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2012年11月 6日 (火)

エミール・ギレリス 9

1975年夏のフィンランド…トゥルクでの演奏で
ベートーヴェンのピアノ・ソナタやブラームスの幻想曲集と
同じときの録音だが、アマデウス四重奏団との共演による
シューベルトのピアノ五重奏曲 イ長調 D.667「ます」
1975年8,9月にトゥルクのコンツェルトハウスで収録。
硬派のギレリスとシンフォニックなアマデウス四重奏団であり、
もっと楽しく優雅な「ます」は他にもあると思うのだが、
イメージよりは、全体に穏やかな空気も漂って…
アンサンブルを楽しんでいるということが伝わってくる。
ギレリスのピアノはいつもながら明確な響きで、隅々にまでくっきりと
すべての音が鮮やかに浮かび上がってくるのだが、
やはりベートーヴェンやブラームスと違って、明るく自由自在である。
それにしても…誠実で端正な「ます」ということはいえるだろう。
聞く人によっては、ちょっと堅苦しい印象もあると思うのだが、
しかしこれこそがギレリスなのであって、ファンにとってはたまらない。
歯切れよすぎるのであり、余裕や音楽の揺らぎまでも吸収してしまう…
完璧な世界なのである。有名な「ます」の主題による変奏曲の後、
終楽章のどんどんと空気が引き締まって、緊張度も増し、
頂点に上り詰めていく感覚は圧倒的としかいいようがない。
こういう演奏を聞かされると…さすがはギレリスと唸るばかりである。

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