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2013年4月13日 (土)

黒門亭で一琴・小満ん・左楽

今日は第2部が「八代目桂文楽一門会」という企画で
小満ん師匠と左楽師匠が出られるという…これは聞かねば!
黒門亭が十周年で今月はすべて特別企画が組まれている。
第1部も「重珍の会」ということで…歌武蔵さんがトリで
私的には…一琴さんが聞きたい!というので…
結局は一日、黒門亭に居続けの土曜日であった。

祝 黒門亭十周年祭り
第1部 重珍の会
柳家圭花:道具や
春風亭一蔵:のめる
柳家一琴:くしゃみ講釈
橘家圓十郎:ナースコール
三遊亭歌武蔵:強情灸


第1部の番頭さんが志ん陽さんで…番頭さんまでが重珍という徹底ぶり!
なのに…今日の前座さんはふたりとも細いお方で…そこまでは無理だった。
知らない前座さんで…第1部は花緑一門の圭花さんだった。上手い!
「道具や」は久しぶりのような気がするが、敬語を使う与太郎は笑える。
新二ツ目で一番元気な一蔵さんだが、やっぱり圧倒的に面白いので…
さすがに人気があるのは頷ける。そのパワーもすごいし、迫力の高座。
噺は「のめる」だが、文左衛門さんから伝わっているのではないのかな…
というのは、「つまらねえ」と面白くない顔をする半ちゃんの物言い…
そして駒の足りないつまらねえ詰将棋の場面…実に形になっていた。
今日の出演者では、83Kgで軽量という一琴さん…「くしゃみ講釈」である。
この噺は爆笑噺で大好きだけど…一琴さんはいい!やはり角の乾物屋か!
仲入り後は、本日の最重量か…圓十郎さんの登場。本当に大きい。
白鳥さんの「ナースコール」だった。これがまた…みどりちゃんのところだけど
やはり白鳥作の独特の空気で…白鳥カラーが完全に移っていて、面白かった。
第1部のトリは歌武蔵さん。129Kgといっていたか?でも歌武蔵さんの場合、
角界にいたからか?自衛隊で鍛えていたからか?動きは身軽な印象だし、
何となく筋肉質な感じもして、噺の方も引き締まっていると思う。
江戸っ子は強情だった…という熱くてたまらない湯屋の場面から「強情灸」である。
歌武蔵さんの「強情灸」はNHKでの録音をもっていて、お気に入りなのだけど、
これがいいのだ!藻草を集めて、おにぎりを握るように…巨大な塊にしていく場面、
今回は「レ・ミゼラブル」から「民衆の歌」で…この歌詞が「強情灸」にはまりすぎ!

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第1部の演目とお見送りは小ゑん師匠!
小ゑん師匠に会えるなんて、うれしい!
ということは、第2部の座談会の司会は師匠なんだ…という。
黒門亭常連のお知り合いと「寿司処しゅん」でお昼ご飯。
ランチのちらし寿司が1050円ながら、ネタが新鮮で、
おいしくて、これもまた御徒町の楽しみである。

祝 黒門亭十周年祭り
第2部 先代文楽一門会
柳家小はぜ:道灌
柳家さん枝:厄払い
橘家二三蔵:鰻の幇間
柳家小満ん:厩火事
柳亭左楽:馬のす
座談「黒門町を語る」

第2部もはじめての前座さんだが、小はぜさんだ。
はん治師匠のお弟子さんで、上手いとの評判を聞いていたのだが、
なるほど。ほっそりとした印象で繊細そうだけど、高座に登場の姿がいい!
圭花さんも小はぜさんもこれから注目することにしよう!期待の前座さん。
文楽一門で最初に登場はさん枝師匠。前座の三年目ぐらいに師匠が亡くなって、
小さん一門に移り、柳家を名乗っているわけだが、その点では小満ん師匠と同じ。
噺は豆まきで…「厄払い」だが、小満ん師匠の「厄払い」とこれは同じ型だ。
柳家の噺家さんで「厄払い」がよく演じられていると…何となくそう思っているのだが、
先月、小ゑん師匠で聞いた「厄払い」は、型が違うのかな?という印象でもあった。
ということは…今日の型が桂文楽の「厄払い」なのかも。ちょっとこの辺は興味あるところ。
続く二三蔵師匠の「鰻の幇間」も…前半に幇間の一八が、羊羹をもって穴釣りに行く…
穴釣りというのは、お世話になっている方の家を訪ねて、御馳走になろうとするのだが、
湯河原に湯治に出掛けている…旦那と熱海に出掛けていると…ことごとく失敗に終わり、
それで仕方なく丘釣りに切り替える…丘釣りというのは街中でご贔屓を捕まえる。
これは八代目の可楽師匠の録音だったか?たしかに聞いたことのある型であり、
しかし今日、よく聞ける「鰻の幇間」では、この前半の穴釣りの場面が省略されていて、
その点で…もしかしたら…こちらも桂文楽の「鰻の幇間」ということかもしれない。
文楽師匠の「鰻の幇間」は、録音が残されているのではないかと思うのだけど、
ちょっと探してみることにするか!こちらも非常に気になるところである。
仲入り後、小満ん師匠が「厩火事」だ。師匠の「厩火事」はいうまでもなく絶品!
おさきさんが亭主の悪口を早口でまくしたてるところ、ここが文楽師匠にそっくりで
思わず引き込まれて、うれしくなってしまうのだけど、その点でこの噺が選ばれたのかも。
今日のトリは左楽師匠である。まさに文楽ネタということだと思うのだが、「馬のす」だ。
短い噺で…文楽師匠の録音も聞いたことがあるのだが、この噺は録音には向かないのかも。
何だか、よくわからなくって、オチも特に面白くないので…これまで不思議に思っていたのだが、
今日、左楽師匠で聞いてみたら…実に味わいがあって、本当に素晴らしい一席だったのだ。
というのは、酒を飲んだり、枝豆を食べたり、そこにいろいろな喋りが加わってきて、
食べるのと喋るのとの絶妙な間というのもあるし、聞かせるよりは見せる噺なのかも。
左楽師匠も大好きなのだけど、今日の「馬のす」は、本当に最高でうれしくなってしまった。
短い噺で…バカバカしくても侮れない。だからこそ、文楽師匠の十八番ということか!
「馬のす」で実に心地のよい気分になっていたのだけど…そこから時間は大いに延長で
17時15分あたりまで、30分ほど「黒門町を語る」という座談会。司会は小ゑん師匠!
これがまた面白い話題が満載で「私は許しても…天が許しませんよ!」とか
高座で使うハンカチをお弟子さんがお風呂場のガラスで干して、きれいに仕上がらないと…
「お前さんの料簡が出てますよ」とか…有名なネタももちろん聞けたのだが、
しかし文楽師匠なので…やはりどこか美しいというか、潔癖な性格が隅々にまで表れる…
そして黒門町というと超一流のお客を相手に料亭でのお座敷落語が有名だが、
現在では信じられないような…花柳界の華やかな話も飛び出して、何とも興味深かった。
お座敷のお供は、左楽師匠と小満ん師匠はずいぶん経験されたそうだけど、
二三蔵師匠とさん枝師匠の頃には、めっきり減ってしまったとのことだ。
それは時代の急激な変化で…花柳界そのものが衰退してしまったからだとか。
文楽師匠の話題も46年前以前ということだそうだが、昔の名人の話はなかなか聞けないし、
失われてしまってはあまりにも惜しい文化遺産であると…ぜひまたこうした機会を設けてほしい。
落語も聞きたいが、落語にまつわる周辺の話題が、結果として落語を豊かなものにすると
文楽師匠の想い出で…今日は素敵な土曜日を過ごせることができた。感謝でいっぱい!

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