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2013年10月 6日 (日)

柳家小満ん「在庫棚卸し」

今日は小満ん師匠の「在庫棚卸し」第10回で
月例となった荒木町橘家での日曜日である。
さすがに10月に入って、涼しくなっていたのだが、
開場の時間には青空も出てきて、少し汗ばむ陽気。
11月になると年末、大晦日の噺が増えてくるけれど
まだその少し手前であって、どんな噺が聞けるのか?
それは楽しみだったのだが、今回もまた…棚卸しで
たいへんに珍しい噺が聞けて、毎度ながら貴重である。

柳家小満ん「在庫棚卸し」第10回
柳家小満ん:小猿七之助~品川宿の場
柳家小満ん:小猿七之助~牢払いの場
柳家小満ん:茶の湯

前回に続いて、導入は品川の話題であり、どんな噺があったか?
頭の中をフル回転させていたのだが、はじめて聞く噺であった。
「小猿七之助」という…芝居の方でも有名だそうだけど、
小満ん師匠の噺は、木村松太郎の浪曲から来ているそうで
落語の方で知られる談志師匠のものとは、別の場面だそうだ。
講談、浪曲のネタというと知らないので…全くの初耳の話題であり、
噺の存在すら知らなかったので…真剣に聞き入ってしまった。
しかしなかなか複雑な展開であり、どこまで記憶に残っているのか?
かなりあやふやなのだが、思い出せるところで書いておきたい。
七之助が博打の咎で、三年ほど大坂に逃げていたのだが、
ほとぼりも冷めたかと…江戸へ戻ってきて、品川宿に入り、
草鞋を草履と履き変えたところである。しかし雨に降られてしまい、
店の軒先で雨宿りをしているのだが、そこは化物伊勢屋という
女郎屋の店先であった。張見世の女郎に煙草を勧められ、
仕方なく上がるのだが、隣の部屋で侍ともめる按摩の女を助ける。
七之助の啖呵に侍は捨て台詞を吐いて逃げ出すのだが、
まだ若い按摩の女から身の上を聞き出すと…父は病気で床に伏し、
七之助という兄がいるのだが、行方知れずで、会うことができない。
その按摩の女は、七之助の妹でお幸であった。自分が兄だと…
名乗り出てやりたかったが、それができない追われる身であり、
七之助のことは友達でよく知っているから…きっと再会できるよう
説得をしてやるとお幸を勇気づけてやる。
小遣いをもたせ、見送ったが、そこで部屋に現れたのが、
三年前に江戸へ残してきた女房のお滝であった。
ここまでが一席目で、再会の「品川宿の場」である。
続いて二席目で…七之助は一刻も早く、罪を償って、
妹の元へ行ってやりたいと奉行所へ自ら名乗り出る。
伝馬町の牢に入るが、ある日、吉原で出た火事が飛び火して、
火が近くにまで及んだために三日間のお解き放ちとなる。
四日目には戻らないといけないのだが、再び品川へ行き、
妹の姿を一目見たいと長屋へ行くのだが、父の七蔵は死に
お幸はよい縁があって、養子にもらわれていった後だった。
お滝にも会っていこうと伊勢屋に向かい、格子の隙間から
ちらとお滝の姿を拝めたのだが、このままの罪人の格好では
店に上がれず、古着屋で着物と帯、三両の金を都合した。
しかしここで気持ちが揺らいではすべてが台無しなのであり、
気を取り直した七之助は、会わずに伝馬町の牢へと戻っていく。
火事のお解き放ちから決まり通りに四日目に戻ったことにより、
罪は軽減され、その期間も短縮されるはずであったが、
お裁きは延び、他の罪も背負い込むことになって、
三宅島への遠島となってしまう。そこで会ったのが、
女房のお滝を品川の女郎へと沈めた叔父であり、
頭にきた七之助は、叔父を棒で叩き殺してしまう。
ここまでが「三宅島の叔父殺し」で今回の内容であった。
思い出して、書き出してみると…少しずつ甦ってきたが、
こういう噺は何度もじっくり聞き込みたい気分である。
次に聞けたなら…もっと理解が深まりそうだ。
そしてこの三宅島での七之助のその後はいかに!
気になるけれど、小満ん師匠の噺はここで完結か?
仲入り後はお馴染みの「茶の湯」である。
小満ん師匠の「茶の湯」ははじめて聞くので、うれしい!
マクラでお茶の正式な作法やお茶会の話題にふれられて、
「茶の湯」の噺の中ではインチキ作法が横行するけれど、
やはりここはきちんと教えていただいて、正しい茶道のあり方を
イメージできればこそ…噺の面白さはより増すのである。
落語という芸は、師匠から教わった通りに演じるというのが基本だが、
茶道具ひとつにしても…正しい名称、形、大きさ、そして使い方、
それを実体験として心得ているのか?いないのか?というので
演じ方もずいぶんと変わってくる。噺の中では、全く別の…
頓珍漢な使い方をするという展開だけど、本当を知って演じているのと
特に気にせず…習った通りに演じている…のでは違いが出ると
師匠の所作を見ていて、今日はその辺りに気付かされたのであった。
実はここ…たいへん重要なのではないかと。今後、この噺を聞くたびに
気にしてしまいそうである。「茶の湯」という噺のポイントを発見。
この噺で好きな場面があり、省略されてしまうこともあるけれど、
小僧の定吉が、自分がお茶を飲みたくないからと…
孫店に住んでいる豆腐屋、仕事師の頭、手習いの先生と
ご隠居からのお茶会の誘いの文を届けて回り、そこでひと騒動…
作法を知らずに恥をかくぐらいなら引越しだ!となる場面、
三軒が揃って、転宅をいいだすところが好きである。楽しかった!
ということで…次回の「棚卸し」は11月2日(土)。予約済だ。

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