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2013年1月 6日 (日)

柳家小満ん「在庫棚卸し」

今日は小満ん師匠の「在庫棚卸し」第1回で
東京駅から中央線に乗って四谷へ…早めに行って、
四谷近辺で会場の荒木町に近い地区を散策。
桝箕稲荷神社と金丸稲荷神社にお参り。
12時半になったので…新宿区荒木町の橘家へ。

柳家小満ん「在庫棚卸し」第1回
柳家小満ん:かつぎや
柳家小満ん:橋場の雪
柳家小満ん:御慶

年末年始の小満ん師匠は豪華客船「飛鳥II」の旅で
船の上での落語会だったそうである。しかし海は大時化。
一昨日、陸に上がったそうだけど…いまも揺れているそうな。
荒れ海での船酔いはすごく怖いので…私はちょっと…船は遠慮だ!
豪華客船なんて、乗ったことないけれど、この先も縁がないけれど…
今年の正月の話題から…噺は「かつぎや」だ。「七福神」ともいう。
この噺は大好きで…父が四代目圓遊師匠の録音をもっていて、
我が家ではお馴染みの噺なのだけど、正月って、寄席に出掛けないので
実演ではこれまで聞いたことがなかった。明るく楽しい正月風景で
お店の旦那が御幣担ぎ(縁起かつぎ)というのにふれたときには、
思わず「かつぎや」だ!って、胸が弾んでしまった。
言葉遊びの噺でもあり、こういう噺って、私は大好きである。
元日の朝で…最初に井戸の水を汲むのに…和歌を供えて、若水を汲む。
店の者が勢ぞろいで、御雑煮を食べて、たくさんの人が年始の挨拶に訪れ、
早桶屋の幼馴染も来るのだが、そこでは縁起の悪い言葉がたくさん並んで…
翌日で二日になると初夢のための「宝船」を売りに船屋さんが来る。
今度は縁起のいい言葉がたっぷり…「七福神」が揃って、実におめでたい!
これぞ正月の噺という印象である。「初夢」の話題から…続いての噺に進むのだが、
そう!今回の三席は…テーマは「夢」であろう。夢にまつわる新年の三つの情景である。
二席目は…「夢の酒」かなって、「夢の酒」も久しぶりに聞くのだが、いや、違う!
若旦那が夢の内容を語りだし、橋場から船で…雪が降ってきて、「橋場の雪」である。
これは珍しい。貴重な噺が聞ける!以前に落語研究会で…三三さんで一度見ただけで
噺もすっかり忘れてしまった。ほとんどはじめて聞くような感じで…新鮮だった。
後で調べてみると…「橋場の雪」の方が古く…現在の「夢の酒」は後の改作であるような。
「夢の酒」を完成させたのは、黒門町の文楽師匠なのだろうけれど、雪の情景で
今の季節に聞くならば、「橋場の雪」はまた格別な味わいだ。この雪も実は夢なのであり、
実際のお店の情景は、ごく日常の生活で…天気も快晴!というような印象もあって…
その点で…夢の描写がまるで芝居の一幕のようにも感じられてくるのだけど
そこがこの噺の魅力でもあるのかと。「夢の酒」の方が、酒の話題で明るく賑やかである。
一方でこちらの「橋場の雪」は、静かで風情があり、地味なところが通好みというか。
オチも小僧の定吉が若旦那の肩を叩いており、眠くなって、こっくりこっくり…
そこで「定吉が船を漕いでおります」という…これも派手さはないけれど、
何だかいいではないか!という。とにかく思い出すと…後からじわじわ来る噺!
「夢の酒」は一般的なので…「橋場の雪」はマニア心を擽られる…これは大切にしたい。
仲入り後、景気のいい噺ということで…富くじの話題になって、えっ!まさか来たか!
これ本当に…今日の会で、正月だし、小満ん師匠は「御慶」やってくれないかな…って
念じていたのだが、そうしたら気持ちが通じて、なんと「御慶」である。うれしい。
お見送りの師匠にこのことを…今日「御慶」聞きたかったんです!といったら
師匠はニッコリ(笑)…「よかったね!」って。「御慶」は大好きで…でもこの噺も
とにかく正月限定なのであり、こちらは長いので、正月に独演会などに出掛けないと
出会えないネタではあるのだが、やはりこれまで実演では聞いたことがなかった。
私も録音で…年末ぐらいから聞くようになって、正月が過ぎるともう聞かないのだが、
富くじネタでは、師走の「富久」、新年の「御慶」と…とにかく大好きな噺で大喜び!
明るいし、富に当たって、サクセスストーリーだし、八五郎は結構バカなので…
これがまた…とりあえず害のない話題ということであろうか。実に能天気。
オチに関して、「御慶(ギョケー)!」「はあ?」「御慶ってんだよ!」
というのを「どこ行ってんだよ」と聞き違えて「恵方参りに行ってきた」となるのだが、
「恵方参り」は五代目の小さん師匠もこのオチである。
今日では「恵方参り」が通じないので、「近所の神社に初詣」となったり…
オチも変わりつつあるようだが、今回は「恵方参り」であったこともポイント!
「恵方」というのは、最近では節分の「恵方巻き」でお馴染みとなっているが、
今年の方角で恵方の方面にある神社仏閣に初詣に行く…というのが、
かつては正月の風習として、一般的だったそうなのである。
それでこの…元日の午前中だろうか?恵方参りの帰り道にある三人に
「御慶!御慶!御慶!」と三連発したのが、これが正月であり、元日であり、
実に実におめでたい!聞いていて、幸せな気持ちになるという。
素晴らしい「御慶」であった。三席とも幸福感に包まれる楽しい会。
ちなみに今年の「恵方」はというと…節分に知っておかないといけないので
「丙(ひのえ)」の方角で南南東だそうである。そして干支は「癸巳」。
極めて満足度が高いのだけど…来週は日本橋での小満んの会だ。
風邪などひかないように…気を付けよう!今から楽しみ。

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