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2013年9月15日 (日)

第118回 柳家小満んの会

今回の「柳家小満んの会」は20周年ということで
日曜日の昼間に開催である。しかし台風18号の影響で
朝からの激しい雨には驚かされた。でも関内の会は近いので
嵐でも…覚悟して、出掛けようと思っていたのだが、
昼には明るくなって、雨にも降られず会場に着くことができた。
ついている!会も順調に行われて、本当によかった!

林家木りん:動物園
柳家小満ん:猿後家
柳家小満ん:成田の間男
柳家小満ん:猫久


「猿」と「猫」で動物の噺特集という印象もあるけれど、
「成田の間男」には動物は出てこないような気もして、
「取り返しがつかないこと」というのが、今回のテーマか?
ちょっとわからないのだが、何となく…そんな気もしていて、
「口は災いの元」「一度、口から出た言葉は決して取り消せない」など
「猿後家」では、「猿」といってしまったから…もう取り返しがつかない。
「成田の間男」も…事情はあったけど、間男は取り返しのつかない事実。
「猫久」も普段は猫のように大人しい久六さんが、ちょっとした間違いから
とんでもない大騒動を引き起こす…というところからはじまるのであり、
実際に取り返しのつかないことを仕出かしたのか?それは謎だが、
この辺が共通の三席なのかな…って、聞き終えての感想である。
開口一番に木りんさんが、噺は「動物園」で…そのマクラで
上野動物園と野毛山動物園の話題も出てきたのであり、
「猿後家」の中で上野動物園を危ういところで避ける場面があって、
その辺を狙ってのネタ選びなのかな…と面白かった。
もしかして小満ん師匠のリクエスト?考えすぎかな?
お馴染みの「猿後家」だが、「猿」という言葉に反応して、
ヒステリックに怒るおかみさんだが、「キー」って、引っ掻きそうで
ここは小満ん師匠のオリジナル?なのか…やっぱり面白い!
猿に似ていることを嫌いつつ…やっぱり猿なのだ!という。
オチの「木から落ちた猿同様で…」というのを…土壇場で
善さんが「木から落ちたサクランボウ」と切り抜けるのは、
そのサクランボウがかわいらしいし、ここで連想させるもの…
頭の中を支配していた猿のイメージが…きれいなサクランボウに
後味よくサゲる…のに、小満ん師匠ならではのセンスが感じられて、
うれしくなってしまった。猿にそっくりなおかみさんだなんて、
この噺はとにかくブラックな内容で…しかし終わりはきれいに!
というのは、聞いているこちらにとっても気持ちのいい展開である。
落語には、いろいろ酷い噺もあって、しかしそういうのも落語であり、
人の容姿をネタに笑っている…というのは、実はよろしくない…
そんなことは誰もが気付いていて、その辺を上手に解決!というのが、
小満ん師匠のひと工夫というか、素敵だな…と輝きの瞬間であった。
続いて「成田の間男」で…小満ん師匠のこの噺は大好きだ!
深い事情があって、亭主のために…子供のために…と
質屋の旦那と間男してしまうおかみさんはかわいそうなのだが、
そんなにしんみりしてばかりではない、カラッと軽くもっていくあたり、
そうしたところは落語だなって思う。楽しい内容ではないのだが、
印象は明るく、つい笑ってしまうところも少なくない。そうしないと…
この噺も深刻になって、かわいそうで聞いていられない…ということか。
本当は質屋の旦那も真面目な人だけど…それが分別を失ってしまい、
一方の借金まみれの道外れた亭主が、かみさんに間男されて、
急に頼もしくなって、しっかりとした行動に出るのだから…
不思議な展開である。そうしたちょっとした過ちが引き起こす騒動、
それがクローズアップされていくところにこの噺の面白さがあるのか。
間男の現場に…成田に行ったはずの亭主が乗り込んできて、
おかみさんが必死に謝り、つづらの中の旦那をかばって、
息が上がってしまうおかみさんと冷静に責めたてる亭主、
その描写の迫力…緊迫感はすごかった。今日一番の感動の場面。
仲入り後は「猫久」である。小満ん師匠の「猫久」もお気に入り!
特に好きなところがあって、「猫久」というとそこを聞いてしまうのだけど
「どうするんだよ。お昼のおかず、イワシ!」とおかみさんが絶叫の場面。
でもこのイワシが、猫に狙われて、頂かれちゃうのがオチだから
その点では、やはり重要ということか。噺の小道具にすぎないのだけど。
猫さん(久六さん)にも長屋の猫にも…猫にやられっぱなしの噺である。
久六さんのおかみさんは立派な人で…しかしその正しい行動のひとつひとつを
変わりもの扱いしていく場面、ここも面白いのだが、会場も大盛り上がり。
お侍さまや髪結い床の親方も…登場人物はいろいろで…その鮮やかな描き分け、
盛り上がっていくテンポ感、師匠の「猫久」はやはり絶品だ!ますます好き。
今日も楽しかった。充実!台風大雨の合間をぬって、幸せのひとときだった。
ということで…次回は11月18日(月)第119回 横浜 柳家小満んの会
演目は「お七」「陸奥間違い」「宿屋の富」の三席。楽しみである!

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