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2013年11月 9日 (土)

黒門亭で三之助・川柳・小里ん

今日は小里ん師匠を聞きに黒門亭へ。
「子別れ」をネタ出しで…それも(通し)とある。
となれば、これは(上)(中)(下)をいっぺんに
つまりは長講一席の貴重な機会ということだ。
前が三之助さんと川柳師匠で顔付けもいいし、
きっと混むだろうとかなり早く行ったのだが、
他のお客が集まらない。ずっとひとりで待っていた。
これはどういうこと?って、不思議に思っていたのだが、
開場から10分位でいっぱいになって、その後に「札止め」。
寒かったし、ギリギリに集中して集まったということか?
時間が読めなくって…苦労する。それもまた楽しみか。

第2部
柳家花どん:千早ふる
柳家三之助:浮世床
川柳川柳:圓生伝
柳家小里ん:子別れ(通し)

花どんさんの「千早ふる」ははじめて聞く。今日もバッチリだ。
きちんと中身も充実している印象で…なのに時間はしっかり15分。
噺の構成も…可笑しさ、楽しさ、賑やかさ、この安定感は心地いい。
続いて三之助さんで…現在はない商売で「猫の蚤取り」のマクラ。
よく聞くけれど…何の噺の導入だったか?いろいろ考えていたら
江戸時代の髪結床の話題になって、「無精床」かな?と思ったら、
暇な客の方で「浮世床」であった。「本」はなしで、半ちゃんの「夢」。
浅い出番なので、お馴染みのところを軽く…という感じではあったが、
三之助さんはどんな噺もじっくり描きこまれていて、引き込まれてしまう。
言葉もしっかり伝わってくるけれど、表情や所作や…見ても素晴らしい!
若手真打では一押しの噺家さんだが、今日は聞けてよかった。
続いて川柳師匠。黒門亭の距離で見ていると…あれ?お痩せになった?
ちょっと気になってしまったが、でも声は元気で…落語は少しも変わらない。
変わらないといっても…黒門亭の場合にはお馴染み「ガーコン」ではなく、
木久扇師匠が「彦六伝」という…八代目正蔵師匠の想い出話を語っているが、
それに似ている…今日は「圓生伝」である。でも彦六師匠とちょっと違うのは、
圓生師匠の場合、スケベな話題が盛りだくさん。芸と女のことについては日本一!
だそうで、圓生師匠の教えで…人情噺と破礼噺は若いうちはやっちゃいけないと…
若い者が人情噺をやっても説得力に欠ける。破礼噺は生々しくていけない。
その教えを守って、82歳の川柳師匠はますますお盛んである。中身はちょっと…
書いていいのか?とても書けない…笑。前半は「圓生師匠は巨人ファン」。
芸道一筋で…すべてを落語に捧げてきた圓生師匠は、野球なんて興味もないし、
ルールも知らないし…という感じであったそうだが、あるときご贔屓(お旦)に
球場に連れていってもらったところ、貴賓席に案内され、王・長嶋と記念撮影。
圓生師匠のお宅には、師匠である橘家圓蔵、父の五代目圓生と並んで
その記念写真が飾られていたそうな。それ以来、熱狂的な巨人ファン。
巨人VS阪急の日本シリーズなど、楽屋裏噺は面白すぎ。会場爆笑。
そしてここからはバレネタ。志ん生師匠は満州でのことを語らなかった…
というふうに聞いていたけれど、前座だった川柳師匠に喋ったそうである。
「お前の師匠はスケベだよ」…その内容は、私の口からはとても書けない。
続いての話題は有名だが、川柳師匠の東宝名人会「おま○こ事件」と
それから少ししての圓生師匠が、圓窓独演会のゲスト出演で
「タレの舐め方」を高座で説明するという…「タレ」とか書いているが、
それは何のこと?とか聞かないで…具体的にはとても書けない内容。
でもこの辺は、川柳師匠はいろいろなところで喋っているし、
「ガーコン落語一代」にも載っていた気がするが、ご存じの方も多いはず。
川柳師匠のことはこの辺にしておいて、仲入り後の「子別れ」に移ろう。
「子別れ」の通しであるから、(上)(中)(下)をどういう形にまとめていくのか?
時間に収めるには、どこを省略するのか?という…注目の一席だけれども
小里ん師匠はたっぷり一時間の長講で…それぞれを少しずつは削って、
20分ぐらいにまとめて、すると60分という感じであったのではないかと…
しかし場面を省略することはなかったので、「子別れ」を全部聞いた!という
聞き終えて、そういう感想に至るのである。噺はさすがに長いのだけど、
でも一時間という…時間的な長さは全く感じられなくて、あっという間であった。
(上)の「強飯の女郎買い」と(中)は女房と子供を追い出して…まさに「子別れ」、
有名な「子別れ(下)」で「子は鎹」よりも…絶対に前半(上・中)の方が面白い!
それはずっと思っていたし、正直なところ、今日も(下)は適当でいいや!的な…
しかしそれが、小里ん師匠の(下)は素晴らしかったのである。盛り上がったし。
亀ちゃんが五十銭の出所をいわないので…おかみさんが「玄能でぶつよ」と
激しく叱るところ…やはりここが一番の山場であったが、感動的だった。
(下)はやはり、亀ちゃんの活躍なので、子供の描写で、仕上がりも大きく
変わってくるのだろうけど、小里ん師匠の亀ちゃんが最高だったのだ。
翌日、亀ちゃんは熊五郎の誘いで、鰻をご馳走になると出掛けたが、
おかみさんも気になって付いて来てしまい、鰻屋の店の者に挨拶をする。
すると「二階の三人連れさんですね」と。三人?ここはちょっと珍しいか?
熊五郎がはじめから…夫婦の仲を取り持ってほしいと…仲直りのために
番頭さんを連れてきており、間に入って、上手に口をきいてくれるのである。
それで親子三人、再び一緒に暮らす運びとなるのだが、ここで熊五郎が
番頭さんに「河岸(店)を変えましょう」といい出して…番頭は慌てて、
「せめて固めの杯だけでも交わしたらどうか」と勧めるが、熊五郎は
「鰻屋だからまた割かれるといけない」…というオチであった。
これははじめて聞くサゲだ。つまり「鎹」は出てこなかったのである。
小里ん師匠は大好きだし、好みなので、感動することはわかっていたのだが、
しかしそれにしても…すっかりはまって、有名な「子別れ」ではあるのだけど、
ちょっと改めて、この噺をまたじっくり聞き直してみたい気分である。
たまにいい高座に出会えると…こういう気持ちになることがあって、
それだけの力を我々に与えてくれる「子別れ」であったと思うし、
今日は聞けてよかった。幸せな土曜日を過ごせたことに感謝である。

20131109

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