ホールでの三席。
演目は「蜀山人」「磯の鮑」「茶碗割」。
非常に珍しい噺ばかりだが、これが素晴らしい。
まずは狂歌噺といっていいのか…「蜀山人」。
やはり狂歌名人を語る「紫檀楼古木」という噺もあるが、
こちらは落語では有名な蜀山人の一生であり、
狂歌を交えつつ地噺のような仕上がりである。
落語事典にもこの演目は載っていて、
古くから演じられていたようではあるのだが、
小満ん師匠ならではの演出が加えられていると思う。
そして「磯の鮑」では、与太郎がはじめて吉原へという…
まずは女郎買いの師匠で蔵前のご隠居のところへ
吉原の仕来たりなどを教わりに行く。女郎買いの指南。
いろいろ口上を習って行くが、全く違うことをいいだして
大失敗するというのは、「牛ほめ」にそっくりの展開だが、
花魁を口説く文句を教わるというところがアダルトな…
「鮑のし」でも聞けるフレーズで「磯の鮑の片想い」が
オチに関係するのだけど、与太郎は肝心なところでいい間違い。
最後は「茶碗割」で、これは尾崎紅葉の作だそうである。
面白い!かなりスリリングな展開で、その点では
落語の域を超えているような…ちょっとした芝居の一幕。
鮮やかに情景が広がるのである。魅力的な一席だ。
これは大切にしたい録音で、繰り返し聞いていきたい。

CDは下記のサイトから購入できます。
みなさんもぜひお聞きになってください。
http://www.comann.info/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月 4日 (金)

柳家小満ん 「天災」

2009年の柳家小満んの会の録音で
今日は5月13日のお江戸日本橋亭での二席。
演目は「本膳」「天災」である。楽しい。
「本膳」では、村の36人の田舎者が登場で、
小満ん師匠の田舎言葉って、実にいいのである。
「本膳」はマナーって難しい…という噺だけど、
ここでの情景って、そんなことないだろう!とは思いつつ…
まわりを気にしながら…合わせていればいいという
これはわかるわかる!って、愉快な噺である。
いや、他人事とはいえず、注意しないといけない。
「天災」は面白い。大好きな噺だ。
とにかく手荒で乱暴な八五郎だけど、
穏やかで懐深い紅羅坊名丸先生との対比は鮮やかで
このやり取り…天災の講義に引き込まれる。
後半、オウム返しで大失敗するのが落語ならではだが、
「天災」って、明るく盛り上がる魅力的な噺である。

CDは下記のサイトから購入できます。
みなさんもぜひお聞きになってください。
http://www.comann.info/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月 3日 (木)

横浜の風景から 198

今日は文化の日で祝日だが、
天気はいまひとつの曇り空。
運動のつもりで歩きに出かけた。
旭区矢指町と下川井町の周辺。

20111103a

下川井町だが、保土ヶ谷バイパスと平行な道で
キャベツ畑が広がっている。農業地区。

20111103b

矢指町と下川井町の境界の道。
今は休耕中のようだけど、夏は田んぼだったのか?

20111103c

矢指町の風景。正面の奥の方は追分市民の森。

20111103d

矢指川の水源域だが、湧水が出ているようで
水神が祀られている。

20111103e

保土ヶ谷バイパス下のトンネルを通って
旭高橋にて矢指川。上流なので水がきれい。

20111103f

中原街道に出たが、桜橋にて同じく矢指川。

20111103g

保土ヶ谷バイパスの下川井インターを越して、
中原街道の旧道の方に逸れたが、
これまで見過ごしていた「一里塚跡」。
なるほど、塚はなくて、標識しかないのだ。
直径3m高さ1mの塚があったそうで…
中山の宮下から一里、大和の桜株より一里の地点。

20111103h

一里塚跡からすぐ近くにある岩船地蔵尊。
こちらは有名な史跡で、この辺では有名。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月 2日 (水)

相棒ten 3

20111102

水曜日の夜は「相棒ten」である。
今日は第3話「晩夏」で…偶然に見つかった毒薬の瓶で
42年前の自殺が他殺だった真実が明らかになる。
少しのすれ違いから何ともやりきれない結末が…
それがこのドラマの面白さだが、わずかな心の動きによって
物語を展開させていくところ、いつもながら緻密な作りで
時間が経つのを忘れさせるドラマである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年11月 1日 (火)

レナード・バーンスタイン 18

1963年のバーンスタインを聞いている。
マーラーの交響曲第2番ハ短調「復活」
1963年9月29,30日にマンハッタン・センターで収録。
緩急に大きな変化をつけ、独特の激しさを示す…
ときに嵐のような…怒り狂った情景も描き出され、
マーラーの天国的な美しさとの対比が形成されている。
濃密な表情付けが行われているが、不思議と響きは爽やかで
気合いのこもった表現ながら、決して暑苦しくはない…
かなり個性の強い仕上がりだけど、嫌味はないのである。
今日の精度からするとちょっと粗削りなところがあり、
なにしろ50年前の録音だから、古めかしさはあるが、
時代がかったところも含めて、今回は楽しめている。

CDR705/706

「レナード・バーンスタイン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年10月 | トップページ | 2011年12月 »