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2012年6月16日 (土)

黒門亭で川柳・小里ん・小満ん

今日は小満ん師匠の「三十石」を聞きに黒門亭へ。
第1部には川柳師匠、第2部には小里ん師匠と
私的には…聞かねばならないうれしい顔付けである。
朝から気合いを入れて、黒門町で通しの一日。

第1部
林家扇兵衛:道具や
三遊亭司:粗忽長屋
古今亭菊輔:手話芋太郎~長短
ロケット団:漫才
川柳川柳:川柳のヰタ・セクスアリス


前座さんははじめての方と花どんさんの二人。
第1部は…メクリを見ると林家扇兵衛さんだった。
なるほど!体がすごく大きい方で…その存在感が
扇兵衛(横柄)ということか…木久扇一門である。
噺は「道具や」だけど…この与太郎は出会ったことがない。
新しいタイプの与太郎に…ちょっと気になる存在である。
続いて司さんが、地元蒲田での指名手配犯逮捕のニュースから
現場となったマンガ喫茶には野次馬の人だかりができて、
というところから「粗忽長屋」へ入っていく…これは実にいい展開!
そして菊輔師匠は圓菊一門の手話落語で「芋太郎」を披露。
こうなるわけだ…と納得した後で…噺は「長短」である。
短七さんの凄まじく威勢のいい感じが菊輔師匠に合うわけで
それに対して、長さんはじれったい…これぞ「長短」なわけだ。
仲入り後にロケット団が登場で、面白かった。さすが!
いつもの山形弁のネタに行くものと思っていたら…
今日は心理テストで三輪明宏や三島由紀夫が登場。
どこかで聞いているのかもしれないけれど…これは楽しい。
時事ネタ満載の爆笑の連続で…やっぱり人気者は違う!
第1部のトリは川柳師匠である。今日は昼間からバレ噺。
森鴎外にちなんで「川柳のヰタ・セクスアリス」。
圓生師匠から…人情噺とバレ噺は若いうちはやってはいけない
との教えだったそうで…若い者が人情噺を語っても説得力がない…
若い者がバレ噺を語ると生々しくていけません!というので
川柳師匠は81歳だから…もういいでしょ!って。笑。
この「ヰタ・セクスアリス」は有名な方だと思うのだけど
定席ではできないし、ましてや放送でなんてとんでもない!って、
こういうネタは黒門亭である。内容は生々しいので…書けません。
マクラというか…古典の艶笑小噺がいくつか聞けたのだけど、
「飯にするぞ!といって布団を引く長屋の新婚夫婦」であったり、
「三軒長屋でおかみさんが赤ちゃんにおっぱいないない」の噺、
「日本橋の老舗にんべんでは欠きかけの鰹節は売りません」とか
こういう小噺は、内容はどうであれ、貴重だなと思うのである。
それに旧約聖書にある「オナン地に漏らし」のオナニーの由来。

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20120616b

雨が降っていたが、時間もあったので湯島天神にお参り。
6月(水無月)は「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」だそうで
写真は「茅の輪くぐり」である。6月30日まで設置されている。

第2部
柳家花どん:真田小僧
柳家小里ん:三人旅~おしくら
天乃家白馬:替り目
柳家小満ん:三十石

第二部の開口一番は花どんさんで「真田小僧」なのだけど
なんと!きちんとオチまで。時間はいつもの15分である。
極端に早口ということではない。上手にまとめられているのだ。
親父から巻き上げた六文銭で…芋を買って「薩摩に落ちる」後半で
ちょっと慌ててしまったようだけど、完璧な出来である。お見事!
続いて小里ん師匠だが、トリの小満ん師匠「三十石」の前の噺を!
ということで「三人旅」である。第2部は「旅特集」ということになったのだ。
宿屋の鶴屋善兵衛を探して歩く場面から一泊して翌朝の出発まで
お馴染みの「おしくら」である。これが最高だった。小里ん師匠は素敵!
まさに旅の解放感…江戸っ子が調子に乗って羽目を外しているのだけど
旅先での悪戯は、多少は笑って済まされる…本当の悪事ではなく、
どこか憎めない…旅の語り草。その辺の悪さ加減が絶妙で…感動的。
小里ん師匠のこういう噺は本当に素晴らしい。圧倒的である。
続いて白馬さん。旅で続いてほしかったのだけど、残念…「替り目」。
ここで「祇園祭」とか、京都の情景ならば、最高だったのだけど。
そして今日のトリは「三十石」である。伊勢詣りから京都見物。
江戸っ子のふたり旅は、伏見街道を経て、伏見の京橋で寺田屋に。
宿屋で夕食を取った後、夜船で淀川を下り大阪へ。その一部始終である。
この噺は、船頭さんが櫓をこぎながら唄を歌って、その合間に
船の上での情景、ワイワイ大騒ぎの楽しいやり取りだが、
そこでは江戸弁・京都弁・大阪弁とあらゆる言葉が飛び交い、
登場人物も宿屋の主人がいれば、番頭もいるし、威勢のいい船頭さん、
客の方も乱暴な江戸っ子を中心に穏やかな大阪の商人も出てくれば、
お女中さんといっても89歳のおばあさんで…とにかく大勢でてきて、
本当にすごい噺である。この描き分けが、小満ん師匠は見事で!
ただただ感動してしまって、今年の上半期でも最高の一席であった。
夜明け近くで船の上も寝静まった頃、泥棒が五十両の金を盗み、
さっさと岸に上がって逃げてしまうのだが、そこで船頭が機転を利かせ、
船の向きを変え、上り船と見せかけて、その泥棒が再び乗り込んでくる…
小満ん師匠はきちんとサゲまで…本寸法の「三十石 夢の通い路」である。
「三人旅」も「三十石」も旅の噺はいい!って、大満足の一日であった

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