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2013年12月22日 (日)

黒門亭で菊志ん・一之輔・志ん橋

今年最後の黒門亭。大好きな志ん橋師匠を聞きに行く。
一之輔さんも出るので、これは混むだろうと…札止め必至!
早く行くことにして、年末なので、あちこち歩き回るのはよしにして、
12時過ぎには御徒町に到着。一年の締めくくりに湯島天神にお参り。
そして湯島の界隈を少しだけ散歩した後、そのまま黒門町へ。
かなり早く並んだのだが、すぐに行列で14時過ぎには札止め。
第1部も菊之丞さんで札止め。今日は大混雑の盛り上がり!

第2部
柳家フラワー:子ほめ
古今亭菊志ん:小言幸兵衛
春風亭一之輔:普段の袴
古今亭志ん橋:芝浜

今日の前座さんは、フラワーさんと小かじさんのふたりで
開口一番はフラワーさんの「子ほめ」。そして小かじさんが高座返し。
フラワーさんの江戸っ子は、勢いもあって、テンポもいいのだけど、
どうも…やはり現代的というか、現在というよりは、昭和の終わりの
下っ端のチンピラみたいな印象で、その辺はちょっと気になる。
これから二ツ目に上がっていく中で、どう落ち着いてくるのか?注目。
菊志んさんが「小言幸兵衛」だ。これは古今亭の型だったか?
大家さんが、朝から長屋をまわって、ネチネチと小言をいって回る。
この場面は、志ん朝師匠の「搗屋幸兵衛」で聞けたか?どうだったか?
「搗屋幸兵衛」は「小言幸兵衛」の前半部分を一席にしたときの演目。
その後の豆腐屋さんと搗米屋さんは省略で、本題の仕立屋さんへ。
どの場面で構成するか?という違いなのだけど、文楽師匠の型で
豆腐屋さんと仕立屋さんの二幕の展開に慣れているので…
今回はちょっと新鮮な印象であった。肝心の幸兵衛さんの小言だけど
しつこく責め立てる…その反復の喋りが独特の菊志んスタイルで
大いに笑いを誘って、面白かった。小言の早口もあるけれど、
テンポのいい噺でもあるので、会場の温度が一気に上がった感じ。
続いて、一之輔さん。この場所が上野で…御成街道の話題から
つまりは将軍家が上野の寛永寺に御成りという。地元ネタというか、
噺の舞台は、上野広小路の武具の店…これは「普段の袴」だ。
前半は御武家さまと店主のやり取りで、しっかりと渋い味わい。
一之輔さんの「普段の袴」はいいなあ…って、引き込まれたのだが、
オウム返しの江戸っ子が登場で…ここからは崩して…、崩して…、
御武家さまとのギャップ、極端なギャップ、これが狙いだったのか!
「普段の袴」って、こんな噺じゃないよ!とか思いつつ、かなり面白い。
でも噺の中で…口笛を吹いたり、明らかな現代語を入れるのは、
どうも抵抗を感じる。一之輔ファンはその辺がたまらないのだろうけれど。
今日のトリ、というか、今年の大トリは、志ん橋師匠の「芝浜」だ。
なんと55分という長講で…師匠の喉、大丈夫…って、ファンとしては
心配になってしまったが、噺の緊張感、集中力は途切れることなく、
力強さを感じる一席であった。前半に熊さんの魚屋としての腕のよさ、
しかし酒でしくじって、得意先を失っていく…仕事を休むようになった経緯、
そこをきちんと語っていく辺りは、志ん朝師匠の型を忠実に継承。
仕事に出た後の…海の夜明けの描写、浜で財布を拾う場面などは省略し、
息が切れて、戻ってきたところで…すべてを振り返るという展開、この辺も
志ん生師匠や志ん朝師匠の「芝浜」なのである。拾った金は五十両。
三木助師匠の「芝浜」が有名だが、海の夜明けもすべては回想で聞かせる…
こちらの志ん朝一門の「芝浜」も…やはり素晴らしいと感動的であった。
夜明けの美しさ…光の眩しさ、その色合いもしっかりと伝わってきたのである。
この情景が目の前に広がれば、まずは聞けてよかったと幸せな気持ちだ。
夢の件から酒を断って、商売に戻り、得意先を取り戻していく場面も特長。
三年経って後、店は構えていなくて、奉公人もいず、相変わらず夫婦ふたりで
ここも三木助師匠のとは違っているところだが、ふたりのやり取りを見て、
絆の深さが強調されている…という点では、これもたいへんよかったと
今年最後に本当にいい「芝浜」が聞けた。年末、大晦日の噺なのだけど、
そこにリアリティが生まれる…暮れも押し詰まった今日なのである。
実に満たされた気持ちで…最後に三本締めで今年の黒門亭は終了!
ありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。

20131222g

20131222h

いつも御徒町から山手線でそのまま品川まで行って、品川から京急で
横浜に出るのだが、京急品川駅のホームで「快特」三崎口行を待っていて、
正面の品川プリンスホテルでクリスマスツリーのイルミネーション。

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