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2012年11月30日 (金)

落語につぶやき 184~のっぺらぼう

少し前に落語研究会で放送された
柳家一琴さんの「のっぺらぼう」の一席。
「のっぺらぼう」の話は昔から何となく知っているけれど
落語の「のっぺらぼう」はあまり聞いたことがない。
四谷に住んでいる小間物屋の吉兵衛さん。
得意先の赤坂のお屋敷で殿様と碁に夢中になり、
すっかり遅くなってしまったのだが、溜池まで戻ってくると
身投げをしようとしている娘がある。何とか引きとめて訳を聞くと
「こんな顔でも聞いてくれますか?」というとのっぺらぼう。
びっくりして赤坂見附まで逃げてきたら、屋台のそば屋がいた。
のっぺらぼうを見たんだよ!と話しかけると「こんな顔でした?」
またびっくりして、大慌てで自分の家まで逃げてきた。
おかみさんに溜池の身投げの話、そば屋の話を聞かせると…
「お前さんの見たのっぺらぼうは、こんな顔じゃなかったかい?」
またびっくりして、気を失ってしまう。夢にうなされて、目が覚めると…
今日は商売に出ていないという。夕方から酒を飲むから…
そんな変な夢を見て…お願いだから働いておくれよ…
「お前さんの見たのっぺらぼうは、こんな顔じゃなかったかい?」

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2012年11月29日 (木)

桂三木助 「ねずみ」「ざこ八」

昨日は圓生師匠の「三井の大黒」を聞いて、
左甚五郎のその十年後というと「ねずみ」である。
この噺はやはり三代目の三木助師匠であろう。
落語事典にも解説されているけれど、
広沢菊春が浪曲で演じていたものと
桂三木助の「加賀の千代」を交換して、
落語に移されたのが「甚五郎の鼠」である。
その後、現在では「ねずみ」という演目で広く親しまれている。
もう一席は、やはりこれぞ三木助という演目で「ざこ八」だ。
今回聞いている録音では、前半の「先の仏」の部分で
後半の「二度のごちそう」は省略されている…残念。
おかみさんが、先の仏、先の仏とばかりいったので、
今の仏が怒っちゃった…というサゲである。素晴らしい!

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2012年11月28日 (水)

圓生百席 「三井の大黒」

圓生百席から「三井の大黒」を聞いている。
先日、柳家小満んの会でこの噺を聞いてきたのだが、
それ以来…私の中では「三井の大黒」ブームの到来で
今日は…以前から聞く機会を伺っていた圓生師匠の長講一席。
ずっと慣れ親しんでいるのは、三代目三木助師匠の録音だが、
ここで聞ける圓生師匠ならではの演出というのを書き記しておく。
まず左甚五郎の呼び名だが、一般には「ぽんしゅう」だけど
圓生師匠は「ぬうっとして、ぽうっとしている」というので
「ぬうぽう」だそうである。それにはまず驚いた。
三木助師匠の甚五郎は、おっとりとした性格で
棟梁の政五郎も実に懐の深い…大きな存在だが、
圓生師匠は、甚五郎が大そう皮肉屋で…口が悪い…
まわりに対してもたいへんに手厳しく、まさに圓生風である。
政五郎も江戸っ子で大工というので…ずばり荒っぽい印象。
三井の依頼による大黒様だが、来年三月までにという注文である。
一般的には…甚五郎の方から出来たら連絡するから…との約束で
ここでは…天下の三井が期限を切らずに仕事を頼むはずがない…
という…圓生師匠の解釈によるものなのかもしれない。
また大黒様が完成して、風呂屋(湯屋)から帰ってきた甚五郎が、
「甚五郎は名人だ」と褒められて、自分が甚五郎とは名乗り損ねたと
改めて…私が左甚五郎であると自ら名乗り出るところも圓生流ではないかと。
というので…甚五郎が決して抜けているのではない…立派に見えるのだ。
三木助師匠の甚五郎はめったに風呂にも行かない無精者なのだが、
ここでの甚五郎は、大そう風呂好きという…几帳面な性格のようである。
細かいことでは、大黒様の大きさもちょっと違って、こちらは二尺もあるとのこと。

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2012年11月27日 (火)

今日の月は…月齢13.2

20121127a

外出先の旭区笹野台4丁目にて
東の空に上がってきた月齢13.2の月。
16時32分で日没(16時30分)の直後。

20121127b

雨の後で…今日も見事な快晴であった。
せっかくなので…もう少しズームアップ。
明日が満月(月齢14.2)である。

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2012年11月26日 (月)

ALWAYS 続・三丁目の夕日

20121126

連休明けで…こういう雨の日は寒いし、
ちっとも捗らない一日を過ごしてしまったのだけど、
夜は暖かくして、少し前にBSで録画しておいた
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」を鑑賞!
この人情味あふれる昭和30年代の東京の風景…
憧れというか…何とも味わいのある物語で実にいい。
「三丁目の夕日」のシリーズは大好きである。
まだ上に高速道路のできる前の日本橋には感動した。

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2012年11月25日 (日)

今日の月は…月齢11.2

20121125

この青空も今日までで…明日は雨になるようだが、
帰り道、泉区中田町の農業地区で東の空に見えた月。
15時59分の写真で月齢11.2である。きれいに見えた。

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横浜の風景から 275

お昼前にバスで戸塚駅に出て、東海道戸塚宿を出発。
今回は…戸塚宿は通過してしまうけれど…ひとつだけ
脇本陣にあった土蔵が解体されて、更地になってしまった。

20121125a

八坂神社の交差点を右に入り、しばらく歩いて、
戸塚区戸塚町の地図にはなかったのだが、
坂道の途中に道祖神のお社である。

20121125b1

戸塚区戸塚町で庚申塔が五基集められていた。

20121125b2

右側の三基の庚申塔。

20121125b3

左側の三基の庚申塔。

20121125c1

戸塚区汲沢町の五霊神社。
石段を上がって、山の上に社殿がある。

20121125c2

五霊神社にお参り。立派な神社だ。

20121125d

しばらく歩いて、戸塚区汲沢町の大久保神社。
まさがりが渕市民の森の横にある。

20121125e

戸塚区深谷町の三嶋神社。
かなり遠くまで来てしまったが、ここで引き返す。

20121125f

戸塚区汲沢町の中村三叉路で地蔵尊だが、
「旧汲沢村元標跡」と石碑があった。

20121125g1

戸塚区汲沢3丁目の富士浅間神社だが、
道祖神、庚申塔、地神塔が集められていた。

20121125g2

こちらが富士浅間神社のお社である。

20121125h

帰り道になるのだが、泉区中田南5丁目で山神後神社。
ここからはひたすら歩いて、途中の長後街道では
麺屋めんりゅうのラーメンを食べて、17時前に帰宅。

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2012年11月24日 (土)

今日の月は…月齢10.2

20121124

昨日の雨から天気の回復はすっかり遅れて…
朝から空は雲に覆われていたので、今日は
出掛けるのはよしにしてしまったのだが、
午後は晴れてきて、雲も消えて、青空が広がったので
ちょっとコンビニまで買い物に出掛けて…その帰り道…
16時02分に東の空に見えた月齢10.2の月である。
来週水曜日が満月で…毎日、夕方が楽しみだ。

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2012年11月23日 (金)

三田落語会 喜多八・市馬

iTunesで配信されている三田落語会の録音で
昨日に続いて、第5回三田落語会(夜席)から
仲入り後の喜多八殿下「いかけ屋」と市馬師匠「掛取り万歳」。
2009年12月5日に仏教伝道センターホールで収録。
いよいよ年末の噺で「掛取り万歳」である。今年もそういう季節。
まずは殿下の「いかけ屋」から。この噺は短いし、昔の風景で
それほどの内容もないとは思うのだけど、でも一方で実に味わい。
町内のガキどもが、仕事中の鋳掛屋と商売の鰻屋を襲撃する。
鋳掛屋というのは、穴の開いた鍋や釜などを修理する職人。
金属を溶かして、穴やひび割れに継ぎ掛けるのが鋳掛だそうだ。
最後の鰻屋の場面で早口でまくしたてる殿下に聞きほれる。
この日のトリは市馬師匠の「掛取り万歳」。とにかく大好きな噺だ。
狂歌・義太夫・喧嘩・芝居・三河万歳という本寸法の「掛取り」である。
お馴染みのさん喬師匠の「掛取り万歳」と同じ型のようだ。

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2012年11月22日 (木)

三田落語会 市馬・喜多八

iTunesで配信されている三田落語会の録音から
今日は第5回三田落語会(夜席)の市馬師匠と喜多八殿下。
2009年12月5日に仏教伝道センターホールで収録。
前半で市馬師匠の「時そば」と殿下の「棒鱈」を聞いている。
11月も下旬になって、寒いし、冬の噺、年末の噺が聞きたくなり、
今日は「時そば」で明日は市馬師匠の「掛取り万歳」である。
あともうひとつ…急に「棒鱈」が聞きたくなってしまって、
今回は殿下だけど…やっぱり面白すぎる。芋侍が最高だ!
お馴染みの「時そば」だけど、さすがは市馬師匠であり、
音で聞いていても…実においしそうで…そばの絵が見える!
そして匂いも。冬の噺の代表だけど、やはり「時そば」は格別。
明日は仲入り後の「いかけ屋」と「掛取り万歳」を聞く。

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2012年11月21日 (水)

今日の月は…月齢7.2

20121121

そろそろ半月になるかと気にしていたのだが、
昨日(11月20日)が上弦の月(月齢6.2)であった。
一日遅れになってしまったけれど、今日は月齢7.2で
16時20分に南の空高くに見えた月である。
今後の暦を調べると11月28日が月齢14.2で満月。

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2012年11月20日 (火)

落語につぶやき 183~三井の大黒

昨日の柳家小満んの会で聞いてきた「三井の大黒」。
今年の締めくくりとなる一席がこの噺というのは、
運慶作の恵比寿様と左甚五郎作の大黒様で
一対の恵比寿大黒が揃ったというのでおめでたい!
聞いていて幸せな気持ちになるというのが大きいと思うのだけど、
私は噺がわかっているときは、その前はなるべく聞かないようにして、
「三井の大黒」も…実はすごく久しぶりだったのだが、
これまであまり意識したことがなかった…この噺の季節感、
実は年末の噺だったのだ。江戸の大工は年末に
小遣い稼ぎに踏み台や梯子などを作って、市で売った…という。
それで棟梁の政五郎から…ぽんしゅう(甚五郎)も彫り物が得意ならば、
恵比寿大黒の像でも彫ってみたらどうだ…と勧められるのである。
甚五郎はそこで…以前に京の伏見にいたときに…江戸の越後屋から
運慶の恵比寿様と並べる大黒様を頼まれていたことを思い出す。
ついに仕事に取りかかり、年の暮れに立派な大黒様が彫り上がった。
新しい年は、恵比寿大黒が揃って、ますます商売も繁盛という
やはりおめでたい噺なのである。実際はそれほど季節を意識しなくても
一年を通して楽しめる噺ではあるのだが、ちょっと気にしてみると…
また違った情景も広がって、さらに魅力的なのである。いい噺!

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2012年11月19日 (月)

第113回 柳家小満んの会

今日は夕方から柳家小満んの会である。
その前に「おはな商店」の豚骨ラーメンを食べて、
腹ごしらえをして、関内ホールへ!おいしかった。
今年の小満んの会も最終回。一気に冷え込んで…
この寒さ…もうそろそろ冬だ。落語を聞いて、暖まろう!
今日は好きな噺ばかり。「三井の大黒」はうれしい。
そしてこの「子別れ」の(中)が、私は大好きなのである。

林家木りん:金明竹
柳家小満ん:粗忽の使者
柳家小満ん:子別れ(中)
柳家小満ん:三井の大黒

今日の三題は、何か共通の話題、関連性があるのか?
何かテーマがあるのか?って、気にはしていたのだけど、
「後で思い出す」…というのは「粗忽の使者」がズバリそれで、
「三井の大黒」も甚五郎が「越後屋に大黒様を頼まれていた」ことを
江戸でふと思い出すのであり、でもこれに関しては、「子別れ」が…
どうも当てはまらないので、違うであろうと。すると何?ということだが、
「三井の大黒」を聞いていて、突然に気が付いた。それは「大工」だ。
ネタが付くということのない…全く違った…大工にまつわる三つの情景。
「粗忽の使者」で…地武太治部右衛門の尻を閻魔で捻るのが、
お屋敷に出入りの大工で留っこである。粗忽者の使者の間抜けぶり、
田中三太夫さんとの滑稽なやり取りをおかしく語り聞かせるのも
その様子を盗み見てきた大工の留っこであった。
主役はもちろん粗忽者の治部右衛門ではあるけれど、
よく考えてみれば、大工の留っこも主役級の大活躍ではないか!って。
お馴染みの噺であるが、すごく面白かった。やはり粗忽噺はいい。
続いて「子別れ(中)」…二年前の「強飯の遊び(強飯の女郎買い)」の
続編となる噺である。この後の(下)が有名な「子は鎹」となるのだが、
吉原で居続けをして、酔っ払って、数日ぶりに帰ってきた熊さん。
飲んだくれの大工で…勢いでおかみさんと息子の亀ちゃんを追い出してしまう。
このおかみさんが本当にできた人で…実は熊さんが(お弔いの後に)
吉原に遊びに行って、その辺のことはすべて承知しているのに…口にはせず、
ぐっと耐えて、熊さんに小言を聞かせているところ、何ともいい場面である。
しかし酔っぱらいには想いが伝わらず…吉原でののろけ話を喋り出す始末で…
ついに子供を連れて、出て行ってしまうのだが、かわいそうでもあるし、
すべては酒の上での失敗、落語とはいえ…実に絵になる情景だ。
おかみさんのダメな夫への想い、そして子供への想い、家族の絆、
この噺に込められた夫婦、親子の深い愛情表現に感動するならば、
後の「子は鎹」での…酒をやめて三年、すっかり真っ当になった熊さんは、
どうも人間味に欠けるというか…まともな人間は絵にならない…という
贅沢なことをいわせてもらって、そういうので…この「子別れ(中)」が
何とも味わいのある…いい噺なのである。素晴らしかった。感動した。
でもそういえば、この場面こそが「子別れ」ではないか。別れの場面。
一般に「子別れ」というと「子は鎹」の(下)が演じられるのだけど、
そちらは「子再会」である。やっぱり(中)が深い!なんていってみて…
しかしこれまでに(上)(中)と来たので、ぜひ小満ん師匠には
(下)の「子は鎹」も聞かせてほしいなって…今後に期待!
仲入り後は「三井の大黒」だ。こちらも大好きな噺。うれしい。
大ネタといってもいいのだろう…実演ではなかなか聞けない。
こちらもちょっと抜けている印象の「ぽんしゅう」こと左甚五郎だが、
取り巻く江戸の大工、棟梁の政五郎と…荒っぽいが気持ちのいい性格。
江戸っ子の魅力が存分に語られる噺で…ここに悪人は登場しない。
甚五郎が大黒様を彫るきっかけというのが、年末には小遣い稼ぎに
大工たちは踏み台や梯子などを作って、市で売った…という。
甚五郎作の大黒様が仕上がったのは、暮れのことなのだ。
今さらながら…「三井の大黒」って、年末の噺にいいわけだと…
暮れの噺では、「鼠穴」や「文七元結」など、感動的な噺がいくつもあり、
でもそれらって、ハッピーエンドにはなるけれど、少々話の展開が激しく、
その点では、「三井の大黒」は甚五郎ののんびりとした性格もあり、
非常に心地のよい噺でもあって、終わって、この後味の幸福感。
ちょっと思ったのが、春の「百年目」、冬は「三井の大黒」というぐらいに
素晴らしい一席であった。実に満たされた気持ちでこの一年も終了!
ということで…次回は新年1月18日(金)第114回 横浜 柳家小満んの会
演目は「三助の遊び」「探偵うどん」「阿武松」の三席です。
来た!「三助の遊び」…軽い噺だけど、私のお気に入り!
ちょっと気が早いけれど、よい年が迎えられますように。

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2012年11月18日 (日)

横浜の風景から 274

出掛けるのが午後になってしまったので、
あまり遠くへはまわれなかったのだが、
相鉄いずみ野線でお馴染みのゆめが丘へ。

20121118a

ゆめが丘の駅である。相変わらず人がいない。
昨日は大雨だったけれど、今日は朝から快晴だ。

20121118b1

地下鉄ブルーラインの下飯田駅前から
和泉川の方へ下っていき、草木橋にて
川の上流方向(北向き)を見ている。
正面にブルーラインの高架橋。

20121118b2

同じく草木橋にて、和泉川の下流方向である。
ここへ来ると…毎回、同じ写真を撮っているのだが…

20121118c1

泉区和泉町の第六天神社。ここは一年半ぶりか。

20121118c2

第六天神社の裏にある酒湧の池。
神社の横の細い坂道を上っていくと入口がある。

20121118d

環状4号線の「下和泉」交差点に向かっていくが、
その途中で庚申塔。三猿のいる文字塔である。
台座の石には「下和泉村」とあった。

20121118e

さらにもう一基の庚申塔を発見。
「西 大山至」「東 ふじ沢(藤沢)至」と道標でもある。

20121118f

環状4号線が開通する前の旧道でもあるのだが、
こちらは石塔が集められており、右は三猿の庚申塔。
その他、馬頭観世音と左が道祖神である。

すっかり陽が傾いてしまって、引き返すことにして、
深谷通信隊の脇を通って、「かまくらみち」に出て、
立場から弥生台、新橋町、阿久和南を経由して帰ってきた。
16時半を過ぎると暗くなってしまい、夕方が早い。

どうやら今日歩いていた泉区和泉町は「下和泉2丁目」と
住所が変更になったらしい。泉区役所のHPを確認したら
平成24年10月22日から実施だそうだ。ついこの前!

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2012年11月17日 (土)

キース・ジャレット 16

1975年のキース・ジャレットを聞いている。
12月10日から12日にかけて…ニューヨークのスタジオで
「Mysteries」と「Shades」の二枚のアルバムが制作されている。
デューイ・レッドマン、チャーリー・ヘイデン、
ポール・モチアンが参加するアメリカン・カルテットに
今回もギレルミ・フランコのパーカッションが加わっている。
すごくいい!私的には、この感じはかなり好きである。
敏感な感性、発想の冴え、緊張感の持続、強靭な力、…
多様な表現手法を相変わらず自由自在に操るのであり、
今回は圧倒的である。私の好みにぴったりとはまった。
キース・ジャレットが好きで聞いているのだけど、
同時に思うのは、チャーリー・ヘイデンのベースが何ともいい。
というので、アメリカン・カルテットのアルバムはお気に入り。

CDR805

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2012年11月16日 (金)

らくだ亭 「お富与三郎」

今週から「落語の蔵」で配信されている
第41回「人形町らくだ亭」の抜き読み「お富与三郎」。
雲助師匠の「玄冶店」と小満ん師匠の「稲荷堀」という
2012年4月2日に日本橋劇場で収録された二席である。
木更津から舞台は江戸へ戻り、与三郎がお富と再会する…
「玄冶店」の場面はもちろん聞いて知っていたが、
今回は雲助師匠が芝居仕立ての「玄冶店妾宅の場」で、
これだけ充実した「玄冶店」の一席を聞くのははじめてである。
噺の方では、縁日や花火の日にふたりが偶然に再会する…って、
簡潔に扱われることも多いのだが、ここでは芝居ではこんな感じにと
有名な「死んだと思ったお富とは、お釈迦様でも気が付くめえよ」という
あの場面が芝居仕立てで再現されるのである。さすがは雲助師匠。
蝙蝠安と目玉の富八が金をよこせとお富を強請るのだが、
ふたりの後ろにいた頬っ被りの男…それが与三郎であるという!
小満ん師匠はその後の場面で「雨の稲荷堀」だが、素晴らしい。
日本橋の小満んの会で演じられているので…録音で聞きまくっているのだが、
基本は全く同じなのだけど…やっぱり引き込まれて、夢中になってしまった。
「お富与三郎」は大好きなのだけど、何度聞いても面白い。最高である。
この後は、雲助一門の「茣蓙松」で…お富と与三郎が相対間男で強請りをはたらき、
与三郎はますます悪事に身を染めていく…そしてこれまた有名な佐渡からの「島抜け」、
らくだ亭のこの企画、続きを聞きたい!馬石さんで「茣蓙松」、雲助師匠で「島抜け」を
ぜひとも聞かせてほしいものである。どうか何卒よろしくお願いいたします!

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2012年11月15日 (木)

今日の月は…月齢1.2

20121115a

17時04分、旭区東希望が丘の高台から見えたのだが、
西の空にまもなく沈もうとしている月齢1.2の月である。
月齢1の月を写真に収めたのは、はじめただ。
いや、見たのもはじめてかも。三日月はよく見ているけれど
月齢1というのは日没時刻の早い今の季節だからこそ。

20121115b

あまりに細い月で…上の写真ではよくわからないので
もう少しズームアップ。暗くて映りは残念な仕上がりだが、
この感動が伝わってほしい!美しい夕焼けです。

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3000記事の記念は愚痴にて失礼

この更新でブログの記事数が3000件を達成した。
2005年7月からはじめて、7年あまり…
いつからか?毎日、何かしら記録を残すことにしている。
読んで下さる方には申し訳ないけれど、
大して中身のない日もあったのだけど…

3000記事の記念にといいながら…
何もマイナスなことを書かなくてもいいのだが、
これは一昨日のことである。書けばスッキリできるのか?
どうぞ愚痴にお付き合いを願います。

facebookでのことなのだが、音楽の付き合いの方の書き込みに
インターネットなど、プロもアマも自由に表現できる場があって、
そういう時代だからこそ…想いの詰まった自分の言葉で綴る感想は
いわゆる評論なんかより魅力的なのでは…というようなことを
私がコメントしたところ、そこに音楽ライターの方がいて、噛みつかれた。
この数年で…表現手段が大きく変わったし、受け止め方もまた変化している…
そしてこれからの時代、さらに変化し続けていくことであろう…ということを
私はいいたかったので、別に誰かを批判しようとか…そういうつもりはなかった。
知っていれば、そんな評論や評論家の存在など、決して言及しなかったのだけど
不幸にもそのライターの方の名前を存じ上げなかったので、
おそらくその方は、自分のことを批判されていると感じたのであろう。
プロのライターならば、自分は音楽評論家だと誇りももっているであろうから…

しかし後が悪い。夏目漱石が三代目の小さんを贔屓にして、名人を作った…
明治・大正の頃には、随筆や日記に残さている純粋な感想でも優れたものがあり、
そうしたものが後世に影響を与える評論として、いまも大切に受け継がれていると
しかし残念なことに…現在の評論はそうしたものとは違う方向へ向かっている…
これは一般によくいわれていることである。私でも知っているのだから。
私が好きな落語の話題にふれたなら…そのライターの書き込んだ内容が酷い。
古典芸能の凋落の歩みである落語と音楽・文芸・演劇評論を一緒にするな…
というような発言がなされた。それで私が切れた!「凋落の歩み」とは何だ!
そのライターはさらに…林屋三平の弟子や息子が出ている現在に
「芸を研くための評論など無意味である」と。それはない。あきれる。
決して許すことのできない暴言である。そしてそう…「林家三平」である。
「林家」は「屋」ではなく「家」だ。と書いたら、向こうも怒った。
プロのライターなら名前を間違えるなどという…ミスを犯してはならない。
結局はその程度の知識で知ったかぶりをしてみたにすぎないのだ。
「議論のできない者はブロックします」と…私はブロックされた。
facebookの「ブロック」というのは、今回はじめて経験したが、
ブロックされると…こちらからはその相手のことが見えなくなってしまう。
表示されないということ。私のことを「議論のできない者」といっておきながら
自分は逃げ出しているではないか!そう…こんなのは議論ではない。
バカバカしい喧嘩である。でもこのやり方は卑怯だ。卑怯者は許せない。

このライターは一体、何者なのだ!と思い、名前を検索してみたのだが、
するとTwitterが出てきて、さらに書かれている。信じられない内容。
「ムカつく。だから桐蔭学園出はダメなんだ」のような内容と記憶している。
私が桐蔭学園の出身だからというので…しかしそんなのは関係ないだろう。
私のことを批判すればいい。出身校を持ち出すなんて、的外れも甚だしい。
繰り返すけれど…私のことを「議論のできない者」といっておきながら
自分は相手から目を背けて、目の前の対象が何にも見えていない。
はぐらかして、問題を逸らして、へらへらと笑い見下しているのだ。
実に愚かなことである。喧嘩を売っておきながら…人を不愉快にして、
自分は逃げ失せて、別な場所でまた勝手なことを書いている。
私も頭にきて、そんな男に興味もないので、もうTwitterは見ていない。

落語のことを「凋落の歩み」と表現したが、それなら音楽業界だって、
末期的な「凋落の果て」である。文芸や演劇のことは、私はわからない。
でも音楽業界の今日おかれた状況というのは、ハッキリと見えた。
だって…こんなにも汚い言葉を吐く男が、いかにも偉そうに
「音楽ジャーナリスト」などという…胡散臭い肩書を騙って、
音楽の素晴らしさを広く世の中に騙ろうとしているのだから。
音楽を語っているのではない。騙っているのである。
音楽は聞いている人を決して騙さないと思う。その感動に嘘はない。
しかしそれを商売にしている人間たちは、きちんと見極めなければいけない…
ということを学んだ。もちろん素晴らしい…尊敬すべき音楽評論家はたくさんいる。
でも中には、美しい音楽の向こう側で汚い言葉を吐き散らしている者がいることを。

思い起こせば、怒りが増して、私も言葉を荒げてしまったが…反省して、
ブログも数がたまると三千な目に合う…という
くだらないオチがついたところで、今回はこれにて失礼します。

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2012年11月14日 (水)

マレイ・ペライア 7

先日はエミール・ギレリスとアマデウス四重奏団の共演による
ブラームスのピアノ四重奏曲第1番(1970年録音)を聞いたが、
アマデウス四重奏団は1986年にマレイ・ペライアとも録音しており、
今日は久しぶりにそのCDをひっぱり出してきて、聞いてみている。
1986年6月29日から7月1日にロンドンのヘンリーウッド・ホール。
ヴィオラのピーター・シドロフが1987年に亡くなってしまったため
アマデウス四重奏団は活動を停止して、最後の録音ともいわれた。
その後、アルバン・ベルク四重奏団とのジョイントで実現した
ブラームスの弦楽六重奏曲の2枚のCDもあるのだが…
ペライアが非常に丁寧に弾いている印象で、その辺はもちろん…
まさにペライアならではの魅力といえる部分ではあるのだが、
ギレリスの強烈な存在感と比べると…弦楽との一体感、調和であり、
より室内楽的な仕上がりで…本来はこちらの方が好ましいということであろう。
しかし剛と柔を自在に使い分け、極めて幅広い表現を聞かせたギレリスを思うと
どうしてもペライアは一本調子な印象もある。私は大のペライア好きなので、
そこまで悪くいうこともないのだが、より自然体な演奏ということか。
アマデウス四重奏団も1960年代のような豪快な押しはなくなっているので
老練な味わいが特長として、その辺を聞かないといけないのだけど
1970年のギレリス盤に続いて聞くのは、ちょっと分が悪かったようだ。

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2012年11月13日 (火)

アマデウス四重奏団 5

昨日に続いて、アマデウス四重奏団を聞いている。
ブラームスの作品51と同じときに録音された
ドヴォルザークの弦楽四重奏曲作品96「アメリカ」
1959年9月にハノーヴァーのベートーヴェン・ザールで収録。
そしてブラームスの弦楽四重奏曲作品67、こちらは
1960年1月に同じベートーヴェン・ザールで収録されている。
アマデウス四重奏団の「アメリカ」はどんな感じであろう?
というのがあるのだが、これが実に素晴らしい。
いつもながら濃厚に歌い込まれているのだが、
まさにそこが魅力である。いきいきと力強く、活気に満ちて
前へと突き進む感覚がいい。もちろん演奏もだけど…
やはり何度聞いてもドヴォルザークの感動的な音楽だ。
そしてブラームスとの相性もいいのであり、楽しんでいる。
ちなみにアマデウス四重奏団はその後1977年にも
「アメリカ」を再録音しており、そちらはまたいずれ。

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2012年11月12日 (月)

アマデウス四重奏団 4

1959年のアマデウス四重奏団でブラームスの弦楽四重奏曲。
作品51のハ短調とイ短調の二曲を聞いている。
1959年9月にハノーヴァーのベートーヴェン・ザールで収録。
アマデウス四重奏団はこの年の春には、先日も聞いた…
ベートーヴェンの「ラズモフスキー」の三曲を録音していて、
9月にここでのブラームスとドヴォルザークの「アメリカ」を
そして1960年1月にブラームスの作品67を取り上げている。
今日のような…鋭く、緊張感に満ちたブラームスではなくて、
穏やかで暖かい響きであり、愛情に包まれた音色は独特である。
こうした特長はまさにアマデウス四重奏団であり、実に味わいだ。
一方でそれを古くさいといえば…かなりのレトロな印象であり、
その辺は聞く人の気持ちしだいということであろう。

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2012年11月11日 (日)

東海道の風景から 12~品川宿

先週に続いて、東海道品川宿を歩いたのだが、
今回は街道から少し外れた場所をあちたりこちたり。
京浜急行の鮫洲駅をスタートして、品川駅まで。

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品川区南品川5丁目の松下稲荷神社。

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品川区南品川4丁目の東関森稲荷神社。

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京急の線路の東側に移動して、
品川区南品川2丁目の御嶽稲荷神社。

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目黒川を渡るが、先週も来た荏原神社の近くで
正面に見える赤い橋が鎮守橋である。
撮影している場所は、その隣の荏川橋。

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品川区北品川2丁目の稼穡稲荷社。
「稼穡(かしゅく)」とは、「穀物の植えつけと取り入れ」、
「種まきと収穫」、「農業」といった意味だそうである。

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品川区北品川2丁目の於春稲荷大明神。

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第一京浜を渡って、品川区北品川3丁目の品川神社。
京急の車窓からも見えるので…気になっていた。

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品川神社にお参り。七五三の参拝客も見られた。

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品川区北品川2丁目の杉森稲荷。
法禅寺というお寺の境内にあって、
先週もこの辺は来ているのだが、気付かなかった。

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鳥居を越えて、奥の方に行くと
ひっそりと…こちらが杉森稲荷である。

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品川区北品川1丁目にて、東海道の現在の街並みだが、
品川宿の散策はこれにて終了。JRの品川駅へ。

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2012年11月10日 (土)

黒門亭で一琴・歌武蔵・禽太夫

先週に続いて、午前中は東海道品川宿を歩き、
13時も過ぎたので…品川駅に出て、御徒町へ移動。
午後は黒門亭の第2部。「一琴・歌武蔵・禽太夫」という
うれしい顔付けである。歌武蔵さんは元相撲取りで
有名だし、もちろん人気もあるけれど、私的には…
一琴さんと禽太夫さんも大好きなのである。
13時40分ぐらいに落語協会に着いたのだが、
上では一左さんの声が聞こえてきて…「看板のピン」。
その後、第1部のトリは小太郎さんの「按摩の炬燵」だが、
声が外に漏れてこなかったので…この噺は夜の情景で
静かに演じているのだなと…最後の寝小便の場面は、
何か大騒ぎになっている感じが外にまで伝わってきた。
少しずつ並びはじめると…小ゑん師匠が来られた!
第2部の番頭さんは小ゑん師匠!出演はないけれど
すごく得した気分。開場までが幸福の時間となった。

第2部
柳家フラワー:出来心
柳家一琴:蛙茶番
三遊亭歌武蔵:持参金
柳家禽太夫:百川

開口一番で前座さんはフラワーさんだ。泥棒のマクラが来て、
なんと「出来心」である。前座さんの「出来心」ははじめてかな?
この噺は柳家の噺家さんでは定番のひとつだと思うのだけれど
前座さんは「道灌」や「道具屋」が多くて、フラワーさんはがんばっている!
一琴さんが「蛙茶番」だ。この噺はとにかく面白くて…爆笑になるのだが、
それにしてもすごくよかった。半ちゃんが舞台番というのが気に入らず…
腹が痛いと仮病を使っているのだけど、近所のおかみさん連中や娘たちが
半ちゃんが来ないなら帰ると騒いでいると聞かされると…全部ウソなのだが、
それを聞くと急に目がキリっとして、いい男になってしまう場面、
一琴さんがカッコよすぎて…そこが笑いを誘う。半ちゃんの滑稽ぶり。
後半も褌を締め忘れて、かなり抜けているのだが、言うことは立派だし、
することのすべてが男前なので、もうとにかくおかしくて仕方ないのである。
下ネタの後は…ブラックな「持参金」が来て、ひと癖もふた癖もある噺で爆笑!
これがまた…歌武蔵さんの毒舌な切り込みで何とも痛快な展開となるのである。
「持参金」に登場の男たちは、すべては五円が目的のちょっとひどい噺なのだが、
金は天下の回りもので…「不思議な五円(ご縁)」というオチも鮮やかだし、
「持参金」は申し訳ないけど、よくできた噺だと思う。女性を酷くいう場面が続いて、
しかし聞いている人を不快にさせずに…すべては笑いに導いてしまうというのも
そこが歌武蔵さんの聞かせどころで…ピリリと辛子の効いた一席であった。
刺激の強い噺が続いて、大いに盛り上がってしまうのだが、
今日のトリは禽太夫さんの「百川」だ。この噺も…今日は本当に楽しい。
以前から書いていると思うのだけど、「百川」は私の大好きな噺で、
禽太夫さんの「百川」ならば、百兵衛さんはいいだろうな…とは予想していたのだが、
それが!今日の百兵衛さんが何ともかわいらしいのである。田舎者というので
江戸っ子につい押されてしまうのであり、どうしても控えめに…弱気になってしまう。
その辺を禽太夫さんが思い切って、同情を集める百兵衛さんに仕立てるのであり、
それに対して、河岸の若い連中のなんと威勢のいいこと!この対比である。
「百川」は何度聞いても面白いし、こちらもよくできた噺である。素晴らしい。
演者も魅力的だったし、充実した噺が並んで…堪能した。大満足である。

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今日の演目とお見送りの番頭さんは小ゑん師匠!

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2012年11月 9日 (金)

ルドルフ・ゼルキン 2

昨日はエレーヌ・グリモーとソル・ガベッタによる
ブラームスのチェロ・ソナタ第1番を聞いたが、
グリモーはトルルス・モルクとも第1番を録音していて、
そちらの聞き比べは、今回はしないことにするけれど…
急に聞きたくなってしまったのが、1982年の名盤で
ルドルフ・ゼルキンがムスティスラフ・ロストロポーヴィチと
共演したブラームスの第1番と第2番を収めたCDである。
1982年7月にワシントンのJ.F.ケネディー・センターで収録。
ロストロポーヴィチが朗々とスケール雄大に歌い上げて、
ゼルキンもゆったりだが…すべての音に誠実に何とも深い響き。
表面的には穏やかな印象で、感情をぶつけるようなことはしない…
しかし巨匠ふたりの気迫は凄まじく…まさに内面的な深まり、
凝縮された佇まいと一方で…音楽はとにかく巨大なのである。
これは巨匠だからこその名演なのであり、他では聞けない音楽。

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2012年11月 8日 (木)

グリモー&ガベッタ duo

エレーヌ・グリモーの最新盤はソル・ガベッタとの共演で
シューマンの幻想小曲集 作品73
ブラームスのチェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 作品38
ドビュッシーのチェロ・ソナタ ニ短調
ショスタコーヴィチのチェロ・ソナタ ニ短調 作品40
2012年5月22-25日にエッセン・フィルハーモニーで収録。
まるでコンサートのような多彩なプログラムで
その魅力的な選曲に…まずは楽しんでしまう。
ソル・ガベッタのチェロははじめて聞いたのだが、
しなやかな音色でもちろん非常にいいのだけど
この録音の仕上がりとして、両者の音のバランスだが、
やはりグリモーのピアノにすっかり引き込まれて、
その辺はDGによるグリモーのための企画なのかなと…
チェロ・ソナタのCDにしては、ピアノが目立つ印象である。
ピアノ・マニアとしては、グリモーを聞けるのでありがたい。
前半がシューマンとブラームスによる愛情のこもったドイツもので
後半はドビュッシーとショスタコーヴィチという20世紀モダンの
ずっと色彩も豊かに雰囲気のある作品が並んでいるが、
演奏は4曲とも優れており、私はすぐに気に入ってしまった。
そういえば…ショスタコーヴィチのチェロ・ソナタは久しぶりである。
ハレルとアシュケナージのCDに出会って以来、大好きなのだけど
しばらく聞いていなかったので、今日は非常に新鮮な気分だ。

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2012年11月 7日 (水)

エミール・ギレリス 10

ギレリスとアマデウス四重奏団の共演は、
ブラームスのピアノ四重奏曲第1番もある。
ギレリスのDGにおける最初の時期の録音となるが、
1970年12月にミュンヘンのバーヴァリア・スタジオで収録。
シューベルトの「ます」と比べると…やはり硬質なタッチで
音楽の構築もこの上なく厳格に…立体的に響いているが、
それはブラームスの作品の方向性もあるのだろう。
凄まじく重厚で…その迫力には圧倒される。
全く隙のない集中力は充実の極みなのであり、
その完成度と密度の高さで…聞けば聞くほどに感動する。
ここでのギレリスは、室内楽を超越した存在感だ。
アマデウス四重奏団もまさに熱演でそれに応えている。

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2012年11月 6日 (火)

エミール・ギレリス 9

1975年夏のフィンランド…トゥルクでの演奏で
ベートーヴェンのピアノ・ソナタやブラームスの幻想曲集と
同じときの録音だが、アマデウス四重奏団との共演による
シューベルトのピアノ五重奏曲 イ長調 D.667「ます」
1975年8,9月にトゥルクのコンツェルトハウスで収録。
硬派のギレリスとシンフォニックなアマデウス四重奏団であり、
もっと楽しく優雅な「ます」は他にもあると思うのだが、
イメージよりは、全体に穏やかな空気も漂って…
アンサンブルを楽しんでいるということが伝わってくる。
ギレリスのピアノはいつもながら明確な響きで、隅々にまでくっきりと
すべての音が鮮やかに浮かび上がってくるのだが、
やはりベートーヴェンやブラームスと違って、明るく自由自在である。
それにしても…誠実で端正な「ます」ということはいえるだろう。
聞く人によっては、ちょっと堅苦しい印象もあると思うのだが、
しかしこれこそがギレリスなのであって、ファンにとってはたまらない。
歯切れよすぎるのであり、余裕や音楽の揺らぎまでも吸収してしまう…
完璧な世界なのである。有名な「ます」の主題による変奏曲の後、
終楽章のどんどんと空気が引き締まって、緊張度も増し、
頂点に上り詰めていく感覚は圧倒的としかいいようがない。
こういう演奏を聞かされると…さすがはギレリスと唸るばかりである。

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2012年11月 5日 (月)

落語につぶやき 182~蜆売り

土曜日に伯楽師匠で聞いてきた「汐留の蜆売り」。
泥棒といっても…落語によくある間抜け泥ではなくて、
あの有名な鼠小僧次郎吉の登場である。
「汐留」というのは、次郎吉が博打でとられて…
外はすっかり雪になっており、芝汐留の伊豆屋という船宿から
船に乗る…というので「汐留」なのである。
その伊豆屋で酒をやっていると…蜆売りの少年が来て、
蜆を買ってやり、放生会で川に放してやるのだが、
そこで…かつて箱根の湯治場で困っていた江戸者に
与えてやった二十両が元で捕えられてしまったこと…
いいと思ってしたことがかえって仇となってしまったという
ことのてん末を蜆売りから聞かされるのである。
次郎吉は思い悩み…蜆売りの姉夫婦を助けてやりたいと
策を練るのだが…これは江戸落語の「蜆売り」という噺。
一方で鼠小僧が出てこない「蜆売り」の噺もあり、
聞いたことあるのは落語研究会で九代目正蔵さんが演じていたが、
蜆を買ってやるのは、町内でも人望のある頭だったと記憶しているけれど
金に困って身投げしようとしている若い夫婦を助け、金を与えてやる…
しかし急に大金を手にしたことで盗みの疑いをかけられ捕えられてしまった…
どうやらこちらの型は、上方の「蜆売り」によるものらしい。
伯楽師匠はもちろん江戸の鼠小僧次郎吉の出てくる型であり、
以前は志ん生師匠も演じていた「汐留の蜆売り」なのである。

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2012年11月 4日 (日)

東海道の風景から 11~品川宿

東海道歩きの続きで…今日は品川駅からスタート。
日本橋を出て、東海道の最初の宿場である「品川宿」。

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JRの東海道線や山手線を渡る八ツ山橋。
カナで書いて「屋つやまはし」とある。
ここより先は品川区で北品川1丁目。
ちなみに品川駅は港区で…これが実に不思議。
目黒駅も目黒区ではなくて…品川区なのであり、
新宿駅も南口を出ると渋谷区なのだ。謎!

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京浜急行の踏切を渡る。右は北品川駅。
この辺から「品川宿」に入るのではないかと。

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「問答河岸跡」の碑。「問答」の由来は
三代将軍家光と沢庵和尚の東海寺での問答で…
家光:海近くして東(遠)海寺とは是如何
沢庵:大軍を率いて将(小)軍というが如し…による。

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東海道品川宿の現在の様子。
品川区北品川1丁目にて。

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ちょっと寄り道で品川区東品川1丁目の利田神社。

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利田神社にお参り。

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利田神社は「福壽辨財天社」とある。
実におめでたい感じ!

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東海道品川宿の現在の様子。
品川区北品川2丁目にて。

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聖蹟公園の入口にある「品川宿の松」だが、
ここが本陣跡だそうだ。品川区北品川2丁目。

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品川区北品川2丁目にある北浜三社稲荷。

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品川区東品川1丁目の寄木神社。
立派な神社で御神輿が飾られていた。

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目黒川の手前で…東海道の西側に移動して、
品川区北品川2丁目の荏原神社。

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荏原神社にお参り。こちらもさらに立派な境内。

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品川橋で目黒川を渡る。
写真の正面に見えるのが品川橋。

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品川区南品川2丁目の諏訪神社。

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品川区南品川3丁目の幸稲荷神社。

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品川区南品川3丁目でこの先の住所は東大井となるが、
京浜急行の青物横丁駅の近くで…今回はここで終了。

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2012年11月 3日 (土)

黒門亭で歌扇・時蔵・伯楽

午前中から東海道品川宿を歩いていたのだが、
13時半も過ぎて、京浜東北線の大井町から
急いで御徒町へ移動。伯楽師匠を聞きに黒門亭へ。
すっかり遅くなってしまって、昼食をとる時間もなく…
14時少し前に到着したのだが、まだ誰も並んでいなかった。
入口に貼り紙がしてあり、橘家二三蔵師匠が出られなくなり、
時蔵師匠が代演されると…二三蔵師匠はどうされたのかな?
待っていると上からは南喬師匠「佐野山」の相撲風景が
かすかに聞こえてきて…なんだか幸せな気持ちになってきて、
圓太郎師匠が鈴本へ向かう途中に落語協会に寄られたみたいで
ニヤニヤと笑って、テンション高めに「どうぞごゆっくりなさって!」と
挨拶してくれたから…早めに待つのも楽しくて、やめられない。


第2部
入船亭ゆう京:たらちめ
三遊亭歌扇:竹の水仙
林家時蔵:替り目
金原亭伯楽:汐留の蜆売り


前座さんはゆう京さんだ。神有月の出雲で縁結びのマクラから
噺はお馴染み「たらちめ」だけど…ゆう京さんの「子ほめ」も「道具屋」も
いろいろ聞いてきたが、今日の「たらちめ」あたりから…いいかも!って。
ご隠居さんと八五郎と…言葉が丁寧なお嫁さんに行商のネギ売り…
わざとらしくならずに…自分の言葉で自然体にしゃべりながら…
きちんと人物の描き分けもできている。そういえば、この辺については
以前からしっかりできていたのだが、なんだか今日はすごくよかった!
そして続いて、歌扇さんが登場。圓歌師匠のお宅の…中沢家で有名な
「入れ歯が落ちた螺旋階段」のペンキ塗りの話題から…実に楽しい。
圓歌一門の修行風景って、なぜか聞いていて、暖かい気持ちにしてくれる。
噺は「竹の水仙」で…これはかなり以前にも書いたので…前からなのだけど
勢いがあって、声もすごく響いているし、実に上り調子の歌扇さん!という。
時蔵師匠が酔っぱらいのマクラから「替り目」で…今回で二度目だけど、
鍋焼きうどん屋が登場の後半も…「銚子の替り目」のオチまで。
前に聞いたときもそうだった。「替り目」というと夫婦のやり取りだけど
時蔵師匠の夫婦が実にいい!酔っぱらいの身勝手な旦那に対して
おかみさんがかなりきつい感じに叱っているのだが、
そこに愛情がこもっているのがしっかりと伝わってきて、いいのである!
うどん屋さんの酒に癇を付けたり、海苔を焼いたりの場面もいい!
そして今日のトリは伯楽師匠の「汐留の蜆売り」である。
泥棒の噺だが、間抜け泥ではなく、あの鼠小僧が出てくるという…
人情噺のような展開。しかしこの噺が、何とも後味が悪く…
今日もまたそうした結末であったが、鼠小僧が与えた二十両が
大名から盗んだ金であり、結果として、助けた相手が捕まってしまう。
その辺を蜆売りの少年から聞かされるのだが、ここでも蜆を買ってやり、
多分に金を与え、困ったものを助けてやるのが鼠小僧…しかしながら
その助けが仇となるのが今回の噺。話の顛末を聞いて、鼠小僧も悩み、
自分が名乗り出ればすぐにも助けられる…しかしまだ娑婆に未練がある…
というので、結局は泥棒仲間に身代わりになってもらうのであり…
自分も二三年したら後から行くよ…と、それで助けることはできたのだが、
この辺がどうも合点がいかず…何かそこに理解を越えた内容があるのか?
後味が悪いのである。なぜ?という疑問が…「蜆売り」って、不思議な噺だ。
まあ、それはそれとして、伯楽師匠の語りは実に味わい深く、情緒豊かで
蜆売りの少年とそれを囲む大人たちの様々な接し方があって、
今日も素晴らしかった。噺の情景に深く入り込めて、何とも人間味のある世界。
この鼠小僧の「蜆売り」も珍しい噺だとは思うのだが、いい噺が聞けた。
16時50分に終演の充実した会であったが、大満足の一日である。

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2012年11月 2日 (金)

エミール・ギレリス 8

昨日のベートーヴェンと同じときの録音で
1975年夏のフィンランド…トゥルクでの演奏だが、
ブラームスのバラード作品10と幻想曲集作品116。
1975年8,9月にトゥルクのコンツェルトハウスで収録。
実はギレリスのこれらの録音は昔から大好きな演奏で
何度も何度も繰り返し聞いてきたブラームスであるのだが、
バラードと幻想曲集という…それぞれが協奏曲の余白に収められ…
最近では、ピアノ四重奏曲の後半がバラードであったりもして、
今日は元の形の再現で…この組み合わせで聞いてみている。
精妙な響きのコントロールでこの上なく緻密なブラームスであるが、
基本的には情熱を抑え、静寂の奥深くに一歩ずつ歩み寄っていく…
透明で…冷たく、色彩のないモノクロな世界、これが何とも美しい。
一方で幻想曲集に関しては、三曲のカプリッチョがあるので
こうした急速な音楽では、ギレリスの独特な切れ味も鮮やかに…
静と動のコントラストが見事である。奥行きのある空間に感動。

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2012年11月 1日 (木)

エミール・ギレリス 7

ギレリスが残したベートーヴェンのピアノ・ソナタだが、
録音年代順に再構成して聞いている。
今日はピアノ・ソナタ第12番「葬送」と第16番。
1975年8,9月にトゥルクのコンツェルトハウスで収録。
これまでベルリンだったのが、今回は夏のフィンランドである。
8月下旬から9月中旬にかけて3枚分のLPが制作され、
ここでのベートーヴェンの他にもブラームスのバラードと幻想曲集、
そしてアマデウス四重奏団とのシューベルトの「ます」も録音されている。
第12番のソナタは、第1楽章の変奏曲が非常に印象的であり、
そして第16番も装飾的な表現が特長となっている作品だが、
そうしたところをギレリスがまた何とも鮮やかに弾きこなしており、
全く揺るぎのないしっかりとした音が立体的に鳴り響くのには感動する。
第12番の終楽章など、速い楽章での高速スピードの快感、
そして同時にその勢いと迫力も凄まじく、今回も圧倒的である。

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