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2014年5月 5日 (月)

試作品で小ゑん・喜多八

四谷三丁目から丸ノ内線と千代田線で湯島へ移動。
前は銀座線で末広町に出ていたのだが、今日は千代田線。
夕方からは「試作品」で、急ぎ、落語協会へ向かった。
さすがに連休で、かなりの早い時間から大行列である。

柳家小ゑん:千早ふる
柳家喜多八:松曳き~粗忽の主従
柳家小ゑん:幸せの薬
柳家喜多八:鰻の幇間

今回は小ゑん師匠から。五代目小さん師匠の十三回忌興行で
新宿末廣亭の五月中席は「小さんまつり」だが、その業務連絡と
毎度ながらの小さん一門の話題は楽しくて、やはり柳家は素晴らしい!
それにも絡んで、小さん師匠の得意ネタ、一席目は「千早ふる」である。
小ゑん師匠は、一般には新作のイメージなのだろうけど、私としては
師匠の古典って、大好きである。今日の「千早ふる」も実によかった。
隅々にまで小ゑん師匠ならではの独特の描き方がされているのだが、
しかしこれは、やはり「千早ふる」なのである。まさしく「千早ふる」なのだ。
聞く側にとっては、創りこまれている印象もあるけれど、少しも壊れない…
それが古典落語の強さなのだろうか。つまりはこれぐらい思いっきり、
ぶつかっていったときに…噺は一気に輝きだすという…面白かった。
正統派もいいけれど、小ゑん師匠の…こうした「千早ふる」に出会えると
やっぱり古典落語は素晴らしい!って、再認識してしまうのである。
続いて、喜多八師匠だが、「松曳き」の後半で、「粗忽の主従」である。
四年ぐらい前か…もうちょっと前か、喜多八師匠で聞いたことがある。
「松曳き」の植木屋さんの場面をなしにして、後半の粗忽の場面を
独立させた…三太夫さんと殿様とふたり揃って粗忽者という困った噺。
以前に聞いたときは、喜多八師匠は「粗忽の主従」という題名にされていた。
殿はかわいいものだけど、三太夫さんの粗忽っぷりが、かなり激しい。
この畳み掛けるような面白さは、強烈である。短いけれど、盛り上がった。
仲入り後、小ゑん師匠がはじめて聞く噺。最近、思いついて、できたとか。
後でわかったのだが、題名は「幸せの薬」という…すると至極まともだが、
その中身はというと…凄すぎる。新作なので、筋は書かないけれど、
下ネタや汚い噺は嫌いな小ゑん師匠が、今回ばかりは、心の底に潜む…
黒い小ゑんが目覚めてしまったそうな…ということで、下ネタという。
可憐なお嬢様をとことん辱め、突き落す…そこが何よりブラックだという。
寄席では無理だけど、師匠の会ではこれからも掛かると思うので、
ファンの方はぜひ期待!下ネタといっても…かわいらしい部分も。
「幸せの薬」を袖で聞いていたのか、喜多八師匠が、笑いが止まらず…
必死に邪念を追い払い、心を落ち着け、まともにまともに…「鰻の幇間」。
噺に入ると絶品である。喜多八師匠の一八(幇間)は、やはり素晴らしい。
「按摩の炬燵」を幇間に設定を変え、「幇間の炬燵」で演じていると…
聞いたことがあるのだが、他に幇間の噺はどんなのがあるのだろうか。
似ているところでは、「居残り佐平次」も同じ方向ではあると思うのだけど。
これから夏に向けて、そろそろ稽古しておこう…ということもあるのだが、
「鰻の幇間」って、私はやはり大好きな噺のようである。聞くとそう思う。
今回のオチは、汚い草履は新聞紙に包んで、お連れさんが持ち帰らず、
下足番がきちんと草履を並べていて、下駄だけ盗まれる…というもので
このオチは、文楽、志ん生、可楽と…古い録音で聞ける型である。
つまりは志ん朝一門の噺家さんによる「鰻の幇間」とは少し違って、
その辺りは…なるほど!という。ちょっと興味のあるところであった。

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