« 落語につぶやき 155~雑俳 | トップページ | 第255回 柳家小満んの会 »

2012年5月13日 (日)

黒門亭で甚語楼・一琴・鬼丸

今日は夕方から日本橋で柳家小満んの会なので
のんびりお昼から出掛けて、黒門亭の第2部だけ
聞こうかなと考えていたのだが、顔付けを見ていて、
やっぱり朝から気合いを入れて行こうと通しである。
第1部はわさび・甚語楼・一琴と柳家の若手実力派が集合。
一日落語三昧を企てたのは、実は生の落語を聞くのは
三月下旬以来で6週ぶりなのである。

第1部
三遊亭ふう丈:子ほめ
柳家わさび:だくだく
柳家甚語楼:鰻の幇間
翁家小花:太神楽
柳家一琴:三くだり半


前座さんははじめての方とございますさんの二人。
ございますさんが指導係なのだろう。第1部が新人さんで
自己紹介で…圓丈一門の三遊亭ふう丈さんだった。
「子ほめ」だけど…上手い!落研出身者だろう。きっと。
前座さんが「道灌」や「子ほめ」で妙に上手いと…
昔の名人の録音がコピーされているようで…違和感を覚える
そういうことが多々あるのだが、ふう丈さんはそうしたこともなく、
というのは、ふう丈さん自身が楽しんで落語を演じている…
それがこちらにしっかりと伝わってきて、共有できるからだろう。
続いてわさびさん。お得意の「だくだく」は前にも聞いたことがある。
近目(近眼)で乱視のドジな泥棒が部屋の中を物色する場面、
寄り目で視点の合わないようなパントマイムになるのだが、
この辺がまさに「泥棒しているつもり」で何度見ても魅力的!
甚語楼さんが幇間のマクラから一八登場!で「鰻の幇間」だ。
そろそろ夏の噺も聞けて、うれしい。大好きな噺である。
甚語楼さんの幇間は実にいい!ぶつぶつと愚痴を言っている…
それが客の前では勢いよくヨイショ!でスイッチのオンオフが重要だが、
やたら明るく能天気の一八だけど…素に戻るとどこか弱々しい…
情けなくなってしまうような面持ちに…そこに引き込まれてしまうのである。
一八は見事に騙されて…もうどうしようもない状況に陥るのだが
そこで悲しげな一八に思わず同情してしまう…感情移入してしまう…
というのは、甚語楼さんの幇間像が見事に完成されているからだ!
甚語楼さんはいつもしっかり細部にまで描きこまれているけれど、
今回の「鰻の幇間」でもやはり細やかな演出が魅力的だった。
仲入り後は小花さんの太神楽。毎回書いているけれど
黒門亭のような小さな空間で見る太神楽は感動的である。
第1部のトリは一琴さん。知らない噺だ!うれしい。
お見送りの一琴さんに聞いてみたら「三くだり半」という
新作落語だそうで…以前に文朝師匠が演じていたそうな。
とはいっても描かれているのは、長屋の貧しい生活で
仕上がりは古典落語の雰囲気である。店賃も入れられない…
浪人のお侍が大家の紹介で代筆の仕事をはじめるところから…
という噺なのだが、一琴さんがすごくよかった。珍しい噺は大好き!
はじめて聞く噺でこれだけ物語の情景に引き込まれるのだから…
一琴さんはやはり実力派!ということで…いい噺が聞けた。

20120513a

20120513b1

湯島天神にお参り。受験シーズンも終わって、
屋台の店も片付いて、静かな湯島天神に戻っていた。
5月26日(土)と27日(日)がお祭りだそうで
下旬は再び賑わうのだろう。


20120513b2

鳥居のイチョウも夏っぽく感じられて…

第2部
三遊亭ございます:ゆとりくん
林家時蔵:身投げや
柳家福治:片棒
三遊亭鬼丸:猿後家

第二部の開口一番はございますさんで新作だ!ゆとりくんの噺。
言葉を聞き違えたり、使い方を誤るととんでもない展開に!
という噺で…ゆとりダメ男くんのキャラ設定も絶妙だし、
その破天荒さに辟易する上司にも思わず同情する苦笑で
ございますさんの新作は好きかも!先日の「テロ弁当」もよかった。
時蔵師匠が「身投げや」だ。実にいい!
自然体の語り口でこのじんわりと来る感じ、魅力的である。
どうも最近…やたらと爆笑をとる芸風は好ましくなくて…
丁寧に描きこまれて、静かに雰囲気が伝わってくるのが好き。
福治さんが三ぼうのマクラから「けちん坊」へ…「片棒」である。
「片棒」は面白い!大すきな噺だ。親父のからくり人形を作って
算盤をはじきながら苦い表情をしている…というところ
電線に引っかかって、首をつっているという描写で…
ここは毎回笑えるのだが、福治さんの顔が最高だった!
今日のトリは鬼丸さん!「猿後家」である。お得意の噺かな。
こちらもよかった。ご機嫌斜めのおかみさんだが、
ひきこもりで…被害妄想で…暗い影が漂っているのだが、
おだてると…露骨なヨイショが笑えて…するとハニカミながら
ニコッとテレながらに微笑むところが絶妙で…この辺が
鬼丸さんならではの猿後家像なのだろう!とすごく好印象。
のんびりと楽しい黒門亭での一日であった。

20120513c

さて、ここからだ。ラーメン横丁「青葉」で腹ごしらえをして、
上野広小路から銀座線に乗って、三越前へ。

|

« 落語につぶやき 155~雑俳 | トップページ | 第255回 柳家小満んの会 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121598/54707979

この記事へのトラックバック一覧です: 黒門亭で甚語楼・一琴・鬼丸:

« 落語につぶやき 155~雑俳 | トップページ | 第255回 柳家小満んの会 »