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2013年11月19日 (火)

落語につぶやき 220~陸奥間違い

小満ん師匠で聞いてきた「陸奥間違い」だが、
そうは聞けない噺だと思うので、あらすじを記録しておく。

幕府御家人の穴山小左衛門は、大晦日の掛取りに
支払う金を工面できず…失意のうちに戻ってくる。
留守の間にかつて隣家で兄弟の杯を交わし、その後、
三百石の旗本に出世した松納陸奥守が訪ねてきていた。
暮れの用向きで留守にしていると…奥方が伝えると
五十両、百両の金であれば、いつでも用立てるから
手紙を一本よこしてほしいというありがたいお言葉。
穴山小左衛門は、松納の世話になることにして、
奉公人の千助を使者として、手紙を届けさせる。
しかし千助は、地方から出てきて、まだ一か月の身で
江戸の道は無案内であり、日本橋から京橋へ…
暮れの賑わいで、行先もわからなくなってしまった。
仕方なく、海老床に飛び込み、手紙の宛名書きで
行先を教えてもらおうとするが、居合わせたご隠居は、
目上の者への敬意で欠字がされていると
「松 陸奥守」という宛名から「松納」ではなく、
「松平陸奥守」で芝内の伊達屋敷への道順を教えてしまう。
竹に雀の紋で立派な門構えのお屋敷に千助は驚くが、
自分の主人とは義兄弟の間柄であると遠慮なしに、
図々しく上がり込んだため、使者として丁重に迎え入れられる。
下級御家人からの手紙であり、伊達様は嫌がらせかと面白がり、
また自分を敬う欠字がしてあったことで機嫌をよくするのだが、
中身はなんと三十両の借金の申入れであったのだ。
数ある大名の中から…この伊達家を選んだことに
三十両などと少額ではない…三千両を用立ててやれと…
千助は山海の珍味でもてなされ、残ったものを折詰めにして、
土産を持って帰ってきた。重箱には竹に雀の紋があり、
穴山小左衛門は、千助が行った先は伊達様のお屋敷であったと
すぐに悟る。そうしているうちに伊達家の使者が馬で到着し、
三千両の件、伊達家が続く限り、必ず用立てると伝えられるが、
小左衛門は幕府御家人、外様大名からの恩は受けられぬと…
申し出を固く断り、武士として立派な心掛けではありながら…
使者もまた受け入れられぬ場合には、切腹して果てると…
思い悩んだ小左衛門は使者の馬を借り、急遽、江戸城へ。
城から下がるところであった久世大和守は小左衛門に腹を立て、
切腹して果てろと言い捨て、相手にしなかったが、
続いて下がってきた松平伊豆守は、小左衛門の相談を聞き、
御在所の将軍家にお伺いする間、腹は切ってはならぬと…
再び登城していく。知恵伊豆として名高い松平伊豆守は、
四代将軍家綱公に「この場は伊達家の申し出を受け入れて、
後に改めて礼をするのがよろしいのでは」と助言する。
すると将軍は「そうせえ」の一言であり、小左衛門は切腹を免れ、
また伊達家からの三千両も頂戴できる運びとなった。
新年を迎え、伊達家には、陸奥守が多数存在することから
このような間違えが起こるのであり…今後、陸奥守は
伊達家のみである…との御達し、つまりは二十万石の加増である。
また一方の松納も、厚い友情は誉であると新たに河内守に
大坂西奉行の役職へと取り立てられ、一千石の加増で千三百石。
間違えた張本人の千助は、穴山小左衛門と共に
伊達家の祝宴の席に招かれ、鼻紙代の三十両が褒美で下される…
三方めでたいの「陸奥間違い」の一席であった。

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