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2013年7月15日 (月)

柳家小満ん「在庫棚卸し」

今日は小満ん師匠の「在庫棚卸し」第7回で
暑いし、寄り道していたら汗だくになってしまうので…
真っ直ぐに四谷三丁目へ…荒木町の橘家である。
中は涼しいし、噺で暑さを忘れる…夏は落語に限る!
今日も日中は猛暑であったと思うのだけど、
それを知らずに一日過せたのだから…救いだ!
噺の方も夏の季節感を満喫できたのであった。
「海の日」で祝日だけど…お盆の15日と思いたい。
落語って、そういう想いに気づかせてくれるので、
夏の風情、江戸の名残を感じるのは貴重なことだ。

柳家小満ん「在庫棚卸し」第7回
柳家小満ん:かぼちゃ屋
柳家小満ん:幽女買い
柳家小満ん:鰻の幇間

売り声のマクラから…与太郎がおじさんに呼ばれて、
これは「かぼちゃ屋」である。この噺も柳家の定番というイメージだが、
四代目の柳家小さんが、落語研究会で「唐茄子屋」を出しておいて、
誰もが「唐茄子屋政談」と思っていたところで…上方の「みかん屋」を
唐茄子(かぼちゃ)にして演じて、びっくりさせた!という…
そんなエピソードが残っているそうである。実に面白い!いい話。
噺の方も面白いのである!おじさんから「上を見ろ」といわれて、
つまりは掛け値をしろということなのだが、お客がああだこうだと
かぼちゃを選んでいる間、ずっと上を向いている与太郎…かわいい!
下を向いたら…売り切れで、それに驚く姿はますますかわいい。
「お客のいうことを聞かなきゃいけないよ」と教えられたから
言いなりになっているし、なんて素直な性格!…そんな与太郎さん。
ほのぼのとした空気が心地よいし、かぼちゃと空を見上げた太陽で
すごく夏を意識させるのだが、そこに暑さは感じさせない。素敵!
夏といわずに…夏の風情である。軽やかに楽しい気分で開幕。
続いて二席目は、ここでお盆の15日…江戸のお盆を感じつつ…
ちらっと「魂の入れ換え」かな?と思ったのだが、いや違う!
もっと夏らしい…お盆にぴったりな「幽女買い」であった。
どんな噺だろう…と思って、録音では聞いたことがあったのだが、
実演でははじめてだ!うれしくなってしまう。思わず気合が入る。
この噺もめったに聞けないけれど、本当に面白い。爆笑だ!
三途の川の手前で…ここは冥土だよ!紙の六文銭が懐に。
死んだ瞬間、病は治るし、痛くも痒くもない…何ていいところ!
縁起の悪い「四」とか「死」が喜ばれ、陰気な空気が好まれる。
そんな言葉が立て続けに並んで…それがおかしくてたまらず、
しかしここがまた、暑さを忘れる清涼感でもあって、不思議な魅力だ。
幽霊…といっても味な存在だけれども…青白いのがいいそうで
そういうのを聞いていても…噺の色付けに涼しさを感じる。
あの世の寄席では、初代可楽、初代志ん生、そして圓朝!
しかし圓朝は「無舌居士」で閻魔さまに舌を抜かれたから喋れない…
それでも圓朝の弟子は名人揃い…圓喬、圓馬、圓左、圓右、…
それにステテコの圓遊にラッパの圓太郎、楽しくなってしまう。
なんだか幸せな気分になってしまった。陰の噺で…こちらは陽に!
仲入り後、夏の気分はますます高揚して、「鰻の幇間」である。
これがよかったのだ。思わず乗り出してしまった。一八が絶品。
小満ん師匠の幇間って、大好きなのだけど、今日の高座も
文楽師匠が舞い降りてきた。以前「つるつる」のときも感じたけれど
パッと光が差してくるような…この華やかさが文楽譲りだと思う。
前半に一八が穴釣りをする場面があって、羊羹二竿をもって、
世話になっている姉さんのお宅を訪問するところ、おっ来た!
今日の一般形となっている古今亭の「鰻の幇間」とはちょっと違う。
文楽師匠から伝わっている「鰻の幇間」ということだが、
しかし晩年の文楽師匠は、噺をコンパクトにまとめる傾向で
やはり「羊羹」は省略していたらしい。この「羊羹」の場面が、
本来の前半部分ということか?現在は後半の丘釣りに絞られる方向。
しかしそれにしても…一八の無駄に勢いがあって、それが実に適当で
すべてがふわふわと軽い印象…本当にこの一八が何ともいい。
しかしそれが、手銭でやっていると気付いた途端に…厳しくなって、
店の女中に説教をする場面、芸人魂というか、幇間にも誇りがある!という
この変化の切れ味、噺のメリハリで…笑いが感動に変わってしまうのだ。
小満ん師匠の「鰻の幇間」であるが、実はもう一度聞けるチャンスがある。
木曜日(7月18日)の横浜での「柳家小満んの会」で、楽しみだ。期待!
そして次回の「棚卸し」は8月3日の土曜日だそうである。予約した!

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