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2014年3月18日 (火)

第121回 柳家小満んの会

今日は夕方から横浜の小満んの会で、関内ホールへ。
関東でも春一番が吹き、午後はまた…真っ黒な雲で、
時折、雨も吹き付けて、13日と同じくどうも荒れ模様。
またも春の嵐。そんなこともあって、少々出るのが遅くなり、
開場時間には到着していたのだが、雨には降られず行けた。
小満ん師匠は、三月中席は新宿末廣亭に出演中で昼席のトリ。
今日も高座を務めて、それから横浜へ直行だったと思うのだが、
18時にはすでに会場入りされていて、受付でゆっくり…早い!
今月も棚卸しにはじまって、日本橋、横浜で三席ずつの九席。

古今亭半輔:鈴ヶ森
柳家小満ん:松竹梅
柳家小満ん:橋場の雪
柳家小満ん:胴乱幸助

今回のお噺は、「松竹梅」は梅が萎れて、お開きになる…桜も開く頃であり、
「橋場の雪」も雪の情景の夢から覚めて、すると春の日差しが差し込むような…
この季節の春を迎える噺だと思うのだが、すると「胴乱幸助」はどうなのだろう?
別のテーマがあるのかな?三席とも「よく聞かずに…早合点」という共通点もある。
「松竹梅」では、梅さんがよく聞かないで…きちんと稽古しないから、本番で大失敗。
「橋場の雪」も詳しく聞かないで…お嫁さんの話を鵜呑みにしたら、なんと夢だった。
「胴乱幸助」も幸助さんはとにかく勝手に早合点で、浄瑠璃の一幕を真に受けて、
何でも信じ込んでしまうのだから、その大騒ぎは迷惑なほどで…実に滑稽である。
と書いてみると…共通項が浮かび上がったが、これは私の思い込みであろう。
早合点をして、失敗するという噺は、まさに落語!という印象ではあるわけで、
この記述もまた早合点!ということになろう。すっかり忘れていただきたいのだが、
お馴染みの「松竹梅」から…スタンダードな構成だとは思うのだが、だからこそ…
小満ん師匠の小さな工夫があちこちにちりばめられていて、やはり味わいである。
梅さんが練習で、長者を大蛇といって、洒落だよ…本番はきちんとやる…って、
そういっておきながら、かなりの不安な様子であり、いよいよ御祝儀を付ける場面、
松竹梅の三人が自己紹介をして、「松太郎でございます」「竹三郎でございます」
梅さんの番になって…いきなり「長者!」と声を張り上げる場面は面白すぎだ。
なんでそこで「長者」が出て…本番で「風邪(ふうじゃ)」「忍者」「亡者」になってしまう!
特別な演出ということでもないけれど、やはり台詞作りや場面の展開、その描き方に
師匠ならではの工夫があふれており、それは普段から当たり前にもなっている…
小満ん師匠の落語なのであって、ごく一般的な噺が普通でそのままにならない。
何か輝いているという…楽しくって、素晴らしい。「松竹梅」もそんな仕上がりであった。
続く「橋場の雪」と後半の「胴乱幸助」は、去年の「棚卸し」でも聞いているのだが、
二度目というのは、理解も深まって、噺もよく入ってきてくれて、本当に面白かった。
師匠の「橋場の雪」は、去年の正月に聞いており、そのときも書いたと思うのだが、
現在よく聞ける「夢の酒」は、「橋場の雪」を改作して出来た噺であると…こちらが元?
でも雪の情景は風情があるし、渡し舟に揺られて…というのは実に絵になっている。
今日聞いた印象だと…「橋場の雪」の方が断然いいではないか!とも思ってしまい、
しかし夢の中の出来事なのに…定吉が若旦那と橋場の女の間を取り持ったって、
大旦那に叱られて、何度も叩かれて…という場面は、かわいそうに…あれは虐待だ。
昔の奉公人は苦労したのだなって、理不尽な仕打ちにも逆らえないし、反論もできない。
その点では、若旦那の夢は何とも罪である。そしてお嫁さんの大暴走もまた大罪だ。
仲入り後は「胴乱幸助」で、こちらは去年の11月の棚卸しにて、一度聞いている。
そのときも書いたと思うのだが、五代目の三遊亭圓生の速記が残っているそうで、
二代目桂小南が得意にしていたとある…師匠のは東京版の「胴乱の幸助」である。
東京駅から門司行の急行に乗らず…急行券をケチるところはしみったれの商売人、
神戸行の鈍行で京都へ向かって…34時間の道のりというところに時代を感じるが、
後半の舞台は京都の柳馬場押小路の帯屋さん…ここで実は、前回聞いたときには、
「お半長右衛門(お半長)」の「姑の嫁いびり」というのが、よくわかっていなかったので、
弱かった部分もあるのだが、今回は二度目という強みで、その辺も少しは理解が進み、
すると面白いのである。幸助さんの早呑込みと無鉄砲な行動はとにかく笑いを誘って、
喧嘩の仲裁にわざわざ京都まで行ってしまうそのバカバカしさ、いやご本人は真剣で、
東京から京都へ向かう…いまでは想像を超えたそのスケール感を考慮するならば、
ますます可笑しいのである。「胴乱幸助」も実にいい。すっかり気に入ってしまった。
ということで…次回は5月19日(月)第122回 横浜 柳家小満んの会
演目は「雛鍔」「髪結新三(上)」「髪結新三(下)」の三席。楽しみである!
二年前だったか?日本橋で「髪結新三」を聞いたが、再び。この機会にぜひ!

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