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2013年5月21日 (火)

第116回 柳家小満んの会

今日は「柳家小満んの会」で関内ホールへ。
夕方から出掛けて…寄り道なしに関内へ真っ直ぐに。
いつもの「おはな商店」で…らーめんの腹ごしらえ。
普段は「濃厚和風豚骨らーめん」を食べるのだが、
ちょっと変えて、「豚骨醤油らーめん」にしてみた。
おいしい!隔月の「小満んの会」のもうひとつの楽しみ。

柳家圭花:狸札
柳家小満ん:熊の皮
柳家小満ん:四つ目小町
柳家小満ん:大工調べ

今日の三席は…「熊の皮」はおかみさんの尻に敷かれた甚兵衛さん。
続く「四つ目小町」では、その逆に尻に敷かれない塩原多助のお噺で
しかし「大工調べ」では、与太郎はひとりもので…夫婦の噺でもなく、
ここで浮かび上がってくるのは、人と人との「縁」であろうか。
前半の二席では、「夫婦の縁」というものがあげられるのだけど、
「大工調べ」では、大家と店子の間に存在する縁というのがあり、
お奉行さまの言葉にも「縁があって与太郎が店子になったのであるから…
せいぜい労わってつかわせよ」というのがあり、「縁」がテーマなのかも?
一席目は「熊の皮」で…この噺は寄席でもよく聞けるお馴染みの噺だが、
実によかったのだ!よく聞く噺で…今日が特に魅力的!というと
それは他との比較で…ということになってしまうのだけど、
やはり甚兵衛さんとおかみさんのやり取りが絶品なのである。
甚兵衛さんは人がいいとはいいながら…実際のところはぼんやりしている。
それに対して、おかみさんがしっかりしていて、旦那を尻に敷いて、
いいようにこき使っているところ、しかしそこには、夫婦の間での
それぞれの役割があるというか…関係性が成立しているのであって、
特異な夫婦に見えて、実は調和がとれているのだ。そこが面白さであって、
同時に噺のリアリティであって、「熊の皮」っていいじゃん!という。
今日の一般的なオチは、熊の皮は何に使うのか?尻の下に敷く…というので
「女房がよろしく申してました」を甚兵衛さんが思い出すというものだが、
今回は違っていて、口上を申し上げるというので長く正座していたものだから
甚兵衛さんは足がしびれてしまって、しびれを取るにも畳も毛羽立っていないので
熊の皮の毛を抜きはじめる…それで女房の「よろしく」を思い出すのだが、
元々「熊の皮」は艶笑噺で、熊の黒い毛が下がかったものを連想させる…
というオチであったらしいのだけど、「忘れたら足の毛を引っ張って思い出せ」と
それで先生に「毛を抜いちゃいけないよ」と怒られて、口上を思い出すという
こうしたサゲもあるようで、今日の小満ん師匠が途中…その流れであったのか?
ちょっと思い出せないのだけど、珍しい形のオチであった。実に興味深い!
続いて二席目は「四つ目小町」という噺だが、これは三遊亭圓朝の作による…
「塩原多助一代記」の中の一話である。もちろんこの場面を聞くのははじめてだが、
炭屋の山口屋善兵衛に十年の奉公の後、多助は本所相生町に店をもち、
塩原屋多助として炭の計り売りをはじめる。当時は俵で売るのが一般であり、
計り売りは庶民に喜ばれ、真面目で親切で…働き者の多助はすぐに評判となった。
本所四つ目通りで「四つ目小町」と名高い藤野屋の娘でお花に見初められ、
多助と娶わせたいと藤野屋が樽買いの久八にその仲立ちを頼むのだが、
身分が釣り合わないと多助が断ったものだから、お花を樽買いの養女として
晴れて多助と夫婦になるという…「塩原多助一代記」でも後半の話題である。
実に面白かった!爆笑という噺ではない。とにかく夢中になってしまう…
それは塩原多助という人の魅力でもあり、大成功を収める人の器というものか。
こちらもまた…小満ん師匠しか演じていない稀少な噺ということだと思うのだけど
だとしたら…あまりにも惜しい!という一席であり、たくさんの人に聞いてほしい…
「塩原多助一代記」を予習しておいたので、ただいま多助ブームの真最中!
仲入り後は「大工調べ」である。うれしい!大好きな噺だ。
この噺は職人の啖呵だけど、今日の小満ん師匠は絶好調!
政五郎の棟梁としての貫録と…一方の職人ゆえのぞんざいさ、
相反するようなこれらの要素が同時ににじみ出てこなくてはいけないのであり、
与太郎を叱り付けているようで…実に面倒見のいい…大きな心の持ち主であって、
そんな政五郎と抜けている与太郎のやり取りは、やはり何とも魅力的である。
そこに因業大家の源六が絡んできて、これまたこの上ない憎まれキャラなのであり、
「大工調べ」は面白いし、言葉のすれ違いが引き起こす大事件は傑作だ。
小満ん師匠はもちろん、お恐れながらと訴え出てのお白洲の場面もありで…
ここは通常の寄席では時間の関係で聞けないのだが、弱きものが勝って!
やはりその結末まで…成り行きを知りたいし、「大工調べ」はこうあってほしい!
ということで…次回は7月18日(木)第117回 横浜 柳家小満んの会
演目は「たがや」「三年目」「鰻の幇間」の三席です。
これぞ夏の噺!…梅雨も明けて、暑くなっているだろうか?

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