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2014年3月 9日 (日)

試作品で小ゑん・喜多八

四谷三丁目から丸ノ内線と銀座線で上野へ移動して、
夕方からは「試作品」だ。末広町でカレーを食べて、
急ぎ、落語協会へ…昼に夜に楽しい日曜日である。

柳家喜多八:三十石船~次郎長伝
柳家小ゑん:ほっとけない娘
柳家喜多八:ぞめき
柳家小ゑん:願い事や

今回は喜多八師匠から。楽屋裏噺が面白すぎる。
寄席で度々かけていたそうなのだが、これにてお蔵入りという
「三十石船」…これは浪曲の次郎長伝からの噺だそうな。
森の石松が次郎長の名代で金毘羅参りに出かけて、その帰り道、
三十石船で大坂から京都へ…淀川を上る船の上での情景である。
神田の出だという威勢のいい江戸っ子と森の石松が語り合い、
清水次郎長の子分で強いのは…というので、いつになっても
森の石松の名が出てこない。後になって、やっと思い出すのだが、
力は強くても、街道一の馬鹿野郎だと、実に賑やかである。
鈴本でトリを済ませてきた小ゑん師匠は「ほっとけない娘」だ。
聞くのは二度目。これも面白い!マニアックに仏像ネタが並び、
後半の鎌倉から江の島への道中付けは、思い浮かべながら聞くと
何ともうれしくなってしまう。でもそこで…大仏くんを連想したならば、
さらにさらに可笑しくて、小ゑん師匠のこの噺は、私は好きだ。
いつもながら新作なので、内容については書くのは控えて、
この辺にしておこう。とにかく小ゑん師匠のマニアックネタは最高。
新作台本コンクールの入賞作品だが、完全なる小ゑんワールド!
仲入り後は喜多八師匠で「ぞめき」。この噺は「二階ぞめき」の簡略版か?
道楽の若旦那が、勘当寸前で外出禁止になり、二階に閉じ込められ、
この辺は「干物箱」の設定にそっくりだが、二階に吉原は作られないけれど
ひとり妄想をして、夢中になっているところは「二階ぞめき」に似ている。
ぞめきとは、吉原を冷やかして歩くことで、行きたくて仕方がない若旦那…
二階の自分の部屋で…吉原の情景を一人芝居。大工を入れて、
何も寸分たがわぬ吉原を二階に作らなくても…若旦那は十分に
二階ぞめきを楽しめてしまうではないか!という。妄想は素晴らしい。
目の前に情景が広がって、そこにいるようであり、たくましい想像力。
そして小ゑん師匠の二席目は、これははじめての噺だ…「願い事や」。
プラネタリウムの天文ネタで、かなり昔に創った噺だそうである。
この試作品では、2005年に一度だけ演じたことがあるとのこと。
実によかったのだ。この噺はいい!私は好きだ。単身赴任のお父さん。
屋台のおでんでひとり寂しく飲んでいると…借金の言い訳屋じゃなくて、
細やかな願い事を叶えてくれる願い事屋さんがやってきた。
この人が誰なのか!?というのはネタバレ厳禁…書けないが、
そこからは天文ネタも盛り込まれて、面白いのである。笑もたくさん…
しかし心が暖まるような…優しい感じのする噺であり、これもまた
小ゑんワールドなのである。夢のある噺で、ぜひまた聞きたい。
CDに収録してほしい。度々聞きたいという…実に魅力的な噺である。
おでんといえば、小ゑん師匠の「ぐつぐつ」があまりにも有名だけど、
赤提灯の「おでん」は、何とも懐かしい感じ、その世界に引き込まれる。

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