« 横浜の風景から 287 | トップページ | 落語につぶやき 191~山崎屋 »

2013年2月 3日 (日)

黒門亭で小燕枝・小団治・文生

今日は大好きな志ん橋師匠を聞きに黒門亭へ!
ところが、到着すると張り紙で…志ん橋師匠は休演。
残念。というより…心配だ。お体を大切にしてほしい。
代演は小燕枝師匠。それは実にうれしい展開で
小燕枝師匠を聞けたことは予想外の喜びである!
他の出演者も小金馬師匠に小団治師匠、扇治師匠と
文生師匠が「山崎屋」をネタ出しで…これは魅力的だ。
若手では柳朝さんが大好きで、素晴らしい顔付け。
節分の手拭い豆まきがあるということで…大入札止め。
豆まきには小ゑん師匠も登場で最高の一日だ!

第1部 手拭い豆まき
柳亭市助:一目上がり
古今亭駒次:使うかもしれない
三遊亭小金馬:居酒屋
春風亭柳朝:明烏
柳亭小燕枝:万金丹
-豆まき-


前座さんは市助さんだった。前に聞いたことがあるのだけど…
調べてみたら…かなり以前だった。一昨年の三月。そんなに前か。
あまり思い出したくないことだが、震災の後…はじめて東京へ行ったとき。
そのときは「転失気」と「小町~道灌」を聞いている。市助さんは上手い。
今日も「道灌」かな?と思ったら「一目上がり」で…今年はこの噺によく出会う。
駒次さんが、いま流行の「断捨離」にちなんで…家の中のモノを捨てる噺。
新鮮な話題、時事ネタを巧みに操って、そこに家族の性格の違いが表れたり
家の中の様子が鮮やかに描き出されていくのは見事!後でわかったのだが、
「使うかもしれない」という演目で…その「かもしれない」という部分で
奥さんがやたらと妄想が広がっていく場面…ここは新作ならではの面白さ。
小金馬師匠が…金馬一門ではお馴染みの「居酒屋」である。
花粉の季節がはじまっているのか?鼻の調子が悪かったようで…
小金馬師匠のビリビリっとくる声が聞けなかったのは残念。
でも「居酒屋」という噺は、独特な面白さで…この情景が好きである。
仲入り後に柳朝さんが「明烏」。柳朝さんのこの噺は前にも聞いている。
面白いし、すごくよかったので…その前回のも鮮やかに覚えているのだが、
よく知っていても…今日の「明烏」も最高だった。それぐらいにいいと思う。
初心な若旦那のイメージが柳朝さんにぴったり!というのがあると思うし、
それに対して、源兵衛と太助がまさに札付きの悪で…対比が絶妙!
真面目すぎる若旦那に手を焼いて…ということだけど、源兵衛と太助の
ちょっとからかったり、意地悪になってみたり…その辺のアクセントも魅力。
そして小燕枝師匠である。旅のマクラから「万金丹」へ。とにかく絶品。
聞きほれてしまう…というか、しびれてしまう!というか…よかった。
「万金丹」は面白いけれど、お寺や仏教を侮辱している印象もあるし、
この噺も「長者番付」と同じで…田舎者をバカにしているところがあって、
あまりきれいな噺ではない…実は問題ありの内容なのかもしれないけれど
でも…小燕枝師匠で聞いているとそうした不快感は存在しないし、
やはり噺家さんの品格が表れるのか?ここでは肯定的に聞くことができた。
好ましくなかった噺が「好きな噺」に転じる瞬間というのは、実に感動的である。
今日の「万金丹」からそうなれるかな?というので…今後に期待!
そして節分の豆まきである。柳朝さんの手拭いをゲットした!うれしい。

20130203a

今日は黒門亭の常連さんがたくさん来ていて、
第2部までの間に寿司屋に行ってきた!
ランチメニューのちらし寿司で1050円ながら…ネタがいい!
御徒町って、本当に素敵な場所。これもまた楽しみである。

第2部 手拭い豆まき
柳亭市助:狸札
柳家小団治:ねずみ
入船亭扇治:二番煎じ
桂文生:山崎屋
-豆まき-

第2部の開口一番で市助さんの「狸札」の後、
小団治師匠が名人のマクラで、となると左甚五郎の話題だが、
「竹の水仙」かな?と思ったら…そのずっと後の「ねずみ」であった。
小団治師匠はそんなに頻繁に聞いているわけではないけれど
この何回かですっかり好きになってしまい、魅力に気付けたということか、
今日の「ねずみ」も…もちろんよかった!うの坊の子供らしさも重要だし、
そのやり取りで甚五郎がどのように浮かび上がってくるのか?が聞きもので
夢中になって、最後まで集中して聞けたので…やはりお見事である。
そして続く扇治師匠が…志ん橋師匠のネタ出しだった「二番煎じ」を
代わりに聞かせて下さると…やはり冬の噺の代表で…これはうれしい!
そしてまた…すごくよかったのだ。夜回りの厳しい寒さの描写の後で
酒で暖まり、体の方に癇がついてきて、そして何より…猪の肉の鍋…
そのおいしそうなこと!思わず食べたくなる…ここで食べたくならなかったら
その「二番煎じ」は大したことはない!ということであろう。
情景が目に浮かばないということで…つまりは描写があまいという。
今日の「二番煎じ」はおいしそうだった。猪だけでなく、ネギも…である。
見回りに来た役人の硬い表情も思わず緩んでいたので…
それはいい味だったのだろう。宗助さんの股座からで出所は悪いのだが。
今日のトリは文生師匠で…ネタ出し「山崎屋」である。これはうれしい。
なのだが…とにかく面白いのだけど…文生師匠はネタを出しておいたのに…
噺を忘れてしまったと…圓生師匠の速記本を読んできましたから…って、
何だか…しどろもどろで…これはわざとなのかな?って、聞いていたけれど
どうやら本当に思い出しながら演じていたようで、あらすじのお喋りみたい。
しかし…これがまた、味わいというか…文生師匠の芸風の魅力でもあり、
なんとも楽しくって、魅力的で、たくさん笑ってしまうのだから…
そこはやはり長年の経験の上に成り立っている。噺は伝わらなかったけれど
というのは、「山崎屋」の噺を知らない人はよくわからなかったと思うのだが、
文生師匠の一席としては、十二分に魅力的な時間であったといえるのでは…
「山崎屋」は金で吉原の花魁を身請けして…という噺だからだと思うのだが、
これも戦時中は禁演落語で「はなし塚」に埋められた噺だそうだ。
いまでは面白い!と喜んで、当たり前に聞いているけれど、
昔は不謹慎極まりないと批判されたこともあったのであろう。
第2部の豆まきでは、手拭いはゲットならず!大入の豆をいただいてきた。
そして帰りに地元で「恵方巻」を買って…楽しい節分の一日であった。

20130203b

|

« 横浜の風景から 287 | トップページ | 落語につぶやき 191~山崎屋 »

コメント

柳朝師の「明烏」はとてもいいですね。

師の噺には全般的に折り目正しい感じがあって、
聴く者の心をほんわかさせてくれると思います。

投稿: 福 | 2013年2月17日 (日) 07:16

福さん、コメントありがとうございます。
若手の中では柳朝さんは大好きです。「明烏」の若旦那はまた格別ですね!

投稿: たけお | 2013年2月17日 (日) 09:57

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121598/56695851

この記事へのトラックバック一覧です: 黒門亭で小燕枝・小団治・文生:

« 横浜の風景から 287 | トップページ | 落語につぶやき 191~山崎屋 »