落語につぶやき 185~時そば
江戸時代の時間の数え方は、
日の出から日の入までの昼間の時間を六つに区切り、
また日の入から日の出までの夜の時間を六つに区切り、
つまりは季節によって、時間(一つ)の長さが異なるのだが、
時の一つは、現在の時間で考えると約二時間ということである。
午前0時が九つであり、八つ、七つ、午前6時が明け六つ。
五つ、四つ、午後0時が再び九つ、八つ、七つと進み、
午後6時が暮れ六つだ。五つ、四つ、午前0時の九つに戻る。
「お江戸日本橋、七つ立ち」というのがあるけれど、
江戸時代の旅人は午前4時に出発したということ。
歩いての旅なので…とにかく日のあるうちに
少しでも遠くまで行きたいということであろう。
また「七つ下がりには決して墓参りをするな」という
午後4時を過ぎて、夕方の墓参りなどするものではない。
有名な「時そば」で「いま何時だい?」「九つです」というのは、
午前0時で真夜中、夜も更けて、かなり冷え込んできた頃である。
その翌日、真似をしようとしてドジを踏んだ間抜け者は、
「いま何時だい?」「四つです」…まだ午後10時ということで
焦って、時を一つ…気付かずに早く出てきてしまったのだ。
「四つ」から「九つ」に変わるときには、数が大きく変わるので
時を間違えると大失敗する…というのが「時そば」の面白さ。
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