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2013年10月31日 (木)

エレーヌ・グリモー

グリモーの最新盤でブラームスのピアノ協奏曲第2番。
アンドリス・ネルソンス指揮ウィーンフィルと協演。
2012年11月にウィーン楽友協会大ホールで収録。
グリモーのピアノは、明瞭な響きと鮮やかなテクニックが特長で
しかし音楽が小さく収まることはなく、じっくりと雄大に歌い上げている。
遅めのテンポで音楽の構造が解剖学的に分析される傾向があるが、
そこは作品の歌謡性をたっぷりと引き出して、まさに絶妙な仕上がりか。
この第2番は、ブラームスの作品でもイタリア的な明るさが魅力だが、
その点ではウィーンフィルの暖かみのある音色がやはりぴったりだと思う。
そしてアンドリス・ネルソンスの解釈がまた独特の表情を創り出していて、
楽しませてもらった。この感動は…交響曲が聞きたくなってしまうかも。
ウィーンフィルのブラームスを聞ける点でも満足度が高いのである。

DG 00289 479 1058

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2013年10月30日 (水)

圓生百席 「夏の医者」「田能久」

圓生百席から「夏の医者」と「田能久」を聞いている。
今回の二席も夏の名残という印象で…テーマはというと
山越え、峠越えで蟒蛇(うわばみ)に遭遇してしまう噺。
人も飲み込む蟒蛇は、落語ではお馴染みの存在だが、
「田能久」は四国阿波が舞台であり、「夏の医者」も
場所はわからないが、田舎の噺で…独特の設定である。
「夏の医者」って、蟒蛇に飲まれるのは恐ろしい展開だが、
見事に帰還を果たすのであり、なかなかにかわいらしい噺。
圓生百席でも20分ほどで短いが、味わい深いのである。

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2013年10月29日 (火)

フランクフルト歌劇場2010

セバスティアン・ヴァイグレ指揮フランクフルト歌劇場による
ワーグナーの「ニーベルングの指環」から楽劇「ラインの黄金」
2010年5,6月にフランクフルト歌劇場におけるライブ録音。
昨日に続いて、後半の第3場途中から第4場を聞いている。
第3場の地下に広がるニーベルング族の場面など
音楽は精妙で室内楽的な効果も重要だけど、実に冴えてくる。
こちらの耳がすっかり音に慣れてきたということだ。
地の底から鳴り響くワーグナーの低音もよく聞こえてくるが、
あまり深みの感じられる音作りではなく、その辺に関しては、
バイロイト音楽祭においても同様の印象であったので、
ヴァイグレのイメージは、やはりこの方向なのだろう。
ライブ録音の性格もあるが、歌手も誰かが突出するのではなく、
出演の歌手がみなで舞台を創り上げている感じである。
「ラインの黄金」は、元々そうした傾向もあると思うのだが、
それが「ワルキューレ」以降、どのようになってゆくのか?
続きが楽しみだ。ここで物語の中心にいるウォータンは、
テリエ・ステンスヴォルトで…おそらく今回はじめて聞く。

OEHMS OC939

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2013年10月28日 (月)

フランクフルト歌劇場2010

セバスティアン・ヴァイグレ指揮フランクフルト歌劇場による
ワーグナーの「ニーベルングの指環」から楽劇「ラインの黄金」
2010年5,6月にフランクフルト歌劇場におけるライブ録音。
今日はその前半で第3場の途中までを聞いている。
バイロイト音楽祭の「ニュルンベルクのマイスタージンガー」で
お馴染みの存在となったセバスティアン・ヴァイグレであり、
このフランクフルトでの「ニーベルングの指環」は大注目であった。
早く聞きたかったのだが、「ラインの黄金」から「神々の黄昏」の
全四作品がひとつにまとまるのをずっと心待ちにしていた。
この秋は、「ラインの黄金」から順番に聞いていきたいと思う。
オーケストラが近く、歌手がその向こうにいる…この距離感は、
いかにも歌劇場でのライブ録音という印象なのかもしれない。
セバスティアン・ヴァイグレの指揮は丁寧な仕上がりだが、
主導動機など、聞こえてほしいところで…曖昧な場面もあり
ティーレマンの「指環」が耳に残っていたりすると
どうしても淡白に聞こえたりもする。方向性の違いであり、
それが悪いということではなくて、この音に慣れればいい。
というのは、いまはまだ「ラインの黄金」の聞きはじめなので、
これから「指環」が進んでいく中で…実に楽しみである。
それは最初の感想であって、二度目を繰り返してみる段階で
すっかりこの音色が心地よく…やはり「ラインの黄金」は感動的!
物語としては序章だが、音楽的には…私は大好きである。

OEHMS OC939

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2013年10月27日 (日)

横浜の風景から 329~帷子川

台風も過ぎて、きれいな青空が広がったので
昼からちょっと出掛けて、帷子川沿いに歩いてみた。
鶴ヶ峰駅を出発して、都岡を経由し、上川井まで。

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旭区鶴ヶ峰本町1丁目にて、旭区役所の近くだが、
厚木街道の下を帷子川が流れるトンネルである。

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今川橋にて帷子川の下流方向を見ている。

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今川橋にて帷子川の上流方向を見ている。

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公園橋にて帷子川の下流方向を見ている。
鶴ヶ峰本町公園の前にある橋。

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高山橋にて帷子川の下流方向を見ている。
この橋から先は旭区今宿南町に入る。

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今宿南橋にて帷子川の上流方向を見ている。

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都岡橋にて帷子川の上流方向を見ている。
正面に見えるのは、中原街道の御殿橋。

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中原街道の御殿橋から帷子川の下流方向である。
天正18年(1590)の徳川家康の江戸入城の際も
この橋を通行したそうで、相州高座郡にあった
中原御殿に行く途中に…この付近でお茶をたてたので
字名に「御殿丸」という名が付き、橋の由来となった。

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下川井橋にて帷子川の下流方向を見ている。

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吹上橋にて帷子川の上流方向を見ている。
川沿いの遊歩道は、ここで終わりだ。

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明神橋にて帷子川の下流方向を見ている。
旭区川井本町の周辺は、帷子川は蛇行している。

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らーめん千家の上川井店で一杯食べて、
ここで帷子川を離れ、三ツ境経由で帰宅した。
千家は二度目になるが、ここはおいしい!
モチモチ食感の麺にスープがよく絡む。

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2013年10月26日 (土)

ラサール四重奏団 2

1977年のラサール四重奏団の演奏で
ツェムリンスキーの弦楽四重奏曲第2番を聞いている。
1977年6月にハノーヴァーのベートーヴェン・ザールで収録。
ラサール四重奏団のツェムリンスキーを収録順に聞いていきたい。
このCDは大学生の頃よく聞いていたのだが、実に久しぶりだ。
どんな曲だったか?すっかり忘れてしまうほどに久しぶりだ。
というのもラサール四重奏団によるこの演奏でしか聞けない…
それぐらいにツェムリンスキーの弦楽四重奏曲は珍しいのである。
マーラーから新ウィーン楽派への橋渡し…ということがいわれるけれど
現代音楽ではないが、なかなかの新しい響きも含まれている。
保守的な印象と明らかに斬新な手法とが複雑に混在しており、
難解なイメージを与えるが、聞きこむと味わい深い作品である。

DG 427 421-2

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2013年10月25日 (金)

マウリツィオ・ポリーニ 3

今日もポリーニの昔の演奏でベートーヴェンを聞いている。
ピアノ・ソナタ作品27と作品28で…第13番から第15番。
1991年5,6月にミュンヘンのヘルクレスザールで収録。
本当に素晴らしい。この圧倒的な鮮やかさは快感である。
ベートーヴェンの重厚な音色という先入観はあるので、
1992年の発売で…最初にこのCDを聞いたとき、
あまりの歯切れよさにびっくりして、ショックで言葉を失った。
それから20年である。ポリーニならではの響きの美しさ、輝き、
同時に豪快ともいえる力強さが共存して、奇跡のような完成度。
もちろん現在のポリーニもいいけれど、この1980年代半ばから
1990年代前半のポリーニって、私にとっては格別である。

DG 427 770-2

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2013年10月24日 (木)

マウリツィオ・ポリーニ 2

ポリーニの最新盤でベートーヴェンのピアノ・ソナタを聞いたが、
久しぶりに1980年代の演奏を聞いてみたくなり、出してみた。
第17番「テンペスト」、第21番「ワルトシュタイン」、第25番、
第26番「告別」で1988年6月にミュンヘンのヘルクレスザールで収録。
後期のピアノ・ソナタから10年ぶりのソナタ録音は中期の傑作が選ばれ、
「テンペスト」「ワルトシュタイン」「告別」で評判になった名盤であるが、
やはり隅々にまでクリアで…この明解さはこの時期ならでは…であろう。
現在のポリーニは、また少し違った仕上がりへと向かっているのであり、
今日のような自由さはないので、どこまでも真面目に…堅い印象も受ける。
第16番と第18番が未だ録音が存在せず、作品31の三曲でまとめられ、
「テンペスト」は近く再録音が実現するのではないかと期待しているのだが、
その真面目さと手堅さでは、このときの「テンペスト」はまさに真剣そのものだ。
現在の方がもっと面白くって、ドキドキする緊張感が得られるのではないかと。
「ワルトシュタイン」に関しては、10年も経たない1997年に再録音が行われ、
でもこの1988年の演奏も素晴らしくって、私はたいへんお気に入りである。
それはここで聞いてもやはり同じ感想であった。第25番も圧倒的凝縮度で
「告別」もいいと思うし、しかし近年も演奏しているようなので…気になるが。

DG F00G20402

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2013年10月23日 (水)

10月23日の昼食~仙人小屋

麦草峠から蓼科へ下って、原村や富士見町を経由し、
八ヶ岳鉢巻道路を通って、北杜市大泉町へ戻ってきた。

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ちょっと遅くなっての昼食は、
「仙人小屋」に連れてきてもらった。

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建物の外には熊の皮が掛けられている。
中に入ってみて、ここは知っている!
テレビで見たことがあった。驚き!
私はキノコ天ぷらの定食を注文したのだが、おいしい。
大量のキノコである。みそ汁にもキノコが大量。感動。
鹿肉も注文して、みんなで食べたのだが、これがまた最高。
お腹いっぱいで大満足。この味は当分の間、忘れられない!

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今日の風景から~麦草峠

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長野県南佐久郡佐久穂町の麦草峠。
標高2127m。白駒池の近くである。
ここも実は二度目で…でも25年ぶりぐらい。

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松原湖から麦草峠まで上ってくると
すっかり霧に包まれて、かなり深い霧だが、
真っ白で何も見えないのだけど、実に美しい。

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麦草峠の周辺はカラマツの林が広がっており、
カラマツは落葉樹だが、きれいに紅葉している。
しかしここよりも下ってしまうと紅葉はまだ早い。

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今日の風景から~松原湖

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長野県南佐久郡小海町にある松原湖。

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松原湖へは、子供の頃に一度来たことがあって、
といっても…考えてみると30年以上前のことだが、
記憶はあるのだけど、あまりに久しぶりすぎて、…。

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松原湖のスワンのボートはよく覚えていて、
30年たった今も健在であった。懐かしい。

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松原湖から山の方へ上っていくと
コンクリート打ち放しの建物が目に入り、
「小海町高原美術館」だったのだが、
気になったので、すぐに調べてみたら、
なんと安藤忠雄の設計による美術館であった。
外からちらっと見たのだが、時間もないので
今度来たときには、ぜひ内部も拝観してみたい。

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今日の風景から~甲斐大泉

朝の散歩にJR小海線の甲斐大泉の駅へ。

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最近は「八ヶ岳高原線」で親しまれている。
甲斐大泉の次が清里である。

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タクシーが一台止まっているが、
駅のまわりは静かで…人も歩いていない。
かわいらしい小さな高原の駅。

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2013年10月22日 (火)

10月22日の感想~北杜市へ

山梨県北杜市の叔父の家に祝い事があって、
両親とお邪魔してきた。一泊の小旅行。

中央道の長坂インターから10分ほど
山の方へ上ったところだけど
標高は1100mぐらいだそうで
きれいに紅葉した近所の風景。

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赤松の森が広がっているが、住宅地の周辺には
高原ならではの白樺の木も植えられている。

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2013年10月21日 (月)

ザルツブルク音楽祭1978

ザルツブルク音楽祭1978から8月23日に
祝祭小劇場で行われたリート・コンサートのライブ録音で
シューベルトの歌曲集「冬の旅」D.911を聞いている。
ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウのバリトン、
マウリツィオ・ポリーニのピアノによる演奏である。
ポリーニ・マニアとしては、この録音は有名であり、
実は以前から海賊盤が出回って、私も持っていた。
しかし今回は、ORFの音源からの正規盤であり、
ついに出たか!と…このCDも飛びついたのである。
聞いての印象は変わらないが、ポリーニが若いので
ちょっと音が硬いかな…というのは、ここでも感じる。
やはり思うけど、自由度の増した現在の円熟の演奏で
シューベルトの歌曲集を聞いてみたいと…それは憧れだ。
ポリーニのシューベルトの歌曲、合唱曲の演奏は、
度々企画されており、紀尾井ホールでの実演も聞いたけど、
「冬の旅」に関しては、その後の記録ってあるのだろうか?
フィッシャー・ディースカウの歌声は圧倒的である。感動。
この張りつめた緊迫感と迫力にポリーニも気合いが入る!
1980年代以降のフィッシャー・ディースカウは、もっと力も抜けて、
柔らかい語り口や穏やかさも聞かれたが、この1970年代後半は
まだまだ凄まじい…強靭な歌声にしびれてしまう。偉大な記録。
シューベルトの歌曲集「冬の旅」は本当に素晴らしい作品だが、
しかしその中でもフィッシャー・ディースカウは格別という気がする。

ORFEO C 884 131 B

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2013年10月20日 (日)

マウリツィオ・ポリーニ

ポリーニの最新盤でベートーヴェンのピアノ・ソナタ。
第4番 変ホ長調 作品7、第9番 ホ長調と第10番 ト長調の作品14、
再録音となる第11番 変ロ長調 作品22の4曲が収録されている。
2012年1月にルツェルン文化会議センターコンサートホール、
2012年5,6月にミュンヘンのヘルクレスザールでの録音だ。
同じくこの秋発売のザルツブルク音楽祭1978の「冬の旅」と一緒に
ずいぶん前から注文してあったのだが、今朝届いて、早速に聞いている。
流れるような…走り出したら決して止まらないこの音楽進行は独特である。
といって、ポリーニはきれいにまとめているだけでなく、ベートーヴェンが記した…
音に込められた強靭なエネルギーをまるで塊のように…立体的に描き出し、
そうした表現は、ますます顕著でもあって、ギクシャクしているような印象も。
ゴツゴツとした握りこぶしのような仕上がりは昔からであり、それは歓迎で
しかし録音の点で、かなり残響が長く、マイクの位置が遠いのか?
速いところでの細かい動きが聞きにくい…明瞭度というか、解像度というか、
ハッキリとクリアに聞かせる部分では、昔の録音との違いを感じる。
その辺りがポリーニの技術的な部分における変化なのか?どうなのか?
しかし現在の歳を重ねたポリーニが、スピード感覚の点でテンポを遅くする…
ということは一切しないし、力強さにおいても音楽はますます若々しく、
ここで聞ける音楽の生命力、感動の大きさには、やはり最上の喜びだ。
長い年月で…ポリーニによるベートーヴェンのソナタ録音も揃ってきたが、
その一方で1970年代の後期のソナタや1980年代の中期のソナタなど、
現在のポリーニで聞いてみたいものも多く、今回の第11番のように
再録音も期待してしまうのだけど、ぜひともそれは実現してほしい。

DG 00289 477 8806

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2013年10月19日 (土)

ゲオルグ・ショルティ 20

サー・ゲオルグ・ショルティ指揮シカゴ交響楽団で
ショスタコーヴィチの交響曲第10番を聞いている。
1990年10月にシカゴのオーケストラ・ホールでライブ収録。
このCDは、私がちょうど大学に入ったときに発売されたもので
その頃よく聞いていたのを思い出す。しかし逆にいえば、それ以来で
久しぶりに出してみたけれど、改めて新鮮な気持ちで聞けるという…
懐かしさもあるのだが、ショルティの指揮、録音には古さを感じない。
実にショルティらしい演奏で、それがショスタコーヴィチにはふさわしく、
シカゴ交響楽団の気合いの凄まじさ、迫力、それはすごい緊張感である。
音楽に向き合う姿勢、ショルティのコントロールはこの上なく厳しいのであり、
オーケストラの突進する勢い、畳み掛ける躍動は硬質な感触を伴って、
スポーツというよりも…ほとんど戦闘といった印象だ。独特である。
後半の盛り上がりは大興奮で、会場の熱狂的な反応もうれしい。

DECCA 433 073-2

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2013年10月18日 (金)

ケント・ナガノ 6~ベートーヴェン

ケント・ナガノ指揮モントリオール交響楽団による
ベートーヴェンの交響曲シリーズを収録順に聞いている。
昨日に続いて、今日は交響曲第6番「田園」である。
2011年4月27-29日、5月4,5日にモントリオールで収録。
こちらも何とも心地のよい時間が流れる。響きは明るく、快適だ。
ピリオド寄りの解釈は、素朴で自然体な音色を引き出しており、
角笛を思わせるホルンなど、まさに田舎の長閑な風景をイメージさせる。
テンポ設定はここでも速めで、しかしそれで攻撃的な印象に陥ることはなく、
何よりも気持ちいいのである。ケント・ナガノの緻密なコントロールが、
細部にまで冴えわたっており、透明で明瞭、実に清々しい仕上がりだ。
新鮮さと同時に現代における普遍性も兼ね備え、感動的なベートーヴェン!
次回はいよいよ交響曲第9番「合唱付き」を聞きたいと思う。

SONY 88697923602

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2013年10月17日 (木)

ケント・ナガノ 5~ベートーヴェン

ケント・ナガノ指揮モントリオール交響楽団による
ベートーヴェンの交響曲シリーズを収録順に聞いている。
今日は交響曲第8番と大フーガ(弦楽合奏版)で
2011年4月27-29日、5月4,5日にモントリオールで収録。
実に気持ちのいい演奏。明快でスッキリとした響きが基本だが、
テンポ設定も速すぎることはないし、自然のうちに引き込まれてしまう。
交響曲第8番は、ベートーヴェンの交響曲の中では小規模な方だが、
それを大きく聞かせようなどということはしないし、コンパクトにまとまりよく、
でもそこで…ベートーヴェンの緻密な書法をくっきりと鮮明に描き出すので
その音楽の素晴らしさに改めて唸ってしまうのである。これは感動的だ!
隅々にまで深く考え抜かれた響き、たくさんのことを短い時間の中に
凝縮させていく密度の高さ、この辺は続く「大フーガ」へとつながる…
そういう企画のようである。本当に面白いし、この発想は最高!

SONY 88697923602

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2013年10月16日 (水)

パヴェル・ハース四重奏団 1

チェコの若手カルテットでパヴェル・ハース四重奏団を聞いている。
ヤナーチェクの弦楽四重奏曲 第2番「ないしょの手紙」
パヴェル・ハースの弦楽四重奏曲 第2番「猿の山々から」
2006年4月28-30日、5月13-15,24日にプラハで収録。
これは素晴らしい!作品も大好きだし、演奏も最高だ。大満足。
ハースの方がヤナーチェクよりも後の作曲家のように思うけれど
ここでの二人の作曲家による弦楽四重奏曲 第2番は、
ハースの方が1925年の作曲であり、ヤナーチェクの「ないしょの手紙」は、
作曲者が亡くなった1928年の作品で…ヤナーチェクの方が後である。
二人ともモラヴィア地方のブルノで音楽を学んでおり、そうした共通点か?
それぞれの個性は違っても…作品の方向性は近いものを感じる。
ユダヤ系のハースの作品は、ナチスによる退廃音楽としても知られるが、
1941年に強制収容所に送られ、1944年に処刑されている。

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2013年10月15日 (火)

圓生百席 「三十石」

今日は圓生百席から「三十石」を聞いている。
すっかり秋だが、旅の噺で夏の名残の印象もある。
上方噺で「三十石」の本来のオチというと
船の上で闇に乗じて、泥棒が五十両の金を盗み、
途中で降りてしまうのだが、船頭が機転を利かせて、
船の向きを変えて、川を上ると泥棒が再び乗り込んでくる。
そこを捕まえて、無事に五十両が戻るという展開。
しかしここでの圓生師匠のオチは別の型であり、
江戸っ子が啖呵を切って、食らわんか船を追い返したので
乗客のひとりが、腹が減ってしまって、ろくろっ首で…
首を伸ばして、向こう岸のうどんを食べている。
これは四代目橘家圓喬が、大阪から東京へ
この噺を移したときに作ったオチだそうである。
圓生師匠によると橘家圓喬は舟唄はなしだったそうで
噺の中で舟唄を歌ったのは、五代目の三遊亭圓生。
六代目圓生の義理の父であるが、それを覚えて、
ここでも演じられている。この船の情景が感動的!

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2013年10月14日 (月)

今日の風景から~大和市

夏以降、すっかりサボっているので、三連休の最終日で
歩かないといけない!ということで、三ツ境まで歩き、
相鉄線で大和へ…地図も持たずにのんびりと歩いてきた。

20131014a

大和駅からは歩いて数分の場所で、
大和市大和南1丁目にある大和天満宮。
こちらは今回で二度目のお参り。

20131014b

実は何で大和に来たかというと…今日の目的はこちらのお店。
このところ家系ラーメンを食べていなかったので…禁断症状。
大和市深見にあるラーメン鶴見家の大和店に行ってみた。
しょうゆ(並)680円を麺かためで注文。おいしかった。
家系のクリーミーといわれるスープで…まろやかな味。
これは私の好みだ!極太麺とよく絡む。また行こう!

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しばらく歩いて、大和市上和田の左馬神社にお参り。
お馴染みの神社だけど、今年だけでも何度目か?
この辺はよく歩いているということである。

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境川の方へ下り、大和市上和田の宮久保橋である。
上流方向で…北の方角を見ている。

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同じく宮久保橋で…境川の下流方向を見ている。

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やはり境川で…橋の名前が表示されていないのだが、
宮久保橋から下流へ向かった隣の橋である。
この後、薮山橋で相沢川を渡って、横浜市に入り、
日向山から宮沢を経由して…日も暮れてから帰宅。

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2013年10月13日 (日)

今日の月は…月齢8.1

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この三連休は、澄んだ青空が広がっているが、
昨日の上弦の月の後で今日は月齢8.1の月。
日没の直前で17時05分に南東の空である。
今度の土曜日(10月19日)が満月(月齢14.1)だ。

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2013年10月12日 (土)

横浜の風景から 328

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渡戸橋で境川を渡ると横浜市である。

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横浜市下飯田町で…ここに来たら、
いつもながらの左馬神社にお参りするが、
森に囲まれているので、真っ暗だ。

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相鉄いずみ野線のゆめが丘駅にやっと到着。
すっかり日も暮れて、駅のまわりは暗闇に包まれる。
ゆめが丘って、昼間も人が少ないのだが、
暗くなったら、ひどく寂しい場所である。
誰もいない改札を通って、ホームに上がっていくと
なんと!富士山が見えた。夜の訪れは美しい。

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今日の風景から~藤沢市

相鉄いずみ野線で終点の湘南台まで行って、
西の方面へ…藤沢市を歩いてきた。

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円行、石川を経由して、藤沢市菖蒲沢へ。
「六地蔵」という交差点があるのだが、
お地蔵さまは見つからなかった。
その少し先に…道祖神と馬頭観世音を発見。
道祖神が二基あり、こちらは双体道祖神。

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双体道祖神の左手に道祖神(文字塔)と馬頭観世音。
左の石塔は新しいが、「長蛇供養塔」とある。

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藤沢市菖蒲沢にある若宮神社。
まわりに何もない場所で…道も舗装されていないし、
地図をきちんと調べて行かないとたどり着けない。

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藤沢市菖蒲沢にある豊受大神。
社殿が新しく、建て替えられたようで立派だ。

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豊受大神にお参り。「神大受豊」の文字の横に
平成元年四月吉日とあるが、社殿はそれより新しそう。

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藤沢市葛原に入るが、「南葛野」という交差点は、
古くは「塩井淵の辻」と呼ばれていたようだ。
「湯殿山月山羽黒山大権現」が祀られている。
相模國高座郡葛原郷講中の造立による石塔。

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「塩井淵の辻」からすぐの場所で
藤沢市葛原にある皇子大神。
横に由来が刻まれているが、立派な鳥居だ。
こちらにも「湯殿山月山羽黒山大権現」が祀られており、
この辺りは出羽三山神社参拝が熱心に行われていたようだ。

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長い参道を歩いて、皇子大神にお参り。
今回はここで引き返すことにする。

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藤沢市葛原から少し綾瀬市に入って、
上土棚南5丁目にある丸山大神宮。

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丸山大神宮の入口には庚申塔(右)があった。
青面金剛像と三猿の庚申塔だが、劣化がひどく、
かすかに読めたのは、「享保十七子霜」とあり、
1732年11月(霜月)の造立である。干支は「壬子」。
左の石塔は、ここでも「湯殿山月山羽黒山供養塔」であった。

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綾瀬市上土棚南5丁目から再び藤沢市に入り、
下土棚の分かれ道のところに「左大山道」の道標。
これに従えば、写真の左の道が「大山道」である。

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藤沢市下土棚で引地川を渡る。
すっかり夕方になってしまった。

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小田急江ノ島線の線路をくぐり、藤沢市高倉に入って、
境川の方へ下っていくが、お馴染みの七ツ木神社。
サバ神社のひとつに数えられており、何度も訪れている。

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藤沢市高倉の農業地区だが、稲刈り後の秋の風景である。

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こちらも藤沢市高倉で…稲刈り前の作物を
案山子(かかし)がしっかり見張っている。
日も沈んでしまった。急がなくてはならない。

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2013年10月11日 (金)

ドーリック弦楽四重奏団 1

イギリスの若手カルテットでドーリック弦楽四重奏団を聞いている。
シューベルトの弦楽四重奏曲で「ロザムンデ」と「死と乙女」
2012年4月10-12日にダンウィッチのポットン・ホールで収録。
ドーリック弦楽四重奏団を聞くのははじめてだが、これがすごい。
少し聞いただけで…あまりの衝撃に叩きのめされたようである。
強い孤独感、その緊迫した空気、こんな演奏は聞いたことがない。
「ロザムンデ」も「死と乙女」も大好きで…多くの演奏を聞いてきたが、
かつて出会ったことのない厳しさで…音楽と向き合う姿勢に感動。
一見したところ…辛口な表現でドライな感触が独特なのだが、
深く考え抜かれて、緻密に…この上なく精妙に描きこまれている。
ノン・ヴィブラートで、表情付けなど…素っ気ない印象もあるのだが、
それは誤りだ!実にデリケートで、心のこもった音楽であることは、
すぐに気付くのである。これほどまでに四人の音色が明瞭に…
積極性とは別の…お互いの響きを確かめ合っての演奏なのであり、
その結果として、極めて合理的な平衡感覚が生み出されている。
ドーリック弦楽四重奏団は注目だ。というよりも私の中で
ここまで夢中になってしまうカルテットとの出会いに驚いている。

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2013年10月10日 (木)

エレーヌ・グリモー

グリモーの最新盤でブラームスのピアノ協奏曲第1番を聞いている。
アンドリス・ネルソンス指揮バイエルン放送交響楽団と協演。
2012年4月にミュンヘンのヘルクレスザールでライブ収録。
楽しみにしていたのだが、その期待に応えてくれる魅力的なブラームス。
さすがにグリモー!という…安定感というか、完成度の高さは保証付きだけど
ポリーニの速度感覚が基準となっている私にとっては、実に雄大であり、
しかしその分、細部にまで描きこまれた表情付けの豊かさは感動的だ。
濃厚で重厚な仕上がりに向かうことはなく、精妙で緻密なコントロールは、
清潔で明瞭、透明感あふれる若々しいブラームス像を築き上げている。
アンドリス・ネルソンスの指揮も明るく…積極性に富んだ音作りだが、
バイエルン放送交響楽団の暖かみのある音色と相まって、実にいい。
もっと渋くって、いぶし銀のブラームスも私は好きで聞いているけれど、
この演奏はその逆を行く…前向きで肯定的なブラームスの表現として、
最上級の名演である。繰り返し聞いてしまった。ウィーンフィルとの第2番も
同時に収録されているので、そちらも期待している。秋はブラームスがいい。

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2013年10月 9日 (水)

圓生百席 「永代橋」「大山詣り」

今週も圓生百席からの二席を聞いている。
夏の名残で「永代橋」と「大山詣り」である。
今回もネタが付くのだが、ここでの共通項は、
事故・災害が起きて、死んだと思っていたら
無事に戻って、めでたしめでたし…という噺。
「永代橋」は、雨で延期されていた深川の祭りで
文化4年(1807)8月19日に実際に起きた事故が、
噺の舞台となっている…そのリアリティは落語では珍しい。
といって、いくら混乱の中でも何ともそそっかしい大家さん。
「大山詣り」も…罰といっても髷を落として、坊主にする…
というのは、命を落とすに匹敵する仕打ちであったようだが、
江戸では、ごく馴染みのあった大山詣りの風景であり、
そこでのひと騒動は、落語で聞くには実に愉快だ!
圓生師匠の情景の描き込みは緻密で…その芸に感動。

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今日の月は…月齢4.1

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台風24号が日本海を通過した後で…強風が吹き荒れた。
天気は晴れたり、曇ったり、気温は高めで夏が戻ったようだけど、
夕方、日没後の西の空で17時28分の夕焼けの写真である。

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その少し前で17時24分、南西の空高く、
雲の隙間の青空に…三日月が姿を現した。
正確には昨日が三日月で…今日は月齢4.1の月である。
これからの暦を調べてみると10月12日(土)が上弦の月、
そして10月19日(土)が次回の満月(月齢14.1)だ。

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2013年10月 8日 (火)

パトリス・シェロー死去

SNSで志ん馬師匠の訃報のニュースが入ってきて、
朝日新聞の夕刊を見たところ、なんともうひとり、
偉大な人物の訃報のニュースが…パトリス・シェロー。
フランスの演出家、映画監督。10月7日に死去。68歳。
シェローといえば、ブーレーズと組んでの歌劇、楽劇の演出である。
1976年のバイロイト音楽祭で「ニーベルングの指環」。
最初は批判の的であった演出も1980年までの5年間の上演で
現在では歴史に残る傑出した舞台として、高く評価されている。
1980年のバイロイト音楽祭でのブーレーズの指揮による
「ニーベルングの指環」のライブ録音は、音楽界の宝だが、
ブライアン・ラージが監督を務めた映像も非常に有名で
シェローの演出も広く知られているけれど、偉大な業績である。

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志ん馬師匠の訃報

10月7日、志ん馬師匠が亡くなったそうだ。55歳。
先月の黒門亭で、まだついこの間のことだけど、
代演になって、その頃、体調を崩されたのか?
何度も聞いていて…明るい笑顔が目に焼き付いている…
そんな噺家さんの急な訃報は、非常にショックである。
よく覚えているけれど、はじめて聞いたのは「寝床」だった。
本寸法の「唐茄子屋政談」も聞いたし、それに「船徳」、
志ん朝一門会では「蛙茶番」も聞いた。今年は聞いていなくて、
調べてみたら、去年の「錦の袈裟」が最後であった。
二年前に聞いた「船徳」の若旦那が、特に印象に残っている。
圓朝まつりのときの賑やかなお姿もよく覚えているけれど、
まだちょっと信じられないような…とても実感がわかない。

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2013年10月 7日 (月)

落語につぶやき 217~小猿七之助

昨日は小満ん師匠の「小猿七之助」を聞いてきたのだが、
師匠の噺は、七之助が博打の咎で追われる身であり、
三年間、大坂に逃げていたのだが、ほとぼりも冷めたかと…
江戸へ戻ってきて、品川に入ったところの「品川宿の場」。
そして「牢払いの場」から「三宅島の叔父殺し」までである。
それよりも前の部分で…あらすじを見つけたので記録しておく。

船頭の七之助と芸者のお滝が、二人船で浅草に向かっていた。
(船頭と芸者は、二人きりで船に乗ることを禁じられていた。)
永代橋まで来ると男が身投げをし、ふたりはその男を助ける。
事情を聞くと酒問屋の若い者で幸吉といい…集金した三十両の金を
渡し船の博打で摩ってしまったという。それはイカサマ博打であり、
七之助は倍の六十両を取り戻してやると幸吉を安心させるが、
そのイカサマの相手が、深川相川町の網打ちで父の七蔵だと知ると
幸吉を大川に突き落としてしまう。佃の鼻をまわり、汐入の中に船を止め、
七之助はお滝の命も貰うという。幸吉の口から七蔵の悪事を喋られると
この先、どうなるかわからない。親のために幸吉を大川に突き落として…
その場を見ていたお滝もまた生かしておくことはできない。
するとお滝は「惚れた男に殺されるのなら本望だ。禁じられた二人船で
ここへ来た私の気持ちがわからないかい」と七之助を口説く。

後半は「お初徳兵衛」にそっくりな展開だが、これが元となって、
七之助とお滝は夫婦になる。それは後の噺で語られる。

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2013年10月 6日 (日)

柳家小満ん「在庫棚卸し」

今日は小満ん師匠の「在庫棚卸し」第10回で
月例となった荒木町橘家での日曜日である。
さすがに10月に入って、涼しくなっていたのだが、
開場の時間には青空も出てきて、少し汗ばむ陽気。
11月になると年末、大晦日の噺が増えてくるけれど
まだその少し手前であって、どんな噺が聞けるのか?
それは楽しみだったのだが、今回もまた…棚卸しで
たいへんに珍しい噺が聞けて、毎度ながら貴重である。

柳家小満ん「在庫棚卸し」第10回
柳家小満ん:小猿七之助~品川宿の場
柳家小満ん:小猿七之助~牢払いの場
柳家小満ん:茶の湯

前回に続いて、導入は品川の話題であり、どんな噺があったか?
頭の中をフル回転させていたのだが、はじめて聞く噺であった。
「小猿七之助」という…芝居の方でも有名だそうだけど、
小満ん師匠の噺は、木村松太郎の浪曲から来ているそうで
落語の方で知られる談志師匠のものとは、別の場面だそうだ。
講談、浪曲のネタというと知らないので…全くの初耳の話題であり、
噺の存在すら知らなかったので…真剣に聞き入ってしまった。
しかしなかなか複雑な展開であり、どこまで記憶に残っているのか?
かなりあやふやなのだが、思い出せるところで書いておきたい。
七之助が博打の咎で、三年ほど大坂に逃げていたのだが、
ほとぼりも冷めたかと…江戸へ戻ってきて、品川宿に入り、
草鞋を草履と履き変えたところである。しかし雨に降られてしまい、
店の軒先で雨宿りをしているのだが、そこは化物伊勢屋という
女郎屋の店先であった。張見世の女郎に煙草を勧められ、
仕方なく上がるのだが、隣の部屋で侍ともめる按摩の女を助ける。
七之助の啖呵に侍は捨て台詞を吐いて逃げ出すのだが、
まだ若い按摩の女から身の上を聞き出すと…父は病気で床に伏し、
七之助という兄がいるのだが、行方知れずで、会うことができない。
その按摩の女は、七之助の妹でお幸であった。自分が兄だと…
名乗り出てやりたかったが、それができない追われる身であり、
七之助のことは友達でよく知っているから…きっと再会できるよう
説得をしてやるとお幸を勇気づけてやる。
小遣いをもたせ、見送ったが、そこで部屋に現れたのが、
三年前に江戸へ残してきた女房のお滝であった。
ここまでが一席目で、再会の「品川宿の場」である。
続いて二席目で…七之助は一刻も早く、罪を償って、
妹の元へ行ってやりたいと奉行所へ自ら名乗り出る。
伝馬町の牢に入るが、ある日、吉原で出た火事が飛び火して、
火が近くにまで及んだために三日間のお解き放ちとなる。
四日目には戻らないといけないのだが、再び品川へ行き、
妹の姿を一目見たいと長屋へ行くのだが、父の七蔵は死に
お幸はよい縁があって、養子にもらわれていった後だった。
お滝にも会っていこうと伊勢屋に向かい、格子の隙間から
ちらとお滝の姿を拝めたのだが、このままの罪人の格好では
店に上がれず、古着屋で着物と帯、三両の金を都合した。
しかしここで気持ちが揺らいではすべてが台無しなのであり、
気を取り直した七之助は、会わずに伝馬町の牢へと戻っていく。
火事のお解き放ちから決まり通りに四日目に戻ったことにより、
罪は軽減され、その期間も短縮されるはずであったが、
お裁きは延び、他の罪も背負い込むことになって、
三宅島への遠島となってしまう。そこで会ったのが、
女房のお滝を品川の女郎へと沈めた叔父であり、
頭にきた七之助は、叔父を棒で叩き殺してしまう。
ここまでが「三宅島の叔父殺し」で今回の内容であった。
思い出して、書き出してみると…少しずつ甦ってきたが、
こういう噺は何度もじっくり聞き込みたい気分である。
次に聞けたなら…もっと理解が深まりそうだ。
そしてこの三宅島での七之助のその後はいかに!
気になるけれど、小満ん師匠の噺はここで完結か?
仲入り後はお馴染みの「茶の湯」である。
小満ん師匠の「茶の湯」ははじめて聞くので、うれしい!
マクラでお茶の正式な作法やお茶会の話題にふれられて、
「茶の湯」の噺の中ではインチキ作法が横行するけれど、
やはりここはきちんと教えていただいて、正しい茶道のあり方を
イメージできればこそ…噺の面白さはより増すのである。
落語という芸は、師匠から教わった通りに演じるというのが基本だが、
茶道具ひとつにしても…正しい名称、形、大きさ、そして使い方、
それを実体験として心得ているのか?いないのか?というので
演じ方もずいぶんと変わってくる。噺の中では、全く別の…
頓珍漢な使い方をするという展開だけど、本当を知って演じているのと
特に気にせず…習った通りに演じている…のでは違いが出ると
師匠の所作を見ていて、今日はその辺りに気付かされたのであった。
実はここ…たいへん重要なのではないかと。今後、この噺を聞くたびに
気にしてしまいそうである。「茶の湯」という噺のポイントを発見。
この噺で好きな場面があり、省略されてしまうこともあるけれど、
小僧の定吉が、自分がお茶を飲みたくないからと…
孫店に住んでいる豆腐屋、仕事師の頭、手習いの先生と
ご隠居からのお茶会の誘いの文を届けて回り、そこでひと騒動…
作法を知らずに恥をかくぐらいなら引越しだ!となる場面、
三軒が揃って、転宅をいいだすところが好きである。楽しかった!
ということで…次回の「棚卸し」は11月2日(土)。予約済だ。

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2013年10月 5日 (土)

ローター・ツァグロセク 2

DECCAの退廃音楽シリーズから
ツァグロセク指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団による
ハンス・アイスラーのドイツ交響曲(反ファシスト・カンタータ)
1995年5月にライプツィヒのゲヴァントハウスで収録。
ハンス・アイスラーは、ナチスによって、「退廃音楽」を理由に
活動を禁止された作曲家であり、その代表作がドイツ交響曲である。
この交響曲は、1935年から1957年にかけて作曲された…とあり、
ナチスによって上演を禁止された作品というわけではないようだ。
しかしその内容は、「反ナチス」という批判的なものであり、
1930年代後半の作品の一部上演に関して、ナチスによって
圧力がかかり、別の作品への差し替えが余儀なくされたようだ。
ユダヤ系作曲家のアイスラーは、1920年代の前半には、
シェーンベルクの弟子として…ベルクやウェーベルンとともに
新ウィーン楽派における活動を行っていた。しかしその後、
音楽と政治的な理由からシェーンベルクの元を去っている。
そして1930年代になり、ナチスにより活動が禁止され、
1938年にアメリカに亡命。さらには1947年、アメリカからも
共産主義支持者の疑いがかけられ、1948年、国外追放となっている。
その後は東ドイツに移住し、1962年にベルリンで亡くなっている。

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2013年10月 4日 (金)

マリア・ジョアン・ピレシュ

ピレシュの最新盤でシューベルトのピアノ・ソナタを聞いている。
第16番イ短調D.845と第21番変ロ長調D.960の2曲で
2011年7月にハンブルクのフリードリヒ・エーベルト・ハレで収録。
このCDは春に買ってきたのだが、やはりシューベルトなので
春や夏に聞くよりも秋がいい!って、ようやくそういう季節がやってきた。
スッキリと明瞭な世界に…実に丁寧で細やかに描き込んでいるところは、
まさにピレシュという感じで、知らずのうちに引き込まれ、聞き入ってしまう。
ひとつひとつの音は、しっかりと存在感のある響きで弾かれているのだが、
仕上がりの印象は透明で繊細…これは感動的なシューベルトだ。
弱音の輝きは格別で…そして何よりこの静寂の表現は圧倒的である。
よりシンプルな音楽へと向かっており、ピレシュの現在が聞けるのである。

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2013年10月 3日 (木)

圓生百席 「おかふい」「三年目」

今日は圓生百席からの二席を聞いている。
「おかふい」と「三年目」で…実はネタが付くのだが、
ここでの共通項をまとめてみると…例えば「三年目」では、
おかみさんが不治の病にかかり、しかし自分が死んだ後で
旦那のところに新しいおかみさんが来ると思うと
死ぬに死ねないという…つまりは「焼き餅」である。
「おかふい」は逆の設定で…旦那の方が病にかかるのだが、
器量のいいおかみさんであり、自分が死んだなら…
きっと別の男のところへ嫁ぐだろうと…それが気がかりで
死ぬことができないという。しかし「おかふい」という噺は、
夫婦と番頭さんが、鼻が落ちて、喋ると鼻から声が抜ける…
全くとんでもない噺で…現在、演じる人っているのだろうか?
珍しい噺であろう。その意味では、圓生師匠の録音は貴重。
知識としては重要だが、あまり聞きたくないという。不快。
「おかふい」のような噺は、怪談噺よりもよっぽど怖いのである。

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2013年10月 2日 (水)

柳家小ゑん 「鉄の男」

日曜日の「試作品」で買ってきた…
小ゑん師匠の新しいCDを聞いている。
2009年3月8日の黒門亭「鉄ちゃん大集合」で「鉄の男」、
そして2013年5月19日の長崎での「レプリカント」の二席。
お馴染みのラジオデイズの配信とは別録音である。
いつも持ち歩いて、何度聞いたかわからないぐらいだが、
「鉄の男」はやっぱり面白いし、とにかく最高だ!傑作。
そして「レプリカント」だけど、小ゑん師匠の噺で何が好き?
と聞かれたら…頭にすぐに浮かぶのは「レプリカント」かも。
実はそれぐらい好きなのだが、ここでのマクラに関して、
この二年ぐらいで二回ほど実演を聞いたと思うのだけど、
そこでのマクラと同じだ!会場も大爆笑になっているけれど
本当に面白い。レプリカントというのは、人造人間のこと。
噺を聞くとわかるけど…あの有名な人形が大活躍で
大学生の八木君と西村先輩のやり取りも絶妙だし、
この緻密な展開はたまらなく楽しいのである。傑作だ!

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2013年10月 1日 (火)

柳家小ゑん 「恨みの碓氷峠」

日曜日の「試作品」で買ってきた…
小ゑん師匠の新しいCDを聞いている。
黒門亭の録音で「恨みの碓氷峠」と「芝居のアラ」。
「恨みの碓氷峠」は2012年3月31日、
「芝居のアラ」は2013年4月14日の収録。
2012年3月の「恨みの碓氷峠」は、私もこのとき聞いた。
実際に聞いた高座に久しぶりに再会できるのはうれしくて!
「恨みの碓氷峠」は「鉄の男」以上にディープな気がして、
寄席の話題が入っているところは落語ファンも大喜び!
事件の謎解きで…トリックに寄席が使われる…そこがいい。
鉄チャンといえば、この人!景山さんも登場だ。強烈。
「芝居のアラ」は、この噺だったか!これは知っている。
小ゑんファンの間では、お馴染みのネタだろう!面白すぎ。

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