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2014年1月23日 (木)

フィリップ・ジョルダン

フィリップ・ジョルダンとパリ・オペラ座管弦楽団による
ワーグナーの「ニーベルングの指環」からの管弦楽作品集。
「ラインの黄金」から前奏曲とワルハラ城への神々の入場を中心に
管弦楽が中心となって演奏される各場への場面転換の音楽、
「ワルキューレ」からワルキューレの騎行と魔の炎の音楽、
「ジークフリート」から森のささやき、後半は「神々の黄昏」で
ジークフリートのラインへの旅、ジークフリートの葬送行進曲、
ブリュンヒルデの自己犠牲、ブリュンヒルデはニーナ・シェテンメ。
2013年6月12,17,24日にパリ・オペラ・バスティーユで収録。
演奏は魅力的だと思うけど…やはりこの管弦楽だけの部分を集め、
歌のない名場面を繋ぎ合わせたこうした企画は実に物足りない。
特に「ラインの黄金」は厳しい。前奏曲からそのまま第1場の冒頭へ
ラインの河底で…乙女たちの歌は木管楽器が代役をしているが、
かなり無理がある。ニーベルング族の地中へと移動する場面転換、
地上へ戻ってくるところの場面転換など、中身のない状態で
ただ間奏部分を繋ぎ合わせているだけの展開も不自然である。
そして後半は、ワルハラ城への神々の入場から終曲となるのだが。
同様の方法で「ジークフリート」の森のささやきと第2幕の終結を
取って付けたような印象もかえって残念な仕上がり。逆効果。
その点では、「神々の黄昏」は変更も少なめで…無理のない展開、
ブリュンヒルデの自己犠牲からフィナーレは、いつもながら感動的だ。
フランスの歌劇場によるワーグナー演奏であり、響きも明るく、軽く、
美しい音色を凝縮させての華麗な仕上がり、これは素晴らしい。
もちろんドイツの歌劇場の重厚で渋い、深い響きが理想だが、
ここでの演奏は、新鮮な輝きに満ちて、私はたいへん気に入った。
フィリップ・ジョルダンもこれまでの伝統にとらわれることのない…
新しい発想で、自分の耳で自分の音を創り上げているのであり、
それは心地よく、楽しく、音楽の完成度は極めて高いのである。
2012年にはバイロイトにも登場したフィリップ・ジョルダンであり、
「指環」の全曲を聞いてみたくなってしまうけど、いずれきっと!

ERATO 50999 93414227

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