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2012年11月19日 (月)

第113回 柳家小満んの会

今日は夕方から柳家小満んの会である。
その前に「おはな商店」の豚骨ラーメンを食べて、
腹ごしらえをして、関内ホールへ!おいしかった。
今年の小満んの会も最終回。一気に冷え込んで…
この寒さ…もうそろそろ冬だ。落語を聞いて、暖まろう!
今日は好きな噺ばかり。「三井の大黒」はうれしい。
そしてこの「子別れ」の(中)が、私は大好きなのである。

林家木りん:金明竹
柳家小満ん:粗忽の使者
柳家小満ん:子別れ(中)
柳家小満ん:三井の大黒

今日の三題は、何か共通の話題、関連性があるのか?
何かテーマがあるのか?って、気にはしていたのだけど、
「後で思い出す」…というのは「粗忽の使者」がズバリそれで、
「三井の大黒」も甚五郎が「越後屋に大黒様を頼まれていた」ことを
江戸でふと思い出すのであり、でもこれに関しては、「子別れ」が…
どうも当てはまらないので、違うであろうと。すると何?ということだが、
「三井の大黒」を聞いていて、突然に気が付いた。それは「大工」だ。
ネタが付くということのない…全く違った…大工にまつわる三つの情景。
「粗忽の使者」で…地武太治部右衛門の尻を閻魔で捻るのが、
お屋敷に出入りの大工で留っこである。粗忽者の使者の間抜けぶり、
田中三太夫さんとの滑稽なやり取りをおかしく語り聞かせるのも
その様子を盗み見てきた大工の留っこであった。
主役はもちろん粗忽者の治部右衛門ではあるけれど、
よく考えてみれば、大工の留っこも主役級の大活躍ではないか!って。
お馴染みの噺であるが、すごく面白かった。やはり粗忽噺はいい。
続いて「子別れ(中)」…二年前の「強飯の遊び(強飯の女郎買い)」の
続編となる噺である。この後の(下)が有名な「子は鎹」となるのだが、
吉原で居続けをして、酔っ払って、数日ぶりに帰ってきた熊さん。
飲んだくれの大工で…勢いでおかみさんと息子の亀ちゃんを追い出してしまう。
このおかみさんが本当にできた人で…実は熊さんが(お弔いの後に)
吉原に遊びに行って、その辺のことはすべて承知しているのに…口にはせず、
ぐっと耐えて、熊さんに小言を聞かせているところ、何ともいい場面である。
しかし酔っぱらいには想いが伝わらず…吉原でののろけ話を喋り出す始末で…
ついに子供を連れて、出て行ってしまうのだが、かわいそうでもあるし、
すべては酒の上での失敗、落語とはいえ…実に絵になる情景だ。
おかみさんのダメな夫への想い、そして子供への想い、家族の絆、
この噺に込められた夫婦、親子の深い愛情表現に感動するならば、
後の「子は鎹」での…酒をやめて三年、すっかり真っ当になった熊さんは、
どうも人間味に欠けるというか…まともな人間は絵にならない…という
贅沢なことをいわせてもらって、そういうので…この「子別れ(中)」が
何とも味わいのある…いい噺なのである。素晴らしかった。感動した。
でもそういえば、この場面こそが「子別れ」ではないか。別れの場面。
一般に「子別れ」というと「子は鎹」の(下)が演じられるのだけど、
そちらは「子再会」である。やっぱり(中)が深い!なんていってみて…
しかしこれまでに(上)(中)と来たので、ぜひ小満ん師匠には
(下)の「子は鎹」も聞かせてほしいなって…今後に期待!
仲入り後は「三井の大黒」だ。こちらも大好きな噺。うれしい。
大ネタといってもいいのだろう…実演ではなかなか聞けない。
こちらもちょっと抜けている印象の「ぽんしゅう」こと左甚五郎だが、
取り巻く江戸の大工、棟梁の政五郎と…荒っぽいが気持ちのいい性格。
江戸っ子の魅力が存分に語られる噺で…ここに悪人は登場しない。
甚五郎が大黒様を彫るきっかけというのが、年末には小遣い稼ぎに
大工たちは踏み台や梯子などを作って、市で売った…という。
甚五郎作の大黒様が仕上がったのは、暮れのことなのだ。
今さらながら…「三井の大黒」って、年末の噺にいいわけだと…
暮れの噺では、「鼠穴」や「文七元結」など、感動的な噺がいくつもあり、
でもそれらって、ハッピーエンドにはなるけれど、少々話の展開が激しく、
その点では、「三井の大黒」は甚五郎ののんびりとした性格もあり、
非常に心地のよい噺でもあって、終わって、この後味の幸福感。
ちょっと思ったのが、春の「百年目」、冬は「三井の大黒」というぐらいに
素晴らしい一席であった。実に満たされた気持ちでこの一年も終了!
ということで…次回は新年1月18日(金)第114回 横浜 柳家小満んの会
演目は「三助の遊び」「探偵うどん」「阿武松」の三席です。
来た!「三助の遊び」…軽い噺だけど、私のお気に入り!
ちょっと気が早いけれど、よい年が迎えられますように。

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