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2012年7月29日 (日)

黒門亭で白鳥・左楽・彦いち

今日は左楽師匠の「船徳」を聞きに黒門亭へ。
私は左楽師匠が大好きで…でも少し久しぶりなのである。
第1部には白鳥さん、第2部には歌武蔵さんと彦いちさんで
爆笑落語の人気の顔付けだし…朝から気合いを入れて、
しかし道中のあまりの暑さにちょっと厳しい一日となった。

第1部
三遊亭しあわせ:子ほめ
林家彦丸:鮑のし
三遊亭白鳥:(白鳥版)禁酒番屋
翁家和助:太神楽
柳亭左楽:船徳


前座さんははじめての方とゆう京さんの二人で
しかし第1部は…メクリを見ると「しあわせ」さんだった。
名前はずっと知っていたのだけど、なぜか今まで
一度も遭遇したことがなくて…不思議なぐらいである。
噺はお馴染みの「子ほめ」で…ご隠居さんのゆったりとした
落ち着いた雰囲気はしっかりと絵になっていて…できる感じ!
でもそれに対して、八五郎の江戸っ子気質、勢いがあって
その早口が何をいっているかわからない場面もあって、
その辺は、これからの成長を追いかけていきたいところ。
彦丸さんが「鮑のし」。上手に編集をして、きちんとオチまで。
これが江戸っ子の口調といっていいのか…平成の現代では
実際のところはもう誰もわからないのだけれど、
落語らしい…勢いとテンポ感のある江戸の町人言葉で…
彦丸さんは本当に鮮やかに…美しいぐらいの仕上がりで
「鮑のし」も見事だった。期待と注目の二ツ目さんである。
続いて、白鳥さんは新作ではなく白鳥版「禁酒番屋」。
通常版「禁酒番屋」では、酒を飲むのに苦労している近藤様が
なんとここでは、禁酒番屋の番人で酒の取り締まりのお役目で…
今回は藤田様というお侍が酒に飢えての主役である。新鮮!
もうひとつすごくよかったのが、最後に禁酒番屋に仕返しに行く…
横町の小便屋に扮するのが、酒屋の飯炊きで権助という。
この設定が目からウロコで…「木乃伊取り」と同じになるのだけれど
権助の小便屋が実にいいのである。そして…普段は、
「この正直者め!」といって、サゲになるのだが、今日は違って!
番屋で酔いどれショートコントをさせられて、その出来は大満足!
なんと近藤様から「通ってよい!」と小便の徳利をもって、
藤田様のもとへ。ここが発想の転換でよかったのだ。
徳利の中身が小便なので、番屋を通れるのは当たり前なのだけど
藤田様が小便の酒を吟味して…オチということになるのだが、
この白鳥版「禁酒番屋」の後半、私はいいと思うのだけど!
他の人にも伝わって、こちらの「禁酒番屋」をさらに聞きたいものだ。
仲入り後、和助さんの太神楽。すでに何度も書いているけれど、
黒門亭の空間における太神楽が私は好きで、いつも感動して、
今日も楽しかった。近くって、その迫力、恐怖のリアリティ!
和助さんのトークも楽しいし、ちょっとの間だけど、実に魅力的である。
第1部のトリは、左楽師匠の「船徳」。何となく仕上がりの印象として、
最近よく聞ける「船徳」とは少し違い、やはり文楽師匠とか…
かつての昭和の名人たちの芸風を今に伝えているような…
そういうことも気付かされ、もしかしたらクスグリが少なくて、
船を操る難しさ、苦労する徳さんの姿、その情景こそに
笑いのエッセンスがあると…そういうことかもしれないけれど、
左楽師匠は所作が見事で、船の様子が素晴らしいのである。
派手さはない…穏やかな雰囲気の師匠だが、まさに癒しの一席。
暑い炎天下の「船徳」も…これならいい夏の想い出になりそう!

20120729a

第1部が早く終わったので、お昼ご飯を食べて、
いつも通りに湯島天神にお参り。

20120729b

男坂の階段の下にある復興地蔵尊。
関東大震災からの復興を祈願したものである。

20120729c1

この暑さで…湯島天神も人はまばらである。

20120729c2

というより…このように参拝客は本当に少しの人。

第2部
入船亭ゆう京:道具屋
柳家喬の字:夏どろ
三遊亭歌武蔵:天災
林家彦いち:(新作)自殺自演?

第2部の開口一番はゆう京さんで「道具屋」だったのだが、
与太郎が商売をはじめたころから…私の方が体調不良で
頭が痛くなって、腹も痛くなって、少ししたら…貧血の症状か?
いま顔色は真っ白だろうな…という、血の気が引いていく感じ…
第2部はその後、笑うどころではなくなってしまった。
猛暑の中で散歩をしてきて、急に冷房で体が冷やされて、
朝も長時間、日陰とはいえ、汗だくで開場を待っていたし、
これはまさに熱中症かも。何度も途中で帰ろうかと迷ったのだが、
結局、最後まで聞いたのだけど、細かいところは記憶に残らず。
「夏どろ」も「天災」もよく知っているので、噺をなぞっただけだ。
喬の字さんのギャラの話題にはじまっているのだけど…
歌武蔵さんが、安い金額のときには…受け取らない。
受け取ってしまったら、頭にくるし、かえって腹が立つ!
これ!わかるよ…という。違う意味で笑えなかった。
私も建築士の仕事をしていて、自分の身に置き換えて、
そういう場面は多々あるので、歌武蔵さんの言葉が心に響いた。
金は欲しい。生活していくのに金がかかる。
しかしここで頭を下げて、お金をもらってしまったら、
それで納得したことになって、その程度の評価で今後もずっと…
永遠に…上を目指しての進歩・発展はなくなってしまう気がする。
歌武蔵さんはすごい。芸に対する信念というか…強さを感じた。
今日のトリは彦いちさん。同じく噺家の仕事や生活に関するマクラから
「青菜」かと思ったら、師匠に稽古をつけてもらっている風景で
落語家のどんぐりさんは「了見がなってない!もう死ね!」と
師匠からいつものお小言。「文七元結」の吾妻橋の場面で
飛び込む人の了見を知れ!と実際に身投げの真似をして
その恐怖感を知ろうとするのだが、あやまって、本当に落ちてしまう。
それで幽霊になったり、師匠のところに化けて出たり、
神様のもとへ旅立ったり…とこういう噺なのだが、面白かった。
体調は最悪で…そんな中でもそれなりに楽しませてもらったので
彦いちさんって、すごい!彦いちさんの噺は面白い!って
身をもって感じたのである。ネットで調べてみたら…
春風亭昇太作「自殺自演」(彦いち版)という噺なのか?
詳細は不明である。彦いちさんに元気をもらったが、
帰りの電車はしんどかった。必死に帰ってきた。
こういうときは東京が遠く感じられて、猛暑の間は要注意だ。
今後は無理な「通し」はよしにしよう!何事にも余裕を大切に。

20120729d

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