« キリル・コンドラシン 2 | トップページ | 第252回 柳家小満んの会 »

2011年11月13日 (日)

黒門亭で彦丸・しん平・さん吉

今日は夕方から日本橋で「柳家小満んの会」なので
お昼から出掛けることにして、その前に黒門亭の第二部だけ。
いつもながらの御徒町まで行き、まずは上野黒門町へ。
しん平師匠も楽しみだけど、さん吉師匠の「千早振る」!
どうなるのだろう…って、ぜひ聞いてみたくて、
マニアックな関心は膨らむばかりで私的にはツボだった。

第2部
柳家いっぽん:道灌
林家彦丸:田能久
林家しん平:笑い茸
柳家さん吉:千早振る

客は少なくて、ゆったりだったのだけど、
これが楽しかった。やはり聞きに行ってよかった。大正解!
前座さんはいっぽんさん。今回がはじめてだ。噺は「道灌」。
もうすごく慣れている感じで余裕もあり、声量もたっぷりで
でもひとつ…語尾が聞き取りにくいところがあって、
その辺、これから少しずつクリアになっていくのかな…という。
それと同時に噺の内容もより明解に伝わるようになると思う。
続いて彦丸さんは期待の二ツ目さんだけど、芝居のマクラから
阿波徳島ときたから「田能久」である。大好きな噺だ。
ここで「田能久」が聞けるとは思わなかった。得した気分。
若い噺家だと、この噺のテーマで「親孝行の徳」というのは、
それほど伝わってこないけれど、でも鳥坂峠の山小屋での
一晩の恐ろしい体験が、情景豊かに描き出されて、楽しめた。
そしてしん平師匠。面白かった。「落語物語」の話題も満載。
はじめて聞く噺だったのだけど、「笑い茸」という。
戻って調べたところ「落語事典」にも載っていて、
なんと圓朝作とある。こんな噺があるんだ。いい噺を聞けた。
とにかく面白かったのだけど、それはしん平師匠だからだと思う。
笑ったことのないいつも恐い顔をした男が、漢方の笑い茸で
しだいに笑いだし、笑う門には福来たるで、金持ちになるという。
笑ったことがないので、顔の筋肉が笑うという動作を知らず、
最初のうちは顔が強張っているだけなのだけど…
それがしだいに解れてきて、鬼の形相が福顔に変化していくあたり、
実にいいなあ…聞いているだけで福が舞い降りてくるような…
しん平師匠のこういう噺は最高だ。こちらも聞けて得した気分。
今日のトリはさん吉師匠の「千早振る」。前半は楽屋噺の漫談で、
「千早振る」にちなんで「知ったかぶる」というテーマなので面白すぎ。
噺に入ってもところどころで脱線して、その話題が楽しくて、よかった。
「とは」は千早の本名だ…というお馴染みのオチがつくのだけど、
吉原での源氏名が「千早」なのであり、それに対する本名が「とは」。
いまでは「とは」なんて名前の人はいないので、噺が古くなっているけれど、
かつては「とは」で「おとはさん」などと呼ばれている人はいたであろうと…
その辺をわかりやすく…先代小さん師匠のおかみさんの名前を例に解説。
恥ずかしながら「千早振る」を聞いて、そういうことを考えたことって
一度もなかった。オチで笑わせるという噺ではないけれど、
軽く聞き流しているところにいろいろな意味があるのだなと
お馴染みの「千早振る」で目からウロコだったのである。
古典落語における常識が、現代人には通じないということが実に多く、
その辺を諦めずに…江戸や明治の時代を思い浮かべて、
ひとつずつ突き詰めていくと、新たな魅力に突如出くわすこともあり、
また落語の奥深さを知った「千早振る」であった。

20111113

|

« キリル・コンドラシン 2 | トップページ | 第252回 柳家小満んの会 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121598/53242340

この記事へのトラックバック一覧です: 黒門亭で彦丸・しん平・さん吉:

« キリル・コンドラシン 2 | トップページ | 第252回 柳家小満んの会 »