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2013年12月 2日 (月)

ケント・ナガノ 7~ベートーヴェン

ケント・ナガノ指揮モントリオール交響楽団による
ベートーヴェンの交響曲シリーズを収録順に聞いている。
いまのところ最新の録音となるが、交響曲第9番「合唱付き」。
2011年9月7,9,10日にメゾン・サンフォニーク・ド・モントリオールで
これは新しいホールでのこけら落とし公演のライブ録音である。
独唱は、エリン・ウォールのソプラノ、藤村実穂子のメゾ・ソプラノ、
サイモン・オニールのテノール、ミハイル・ペトレンコのバス、
それにモントリオール交響楽団合唱団が加わっている。
ケント・ナガノの第9は、以前にベルリン・ドイツ交響楽団との演奏が、
NHKホールから生中継されて、それがあまりにも感動的であり、
今回のモントリオールとの演奏も最高の期待で臨んだのだが、
どうもこの録音は、明瞭度に欠けるというか、輪郭があまいというか…
残念な仕上がりだ。ケント・ナガノの解釈は、以前にも増して素晴らしい。
ピリオド奏法の導入とか…今日の急速なテンポ設定、アクセントの処理、
それだけではない、ありとあらゆる工夫に満ちて、細かな表情付け、
刺激的な仕掛けがなされているのであり、それは大興奮の出来である。
しかしその効果が全く活かされない平坦な音響に…これでは失望。
実に惜しい。録音し直してもらえないだろうか。この演奏を鮮やかに
臨場感あふれる音で聞けたなら…心の底から感動が込み上げてくるだろう。
どうもこの録音…ホールの一番後ろで遠くからステージを眺めているような…
ケント・ナガノの指揮姿は、やはりどんな小さなことも見逃さずに…
近くで食い入るように見ていたいのである。そういう種類のベートーヴェン。
これ以上にない緊張感に満ちた演奏が、全く緊張が伝わらずに鳴っている。
重ね重ねも残念だ。こんなにも偉大な演奏が、不完全な形に残されるなんて。
モントリオールとのベートーヴェンは、今後の続編にも期待している。

SONY 88691919442

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